朝倉選手とは打撃技で似てるから分かる。持ち札は僕の方が多いし、モロいイメージがある
朝倉は右アッパー、右ストレートと右のパンチが強く。さらに左ボディ、左三日月蹴りと左ハイキックと蹴りも駆使する。そこに組みも混ざったとき、ステップインして打つ打撃はより効果的になる。
瀧澤がそのテイクダウンを切り、フェイントも見切ることが出来れば、「倒されずに、立って戦う」朝倉海と似たスタイルでの勝負になる。
「朝倉選手とは技が似てる部分はあるので、相手のしてくる打撃、倒すメカニズムを僕が把握している。この角度でこの技が出てくるだろうな、この角度でこれが危ないな、というのはだいたい分かっているので、大きなミスをしなければ貰うことはない。そのときの数は僕の方が多い。新技は3つ、4つくらいある。相手が予想だにしない攻撃もしたいなと思います」と、空手の蹴りも含め、距離感の違いがあり、スタンドのバリエーションでは自身の方が持ち札が多いとした。
ハンドスピードがあり、何よりパワフルな朝倉海の打撃だが、打たれ弱さを感じるという。
「モロいイメージはあります。堀口恭司選手との試合に限らず、全体的に試合を見て、モロい印象があります」と、これまでスタンドでのKO負けが無い瀧澤は、動きが見えている分、自分には当たらず効かないが、自身の攻撃には反応が遅れるだろうとした。
優勝するためには、1日2試合を勝ち抜く必要があるが、「あまり次のことは考えないようにして、最初の1戦に向けて全力を尽くす。その1戦でボロボロになろうと、2戦目は特攻で行こうかな」と、初戦を勝ち抜けば、その勢いのまま決勝は戦えるという。
ワンデートーナメントは空手時代に経験済みで、「空手のトーナメントでもそんな大した怪我はしたことはないですが、集中力が切れることはないのかなと」と自信をのぞかせた。
決勝戦で反対ブロックから勝ち上がるのは、「どちらでもいい。どっちも上がってくる可能性はあって、五分五分だと思う。井上(直樹)選手が上がってくる可能性も、扇久保(博正)選手が上がってくる可能性もあると思います。全然どっちでもいい」と意に介さない。
「扇久保選手とやる場合はリベンジになるし、井上直樹選手は優勝候補を食うことになるし、朝倉海選手はもちろん美味しい相手なので、今回のGP、僕にとっては誰とやっても美味しいです」
ダークホースであることが、優勝へのモチベーションにもなっている。
「このトーナメント出たからには1番を目指すのは当たり前。それと同時に、僕がエントリーした時から優勝候補と言われているわけではないので、(優勝すると)思ってない人たちを驚かせるような試合をしたい。『勝って当たり前』と言われるより『負けるだろう』と言われている方が、勝った時の感動が大きいので、楽しみです。(頂点に立つことを夢として)そこまで意識はしていない。ほんとうにちゃんと準備をして、作戦を遂行して普通に勝って、リングから降りるだけですね」と、周囲にとってはアップセットを、瀧澤謙太は、当たり前のように成し遂げるつもりだ。