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【K-1】和島大海がファイナルマッチの木村“フィリップ”ミノルを残り10秒でKOして新王者に、軍司泰斗が第5代王座に就く、安保瑠輝也が初回114秒のKO圧勝、石井慧が2連勝

2021/12/04 15:12
K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~スーパー・ウェルター級&フェザー級ダブルタイトルマッチ~2021年12月4日(土)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館第1競技場) ▼第17試合 木村"フィリップ"ミノル K-1 FINAL K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級タイトルマッチ 3分3R延長1R×木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/PURGE TOKYO/王者)KO 3R 2分50秒 ※左ミドルキック○和島大海(月心会チーム侍/挑戦者)※和島が第4代王座に就く。木村は初防衛に失敗。  木村は長くK-1の主要選手として活躍し、2018年8月にはKrushウェルター級王座に君臨。2019年にはK-1の全大会に出場し、全試合KO勝利。2020年3月には「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」を3試合連続KOで制し、悲願のK-1王座に就いた。12月の両国大会ではアビラル・ヒマラヤン・チーターに初回まさかのダウンを喫するも、2Rで逆転TKO勝ち。今年は3月の日本武道館大会を右手中指の伸筋腱脱臼のため欠場していた。戦績は36勝(29KO)9敗1分で、現在10連続KO中。  和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りで2020年3月の第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントではアワターン、城戸康裕を破って決勝へ進出するも、木村“フィリップ”ミノルに敗れて準優勝。9月のK-1ではラーシーシンをローキックでKO撃破、12月は藤岡裕平を左ハイキックで初回KO、そして今年7月には木村からダウンを奪って苦しめたアビラル・ヒマラヤン・チーターを3Rにローキックで仕留めて3連続KO勝ちを飾った。戦績は15勝(13KO)4敗。  約1年ぶりの試合で、木村はこの一戦をK-1ファイナルマッチにすることを発表している。  1R、和島の左ミドルからスタート。さらに左三日月を連打。木村は前後にステップを踏みながら左ボディ、左右フック。右フックを思い切り振って来る木村。和島は木村がパンチで前へ出てくるとブロックし、左三日月を蹴り続ける。和島の左ローに右フックを合わせる木村。和島は木村の左フックをしっかりとブロックしている。  2Rも和島は左の三日月蹴り気味の前蹴り、左ミドル。木村は前へ出て左ボディ、右フック。すると和島は左インローを蹴る。そのインローにフックを合わせに行く木村。和島も左ストレートを打ち込む。左ローに右を合わせられた和島だが、すぎに飛びヒザへ。和島の蹴りへ右を合わせに行く木村、和島は左のヒザを突き刺す。ここで前へ出る和島だが木村が思い切り左右フックを繰り出す。両者かなり疲れている様子がうかがえる。  3R、ワンツーを顔面とボディへ繰り出す木村に和島も前へ出て右フックを放つ。和島が右フックからヒザ蹴り、木村はクリンチで逃れる。和島が前蹴りを入れると木村が右フック。木村の右がクリーンヒットするが、和島は下がらず前へ出る。組み付く木村へ和島はヒザ蹴り。ホールディングで木村にはイエローカードが提示される。和島がボディ、顔面へのヒザで攻め、木村はロープを背負う。そこへ和島が左ミドル、木村は蹴り足にしがみついたがそのままダウン。  カウントが数えられたが、木村はしゃがみ込む。この瞬間、和島のKO勝ちが決まった。試合残り時間は10秒だった。 ベルトを巻いた和島は満面の笑顔を浮かべ、「木村選手は本当に偉大なチャンピオンで、試合が出来てベルトも巻けて本当に良かったです。70kgの歴代王者は凄く強豪ですが、その3人に負けないようにしっかり僕も歴史を作って行くので中村さん(K-1プロデューサー)、本当に強豪選手を呼んでください。僕も絶対に偉大な王者になってみせます。応援ありがとうございました。最後に、月心会あまり今日戦績がよくなかったんですが、月心会というチームで獲れたベルトだと思っています。一言だけ言わせてください、月心会サイコー!」と、控えめにアピールした。 [nextpage] ▼第16試合 K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R×椿原龍矢(月心会チーム侍/王者)延長R 判定1-2 ※10-9、9-10、9-10○軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/挑戦者)※軍司が第5代王座に就く。椿原は初防衛に失敗。本戦の判定は30-29、29-30、30-30。  椿原はK-1甲子園2017 -55kg王者。2020年7月にフェザー級に階級を上げ、その一戦目ではかつて江川優生に勝利した桝本翔也を左ハイキック一発でKO。同年9月、K-1で江川から番狂わせの勝利を奪い、2021年3月のタイトルマッチでの再戦でも返り討ちにして第4代K-1 WORLD GPフェザー級王者となった。5月の王者としての第一戦はノンタイトル戦で玖村修平に判定3-0で勝利。戦績は13勝(3KO)3敗1分。  軍司はK-1アマチュア優勝を経て2015年2月にプロデビュー。2016年にK-1甲子園優勝を果たし、2017年9月にはKrushバンタム級王座を獲得(第2代)。2020年9月にKrushスーパー・バンタム級王者の玖村将史に挑戦したが判定負け。12月からフェザー級に階級を上げると亀本勇翔にKO勝ち、今年3月には森坂陸に判定勝ち、9月に現Krush王者・新美貴士から判定勝ちと3連勝。戦績は15勝(4KO)5敗1分。  両者はK-1甲子園で1勝1敗、プロになってからも1勝1敗と完全にイーブンの戦績で、今回がタイトルマッチという最高の形での決着戦となるライバル同士。  1R、両者軽快なステップを踏み、前に出る軍司に椿原は右カーフを蹴る。両者とも左三日月を蹴り、椿原は右カーフを狙い撃ち。これが気になるか、軍司は椿原のパンチも被弾。軍司も右を打つが、椿原が右を連打する。  2Rが始まる前、軍司のセコンドはコーナーで左ふくらはぎにテーピングをしようとするがこれは禁止で制止される。試合が始まると軍司は前に出て、椿原は右カーフ、左ボディ。ステップを使って回り込み、軍司を動かす。椿原が右フック、軍司も右ボディストレートを強打。前に出る軍司がアグレッシブに動き出し、左ボディを打つと椿原は右ストレートを合わせる。椿原が右カーフを蹴ろうとすると、軍司は前足を引いてディフェンス。すぐに軍司が前へ出て左ボディを繰り出す。ラウンド終了直前、椿原が左右ストレートを連打して印象付ける。  3R、椿原は左三日月、軍司は前へ出て左右フックを繰り出すが、両者とも空振りが目立つ。軍司は左ボディストレート、そして左右フック。残り30秒を過ぎたところで軍司が前へ出るが、椿原も打ち返す。一進一退の攻防は三者三様のドロー。  延長R、軍司が右ボディストレートを一発入れ、椿原は左アッパーを突き上げる。軍司も左ボディフック。前に出る軍司が左右ボディ、椿原も打ち返すが軍司の左フックに下がる。椿原はハイキック、バックハンドブローを繰り出すが空を切る。攻めの姿勢を見せる軍司。  判定は2-1と割れ、軍司が勝利。最後まで前へ出て攻めの姿勢を見せた軍司が宿命のライバルを破って第5代王座に就いた。  マイクを持った軍司は「今日本当はKOで勝って言いたいこともあったんですけれど、また延長判定で勝っったのでもしかしたら6回目あるかもしれないけれど、その時はもっと強くなるので。このフェザー級戦線、強い選手も他団体から来て階級を上げる選手もいてアツい階級になるのは分かっているので、僕はK-1王者なのでしっかり強い選手とやってこのフェザー級のベルトの価値を上げてK-1を引っ張って行きたいと思っているのでこれからも応援よろしくお願いします」と、王者としての目標を語った。 [nextpage] ▼第15試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R○林 健太(FLYSKY GYM)判定3-0 ※29-28×2、30-28×不可思(クロスポイント吉祥寺)  林はK-1参戦経験のある空手家の父を持ち、2013年にKrushでプロデビュー。強打を武器に2018年12月のK-1ライト級世界最強決定トーナメントで優勝すると、2019年3月にK-1 WORLD GPライト級王者・卜部功也に挑戦。下馬評を覆す勝利で第3代K-1ライト級王座に就いた。その後は順調に白星を重ねて6連勝を飾ったが、2020年3月に朝久泰央に不覚を取り、12月にはゴンナパーに敗れライト級王座を失った。5月大会よりスーパー・ライト級に階級を上げ、ヴィトー・トファネリに2度のダウンを奪われながらも3度倒し返して逆転KO勝ち。9月には元同門のKrushスーパー・ライト級王者の佐々木大蔵に判定で敗れた。戦績は19勝(14KO)8敗2分。  不可思は様々な団体で試合を行い、合計5本のベルトを獲得。2019年6月にK-1へ初参戦、佐々木大蔵に流血TKO負けを喫して初陣を勝利で飾れなかったものの、10月の『Krush』では喧嘩屋・堀井翼にTKO勝ちして再起。2019年12月には大和哲也にKO勝ちし、2020年3月にK-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の安保瑠輝也に挑戦したが判定で敗れ王座奪取ならず。9月には平山迅に3度もダウンを奪われる惨敗を喫し、12月は鈴木勇人と倒し倒されの激戦を演じてKO勝ちしたが、今年3月には山崎秀晃に1R1分10秒、KO負けを喫した。7月に田村陽典を初回KOして再起を果たしている。戦績は41勝(18KO)16敗2分。  1R、両者とも右ストレートを伸ばし、フックを振り抜く。ジャブを突く林に不可思は右ロー、前へ出ていくのは不可思で両者のパンチが度々交錯する。ワンツーで切り込んでいく不可思に、林は不可思の右ローに右ストレートを合わせる。序盤から両者ともかなりの手数。  2Rが始まってすぐ、右ローをを蹴り合うが林の右カーフに不可思が足を上げる。蹴られないように前へ出る不可思がワンツー、左ミドル。林は右カーフを蹴り、不可思は右ローを蹴って右ストレートを打つ。不可思の右ストレート、右フックで林のアゴが上がる。ワンツーの連打で前に出る不可思だが、距離が空くと林が右カーフを蹴る。林もジャブを的確に当てて右ストレートにつなぐ。林の右ストレートで不可思がバランスを崩し、ロープを背負うと林がパンチをまとめる。  3R、不可思がワンツーから左フック、そして右ロー連打。林はジャブを突き、不可思の前足を払うような動きから右カーフ。不可思がバランスを崩すとパンチをまとめる林。ムエタイ式の前足払いで崩す林が右ストレート、右アッパー連打。不可思は一歩も退かず前へ出て右ストレート、右ロー。林の右ストレートで不可思が大きくグラつき、林がパンチをまとめて右アッパー、右ストレートでダウンを奪う。  それでも打ち返そうとする不可思へ林が右ストレート、右アッパー、右フック、不可思も打ち返す。右フック、右ストレートで下がる不可思だがクリンチして倒れない。林はさらに右ストレート、左ボディ、右アッパーとパンチをまとめるが、不可思は仁王立ちで打ち返す。最後まで倒しに行った林だが、不可思も意地で倒れず、熱闘の勝敗は判定に持ち込まれ林が3-0で勝利した。両者は笑顔で抱き合い、健闘を称え合った。 [nextpage] ▼第14試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R○ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)判定2-0 ※30-29、30-30、30-29×西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO)  ゴンナパーはタイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代Krushライト級王座に就き、同年9月に大沢文也、2020年1月に横山巧、6月には篠原悠人の挑戦を退け3度の防衛に成功した。そして12月のK-1で林健太を破り、第4代K-1 WORLD GPライト級王座に君臨。今年3月大会では南雲大輝に2RでKO勝ちしたが、7月の初防衛戦で朝久泰央に判定2-1で敗れ王座を失った。戦績は109勝(23KO)30敗3分。  西京はK-1甲子園2016 -60kgで優勝し、2017年4月にプロデビュー。4戦目でレオナ・ペタスに判定で敗れたが、2019年3月にわずか7戦目にして島野浩太朗を破り、18歳で第8代Krushスーパー・フェザー級王座に就いた。しかし、同年9月の初防衛戦で再びレオナに敗れて王座を失い、2020年9月の再起戦でも横山朋哉に敗れて連敗。ライト級に階級を上げると今年3月のK-1で篠原悠人から判定2-1で勝利をもぎ取り、7月には竜樹を破って連勝。戦績は8勝(2KO)3敗。  1R、じりじりと前へ出ていくサウスポーのゴンナパーは左ミドル、右フック。西京はワンツー、左フック。ゴンナパーはステップも交えて前へ出ていく。それをヒザで迎え撃つ西京。  2R、左ミドルを蹴りながら前へ出ていくゴンナパーに西京は右のカウンターを狙い、ミドルには右ローを返す。西京は左へ回り込んでいくが、ゴンナパーはついていき左ミドルを蹴る。ゴンナパーの左右フックに西京は左フックを返す。圧力をかけて西京を追い詰めていくゴンナパーに西京もブロックを固めて左フック、左ボディを返す。  3Rも圧を掛けるのはゴンナパー。西京は左右フック&左ボディとコンビネーションを回転させ、左ミドルに右ストレートを合わせる。それでも前に出るゴンナパーが左ストレート。西京は右ストレートから右カーフ。前に出てくるゴンナパーに西京の右ストレート、左フックがクリーンヒットするが、それでもゴンナパーは前に出て右フックを振るう。  最終Rはクリーンヒットも目立った西京だったが、判定は2-0でゴンナパーが勝利。前に出続けてのアグレッシブで勝利をつかんだ。 [nextpage] ▼第13試合 スーパーファイト K-1ウェルター級 3分3R延長1R○安保瑠輝也(CLUB es/team ALL-WIN)KO 1R 1分54秒 ※3ノックダウン×海斗(ポゴナ・クラブジム)  安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはゲーオとの再戦で延長戦の末に判定勝ちして防衛に成功。2020年3月にはわずか3カ月のスパンで2度目の防衛戦に臨み、不可思を判定に下している。しかし、9月の3度目の防衛戦で山崎秀晃に初回KOで敗れて王座を失った。今年7月大会からウェルター級に階級を上げ、幸輝を1Rわずか53秒でKOすると、9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」1回戦でアラン・ソアレス、準決勝で松岡力をKOして決勝へ進出したが、野杁正明にKOで敗れた。戦績は22勝(12KO)5敗。  海斗は『THE OUTSIDER』を経て2017年10月にKrushデビュー。強靭なフィジカルの強さを活かした攻撃力を誇り、戦績は8勝(6KO)5敗。2020年3月の「第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメント」に出場したが木村“フィリップ”ミノルの剛腕の前にマットに沈み、同年8月の「第7代Krushウェルター級王座決定トーナメント」では近藤魁成にKO負け。今年3月には寧仁太・アリにKO負けと泥沼の3連敗。今回の安保戦に再起を懸ける。  1R、サウスポーの海斗に安保は右ミドル、右ロー。右ストレートで前へ出て左フックから右ストレートを打ち抜きさっそくダウンを奪う。左ローを蹴る海斗にまたも安保は右ストレートをヒット。前に出る海斗に左フック、右ストレート、左ボディから右ストレート、そしてフックを打ち下ろして2度目のダウンを追加。最後はバックハンドブローから右ストレートを打ち抜き、KOチャンスを逃さずKO勝ちした。  マイクを持った安保は「9月のトーナメントで屈辱の敗戦から2カ月で復帰して、1RでKO出来てホッとしています。日本人のウェルター級でやる相手がいないと思いますが、自分の上に野杁チャンピオンがいて。人に上に立たれれるのは凄く嫌なので、1年以内に野杁選手を倒します」と、リングサイドで観戦していた野杁へ宣戦布告した。 [nextpage] ▼第12試合 スーパーファイト K-1スーパー・ヘビー級 3分3R延長1R○石井 慧(クロアチア/チーム・クロコップ)判定3-0 ※30-29×2、30-28×RUI(K-1ジム福岡チームbeginning)  石井は北京オリンピック柔道男子100kg超級金メダリストで、MMA戦績25勝13敗1分。第5代HEAT総合ルールヘビー級王者。9月のK-1に電撃参戦すると、初のK-1ルールで愛鷹亮と延長戦にもつれ込む接戦の末に判定勝ち。勝利を飾った後のマイクで「12月5日、大阪大会、地元大阪で是非試合をやりたいです。相手は誰でも大丈夫です」と、連続参戦をアピールしていた。  RUIは193cmの長身を誇るサウスポーで2017年からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2019年の初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントでは1回戦で愛鷹亮を3R2分31秒、顔面ヒザ蹴りでKO粉砕。5月の準決勝では植村真弥を判定3-0で破り、決勝へ勝ち上がったが元同門のK-JeeにKOで敗れた。その後、2020年1月に中平卓見をKOしたが、11月K-1福岡大会でANIMAL☆KOJIにKO負け。K-1ジム福岡に移籍して臨んだ今年3月の試合では谷川に敗れ、7月の「第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント」では1回戦でサッタリにKO負けと連敗中。戦績は13勝(5KO)11敗1分。  1R、RUIは右手を伸ばしてけん制、サウスポーの石井は左ローを蹴って左フックにつなげる。けん制するRUIだが石井が突っ込んでくるとその圧力に下がってロープとコーナーを背負う。RUIは前蹴り、左ミドル、石井は左ローを蹴る。ロープを背負ったRUIに石井が左フックをクリーンヒット。RUIはテンカオを突き刺して前蹴りで突き放す。  2R、RUIの顔面前蹴りに一瞬下がる石井。再び前へ出てきた石井には左ストレートからの左テンカオ。これが突き刺さって石井が大きく下がる。RUIは左三日月、さらに左テンカオを突き刺すと石井の身体が曲がる。そこへ左ボディ。石井の口が大きく開く。しかし、石井の左フックでRUIが下がる。石井の左ローにRUIは左ヒザ。再び石井が前に出る。RUIは左三日月と左ヒザ、石井は距離を詰めて左フック。両者に危ない場面があったラウンドとなった。  3R、石井は左ローから左右フックで距離を詰めてRUIに蹴らせないようにする。偶発的なバッティングでRUIにインターバルが与えられ、再開後は前に出てくる石井に左テンカオ。それでも前に出てくる石井が距離を詰めての左右フック、左アッパー、左ロー。RUIも左テンカオを突き刺す。石井の左右フックとRUIの左ヒザの勝負となり、石井はヒザをもらっても前へ出る。さらに左ローでRUIの足が流れる場面も。RUIは左ハイを狙うが、石井の左フック3連打、左ローでロープを背負う。疲労困憊のRUIに対し、石井は最後まで前に出て攻め続ける勝利への執念を見せた。  判定は3-0で石井の勝利。苦しい展開ながらも勝負強さを見せつけた。  石井はマイクを持つと「また判定でした、すいません。でも次、中村プロデューサー次は誰ですか? すぐ決めてください。僕には時間がありません。ロード・トゥ・京太郎選手。次すぐお願いします」と、すぐに次の試合を組んで欲しいとアピールした。 [nextpage] ▼第11試合 スーパーファイト -61.5kg契約 3分3R延長1R○レオナ・ペタス(THE SPIRIT ZERO/LARA TOKYO)判定3-0 ※30-26×3×マキ・チャーチャイ(タイ/真樹ジム)  レオナは“石の拳”と称される強打を武器に、大雅、山本真弘、朝久泰央、小宮山工介らを撃破。2019年9月には西京佑馬を下して第9代Krushスーパー・フェザー級王座に就き、12月には山本直樹をKOして初防衛に成功。 さらに2020年3月、村越優汰をも3Rにマットに沈めてKO勝ち。7月には武尊の盟友である大岩龍矢を判定に下して2度目の防衛に成功したが、武尊に敗れた後タイトルは返上。9カ月ぶりの再起戦に臨む。戦績は28勝(12KO)6敗1分。  チャーチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級3位で、戦績は138勝(32KO)42敗15分(日本での戦績は4勝1分)のサウスポー。2020年12月の『ホーストカップ』で大石駿介と引き分け、7月の再戦では3R43秒、ヒジ打ちによるTKOで大石を破り、ISKAムエタイ世界スーパーライト級王座を奪取した。10月10日の『スックワンキントーン』では鈴木真治に判定2-1で勝利し、WMOインターナショナル・スーパーライト級王座も獲得している。  1R、レオナは独特の左手を下げた構えからジャブ、右ストレート、左フック。チャーチャイもパンチを返すが空を切る。ならばと左ミドル、左ローを蹴る。レオナは右ストレートを伸ばし、飛びヒザ蹴りからの連打。チャーチャイは声を出し、左ミドルが当たるたびに気合いの入った顔を作る。しかし、チャーチャイの右ストレートにレオナがワンツーを返し、その右ストレートがヒットしてダウン。立ち上がるとレオナは左ボディ、チャーチャイは組み付く。  2R、ジャブを突きまくるレオナは、前に出てパンチを振り回すチャーチャイのパンチをステップでかわす。レオナは左ボディも。前へ出るチャーチャイは左ヒザ、右フックのクリーンヒット、さらにラッシュでダウン寸前まで追い込む。レオナの右フックがめり込むとチャーチャイはガードを固めながらも前へ出る。レオナの攻撃を被弾しても、チャーチャイはパンチを振るって前へ出る。  3Rが始まってすぐ、レオナが左右連打でラッシュを仕掛け飛びヒザ蹴り。チャーチャイの顔面はかなり腫れあがっている。またもステップで回り込みながらアッパーを突き上げていくレオナ。さらにジャブ。右ミドルを蹴るチャーチャイにレオナは左右ボディ、どれだけもらっても前へ出るチャーチャイへレオナは右ハイ。レオナのカウンターのヒザ、ジャブ、右ハイにも下がらないチャーチャイ。最後まで諦めず前へ出続けたチャーチャイの気持ちの強さが光ったが、レオナが大差の判定勝利を収めた。 [nextpage] ▼第10試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R○大和哲也(大和ジム/元WBCムエタイ世界スーパー・ライト級王者)KO 3R 0分28秒 ※左フック×大野祐志郎(ALL-WIN team 華王州)  大和は2005年7月プロデビューの33歳。キックボクシングでNJKFライト級王座、WMCインターコンチネンタル同級王座、WBCムエタイ日本同級王座、WBCムエタイ日本スーパーライト級王座、WBCムエタイ・インターナショナル同級王座を次々と獲得。2014年11月にはサゲッダーオをTKOに破り、同日にタイトルマッチを行った梅野源治と共に日本人初のWBCムエタイ世界王者(スーパーライト級)となった。  2010年にK-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメントで全試合KO優勝を果たし、その後はムエタイルールでの試合に専念していたが、2016年末から新生K-1に参戦。2018年11月の第3代スーパー・ライト級王座決定トーナメント1回戦でゲーオにKO負けを喫し、2019年8月には近藤拳成に勝利して再起を果たしたが、12月に不可思にKO負け。2020年12月に約1年ぶりの再起戦で佐々木大蔵と対戦したが判定負け。今年7月には約5年ぶりにヒジありルールで試合を行ったが、1Rにヒジで鼻を折られてTKO負けを喫した。戦績は41勝(30KO)20敗1分。  大野は安保瑠輝也が自身のYouTubeで公開した『街の喧嘩自慢にプロ格闘家がスパーリングを申し込んだらやるのかやらないのか』の企画動画の中に出てきた、「裸足のゆうじろう」のリングネームを持つプロ格闘家。19勝(8KO)10敗と29戦のキャリアを引っ提げて今年2月のKrushに初参戦すると、いきなりタイトルマッチ経験のある近藤拳成を1R1分42秒、KOに破った。8月には斉藤雄太もKOし、「12月のエディオンアリーナ大阪出場を目指しています。大和哲也選手が照準を合わせている情報を得ています。12月4日に 僕とやりませんか」とアピールしていた。  1R、右ミドルで試合を作って行く大和がラウンド終了間際、右の前蹴りをフェイントに右フックを打とうとした大野に、カウンターの左フックでダウンを奪う。  2R、前に出ていく大和がワンツー、右ロー。大野は右フックからヒザ蹴り。蹴って来る大野に大和は左フック、左ボディを打つ。大野は顔面前蹴りで大和をのけ反らす。大和は左ボディを命中させ、前蹴りでもレバーを狙う。左ボディをもらって後退する大野。飛びヒザ蹴りに行こうとした大野に大和がカウンターの左フックでダウンを奪う。さらに強打で畳みかけての左フックでダウンを追加。  3R、打ち合いに来た大野が前蹴りを出したところで大和の右ストレートでダウン。打ち合いとなり、大和の左フックで大野がダウンしたところでレフェリーストップ。大和が2019年8月以来の勝利、そして2018年8月以来のKO勝ちを飾った。  コーナーに登って勝利をアピールした大和は「大和哲也が帰ってきました。3連敗して今回無事にKOすることができて、野祐志郎選手には大和哲也を蘇らせてくれてありがとうを言いたいです。K-1で足踏みしまして挫折ばかりして離婚も経験して(笑)、人生何があるか分かりません。でも腹を括って行動すれば絶対に結果が出る。あと6日で34歳になります。34歳まだまだこれから夢を見せるのでよろしくお願いします」と、笑顔でアピールした。 [nextpage] ▼第9試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R×才賀紀左衛門(PURGE TOKYO)KO 1R 1分07秒 ※右ストレート○玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス)  才賀は空手をバックボーンに持ち、2007年大晦日のK-1甲子園でデビュー。K-1、Krush、シュートボクシング、REBELSなど様々なリングを渡り歩き、2014年10月からはMMAにも参戦。2017年12月29日には朝倉海とも対戦している。2020年12月、K-1復帰を果たして卜部弘嵩と対戦したが、ローブローを受けて試合続行不可能となり、2Rでの反則勝ちとなった。戦績は21勝(4KO)8敗2分。  玖村は空手を学び、キックボクシング転向後は2017年6月にNJKFバンタム級王座を獲得。2018年6月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2019年6月には「K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」に出場。同年10月の試合を最後に網膜剥離(全治3カ月)で戦線離脱していたが、階級を上げて復帰。2020年11月の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」では準決勝で新美貴士に敗れて涙をのんだ。その後は2021年3月に鷹大に勝利、5月に椿原龍矢に敗れて戦績は15勝(7KO)9敗1無効試合。  リング上では両者睨み合い。解説の魔裟斗からは、才賀が急激に体重を落としたため動きが悪いのではないかとの指摘がされる。  1R、右ミドルを多用する玖村に才賀はジャブと左ロー。玖村は右ストレートも狙う。一発一発が強い玖村が右クロスをヒットさせ、グラついた才賀は打ち合いに行くが、そこへ玖村の右クロスが鮮やかにヒット。一発で才賀がマットに大の字となった。  快勝に大喜びの玖村はマイクを持つと「僕は大阪で3年ぶりの試合で、3年前にいい結果を残せなかったので大阪大会にリベンジできて嬉しいです。才賀選手は昔活躍していた選手ですが、今のK-1に久しぶりに帰って来てすぐに活躍できないよというのを見せたのでまた這い上って来てください。K-1ジム五反田チームキングスは新体制になって駆け上がって行くので、キングスと玖村修平の応援をよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第8試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R○斗麗(WIZARDキックボクシングジム)判定3-0 ※30-27×3×森坂 陸(エスジム)  斗麗はオランダの名門Mike's Gymでも練習を重ね、2018年12月に16歳の若さでプロデビュー。5連勝で「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」にエントリーされ、優勝候補と目されていたが、右手首キーンベック病(手首の月状骨がつぶれて扁平化する病気)で全治2カ月のため無念の欠場。2021年2月に6戦無敗でKrushフェザー級王者・新美貴士に挑んだが、判定で初黒星を喫した。5月のK-1で亀本勇翔に判定勝ちして再起すると、9月には佑典を2RでKO。戦績は8勝(4KO)1敗。  森坂は2017年5月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2019年3月にはK-1出場も果たしている。2017年7月には現K-1フェザー級王者・江川優生から勝利を収めた戦績が光る。2020年には「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」に出場して決勝まで勝ち上がったが、決勝で新美貴士に敗れて王座を逃した。3月のK-1では軍司泰斗に判定負けと連敗中。戦績は12勝(3KO)11敗2分。  1R、サウスポーに構える斗麗は右ローで森坂の前足を狙い撃ち。左ヒザ蹴りで森坂の右目が腫れるとジャブで狙い、ボディも左ミドルとヒザで狙う。  2R、距離を詰めて蹴っていく森坂だが、斗麗は左ミドル3連発を全てヒットさせる。ジャブ、森坂が前へ出てくると右フック、森坂のパンチをかわしての左右フックと相手の動きをよく見て的確に攻撃を当てる斗麗。圧力をかけ、左ストレート、左ミドルで森坂を突き放す。  3R、森坂のパンチをかわしながら左ミドル、前蹴り、ジャブを打つ斗麗。左ミドルと左ボディストレート、森坂が前へ出てくるとヒザ蹴り。前へ出て右ローを蹴る森坂へ斗麗は左ストレート、左ミドル、さらに左ローと攻撃を散らせる。右目が見えないか、森坂は距離感がつかめてない様子で空振り。斗麗は右ハイを放ち、最後はジャブを突き続けて判定勝ち。完封勝利を収めた。 [nextpage] ▼第7試合 スーパーファイト 女子-52.5kg契約 3分3R延長1R○☆SAHO☆(闘神塾)判定3-0 ※30-27×3×真優(月心会チーム侍)  ☆SAHO☆は軽快なステップを駆使し、回転の速いパンチにローキック&前蹴りを上手く織り交ぜるファイタータイプ。2017年9月に杉貴美子からミネルヴァ・スーパーバンタム級王座を奪取し、2019年5月に佐々木みいりとの王座決定戦を制してWMC日本同級王座との二冠王に。そして2020年11月、4人の王者によって争われたS1レディース バンタム級ジャパントーナメントで優勝を果たした。戦績は11勝(1KO)1敗。22歳。  女子キックボクシング界の大物を迎え撃つ真優は大阪出身の21歳。空手仕込みの蹴り技を武器に、高校生時代の2016年8月には「J-GIRLSフライ級ニューヒロイントーナメント」で優勝を飾った。K-1 JAPAN GROUPには2019年6月から参戦し、KANAと壽美に連敗を喫したが、2020年10月に小澤聡子に判定勝ちして連敗から脱出。2021年は第5代Krush女子フライ級王座決定トーナメントで決勝戦へ進出したが、壽美に判定で敗れ戴冠を逃した。7月にはRANに延長戦の末に競り勝って戦績を7勝(1KO)4敗2分とした。  1R、☆SAHO☆はジャブをボディに打ち、右ストレート。真優が足を止めての打ち合いを挑んでくると、☆SAHO☆もこれに応じる。回転力で勝負する真優。前へ出る☆SAHO☆に真優は右カーフ、左フックからの右ストレート。☆SAHO☆は左右の連打からヒザを蹴る。  2R、真優が右ストレートで攻め、すぐに前蹴りで突き放す。☆SAHO☆は左フックから左ボディ。その左ボディで真優の身体がくの字となり、ヒザ蹴り6連打でダウンを奪う。  ラッシュをかける☆SAHO☆は左ボディ、ヒザでボディを狙い撃ち。しかし、組んでの攻撃で警告を受ける。真優は前蹴りで距離を取ろうとするが、☆SAHO☆は容赦なくヒザをボディに突き上げる。真優はバックハンドブローで逆転を狙うが不発に。  3R、気合いの声を発して前に出た真優に☆SAHO☆は右ボディストレートから顔面への右ストレート連打。前蹴りを出す真優に☆SAHO☆は左右のボディから右アッパー、左右の連打。☆SAHO☆は右ストレートで前へ出るがクリンチが多くなり、試合終了。ダウンを奪った☆SAHO☆が判定3-0で勝利を収めた。  持ち前の馬力を発揮した☆SAHO☆。解説の魔裟斗も「気持ちと身体の強い選手ですね」と☆SAHO☆を高評価した。 [nextpage] ▼第6試合 スーパーファイト K-1バンタム級 3分3R延長1R○黒田斗真(K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1 WORLD GP 2021 K-1バンタム級日本最強決定トーナメント優勝)延長R 判定3-0 ※10-9×3×壬生狼一輝(力道場静岡/Krushバンタム級王者)※本戦の判定は30-30×3。  黒田は小学3年生で少林寺拳法を学び、その後キックボクシングを始める。しかし次第にドロップアウトし、格闘技から離れていた時期もあったが、兄・勇斗からの『お前と一緒に格闘技をやりたい』という手紙をきっかけに再び格闘技の道へ。2020年の第6代Krushバンタム級王座決定トーナメントでは1回戦で多久田和馬に勝利。準決勝では吉岡ビギンに敗れた。しかし、2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で池田幸司をKO、準決勝で松本日向からダウンを奪っての判定勝ち、決勝は壬生狼をKOして圧倒的な強さで優勝を果たした。戦績は7勝(4KO)2敗1分。  壬生狼は幼稚園から日本拳法を学び、のちにキックボクシングに転向。地元・福岡と九州の大会でキャリアを積み、高校在学中にプロデビュー。九州のキックボクシングイベント「大和」のバンタム級王座も獲得した。高校卒業時に福岡を離れ、力道場静岡に入門。ジムの2階で寝泊まりしながら練習漬けの日々を過ごす。2020年8月にKrush-EXで勝利を収めると、同年11月のK-1福岡大会で元Krushバンタム級王者・晃貴を、2021年1月のKrushでは松本日向を撃破。3月には吉岡ビギンをも破り第7代Krushバンタム級王座を獲得した。しかし、前述のように黒田にプロ初黒星を付けられている。戦績は12勝(2KO)1敗。  1R、いきなり必殺の左ストレートを繰り出すサウスポーの黒田に壬生狼はヘッドスリップ。壬生狼はジャブから左右ロー。黒田は独特の構えで相手に左を警戒させつつ、ローを蹴り、飛びヒザを出す。攻めにくそうな壬生狼。  2Rもローを蹴り合う両者。壬生狼は左へ回り込みながらの左ロー、黒田はバックステップしつつ左ストレートを狙う。壬生狼は徹底した左回り。黒田は飛びヒザを発射。左三日月蹴りも。両者とも手数があまり出ない展開に。  3R、左インローを蹴っていく黒田は左ボディストレート、壬生狼はやはり左回りしながら前へ出てローから右ストレートを打つ。ローから距離を詰める壬生狼にコーナーを背にした黒田が打ち合う。離れるとローの蹴り合い、前に出る壬生狼に黒田は左を打つが壬生狼はブロック、壬生狼の打ち返しも当たらない。終盤、壬生狼が打ち合いを仕掛けるがやはり両者ヒットを奪えず。  本戦の判定はジャッジ三者とも30-30のドロー。延長Rになると、左へ回る壬生狼へ黒田がすかさず左ストレートを打つ。そして飛びヒザ蹴り。前へ出る壬生狼のローは空を切る。ジャブ、ロー、ヒザでヒットを奪うのは黒田だ。前へ前へと出ていく壬生狼に先手を取ってヒザ、左ストレートを出していく黒田。前に出る壬生狼を右フックで回す場面も。  勝敗は判定に持ち込まれ、3-0で黒田が壬生狼を返り討ちにした。 [nextpage] ゆうちゃみがスペシャルラウンドガールで登場、まさかのお姫様だっこに大喜び 熊田曜子、ゆきぽよ、小林幸子などが務めてきた“K-1スペシャルラウンドガール”。2021年12月4日(土)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館第1競技場)で開催されている『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN』では、“令和の白ギャル”ことゆうちゃみ(古川優奈)がスペシャルラウンドガールを務めた。  ゆうちゃみは175㎝の長身・抜群のスタイル、そして飾らないトークでバラエティーを中心に活躍中。  第5試合の前に場内に紹介されたゆうちゃみは「初ラウンドガール頑張っちゃいまーす。イェーイ」とピース。パープルのキラキラした派手な衣装でラウンド間のインターバルでウォーキングを披露した。笑顔でピースをするなど愛嬌を振りまいた。  2R前と3R前に登場したゆうちゃみだが、第5試合の大沢文也vs弘輝が延長ラウンドにもつれ込んだため、まさかの3回目の登場となった。  また、トロフィーのプレゼンターも務めたゆうちゃみは大沢にお姫様だっこされて大喜びだった。 [nextpage] ▼第5試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R○大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER/K-1 WORLD GP 2018 K-1ライト級世界最強決定トーナメント準優勝)延長R 判定3-0 ※10-9×3×弘輝(team ALL-WIN)※本戦の判定は29-30、30-30、30-28。  大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。2020年7月のKrushで蓮實光にKO負け、12月のK-1では瓦田脩二に延長戦で判定負けと連敗を喫したが、今年3月の川崎真一朗戦に延長戦で勝利して脱出。7月の卜部功也戦では判定で敗れている。戦績は26勝(3KO)19敗3分。  弘輝は2020年6月にKrush初参戦を果たしたサウスポーで、初陣ではSEIYAを3Rでマットに沈めた。しかし、9月の朝久泰央では1Rに飛びヒザ蹴りでダウンを奪うも、2Rにハイキックで壮絶な逆転KO負け。3月のK-1では大沢の弟子である龍華にKO負けと、勝っても負けてのKOのファイター。7月の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」の1回戦で東本央貴を判定2-0に降したが、9月の準決勝で里見柚己に判定2-0で敗れて戴冠ならず。戦績は7勝(5KO)4敗1分  1R、前に出るのはサウスポーの弘輝で右ローを蹴っていく。大沢はガードを下げた構えでステップを踏み、リングを大きく使って回り込む。大沢も左ロー。ジャブ、右ストレート、右ローを一発一発当てていく大沢。弘輝は前へ出てヒザ、左フック。  2Rもステップで右へ回り込む大沢を追いかける弘輝。左ボディから左右フック、そして左ローの弘輝に大沢は右ローを返す。弘輝はたびたび飛びヒザ蹴りを繰り出し、距離を詰めるとカカトで大沢の太ももを蹴り、ボディから顔面へのフック。その大沢の右ローに左ストレートを合わせる弘輝。  3R、一気に距離を詰める弘輝が大沢をコーナーへ詰めて左右ボディ。大沢も左ボディを返すが、ロープ際やコーナーへ詰められてガードの上から攻撃をもらう場面が続く。大沢は下がりながらも左ボディ、右ロー。弘輝はどんどん前へ出て左ストレート、左フック、右ヒザ蹴り。弘輝の圧力に転倒した大沢。さらに前へ出て手を出していく弘輝。  判定は三者三様のドロー。延長Rも前に出るのは弘輝で、大沢をコーナーへ詰めて右フック、ヒザ蹴りを見舞う。大沢は下がりながらも右のカウンターをクリーンヒットさせ、右ローを蹴る。さらに左ボディとここへ来て大沢の攻撃が目立ち始める。終盤にも大沢の右フックがヒットし、さらに左フックで弘輝がグラつく。チャンスをつかんだ大沢が続けてパンチをヒットさせていき、ベテランの大沢が老獪さを発揮しての勝利を収めた。 [nextpage] ▼第4試合 スーパーファイト K-1クルーザー級 3分3R延長1R×工藤勇樹(エスジム/第2代KROSS×OVERヘビー級王者)KO 2R 2分11秒 ※右ハイキック○谷川聖哉(K-1 GYM AGAMI-ONO KREST)  谷川は2016年正道会館第14回ウェイト制全日本空手道選手権大会重量級準優勝、第1回&第3回真正会全日本空手道選手権大会重量級優勝の実績を持ち、極真会館にも挑戦して2016年第33回全日本ウェイト制空手道選手権大会重量級4位、2016年第48回全日本空手道選手権大会7位入賞の成績を収めた。2017年5月にキックボクシングでプロデビューし、2020年3月よりK-1 JAPAN GROUPに参戦。今年3月にはRUIを判定で破り、7月の「第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント」では1回戦で杉本仁を破るも決勝でサッタリにKO負けで王座に届かなかった。戦績は6勝(2KO)5敗1分。  工藤は25勝(15KO)20敗2分と47戦のキャリアを持つベテラン選手で、2015年10月に蹴拳インプレッションルールライトヘビー級初代王座を獲得。2017年12月には現在K-1に出場している実方宏介からも勝利を収めている。K-1 JAPAN GROUPには2016年7月から参戦し、2勝3敗。今年3月には第2代KROSS×OVERヘビー級王者となり、7月の第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメント・リザーブファイトでは中平卓見にバックキックでKO勝ちしてベテラン健在ぶりを示している。  1R、ローの蹴り合いからスタート。工藤は空手出身の谷川のお株を奪うような後ろ蹴りを見せる。さらなるローの蹴り合いから谷川が左顔面前蹴りをいきなり見せると、前に出た谷川が体当たりのような形からの右フックでダウンを奪う。立ち上がるとまたもローの蹴り合いだが、工藤は左足を気にする。右ローで転倒する工藤を谷川はロープに追い詰めていき、右ロー、顔面前蹴り、三日月蹴り。  2R、前に出る谷川が右ロー、右フック。工藤は後ろ蹴りを繰り出すが不発。谷川は右フックから左ボディ、工藤はクリンチする。工藤はサウスポーになっての左ストレートを繰り出すが、、谷川の左フックで頭を下げたところへ谷川が右ハイキックを蹴り上げる。工藤が弾けるようにダウンし、レフェリーが即ストップした。  KO快勝を収めた谷川は「昔のK-1みたいに自分より大きな外国人選手とやって勝っていきたいです。日本を代表するクルーザー級の選手になっていきたいのでK-Jee選手、怪我を治して来年試合してください。押忍」と、今回中止となったK-Jeeとの試合を改めて組んで欲しいとアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 スーパーファイト K-1女子ミニマム級 3分3R延長1R○高梨knuckle美穂(Y'ZD GYM/第2代Krush女子アトム級王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×美伶(WARRIOR OSAKA)※本戦の判定は30-29、30-30、30-30。  高梨は2018年9月に『KHAOS』でプロデビューし、強打を武器に4戦全勝(2KO)。2019年5月の第2代Krush女子アトム級王座決定戦でC-ZUKAをKOして王座に就き、同年10月にはパヤーフォンを延長戦の末に降して初防衛に成功している。Krush女子アトム級王座は返上し、一階級上の女子ミニマム級に転向すると2020年6月の真美戦でダウンを奪って勝利。9月のK-1ではMIOを判定で降し、K-1の洗礼を浴びせた。3月と7月はMARIに連勝。戦績は8勝(2KO)無敗。  美伶は空手をバックボーンに持ち、関西屈指のハードパンチャーとして活躍。極真系の世界大会に出場してベスト8入賞、2018年に開催されたJFKO主催『第1回国際フルコンタクト空手道選手権大会』にも出場している。K-1アマチュア大会で活躍し、第8回K-1アマチュア全日本大会で優勝した実績を持つ。2019年11月に19歳でプロデビューして小澤聡子に判定勝ち、2021年3月に同じく空手出身のケイト・ウィラサクレックを判定で破り2戦2勝無敗。また、一児の母でもある。  1R、ステップでよく動く美伶は前に出てくる高梨の前足をイン&アウトのローとカーフで狙い撃ち。高梨はジャブを出しながら前に出るが、美伶のカーフで足が流れる場面も。  2R、蹴りから入って行く高梨は右ストレートにつなぐ。ローとミドルを多用する高梨が少し距離をとる戦い方となり、飛び込んでのワンツーも見せる。美伶は飛び込んでの右フック。美伶は入り込んでの左右ストレートを繰り出し、高梨は右ミドルを蹴ってワンツーを打つ。単発ながらヒットを奪ったのは美伶。  3R、前に出る高梨を美伶がパンチで迎え撃つ。高梨は右ミドルを蹴ってのワンツー。高梨と打ち合う美伶。射程距離の長い美伶のストレートがヒットするが、パワーで押し込んでいくのは高梨だ。一発の美伶と連打の高梨。高梨は鼻血を出す。サウスポーからの左ストレート、右フックをヒットさせる美伶に、高梨は右フックの強打。前に出る高梨に美伶が右を当てれば高梨も右を打つ。  判定はジャッジ1名が高梨を支持したがドロー。延長戦に突入する。前に出ていく高梨が右ミドル、右ローを蹴りながらワンツーにつなげる。美伶は飛び込んでの左フックを打つが、高梨が左ボディから左フック。手数も多い高梨が左ミドルを的確に蹴り、左フックもヒットさせる。打ち返す美伶の高梨の右がヒットし、美伶が下がる。連打を繰り出す高梨に美伶は単発。最後に美伶が連打で前に出たが、高梨が判定勝ち。  大いに健闘するも敗れた美伶はその場に崩れ落ち、悔しがる。高梨はほっとした表情を浮かべた。 [nextpage] ▼第2試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R○篠原悠人(DURGA)判定3-0 ※30-29、30-28、30-27×石田勝希(RKS顕修塾)  篠原は高校生時代にK-1甲子園2015 -65kgで優勝し、2016年4月にK-1初参戦。2018年K-1ライト級世界最強決定トーナメントでは1回戦でゴンナパーをKOする大番狂わせを起こして3位になり、2018年8月にはKrushスーパー・ライト級王座に就いた。同王座は返上してライト級に本格転向し、2020年6月ゴンナパー・ウィラサクレックが保持するKrushライト級王座に挑んだが判定で敗れ王座奪取ならず。9月のK-1大阪大会で卜部功也、今年3月のK’FESTAで西京佑馬に敗れて3連敗を喫したが、7月に谷山俊樹に判定勝ち。戦績は14勝(6KO)6敗。  石田は初芝立命館高等学校を卒業し、早稲田大学では日本拳法部に所属。新空手で60戦無敗の伝説を作り、2009年のK-1甲子園では3位になった。2011年8月にプロデビューし、2017年2月には林健太をKOするなど無敗の快進撃を続けていたが、2017年11月の稲石竜弥戦、2018年2月のゴンナパー戦では敗れており、Krushでの戦績は1勝2敗。これまで第9代MA日本キックボクシング連盟スーパー・ライト級王座、第3代・第9代ACCELライト級王座、RKSスーパー・ライト級王座を獲得しており、戦績は24勝(11KO)4敗3分。  1R、篠原はジャブ、石田は左ローで様子を見ながらの序盤。篠原は右ストレートからの左フック、ジャブを挟んで左インロー。石田はワンツーから左ローにつないでいく。右を同時に放った両者、篠原はすぐ左フックにつなげた。  2R、篠原はジャブを多用し、右ストレートをヒットさせる。圧を掛けていくのは篠原。左ボディ、右ストレートを的確に当てる。石田はいきなりの左ハイを放つが篠原はブロック。篠原がヒザを突き刺すと石田もすぐにヒザを返すが、篠原は右ストレートを返す。石田の飛び込んでの左フックは空を切る。篠原がジャブから左フック、左アッパーも強打。石田の被弾が目立つラウンドとなった。  3R、左ボディを放つ石田に左フックを合わせる篠原。ジャブも多用。右ストレートを同時に放ったところで石田が右ハイを蹴ったが篠原はブロック。パンチが交錯する場面が何度か見られるが、当てて終わるのは篠原だ。ジャブを的確に当てに行く篠原に石田が右フックを強打するが、篠原はすぐにジャブと右ストレートで挽回。  完封した篠原の判定勝ちとなったが、笑顔はなし。手を上げられても首を横に振った。 [nextpage] ▼第1試合 スーパーファイト -73kg契約 3分3R延長1R○神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)KO 1R 1分37秒 ※3ノックダウン×EITO(Respect All Fear None)  神保はK-1アマチュアを経て2015年6月にKrushでプロデビュー。2019年6月にはKrushスーパー・ウェルター級王者ジョーダン・ピケオーに挑戦したことも。2020年3月には「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」に抜擢されたが、1回戦敗退。11月の『スーパービッグバン』でBigbangスーパーウェルター級王者MIKE JOEに判定勝ち、今年3月のK-1ではジュリオ・セザール・モリに判定勝ち、5月にはブハリ亜輝留を初回KOして勢いに乗る。戦績は11勝(5KO)6敗1分。  EITOは日本拳法をバックボーンに持ち、16歳の時にマーク・ハントに憧れてニュージーランドへ渡りプロキックボクサーに。2019年6月にKrush初参戦すると2連続KO勝ちを収めたが、2020年1月に松下大起にKO負け。3月のK-1に緊急出場したがMIKE JOEにKO負け。戦績を2勝(2KO)2敗としている。  1R、いきなりヒザで来たEITOに右フックを合わせる神保。そのまま足を止めての打ち合いとなり、的確にフックを当てていく神保が右フックでダウンを奪う。左ボディから右フック、ジャブ、左フックと次々と被弾するEITOは神保の右の3連打で2度目のダウン。  足元がフラつくEITOに神保が襲い掛かり、右ストレートでEITOが大きくのけ反ったところでレフェリーがストップした。  2021年を全勝で走り抜けた神保は「せやな、というのは冗談でEITO選手1Rからゴリゴリに打ち合いに来てくれて本当に男だなって。自分は新階級創設を目指していて、75kgで誰かやりましょう。中村プロデューサー、新階級の創設を巻きで」と、早く75kgの階級を作って欲しいとアピールした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第4試合 -51kg契約 3分3R×山脇飛翼(日本/K-1ジム心斎橋チームレパード/K-1甲子園2019 -55kg王者)判定0-3 ※28-30×2、29-30○大夢(WIZARDキックボクシングジム)  1R、大夢はワンツーで前へ出ていき、山脇はジャブとヒザで迎え撃つ。両者ともカーフキック。山脇は左右ミドル、ローと蹴りを中心に攻め、大夢はワンツーを繰り出すも序盤の勢いは衰えてきた。  2R、山脇は左ミドルと右ロー、大夢が近付いてくるとヒザ蹴り。大夢は伸びのあるワンツーでアグレッシブに攻め、ボディへもストレートを打つ。山脇はジャブ、右カーフ、左ミドル、前蹴りと攻撃を散らしていく。両者ともスイッチを見せる中、勢いに乗ってきた山脇はパンチ&キックをまとめて見せ場を作った。  3R、両者とも攻めていき、大夢の右フックで山脇が尻餅をつくがノーダウン。パンチ主体で攻める大夢に山脇はパンチで応戦しつつ右ローやヒザ蹴り。両者近い距離で激しく打ち合い、蹴り合う。パンチで前に出ようとする大夢に後ろ蹴りや前蹴りで対抗する山脇。前に出る大夢に山脇は背中を見せてかわすような場面があり、印象が悪かったか。判定3-0で大夢が好試合を制した。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R○古宮 晴(昇龍會/K-1甲子園2021 -65kg王者)判定3-0 ※30-26×3×セルヒオ・ハノ(ボリビア/ブラジリアンタイ/初代W clutchライト級王者)  古宮は聴覚障害のハンディを持ちながらもABEMAの『格闘代理戦争』で史上初の3人抜きに成功するなど大活躍。2020年4月にプロデビューし、現在まで2勝1敗の戦績を持つ。今年のK-1甲子園では優勝。  1R、いきなり顔面前蹴りでハノを吹っ飛ばす古宮。ハノがフックで入ってこようとするところへ右フックや左インローを合わせる古宮。顔面前蹴りから右ストレートを決めてダウンを奪う。その後も顔面前蹴り、右ストレートをヒットさせる古宮にハノは前進するが捉えきれない。古宮は左ハイ、ハノの右フックをバックステップでかわしてすかさず右ストレートと、リーチ差と前蹴りを活かしてほぼ一方的な試合展開に。  2Rはさらに前へ出てフックを振るうハノは右フックをヒットさせる。さらに古宮の蹴りを受けても前へ出て右フックを当てに行く。古宮は顔面前蹴りを次々と命中させ、右ストレートも繰り出すが、ハノの左ミドルがローブローになって中断。再開後、スイッチも見せて前蹴りを狙う古宮。  3Rも左前蹴りをしっかり当てていく古宮に、ハノはサウスポーに構えるが古宮が右ストレート、ヒザ蹴り、右ハイとヒットさせていき、ジャブでも顔をのけ反らせる。さらに左ボディとハノには攻撃を当てさせず、コーナーへ詰めての連打で圧倒するなど古宮が完勝を収めた。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1フェザー級 3分3R○石田龍大(POWER OF DREAM/K-1甲子園2019 -60kg王者)判定3-0 ※29-28×3×小松貴哉(K-1ジム五反田チームキングス)  石田はK-1甲子園2019 -60kg王者で戦績は1勝1敗。小松は2勝無敗。  1R、両者とも構えをスイッチし、ローを蹴りながら様子を見る。小松は二段蹴りを繰り出して右ミドルを当てる。サウスポーの石田は前蹴りと左ミドル。小松はスピードのある右クロスから左フックを返す。ラウンド終了間際には小松がジャンピングバックスピンキックをヒットさせた。  2R、小松が出てくるところに左ストレートを合わせる石田。小松の右ストレートには石田が右ハイを合わせる。左ストレートを見事にかわして背中に組み付いた小松だったが、その直後、石田がそれを振り払うようにバックハンドブローを放ってダウンを奪う。石田はあくまでも待ちの体勢で前に出てくる小松のパンチをかわし、ラウンド終了間際には右フックをクリーンヒットさせた。  3R、小松はパンチで前に出るが、石田は空振りさせて右フックを当てに行く。小松は二段蹴りから飛びヒザ蹴りと大技を見せ、石田は飛んできた小松を突き飛ばす。前に出て右ストレートでのKOを狙う小松に対してかわしていく石田。そして空振りさせての左ストレートも。  新人離れしたテクニックを見せた石田が、最後まで諦めず倒しに行った小松を振り切って2勝目をあげた。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第1試合 K-1ライト級 3分3R×梨緒弥(若獅子会館 MATSUBARA)KO 2R 0分36秒 ※左ボディブロー○三宅祐弥(team ALL-WIN)  梨緒弥はK-1カレッジ2019 -65kg王者だが、現在は3連敗中。戦績は5勝(1KO)5敗。三宅は地下格闘技出身で仲間と公園で練習していたという過去を持つ。戦績は3勝(1KO)無敗。  1R、サウスポーの梨緒弥に三宅は右の蹴りを多用、梨緒弥は右へ回り込みながら右ロー。偶発的なバッティングで三宅が右頬から流血して一時中断。再開後、三宅は右ミドルのフェイントから右ハイをヒットさせる。三宅は飛び込むようにして右飛びヒザ蹴りをボディに突き刺し、ダウンを奪う。右ミドル、右ストレート、右ヒザで畳みかける三宅だが、KOチャンスは逃した。  2R始まってすぐ、右ハイからの右ストレートで梨緒弥をロープに背負わせた三宅は右飛びヒザ蹴りから顔面への連打、そして左ボディで見事なKOを奪った。
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