2021年11月28日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.6』にて、スーパーファイトのKNOCK OUT-RED -51.0kg契約3分3R延長1Rで花岡竜(橋本道場)と対戦する老沼隆斗(STRUGGLE)のインタビューが主催者を通じて届いた。
老沼は空手仕込みの多彩な蹴り技で2018年6月に総当たりリーグ戦で優勝してREBELS-REDスーパーフライ級王座に就き、REBELS軽量級のエースとして君臨。2度の王座防衛に成功している。9月の『KNOCK OUT』ではNJKFバンタム級2位・清志を上段後ろ回し蹴りでKO、12月のREBELSでは延長戦の末に心直から勝利をもぎ取った。REBELS王座は今年2月の3度目の防衛戦で白幡裕星に奪われたが、6月にはNKBに乗り込んで同団体バンタム級4位の海老原竜二に判定2-0で勝利。10月の『RIZIN』に出場を果たすも、奥脇竜哉に判定2-0で惜敗している。戦績は17勝(6KO)5敗1分。
蹴って蹴ってチャンスを掴んでいく
──今回、花岡選手との対戦ということになりました。発表された時には驚きの声も上がったカードでしたが、ご本人はどう思ったんですか?
「花岡選手がベルトを獲って、いつかやるかなとは思っていたので、『このタイミングになったんだなあ』という感じでしたね」
──以前から興味はあったと。
「すごく強い選手だと思っていたので、上に上がってきたら絶対やるだろうなと思ってました」
──彼がタイトルを獲った9月のワンデー・トーナメントはどう見ましたか?
「僕がやったことのある濱田巧選手や心直選手が出ていて、その中で花岡選手には注目していて、僕とやった相手と当たってどうなるかなという、ちょっとファン目線と自分目線が混ざってというか。楽しみと、『どんな感じになるのかな』という両方で注目していた感じでした。花岡選手は2試合とも手数をバンバン出してくる相手との試合で、すごく噛み合っていたので、会場も盛り上がってましたよね。花岡選手が優勝すると思っていたので、そのイメージ通りに優勝したなという感じでした」
──その時点で、対戦したいという気持ちだったということですか?
「でも彼はBLACKルールでベルトを獲って、僕としてはやっぱりヒジありでやりたいなと思っていたので、あの時点ではどうなるか分からなかったんですよ。でも、いずれやるだろうなとは思っていました」
──では、今回REDルールになったのは、老沼選手も望むところだったと。
「そうですね。僕はREDルールでやりたかったので。最初は、向こうがBLACKルールのチャンピオンなので、僕はどちらでもやりますという感じだったんです。でも結局はREDルールに決まったので、よかったなと」
──では改めて、REDルールの試合の中で警戒するところはどこですか?
「やっぱりテクニックとか、距離感とかすごくうまいので、そこで翻弄されないようにしたいです。全部反応していたら、向こうのペースに呑まれちゃうので。相手のペースにいかせないようにしたいです」
──逆に自分はどう戦ってどう勝ちたいですか?
「まあいつも通り、蹴って蹴ってチャンスを掴んでいくという感じですかね」
──老沼選手の前戦はRIZINでした。結果は残念でしたが、今振り返るといかがですか?
「相手がラジャダムナンのチャンピオンだったので、『ここで勝って名前を売るぞ』という気持ちだったんですけど、何か空回っちゃったというか。緊張もしていたので、もっといけたかなという後悔があります」
──それはRIZINという舞台や、大会場だったことも影響していますか?
「そうですね。大会場は初めてだったので、すごく緊張して、上がっちゃった感じでした」
──ではその分も今回は取り戻したい?
「まあでも、もう気持ちは切り替えて、次頑張ろうという感じなので。さすがに連敗したら、今後どうしていこうかと迷うことになるので、今回は絶対落とせないなと思ってます」
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2階級制覇を次の目標に決めました
──今回、-51.0kg契約なのは老沼選手からの希望ですか?
「はい。今後はフライ級でやっていきたいので、それにほぼ近い51kgでお願いしました。前回の試合が初めての51kgだったんですけど、ちゃんと気をつけて落とせたので調子もよかったし、当日もキレがあるように動けたので、51kgが自分には適正なのかなと思いましたね」
──ただフライ級となると、現状はちょっと相手が少ない気がするんですが……。
「僕としては、今はちょっと難しいんですけど、タイ人の選手とどんどんやっていきたかったんですよ。タイ人だったらフライ級もすごく多いので」
──そろそろコロナによる入国規制も緩和されつつあって、いろいろと状況も変わりそうですよね。
「そうですね。いい方向に行ってくれたら、僕の目標にも近づけるので。まだどうなるか、祈るしかないですけど(笑)」
──では、タイ人を呼んでもらえる立場に、もっとなっていかないといけないですよね。
「そうなんですよ! 本当に、チャンピオンだった時にはずっと連勝し続けていて防衛もしてて、ここから世界の、タイの強豪選手を呼んでもらおうと思っていた時にコロナが流行り始めてしまって。自分の中では、自分が一番ノっている時に海外の選手が呼べなくなってしまったので、またその位置に行かないとなっと思ってます」
──コロナ禍に突入した後、今年に入って王座も失いました。そこからはいろいろと自分の中で変わりましたか?
「2月の白幡裕星選手との試合でベルトを失って、『どうしようかなあ』『やめようかなあ』とか思ったりもしたんですけれど。でもやっぱりもうちょっと頑張らないと、もっと後悔するだろうなと思ったんですね。後悔しない終わり方というのは難しいとは思うんですけど、やっぱりもうちょっと頑張ろうというか、まだやれることもあるだろうし、頑張らないとなと。それで、スーパーフライ級ではもうタイトルを獲ったので、次はフライ級でベルトを獲って2階級制覇をやりたいなというのを次の目標に決めました。相手が少なかったとしても、そこで自分が連勝し続ければ、日本に相手はいなくなるじゃないですか。そしたらもう世界に行くしかないなというのが、自分の新しい目標になってます」
──同門のぱんちゃん璃奈選手が、どんどん躍進を続けているじゃないですか。そのへんも刺激になってますか?
「頑張ってるなとは思うんですけど、刺激というよりは、応援してるという感じですね(笑)。僕はもう、本当にただの一般人なので(笑)。リングを降りたら普通のパパという感じなので、リングの上だけで輝ければいいなと思ってます」
──ではそのパパっぷりの方は、今はどんな感じなんですか?
「娘がもうすぐ8ヵ月なんですけど、ホントに毎日癒されて、練習も頑張れてます(笑)。全てがかわいいですね。本当に娘中心の生活というか(笑)」
──パパとしても充実するためにも、リングも充実させないと。
「そうですよね(笑)。またチャンピオンに返り咲いて、ファイトマネーも稼がないといけないので、また頑張らないとって感じです」
──ではここから、フライ級戦線での老沼隆斗は、何を見せていこうとしていますか?
「今までと変わらないところもあるんですけど、やっぱり蹴り技でどんどん相手を倒していって、また去年みたいに派手に倒せたらいいなと思いますね」
──大会のオープニング映像でもバンバン使われるようなヤツですね。
「はい、また頑張りたいと思います」
──では最後に、改めて今回の試合で、一番注目してほしいポイントは?
「自分のテクニックと蹴り技で会場を沸かせようと思っているので、そこをしっかり見ていただければと思ってます」