ONE Friday Fights 922024年12月20日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTにてLIVE配信
▼第12試合 フェザー級ムエタイ 3分3R×シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)判定0-3〇シャドウ・シンハ・マウイン(タイ)
シッティチャイはプロ160戦以上と鉄人的な戦歴を持つ現役のムエタイレジェンド。キックボクシングとムエタイを合わせ、世界王者に11回輝く。過去10年間に渡り、キックボクシングとムエタイで、最も圧倒的な強さを誇る選手の1人として評価を築き上げてきた。
ONEには2020年7月から参戦。2022年の「ONEフェザー級キックボクシングワールドグランプリ」では決勝へ進出するもチンギス・アラゾフに判定負け。2023年9月にモハマド・シアサラニに判定で敗れ、2024年1月の日本大会ではマラット・グレゴリアンにKO負けを喫して連敗したが、5月の野杁正明戦で完勝を収めて実力者健在ぶりを示した。戦績は129勝(39KO)35敗5分。
シャドウはラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王者。同タイトルは2022年2月にフリオ・ロボと王座決定戦を行って勝利し、手にしたもの。2022年にはラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)のウェルター級リーグ戦で優勝。2024年2月のFriday Fightsに注目の初参戦を果たしたが、マムカ・ウスビャンに判定負けを喫した。しかし、その後はエリック・ヘアー、ジミー・ピエノ、モハメド・シアサラニに3連勝と勢いに乗っている。
1R、前に出るのはシャドウで右ミドルを蹴る。サウスポーのシッティチャイはジャブを突いて左ミドルハイ。シャドウが右ストレートを出せばシッティチャイも左ストレートを返す。ミドルの蹴り合いから首相撲となり、ヒザを蹴り合うが、シャドウがコカす。
シッティチャイは左ストレートから右アッパー、シャドウは右ミドルを蹴っての左フック。シャドウの左を突かれたシッティチャイは後退するが左ミドルを蹴る。シャドウの右ストレートをもらったシッティチャイが前へ出てワンツー。両者ミドルを蹴り合った。
2Rも前に出るシャドウが右ミドルと右ストレート、シッティチャイは左ストレートを繰り出すがシャドウが前へ出続ける。シッティチャイは左ヒジも繰り出すが、シャドウが左ミドルを当て、左フックも返して攻撃が多い。前へ出るシッティチャイだがシャドウの右ミドルをもらい続ける。パンチで入り込むシッティチャイにシャドウは左右のヒジを合わせに行く。両者譲らない展開に。
3R、シャドウが右ミドルを蹴りながら前へ出る。組んでのヒザの蹴り合い。離れるとシッティチャイが左ミドルと左ストレート、シャドウも右ミドルを蹴る。このラウンドはシャドウの右ミドルを空振りさせて、シッティチャイが左ミドルを当てる場面が目立つ。ワンツーで前へ出ていくシッティチャイにシャドウが3連打、さらにヒジ。共にスネブロックでミドルをカットした直後、シャドウの右フックがシッティチャイを打ち抜きダウンを奪う。
仕留めに行くシャドウにシッティチャイも左ストレートで打ち合う。シャドウの右フック2連打、ボディ、左フック、右ヒジ。シッティチャイもアッパーを打ち返すが当たらない。そしてゴング。
判定は3-0でシャドウがシッティチャイを乗り越えることに成功。ONEでの4連勝を飾った。
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▼第11試合 キャッチウェイト (-63.5kg) ムエタイ 3分3R〇スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ)KO 2R 2分57秒 ※左フック×パンリット・ルージョメイサイワーリ(タイ) スアキムはルンピニースタジアムのバンタム級、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級の三階級制覇王者で、2018年2月の『KNOCK OUT』に初来日。那須川天心への最強の刺客として大きな話題を呼んだが、那須川に5R判定負け。2019年7月には『RISE』で那須川と再戦したが、胴廻し回転蹴りで目尻を切り裂かれて流血、3R1分25秒、TKOで敗れている。
2019年12月には日本の『BOM』でチャンヒョン・リーにTKO勝ちし、BOMスーパーライト級王者になったが、2020年4月に突然の引退宣言。2023年7月、ONEで現役復帰を果たすもキリル・ホムトフにKO負け。9月にサマン・アシュリをKOして再起を果たしたのも束の間、2024年1月にはアレクセイ・バリカにKO負けを喫した。4月のデニス・デミルカプ戦では劣勢からの逆転KOに成功、9月にはオーティス・ワグホーンとのダウン応酬の接戦に競り勝っている。
パンリットは2023年2月の『ONE Friday Fights 3』から参戦。4戦目までは1勝3敗と冴えなかったが、2024年2月の『ONE Friday Fights 50』で2020年タイ・スポーツ省が選ぶファイター・オブ・ザ・イヤー(MVP)、ムエタイアワードでも年間最優秀選手賞を受賞した強豪コンクライにTKOで番狂わせの勝利を奪うと、そこから一気に4連勝を飾っている。
1R、両腕ガードを上げてじりじり前に出ていくのはパンリット。スアキムはコーナーやロープを背にしつつ、右ローとジャブでパンリットを近づけさせない。パンリットが左フックを振るとスアキムも思い切り右フックを振る。さらにスアキムはヒジ。パンリットの右フックをもらうスアキムは組み付く。
2R、左フックの打ち合いから始まる。さらにローの蹴り合い。スアキムは右カーフも蹴る。左ボディからの右フックで前へ出るパンリットだが、スアキムも右フックを返す。フックの打ち合いとなる中、スアキムがジャブを突き刺してダウンを奪う。
立ち上がったパンリットへ襲い掛かるスアキム。ヒジ&フックの猛攻にパンリットもヒジと右フックを打ち返す。再びストレートのようなジャブを打ち、右ストレートにつなぐスアキム。パンリットも負けじと左フックを打ち返す。右フックの打ち合いからスアキムが左フックをヒットさせると、パンリットは前のめりにダウン。即座にスアキムのKO勝ちとなった。
スアキムはなんと70万バーツ(通常は35万バーツ)のダブルボーナスを獲得した。
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▼第10試合 アトム級ムエタイ 3分3R〇ソンチャイノーイ・ゲッソンリット(タイ)KO 2R×ヨッドナムチャイ・フェアテックス(タイ)
ソンチャイノーイはS1ジュニアバンタム級王者の肩書きを引っ提げて2022年9月のNJKFに初来日すると、塚本望夢を1RでKO。2023年4月には『BOM OUROBOROS 2023』で名高・エイワスポーツジム(吉成名高)に3RでKO負けを喫したが、強烈な攻撃の数々で名高を苦しめた。2023年7月の『BOM』にも来日し、重い左右ローキックで場内をどよめかせ、5Rには首相撲からのヒザ蹴りでジュライ・ウォーワンチャイ(=石井寿来)に判定2-0で勝利している。ONEには2023年1月の『ONE Friday Fights 2』から出場し、7戦全勝(3KO)の快進撃。所属するゲッソンリットジムは、K-1など日本で大活躍したチャンプアを輩出したジムだ。
ヨッドナムチャイは2023年9月の『ONE Friday Fights 33』から参戦すると、こちらも6戦全勝(3KO)。前戦はソンチャイノーイと同じくラック・エラワンを破っている。Friday Fightsで全勝同士の激突となる。
1R、普段サウスポーのヨッドナムチャイがオーソドックスに構え、普段オーソドックスのソンチャイノーイがサウスポーに構える。ヨッドナムチャイが入り込んでのクロスファイトがあったところで、両者元の構えに戻る。ヨッドナムチャイの右ミドルをキャッチして右を打つソンチャイノーイ。すぐにヨッドナムチャイもヒジを打つ。右を出し合い、ヨッドナムチャイがヒジを出すとソンチャイノーイは首相撲に持ち込む。
2Rも両者は本来とは逆構え。ヨッドナムチャイが右を打つところへソンチャイノーイが右フックをヒットさせる。一気にアッパーを連打するソンチャイノーイ。 ヨッドナムチャイも打ち合いに行くと、ソンチャイノーイが右ストレートを打ち抜き、さらに左フックをフォロー。ヨッドナムチャイは立ち上がるも足元がおぼつかず、ソンチャイノーイがKO勝ちでONE全勝対決を制した。
ソンチャイノーイはボーナスも手にした。
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▼第9試合 フライ級ムエタイ 3分3R×パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)KO 2R 1分08秒 ※左フック〇イゴール・ベクレフ(ロシア)
パンパヤックは2012年にラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座、2013年に同ライトフライ級王座を奪取して2階級制覇を達成。2014年にはルンピニースタジアム認定バンタム級王座、2015年に同フェザー級王座を奪取してこちらでも2階級制覇を達成している。2013年から2015年タイスポーツ記者協会の年間最優秀ファイター賞を3年連続受賞(史上唯一)。2019年9月からONEに参戦し、RISEフェザー級王者(当時)工藤政英を破るとこれまで4勝2敗。この2敗はいずれもスーパーレックに付けられたもので、スーパーレックとは4勝3敗1分。また、スアキムに2勝、サムエーに2勝、プラジャンチャイとは1勝1敗というトップの実力者。
ベクレフは2024年11月の『ONE Friday Fights 86』に初参戦、ギンサンレックを右ストレートで1RにTKOしている。
1R、サウスポーのパンパヤックは左ミドルを蹴って左ストレートを伸ばしていく。ペクレフは右ミドル。パンパヤックが左ミドルを蹴った直後に、ベクレフのストレートがヒットしてパンパヤックがダウン。
その後もベクレフはパンパヤックの左ミドルをキャッチしてのパンチなどパンパヤックのミドルを狙っていく。前蹴りでベクレフを大きく吹っ飛ばすパンパヤック。
2Rも左ミドルを蹴るパンパヤック。インローの蹴り合い、パンパヤックが蹴ってくるとベクレフは右フックを合わせようとする。ベクレフの右ミドルにパンパヤックが左ミドルを蹴り返した直後にベクレフが左フック、パンパヤックがダウンを喫し、立ち上がることが出来ずベクレフの番狂わせKO勝ちとなった。ベクレフには35万バーツ(約160万円)のボーナスが贈られた。
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▼第8試合 バンタム級ムエタイ 3分3R×シブムン(タイ)KO 1R〇アブドゥラ・ダヤカエフ(ロシア)
シブムン=シップムーン・シットシェフブンタムは2017年5月に当時ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者だったT-98に挑戦、判定勝ちで王座を奪った。また、緑川創とは2度対戦して1勝1分(ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王座決定戦で勝利し、2度目の王座に就いている)、日菜太にはKO負けを喫した。
一時は引退してYouTuberとなり150万人の登録者がいたが、2022年に現役復帰。『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ』のスーパーウェルター級リーグ戦で準優勝を飾った。戦績は78勝(26KO)24敗2分。ONEには2023年9月に初参戦したがミゲール・トリンダーデに初回KO負け、2024年7月の2度目の参戦でもタイソン・ハリソンに判定負け。
ダヤカエフは2023年11月の『ONE Friday Fights 39』から参戦すると4連勝を飾ったが、2024年10月の『ONE Friday Fights 82』にてヨッドIQにONE初黒星を付けられた。
1R、サウスポーのシブムンにダヤカエフはじりじりと迫って右ボディストレート、右ストレート。シブムンが左ミドルを蹴ったところでダヤカエフが右ボディストレートから左フックを返したところでこれがモロにヒット。
シブムンはダウンを喫し、立ち上がるもフラフラですぐにストップ。その後、バッタリと倒れた。ダヤカエフが鮮烈なKO劇を見せたが、体重超過のためボーナスは出なかった。
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▼第7試合 アトム級ムエタイ 3分3R〇ラック・エラワン(タイ)TKO 1R終了時 ※ドクターストップ×コーコー・ソー・ソンマイ(タイ)
ラックは2019年12月にルンピニースタジアム認定ライトフライ級王座、2020年3月にはプロムエタイ協会の同級王座、2022年には7チャンネルスタジアムのスーパーフライ級王座を獲得。2023年3月から『ONE Friday Fights』に参戦し、チューサップとマハーサムットに連続KO勝ちを収めて11連勝をマークしたが、11月のソンチャイノーイ戦で判定負けを喫して連勝がストップした。その後はSBの佐藤執斗に左フックでKO勝ち、ニコラス・レイテ・シウバに判定勝ちと再び連勝したが、2024年7月のソンチャイノーイとの再戦に判定で敗れ、9月もヨッドナムチャイに判定で敗れている。12月1日の『RWS』にて吉成名高との対戦が決まっていたが、家庭の事情でキャンセルしていた。
コーコーは2023年2月の『ONE Friday Fights 6』と4月の『ONE Friday Fights 14』に出場したが、いずれもクンスクレック・ブーンデクシアンに判定負け。前に出てパンチ&ヒジでアグレッシブな攻めの姿勢を見せた。 1R終了間際、組んでのヒジの打ち合いでラックの右ヒジが決まりコーコーが大流血。インターバル中にドクターチェックが行われ、ここでストップがかかった。ラックは35万バーツのボーナスも手にした。
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▼第6試合 キャッチウェイト(-72.12kg)キックボクシング 3分3R〇マラット・グレゴリアン(アルメニア)KO 2R 2分36秒 ※右ボディストレート×アブデラ・ザヒディ(モロッコ)
グレゴリアンは2015年のK-1 WORLD GP初代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメントで3試合連続KO勝ち。初代王座に輝くと2019年5月にシッティチャイを破りGLORY世界ライト級王座も獲得。ONEには2020年12月に初参戦。2023年8月にONEフェザー級キックボクシング世界王者チンギス・アラゾフに挑むも判定負けでタイトル獲得ならず。2024年1月のONE日本大会ではシッティチャイと5度目の対戦でKO勝利を奪った。4月にはスーパーボンとONEフェザー級キックボクシング暫定世界タイトルを争ったが、判定で敗れている。戦績は67勝(35KO)14敗1分1無効試合。
Zahidは今回がONE初参戦。ラウェイにも出場したことがある。
1R、ザヒディはコーナーへ詰めてくるグレゴリアンにワンツーとヒザで応戦するが、グレゴリアンは両腕ブロックしながら距離を詰めて左ボディ、左右フック。グレゴリアンがボディを打ってくるとワンツーの連打やヒザ、ローと手数多く返してくるザヒディ。それでもグレゴリアンは距離を詰めてボディを攻める。ザヒディは組みからのヒザで注意を与えられる。
再開後、グレゴリアンが左右フックとボディでコーナーへ詰める。ザヒディはまたも組みでイエローカードが提示された。再開すると再び前へ出て左右でボディを攻めるグレゴリアン。
2R、前へ詰めるグレゴリアンにザヒディが飛びヒザ。圧をかけるグレゴリアンにザヒディは左ミドルとヒザ、ワンツーと手数を多く出す。グレゴリアンは距離を詰めての右ロー。グレゴリアンは右ロー、右ボディストレート、そして左フック。ザヒディの手数が止まり、グレゴリアンの連打からの右フックでザヒディはダウン。
すかさず左右フックと左ボディで攻めるグレゴリアンが左フックからの右ボディストレートを突き刺すと、ザヒディは崩れ落ち、グレゴリアンのKO勝ちとなった。
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▼第5試合 キャッチウェイト(-54.88kg)3分3R×マイサンカン(タイ)KO 1R〇ワッチャラフォン・PK・センチャイ(タイ)
1R、マイサンカンはいきなり後ろ蹴りを放つ変則スタイル。ワッチャラフォンは左右フックで反撃。両者ともどっしりと構えて腕を上げ、打ち合う気満々のスタイル。パンチとローを交錯させ、どちらかが前に出てパンチを繰り出せばもう片方がパンチを振り回して迎え撃つ。
マイサンカンが頭を下げて打ち合いに来たところへワッチャラフォンが右フック、これで足に来たマイサンカンにワッチャラフォンが再び左フックからの右フックをさく裂させてマイサンカンを大の字に。ワッチャラフォンが豪快KO勝ちを飾った。これで3試合連続KO勝ち、そしてボーナスを獲得した。
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▼第4試合 フェザー級キックボクシング 3分3R〇リウ・メンヤン(中国)判定0-3×野杁正明(team VASILEUS) 野杁は2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者に。 翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は連勝。2021年9月の「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」を全試合KOで制して2階級制覇。2021年のMVPを獲得した。2022年6月の『THE MATCH』で海人との国内頂上決戦に敗れるが、その後は2連続KO勝ちで復活。2024年6月に『ONE 167』でONE初参戦を果たしたがシッティチャイに判定3-0で敗れた。今回がONE2戦目となる。戦績は49勝(25KO)12敗。 対戦するメンヤンについては「何でも出来る、身体も頑丈なタイプの選手かなって印象です」と評している。メンヤンの戦績は32勝6敗。MMAでも2勝しているという。
1R、メンヤンが押して右ロー、ワンツーから右ロー、さらにパンチのコンビネーションから、野杁が右アッパーを出した直後に至近距離での右ストレートでダウンを奪う。飛びヒザで襲い掛かるメンヤン、野杁は左ボディを返す。両腕ブロックを固めてメンヤンの攻撃に下がらないようにした野杁は左ボディ、メンヤンが離れて前蹴りを蹴ってくると野杁は右ローを返す。 ブロックを固めて押し合いをする中、野杁は左ロー、右アッパー、ヒザ。メンヤンも右アッパー。野杁の左ヒザが鋭く突き刺さり、メンヤンはボディをかばう。押そうとするメンヤンに野杁は下がらず、左ヒザを突き刺す。ダウンを奪われた野杁だが、中盤は盛り返した。
2R、前に出るメンヤンに野杁は左三日月を連打。メンヤンはワンツーを叩きつけ、野杁は左ボディを打ち返す。野杁をロープに押し付けて左右ボディとヒザを蹴るメンヤンに、野杁も左ボディと右アッパー。メンヤンの右ストレートからの左フックを至近距離でもらい、グラついた野杁だが強気のカモンゼスチャー。 メンヤンの前蹴りにロープを背負う時間が長い野杁は左三日月とヒザ。野杁が左ボディからの左フック、ヒザとボディを攻めまくる。
3R、ワンツー・左ボディ、ヒザでボディを攻める野杁にメンヤンは距離を詰めて押し合いでも負けずにショートのパンチを繰り出す。野杁の左ヒザがボディへ鋭く決まったが、続く後ろ蹴りがローブローとなってしまい一時中断。野杁の攻勢が始まったところだけにもったいない場面だった。 再開後、ローの蹴り合いから細かいパンチを出してくるメンヤン。かなり疲労して押してくるだけになったメンヤンに野杁のワンツーがヒットするが組まれてしまう。左右の連打からヒザを突き刺す野杁にメンヤンは必死に組み付く。最後は後ろ廻し蹴りを掛け逃げするようにして時間を稼いだメンヤン。そこで終了のゴング。
最終ラウンドはかなり挽回し、相手を疲弊させた野杁だったが、ダウンのマイナスポイントは挽回できず判定3-0で2連敗を喫した。
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▼第3試合 アトム級キックボクシング 3分3R〇アニッサ・メクセン(アルジェリア/フランス)判定3-0×KANA(フリー)
2024年9月にONEとの契約を発表したKANAは、初代K-1 WORLD GP女子フライ級王者に輝くなど22勝11KOの戦績を残してきた。
対戦相手のアニッサ・メクセンは、キャリア103勝6敗で、世界最高の女性キックボクサーの一人として知られる。
メクセンは、2023年12月の前戦『ONE Friday Fights 46』で女子アトム級キックボクシング暫定王座決定戦でペッディージャー・ルクジャオポーロントンと対戦するも判定負け。2024年11月9日のタイ・ルンピニースタジアム『ONE 169:Malykhin vs. Reug Reug』で「初代ONE女子ストロー級キックボクシング世界王座」をジャッキー・ブンタン(米国)と争うことになっており、その約1カ月後に、アトム級でKANAとの連戦に臨むことになる。
KANAは、2022年2月から5連勝も、2023年12月の『K-1 ReBIRTH2』のアントニア・プリフティ戦で判定0-2で敗れており、ONEで1年ぶりの再起戦となる。
1R、互いに前後にステップを踏み、ワンツーと右ローの応酬。KANAはKANAのジャブに右オーバーハンドを合わせに行く。KANAは右カーフ、KANAは右ローを蹴り、メクセンはステップでよく動く。KANAは右ローを蹴っていき、接近戦で頭を振りながらパンチを繰り出す。 メクセンはジャブ、ワンツー、右ミドル。KANAはガードしながら前に出て詰めるが、その上からパンチをもらう。前に出ていくKANAだがメクセンはステップで距離を取り、KANAが入ってくるところへ攻撃。KANAは右カーフで反撃。
2R、ジャブ、前蹴り、さらにステップで距離をとるメクセン。KANAが入ってくると得意の左フックを合わせに来る。ステップで動き回るメクセンを追うKANA。メクセンが左右フックをまとめるとKANAも右フックを返すが空振り。KANAは右ローに続いて左ローを蹴るが、メクセンのパンチを被弾。 左右に動くメクセンは左ミドルと右ロー、ワンキャッチからのヒザも見せる。前へ出ていこうとするKANAだがメクセンのステップワークに追いつけない。
3R、右ローを蹴るKANAにメクセンがワンツー、頭を下げながら入り込もうとするKANAにもメクセンは右のカウンターや左フック、ワンキャッチからのヒザを合わせる。ワンツーを打ち抜くメクセンにKANAの頭が揺れる。ステップで動き、KANAと距離をとりながらジャブ、ミドルを当ててすぐに離れるメクセン。 KANAが近づくとヒザ蹴りだ。ジャブと右ミドル、ステップでかわしては当てるメクセン。KANAも詰めて右フックを繰り出すが空振り。逆転を狙ったバックハンドブローも空を切り、試合終了のゴングが鳴った。
判定を聞く間、宙を見上げていたKANA。メクセンの判定勝ちが告げられると、抱き合って笑顔でメクセンの勝利を称えた。
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▼第2試合 キャッチウェイト ムエタイ 3分3R×リッティデット・ソー・ソンマイ(タイ)TKO 2R 0分39秒 ※レフェリーストップ〇士門(=吉成士門/エイワスポーツジム) 吉成名高の従兄弟である士門は名高と同じくジュニア時代からムエタイを学び、WPMFインターナショナルスーパーバンタム級王座やWMCインターコンチネンタルバンタム級王座など4つのタイトルを獲得。7月の『RWS JAPAN』ではウーコンに完勝し、ラジャダムナンスタジアムでスーパーフェザー級の7位にランクインすると、9月にはタイ国プロムエタイ協会ライト級王座も奪取。長い手足から繰り出すパンチ、蹴り、ヒジ、ヒザ全てで倒すことが出来る攻撃型ムエタイファイターだ。 対戦相手リッティデットは2023年3月の『ONE Friday Fights 7』からONEに参戦すると、5戦目まで3勝2敗で決着は勝っても負けても全てKOという激闘男。2024年4月の6戦目でスリヤンレックに初の判定決着で敗れている。9月にはKNOCK OUT-REDフェザー級王者・小笠原瑛作から右ハイキックでダウンを奪って勝利している。多彩な蹴り技を武器としており、かなり手強い相手が用意された。
1R、まずは士門が左ミドル、リッティデットが左ローを蹴るとすぐに右ローを返す。するとリッティデットはジャンプしての左ミドルを見せる。リッティデットが飛び込んでの左フック、右ヒジを繰り出す。士門は左フックから右ヒザ、そして左の三日月。 長いリーチからのジャブ、ワンツーをヒットさせる士門。リッティデットはたびたび組みに来るが士門はいい組み方をさせない。
2R、リッティデットの入り際に左フックを合わせた士門。リッティデットが焦ったかさらに入ってきたところへ左フックを合わせてダウンを奪う。 かなりダメージの深そうなリッティデットに襲い掛かる士門は、ロープ際で右ストレートから左右縦ヒジの連打。ここでレフェリーがストップした。
ONE初登場で強豪相手に見事なTKO勝利を飾った士門。
「(左フックは)自分の今までやってきた練習の成果です」と勝利者インタビューに答えると35万バーツ(約160万円)のボーナスが贈られた。「めちゃめちゃ嬉しいです。試合を組んでくれた皆さん、ありがとうございます」と士門はガッツポーズで笑顔を見せた。
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▼第1試合 バンタム級キックボクシング 3分3R〇エルブルース・オスマノフ(ロシア)判定3-0×ネイサン・ベンドン(英国)
アマチュアで500戦以上の経験を持つというオスマノフ。
1R、圧をかけていくのはオスマノフ。ベンドンはジャブを突き、ワンツー、右カーフを蹴っていく。オスマノフはスイッチを繰り返してオーソドックスで右オーバーハンド、サウスポーになっての左ミドル。オスマノフは後ろ蹴りでボディを狙うと、左右ボディ、さらに左の三日月を突き刺す。 接近すると右ストレート、左フックをパワフルに打ち、オスマノフも負けじと打ち合う。バックスピンエルボー、2回転しての左ミドルと派手な攻撃も繰り出すオスマノフ。
2R、勢いよく前に出るベンドンがワンツー、右ロー。右を当てていくベンドンだが、オスマノフは回転しての左フック。どんどん距離を詰めるベンドンが右ストレート、右フックを狙っていき、右カーフも蹴る。オスマノフは右ローを返し、後ろ廻し蹴り2連発。このラウンドはベンドンが手数で上回ったか。
3R、距離を詰めて打ち合い場面が出てきた両者。ベンドンが左フックをヒットさせるとオスマノフも返しの右ストレートでベンドンを大きく崩す。ベンドンは左右のボディを狙うが、オスマノフは後ろ蹴りをヒットさせる。ベンドンのパンチを空振りさせて右を打ち込むオスマノフ。手数を出すベンドンだが、オスマノフのディフェンスに空振りが目立つ。
スピード感のあるアグレッシブな試合はオスマノフが判定3-0で制し、6連勝を飾った。