アディワンはパシオよりも危険な選手だ
一方のブルックスは、ランカーのアディワンとの対戦に向け、「皆んな口を揃えて『おー、アディワンとやるの?』って言ってくる。まるで彼が“ブギーマン”(殺人鬼)か何かのようにね。純粋に彼との対戦が楽しみだし、僕がこの階級の“キング”を倒せるってことを見せるのが楽しみだよ」と自信たっぷりだ。
しかし、川原波輝、仙三を降すなど13勝3敗のアディワンを決して見くびってはいない。
ブルックスは、アディワンを「(現ONEストロー級世界王者の)ジョシュア・パシオよりも危険なファイターだ」ともいう。
「僕は、いろんなファイターのことを広範囲で研究している。彼らと戦う前に、そのファイターがどんな選手なのかを徹底的に研究して、分かったことをとにかく練習する。アディワンは爆発的な選手で恐ろしいファイターだ。彼は技術的に優れているとは言えないけど、“危険な選手”だ。アディワンはジョシュア・パシオよりも戦う上でリスクが高いというのが個人的な意見だよ。
(アディワンとパシオの)過去の対戦相手を見る限りでは、リトは打撃が得意なようで、ジョシュアはキックが強く、ファイトIQも高い。だが、2人が対戦したら、リトが勝つことになるだろう。リトは、フィリピンにおける新しいマニー・パッキャオのような存在だ。母国ではスーパースターだし、ONEデビュー戦として最高の相手だと思うよ」と評価する。
その上で、「準備は出来ている」という。
「すでに団体で名を上げた選手を倒せるんだからな。もし彼が僕との試合は楽勝だって思っているなら、それは大きな間違いだ。僕は激闘の準備ができている。彼がこの試合で見せたいものに対して、全て準備できているよ」
2020年11月にアディワンは箕輪ひろばと対戦。スプリット判定で敗れたが、修斗王者を相手に接戦を繰り広げている。この試合をブルックスは、研究したという。
「何度もあの試合を見たね。あの試合でリトは少し大人になったように見えた。(アディワンが仕掛けた)キムラ以外では、ヒロバが終始試合をコントロールしていたよ。なぜ判定が割れたのか僕には分からないね。ヒロバは全くタップしていなかったと思うし、そういう意味ではリトはちょっと“痛い”敗者だ。だってニアフィニッシュだけど、ヒロバがタップしなかったから。あの試合は完全にヒロバ・ミノワの勝利。彼は試合全体を完璧にコントロールしていた」
ONEに来たのは、自分が新しい挑戦者として現世界王者のジョシュア・パシオと戦うためだと話しているブルックスは、王者についても、この階級でトップであることは認めたものの、“これまでの道のりで苦労してこなかったのでは”と疑問を呈している。
「ジョシュアは3、4年間、チャンピオンとして良い仕事をしてきたよ。彼は自分のルーツ、どこから来たのかを世界に見せつけた。ただ、僕の意見では彼はこれまで高いレベルのファイターと戦ってきていない。つまり、ストロー級に新しい波がやってきたってことなんだ。ボカン(マスンヤネ)もいるし、ミノワもいる。そして僕がやってきた。チャンピオンが僕たちとどう戦うのか見ものだね」
ブルックスにとって、アジアで戦うにあたり、日本のMMAファンにも楽しんでもらいたいという。
「コンニチハ! 日本のファンは世界のファンの中でも一番のファンだ。アメリカと日本のファンのためにこの試合を戦うよ。応援に感謝しているし、みんなのために勝利を掴むよ!」とメッセージを送った。