公開練習では7月のスアキム戦へ向けた“秘密兵器”オーバーハンドフックを見せた那須川
2019年6月2日(日)兵庫・神戸ワールド記念ホール『RIZIN.16』で、ISKA世界フェザー級王座決定戦を行うRISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)が、5月24日(金)千葉のTEPPEN GYMにて公開練習を行った。
昨日、対戦するはずだった王者アメッド・フェラージ(フランス)の欠場が発表され、対戦相手がまだ決まっていない状態。集まった報道陣からはそのことについての質問が多くされた。
「(対策は)相手がまだ分からないので考えようがない。どうなんでしょう、相手見つかるんですかね? その選手に対してはプロ失格だな、と。格闘技辞めちまえと思いました。逃げたって、それだけ聞きました。同じ格闘家だとは思いたくないですね」と、敵前逃亡したというフェラージへはいまだ怒りを隠せない。
「メンタルをやられたんですかね。こんなことは初めてです。なんで格闘技やっているんだろうなって思っちゃいますね。目指しているところが違うのかなっていうのが単純にあります。最近思うんですが、本当に世界最強になりたいと思ってやっている人は案外少ないんじゃないかなって。全員が全員同じ目標じゃないですし、ベルトを獲りたいとか、カッコつけたいとか、モテたいって人が多い気がします。
自分は強くなりたいって気持ちしかない。ここでモテたいからって言ったら“えっ?”ってなるでしょう(笑)。自分は強くなりたいしか考えていないし、だから本当に最近は格闘技のことばっかりだし、それが楽しいですし、いろいろ考えたりもしてしまいますが上手くやっています」と、ひたすら強さを求めている自分からすればフェラージの行動は理解できないと残念そうに語った。
ただ、「別に相手が変わろうが関係ないかなとは思います」と、誰が来ても戦うだけ、と気持ちは切り替わっているようだ。
6月22日(土)にはプロボクシング世界三階級制覇王者・亀田興毅とのボクシングマッチも決まっており、先日5月18日にも2試合を行ったばかり。その影響については「いいところも悪いところもある。いいところはパンチの手数、打ち方のバリエーションが増えました。悪いところは改善していて、ちょっとスタンスや踏み込み、重心が変わってきたらよくないというのがあるので、そこは修正しながら練習しています。難しさはあるけれど、そこまで苦ではない。ボクシングマッチが8回戦、10回戦となると練習の仕方は全然違くなるけれど、ラウンド数は慣れているラウンド数なのでそこはまだ大丈夫かな、と」と話した。
また、18日にエマヌエル・ロドリゲスを2R1分19秒でTKOし、世界に衝撃を与えた井上尚弥について聞かれると、「本当に凄いですよね。悔しかったです。世界と戦って、差を付けられているというのか、負けていられないというのが凄くあります。全てがパーフェクトですよね。キックでは自分がトップでやっていますが、ジャンルを超えて強くなりたいです」と、大きな刺激を受けたという。
公開練習ではオーバーハンドで打つパンチをミット打ちで見せたが、これは今回の世界タイトルマッチでも亀田戦のためでもなく「7月へ向けての練習中のパンチって感じです。オーバーハンドのパンチを。真っすぐになりすぎないように。スアキム選手は外からの攻撃に弱いのでそこをうまく狙っていきたいと思ってやっているパンチです」と、7月21日(日)エディオンアリーナ大阪にて開催される『RISE WORLD SERIES 2019 Semi Final Round in OSAKA』での世界トーナメント準決勝、ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ)戦へ向けてのものだと説明した。
6月、7月と関西での試合が続くことに関しては「初めて見る方も多いと思うし、動画でしか見たことがない人もいると思うので、そういう人に東京へ行ってでも見たいと思う試合をしたい」と、関西のファンを魅了する試合をしたいと締めくくった。