キックボクシング
レポート

【RISE】GLORY世界王者強し、原口健飛にペットパノムルンが圧勝。鈴木真彦が江幡塁を初回KO、YA-MANが大激闘で中村寛に勝利、大雅は梅野源治に完勝

2021/11/14 15:11
Cygames presents RISE WORLD SERIES 2021 OSAKA2021年11月14日(日)丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館) ▼メインイベント Super Fight! -65kg契約 3分3R延長1R×原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント優勝)判定0-3 ※29-30、28-30×2〇ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ/Kiatmoo9/GLORY世界フェザー級王者)  原口は2月28日の『RISE ELDORADO 2021』以来の登場。空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。チャンヒョン・リー、森井洋介からも勝利を収め、2020年1月大会で秀樹を降してRISEライト級王座に就いた。2020年10月11日には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。今年2月には白鳥大珠を降している。前戦は“仮想ペットパノムルン”のタップロンにKO勝ち。戦績は20勝(12KO)1敗1分。  ペットパノムルンはサウスポーでは169勝37敗4分の戦績を誇り、2011年にプロムエタイ協会バンタム級王者、2013年にスーパーフェザー級王者となって2階級制覇。2015年にはトーナメント戦の『トヨタ・ムエマラソン』-64kg級で優勝、2016年にWMC世界ライト級王者となった。  セクサン、サムエー、ペットモラコット、チャムアックトーンらスター選手としのぎを削って勝利を収め、2016年8月からはGLORYに参戦。ザカリア・ゾウガリーやアブデラ・エズビリらから勝利を収めると、2018年9月に ロビン・ファン・ロスマレン(オランダ)に挑戦し、判定勝ちでGLORY世界フェザー級王座を奪取した。同王座は4度の防衛に成功している。また、2018年にはGLORYの“ノックアウト・オブ・ザ・イヤー”に輝いたことも。戦績は169勝37敗4分。  当初は2021年2月の『Cygames presents RISE ELDORADO 2021』にて原口との対戦が発表されたが、新型コロナウイルスの影響で来日が中止に。今回、待望の初来日を果たしバブル生活を経てリングに上がった。  1R、両者サウスポー。ペットパノムルンは左ロー連打から右フック、原口はハイキックで迎え撃つ。左ローから左ミドルのペットパノムルンに原口は左ハイ。原口の後ろ蹴りにペットパノムルンは前蹴りを合わせ、さらに首相撲からヒザ蹴り。前蹴りをタイミングよく繰り出すペットパノムルンに原口は三日月蹴り。ペットパノムルンは余裕の表れか、カカト落としを繰り出す。プッシングで原口を崩してパワーを見せるペットパノムルン。  2R、原口の飛び込み左ストレートには反応し、ミドルを蹴るペットパノムルン。左ミドルを蹴ると、原口はキャッチしてコカす。ペットパノムルンは左フックから首相撲のヒザ、一度放してヒザとワンキャッチワンアタックを有効的に使いこなす。左フックから首ヒザ、そしてプッシュしてのヒザと原口に手を出させないペットパノムルン。前に出てくるペットパノムルンに左フックを合わせる原口だが、ペットパノムルンは掴んでヒザ。しかし、2度蹴ってしまいイエローカードが提示された。  3R、ペットパノムルンの右フックに右ハイを返す原口。ペットパノムルンの左ミドルの炸裂音に場内からどよめきが起こる。後ろ蹴りを繰り出す原口にペットパノムルンは右フック、原口はカウンターを当てようとしたが逆にもらう。ボディへのヒザ、左ミドルをもらって劣勢の原口。右フックをヒットさせるが、ペットパノムルンは組み付いて追撃を許さない。ペットパノムルンは強い前蹴り、左ミドル。最後は左ミドルをヒットさせて試合終了。ペットパノムルンは右手を高々と上げて勝利をアピールした。  判定3-0で勝利したのはペットパノムルン。“世界”の圧倒的な強さを原口相手に見せつけた。マイクを持つと「今回日本で試合をするのは初めてです。日本で試合をしたかったので呼んでくれてありがとうございました。原口は思った以上に強かったです。これから応援してください」と笑顔で語った。  GLORY世界王者の強さを示したペットパノムルンに、次なる日本人のチャレンジャーは現れるのか。今後のRISEとGLORYの関係も気になるところだ。 [nextpage] ▼セミファイナル Super Fight!バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R〇鈴木真彦(山口道場/第7代RISEバンタム級王者)KO 1R 1分49秒 ※右ストレート×江幡 塁(伊原道場/WKBA世界スーパーバンタム級王者)  鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してRISEバンタム級のベルトを獲得。2015年8月の『BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント』で那須川天心に敗れて以降、連勝記録を重ね5年間無敗、20連勝という驚異の記録を打ち立てたが、2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」の決勝で志朗にダウンを奪われて連勝がストップ。2月に溜田蒼馬、7月にテーパリットに勝利して9月に那須川天心との再戦を実現させたが、判定3-0で再び敗れた。戦績は29勝(17KO)5敗。  江幡は双子の兄・睦とともに江幡ツインズとして知られ、新日本キックボクシング協会のエースとして活躍。新日本キックボクシング協会日本バンタム級王座、WKBA世界スーパーバンタム級王座、KING OF KNOCK OUTスーパーバンタム級初代王座決定トーナメント優勝で3本目のベルトを巻いた。兄弟揃ってワンツー&ローキックを主軸とした高い攻撃力を持つ。2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」の準決勝で鈴木真彦に敗れ、今年2月のRISEで拳剛を初回KOして再起を飾った。戦績は42勝(22KO)3敗3分。  1R、江幡は重心を低めに構えて近い距離でパンチを狙っていく。鈴木は江幡は右ストレートから右ローを蹴ろうしたしたが、そこで鈴木が左フックから右ストレートを打ち抜いた。後方へバッタリと倒れる江幡。立ち上がろうとするも足元がおぼつかず、ロープへもたれかかる。即座に鈴木のKO勝ちとなった。  鈴木は「今日バンタム級の試合が多かったけれど、やっぱり鈴木真彦強いなって思ってくれましたか? やっぱりこの間、那須川天心選手に負けて、ほんまにいろいろ考えたんですけれど、止まっていても仕方ないと思って、前に歩いていくしかないんで、僕たちは。みなさんもですけれど。僕はこれからも最強を目指して行くので、応援してください。RISEを引っ張って行きます」と再出発を宣言し、「健飛、聞こえてるかな、絶対に勝てよ」と、メインの原口健飛にエールを送った。  そして改めて「僕もRISEを引っ張って行けるように頑張ります」と宣言した。また、解説を務めていた志朗は「ぜひ、またやってみたいです」と鈴木との再戦が違い将来あることを告げた。 [nextpage] ▼第12試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R×中村 寛(BK GYM/第6代DEEP☆KICK -60kg王者)判定0-3 ※28-29×3〇YA-MAN(TARGET SHIBUYA/同級7位)  中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される23歳。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群の右ストレートを武器に、2019年6月のRIZINで元RISEフェザー級王者・一刀を相手に壮絶な2RKO勝利を収め、一気に注目株となった。2019年7月にRyuki戦でプロ初黒星を喫し、2020年7月の復帰戦でも判定負けとなったが、11月のRISEで魚井フルスイングを初回KOして復活の狼煙をあげた。今年7月には記者会見で乱闘騒ぎを起こした大雅と因縁の対決を行い、ハイキックでダウンを奪っての判定勝ちを収めている。戦績は10勝(9KO)3敗。第6代DEEP☆KICK -60kg王者。  YA-MANは第4代RISEバンタム級・宮城大樹(Dyki)の弟子で、2018年2月にRISEでプロデビュー。2018年RISING ROOKIES CUPではフェザー級で準優勝。頭角を表したのは5月からオープンフィンガーグローブマッチが試験的に導入されてからで、5月に山口侑馬を2RでKOすると、9月大会では格上のRISEライト級2位・北井智大にも1Rわずか43秒でKO勝ちを飾った。戦績は8勝(3KO)3敗。RISEライト級7位。  1R開始と同時にフルスイングの左右フックで打ち合いとなり、YA-MANが左フックでダウンを奪う。すぐにラッシュを仕掛けるYA-MANに中村はグラつくが負けじと打ち返す。YA-MANの左フックにグラつく中村だがしがみついてダウンは逃れる。それでも打ち返そうとする中村だが、YA-MANの左右フックを浴び続ける。さらにヒザ蹴り。フラフラの中村にヒザを突き刺すYA-MAN。左フックから右ストレートを直撃させるYA-MANだが、中村は倒れない。クリンチしてこのラウンドを中村はしのいだ。  2R、YA-MANが攻め込み、中村も打ち返す。YA-MANの右ストレートにのけ反る中村だが、左ロー、右ボディを打ち返す。中村は右カーフを狙い撃ち、さらに左フックを強打。YA-MANの手が出なくなる。右ミドルを蹴るYA-MANはヒザ蹴り、左右フック。すると中村がフルスイングの左右フックで逆襲。YA-MANはワンツーをヒットさせる。そしてまたもフックの打ち合い。大いに盛り上がる場内。  3R、両者足を止めての打ち合いを見せる中、中村は笑顔を浮かべてノーガードになってYA-MANに打たせる。中村のヒザ蹴りがボディに突き刺さる。YA-MANも右ミドルを蹴り、中村は逆転を狙って飛びヒザ蹴り。中村はクリンチになるとスープレックスのようにYA-MANを投げる。立ち上がったYA-MANは絶叫して殴りかかる。  試合終了のゴングが鳴ると、両者笑顔で抱き合う。満足した殴り合いが出来たのか、YA-MANは嬉しそう。判定は3-0でYA-MANの勝利となり、オープンフィンガーグローブマッチだけの選手ではないことを証明した。  マイクを持ったYA-MANは「中村選手、ありがとうございました。最高の試合が出来ました。あとこの場を借りて自分のお母さんに感謝を述べたい。お母さん、育ててくれてありがとうございます。自分の家庭はけっこう複雑で、お父さんはポン中で刑務所行ってて、おじいちゃんとおばあちゃんも養育費持ってどっか行っちゃうし。こうやってオープンフィンガーで1日で人生は変えられるので、この中に俺不幸だなって人がいたら、自分でしか自分の道を切り開けないので自分で切り開いていってください。お母さん、ありがとうございます」とのメッセージを、フラフラになりながら語った。 [nextpage] ▼第11試合 -61kg契約 3分3R×梅野源治(PHOENIX/BOMライト級王者、元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者)判定0-3 ※26-30×3〇大雅(チームドラゴン/元K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)  梅野は2014年11月に日本人初のWBCムエタイ世界(スーパーフェザー級)王者となり、2016年10月にはヨードレックペットを破り外国人として史上6人目のラジャダムナンスタジアム(ライト級)王者となった“日本ムエタイ界の至宝”。2019年は得意の首相撲とヒジ打ちを封印して『RISE』の世界トーナメントに出場し、決勝へ進出するも白鳥大珠にKO負け。その後はムエタイとRISEの試合を並行して行い、今年6月には『RIZIN』のKICKワンナイトトーナメントに出場し、1回戦で皇治と対戦したが、1Rわずか43秒、偶発的なバッティングでノーコンテストとなった。9月のBOMではムエタイルールでロンペット・Y'ZD ジムとドロー。戦績は49勝(21KO)12敗3分1無効試合。  大雅は2012年1月に16歳でプロデビューし、2014年8月にKrushスーパー・バンタム級王座を奪取。2016年にはK-1 WORLD GP -60kg日本代表決定トーナメントで優勝し、翌2017年2月にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座を奪取した。RIZINには2018年9月から参戦。2020年8月の『RIZIN.23』で原口健飛にまさかの初回KO負けを喫するなど泥沼の3連敗を経験したが、11月の『RIZIN.25』でDEEP☆KICK -63kg王者・山畑雄摩、基山幹太に連勝。しかし、前戦は7月に中村寛にダウンを奪われ猛反撃するも判定2--0で敗れた。戦績は22勝(6KO)13敗。  ムエタイで生きてきた男とヒジ無しキックボクシングルールで生きてきた男の初対決となる。  1R、両者サウスポー。大雅が前へ来るところに梅野は左ミドルを合わせる。序盤の交錯で大雅のパンチが後頭部に当たって中断。前に出る梅野が左ローを蹴り、大雅はジャブ。梅野は左ミドル、左ローをどんどん蹴っていき、大雅は左右のフックで前へ出る。大雅が嵐のようなラッシュで梅野をコーナーへ詰め、ボディも含めて連打。梅野はブロックを固めるが、大雅は構わず前に出ながら左を叩きつける。  2R、ジャブを突いて左ミドルを蹴る梅野だが、大雅が左の大きなフックからパンチをまとめて左ボディから左ストレートをフォローしてダウンを奪う。左右へ回り込み、フルスイングのフックを繰り出す大雅に梅野はジャブ。自ら前に出るとテンカオ。パンチの回転力で優る大雅の連打をもらうとガードを固めてしまう梅野だが、徐々に前へ出てヒザと右ストレートを狙う。  3R、前に出てパンチを当てようとする梅野に大雅は回り込みながらフック、右アッパーを当てては離れる。さらに左ボディも。大雅は余裕の表情も浮かべてパンチを当てて回り込むを繰り返す。さらに左右の連打で梅野を探らせ、強烈な右フックも。梅野は大雅の右ローでコカされ、先手をとられる梅野。左ストレートを叩きつける大雅に梅野は被弾を繰り返す。  判定は大差で大雅が勝利。RISEでの初勝利をあげた。大雅はマイクを持つと「本当はKOして勝ちたかったんですが力が入ってしまいました。それと皇治選手、年末もう1回ぶっ飛ばしてあげるので来週怪我しないでください」と、RIZIN大晦日大会での皇治との再戦をアピールした。 [nextpage] ▼第10試合 ミドル級(-70kg)3分3R延長1R〇海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者、SB日本スーパーライト級王者)判定3-0 ※30-26×3×中島将志(新潟誠道館/同級6位)  海人はシュートボクシング世界トーナメント『S-cup2018』で優勝するなどSBの絶対的エースとして君臨、65~70kgと幅広い階級で緑川創、“ブラックパンサー”ベイノア、イ・ソンヒョン、中島弘貴、健太など国内外の強豪を次々と撃破してきた。今後は70kgを主戦場にすると決め、今年2月には日菜太を破りKNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王者にも就いている。4月にはモハン・ドラゴンにダウンを奪って勝利し、6月は第3代ZSTライト級王者・小金翔にも完勝。9月にはチャンスックにも勝利して7連勝中。  RISEには3度目の参戦となり、今回は昨年10月以来の出場。また、地元大阪で試合をするのは2015年10月以来、約6年ぶりとなった。  中島は新空手出身で2017年RISEミドル級新人王を獲得。ウェルター級でも2位にランクインしており、“ブラックパンサー”ベイノア(3RKO負け)、渡部太基(判定勝ち)、廣野祐(判定負け)らトップ選手と拳を交えた。前戦は8月の『RISE EVOL』のメインイベントで、第2代ZSTフェザー級王者・森興二を1R1分51秒で右ストレートによるKO勝ちを収めている。戦績は9勝(5KO)5敗。  1R、左右に構えをスイッチする海人は中島のジャブに右を被せる。サウスポーから左ミドル、左ストレートを放つ海人。オーソドックスにスイッチすると同時に左ボディ、右フックをまとめる。中島の前蹴りをキャッチすると即座に左ボディを突き刺してダウンを奪う海人。立ち上がった中島に右ハイキック。中島はワンツーを繰り出すが、それをブロックした海人は右ストレートの連打を連続ヒット。  2R、海人は左ミドルを2連発、すぐに右カーフキック。中島はジャブを繰り出すが海人は右ハイをリターンする。海人はワンツーをガードの隙間から打つと、すぐに右フック。中島も負けじと左フックを返していき、海人は顔面でガードを固めさせておいて左ボディをめり込ませる。左フックで勝負する中島に海人は右ストレート、左フック、左ボディ。  3R、海人は前蹴りをボディに入れ、右カーフを蹴る。中島はジャブから右ストレートを狙うが、海人はかわす。海人はカーフを3連打。中島は左アッパーを交えながらパンチで前へ出る。海人は右ヒザを突き刺すとワンツーで前へ出る。中島の右ストレートをかわしての右ストレート、さらに打ち合いで左右のストレート、フックを次々と当てていく。中島はのけ反りながらも打ち返す。左ボディ、右フックと海人がヒットを奪ったところで試合終了。  ジャッジ3名とも30-26の大差をつけて海人が完勝。「6年ぶり地元大阪で試合できてすごくうれしいです。今後僕は日本に相手がいてないので世界と渡り合っていくと思っています。自分はあくまでもシュートボクサーですが、世界と渡り合えるならシュートボクサーとしてどのリングにも上がるので、RISEで世界とやらせてください」と、場所を選ばず外国人強豪選手と対戦したいとアピールした。 [nextpage] ▼第9試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R×植山征紀(龍生塾ファントム道場/SB日本スーパーバンタム級王者)負傷判定0-3 ※29-30×3〇京谷祐希(山口道場/バンタム級7位)  ハードパンチャーとして知られる植山は、25勝のうち13のKO勝ち、2018年11月のSB日本スーパーバンタム級王座決定戦では笠原友希を3RTKOで葬りベルトを獲得。2019年2月には安本晴翔に唯一の黒星を付け、RIZINには4度出場して3勝(2KO)1敗。栗秋祥梧、江幡塁、志朗に3連敗を喫したが、今年6月のRIZINでTKO勝ちして復活を果たしている。  京谷は強打と当て感の良さで連戦連勝。2010年に『DEEP☆KICK』で皇治と対戦し、当時無敗だった皇治に初黒星を付けた。2012年6月には『Krush』で武尊と対戦し、当時5戦5勝の武尊から2度のダウンを奪った末にドクターストップでTKO勝利、武尊にプロ唯一の黒星を付けている。2016年10月には『HOOST CUP』にて玖村修平からも勝利を収めるなど実力者ぶりを発揮した“伝説の壊し屋”。その後、怪我のため試合から離れたが2019年9月のRISEで約3年ぶりに復帰。いきなりRISEバンタム級8位・金子梓をKOした。2020年は1月に志朗に判定で敗れたが、8月は知花デビット、11月は鷹介から勝利。しかし、2021年は5月に寺山遼冴と引き分け、7月に川上叶に判定負けとまだ白星がない状態。戦績は16勝(10KO)8敗2分。  1R、サウスポーの京谷に圧力をかけていく植山だが、京谷はジャブで押し返す。植山が打っていったところへ京谷の右フックが入り、植山が下がる。京谷はまとめたが、深追いはせず。植山は右ストレートを放つが、またも京谷が右フックを合わせ、植山のアゴがはね上がる。  2R、京谷はワンキャッチからのヒザ蹴りから左右の連打。植山も打ち返すが、京谷の連打をもらって植山はフラつく。右フックを放つ植山だがいつものパワーが感じられず、バックハンドブローもスピードがない。京谷は待ちの姿勢でまたも右フック。植山が詰めてくると首を掴んでヒザを突き刺す。  3R、植山は右ミドルから右ストレートを狙う。京谷は植山のパンチをバックステップでかわし、右フックを合わせに行く。植山も右フックをヒットさせ、両者がパンチを交錯させるとバッティングで植山が左側頭部から出血してドクターチェック。長い時間をかけて止血が行われたが、出血が止まらずドクターストップに。  ストップまでの負傷判定となり、京谷が判定勝ちを収めた。京谷はマイクを持つと「今日はもっとはっきりと植山君に勝ちたかったんですけれど、また機会があれば呼んでください。それと僕、久しぶりに勝って、みんな植山君が勝つと思っていたと思いますが一言だけ言わせてください。見たか、ボケッ!」と、風音のセリフをパクった。 [nextpage] ▼第8試合 ミドル級(-70kg)3分3R延長1R〇憂也(魁塾/同級2位、第2代DEEP☆KICK -65kg王者)判定3-0 ※30-27×3×ねぎ魔神(ネイバーズキックボクシングジム/同級9位)  憂也は2010年にK-1甲子園で準優勝、同年にDEEP☆KICKでプロデビューを果たすと、様々なリングで活躍。2013年12月には第2代DEEP☆KICK-65kg王者となった。RIZINには2度出場して、全て1RでKO勝利。右ストレートに破壊力を持ち、3試合連続で初回KO勝ちを収めて臨んだ2020年12月の『RISE』では緑川からダウンを奪って延長戦で勝利を奪う番狂わせを起こした。しかし、今年2月のRISEでは“ブラックパンサー”ベイノアに延長戦の末に判定で惜敗。7月の『NO KICK NO LIFE』では緑川と再戦してドロー。戦績は25勝(12KO)13敗3分。  ねぎ魔神は2021年3月に福岡で開催された『RISE WEST』に突如現れ、2R1分44秒、左右フックでダウンを奪った後の相手のカットでTKO勝ち。続く6月の同大会でも判定2-0で連勝し、8月に発表されたランキングでミドル級9位に。9月大会で関東に“初出荷”され、“ブラックパンサー”ベイノアを相手に判定で敗れるも奮戦してインパクトを残した。戦績は7勝(3KO)4敗。  1R、前に出てくるねぎ魔神に憂也はジャブを打ち、左三日月蹴り、左カーフ、左ボディで迎え撃つ。ねぎ魔神は前に出るが攻撃が出ず、憂也の攻撃をもらい続ける。コンビネーションパンチで右フックを強打する憂也は、ショートの距離で左アッパーを連打。左フックもクリーンヒットするが、ねぎ魔神は下がらない。憂也の左ハイ、さらに右ハイをもらっても立ち続けるねぎ魔神。憂也はさらにハイキック、右フックで畳みかけるがねぎ魔神は驚異のタフさを発揮して折れない。  2Rも前に出るねぎ魔神はジャブ&ロー、憂也はジャブを突きながら左フック。ねぎ魔神が左インローを蹴っても、憂也が強烈な左インローを蹴り返す。そして左右ボディに右フックだ。さらに飛び込んでのワンツー。左右フック&アッパーをまとめる憂也だが、ねぎ魔神は打たれても打たれても前へ出る。しかし攻撃は空振り。逆に憂也の強烈な右のパンチ、左ボディをもらう。  3R、倒しに行く憂也にねぎ魔神は「ねぎねぎ」と叫びながらジャブ、左フックを打つ。憂也は左ボディ、右フックで圧倒するが、ねぎ魔神はそれでも前へ出てパンチを振り回し、「打ってこい」と憂也を挑発。そして残り1分でねぎ魔神がワンツー、ヒザ蹴りで攻めていき、憂也のワンツーをもらうと両手を上げて「もっと打ってこい」と煽る。ねぎ魔神も手を繰り出し、憂也も強打を叩きつけた。  今回も頑張って最後まで経ち続けたねぎ魔神だったが、判定は三者とも30-27で憂也が完勝。「地元大阪と言うことでやる気マックスで来て、ベイノア選手が倒せなかったねぎ魔神選手を倒したかったんですが、粘って倒せず悔いが残ります。僕はもっと強いので70kg戦線盛り上がってきているのでそこへ食い込めるように頑張ります」とアピールし、「最後に一言いいたいことがあります」と前振りすると「ねぎねぎ」とねぎ魔神の決めセリフで締めくくった。 [nextpage] ▼第7試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R延長1R〇中野椋太(誠至会/同級4位、WBCムエタイ日本ウェルター級王者)TKO 2R 2分56秒 ※レフェリーストップ×蛇鬼将矢(テツジム/NKBウェルター級王者)  中野は2018年12月にNJKFウェルター級王者になったパンチを得意とするアグレッシブファイター。RISE初参戦となった2019年7月の大阪大会ではDEEP☆KICK王者の憂也に初回KOで勝利。10月には65kg級のS1ジャパントーナメント決勝戦で畠山隼人を破り優勝。RISE2度目の参戦となった2020年2月にはスーパーライト級王者・山田洸誓に判定負けを喫するが、11月のRISEでは山口裕人から左フックでダウンを奪って勝利した。今年7月にはWBCムエタイ日本ウェルター級王座を獲得している。  蛇鬼は地下格闘技出身で、2020年10月に行われたNKBウェルター級王座決定戦決勝にて、稲葉裕哉に判定勝利し王座を獲得。同年12月にはホーストカップでNJKFウェルター級王者の洋輔YAMATOと王者対決を行ったが、判定3-0で黒星。今年6月のNKBでは北川”ハチマキ”和裕の引退試合の相手を務めたが、判定3-0で敗れた。中野とは7年前に対戦し、プロ初黒星を付けられたという因縁がある。  1R、中野はジャブ&右ロー、蛇鬼も右ローを蹴って右ストレートで前へ出ていく。中野は前蹴り、右ミドルから左フックを打ち込む。時折、バックキックも繰り出す。蛇鬼は機を見て前へ出て右を打つ。  2R、蛇鬼が前へ出たところへ中野は左フックを直撃。グラつく蛇鬼だが前へ出て打ち合う。逆に蛇鬼の右フックで中野がグラつき、両者がフックを打ち合う。思い切りフックを繰り出す蛇鬼に対し、中野は右のストレート。中野はつかんでのヒザ蹴りを2度連続でやってしまい(1回の攻撃はOK)痛いレッドカードを提示される。中野の左フックに蛇鬼が右フックを返し、蛇鬼がパンチを大振りするところへ中野が左フックからの右ストレートでダウンを奪う。  立ち上がると同時に相手へ向かっていく気持ちの強さを見せる蛇鬼だったが、中野がパンチのラッシュで蛇鬼をロープへ釘付け。最後に左フックが当たったところでレフェリーがストップした。  中野はマイクを持つと「RISEでタイトルマッチとか、オープンフィンガーグローブのトーナメントをやって欲しいですね。僕も本物の強さを求めているのでよろしくお願いします」とアピール。テレビの解説を務めていた神村エリカは、思わず「なに、カッコいい」とため息交じりにつぶやいた。 [nextpage] ▼第6試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R×麻原将平(パウンドフォーパウンド/同級4位、初代HOOST CUPスーパーライト級王者)判定0-3 ※29-30×3〇山畑雄摩(心将塾/第3代DEEP☆KICK -63kg王者)  麻原は正道会館空手出身で、プロデビューして15年のベテラン選手。RISEライト級のトップランカーとしてタイトル挑戦経験もあり、『K-1 WORLD MAX』にも出場した。2016年10月にはHOOST CUP初代スーパーライト級王座に就く。ローキックと飛びヒザ蹴りを得意とし、新人時代からK-1ヘビー級で活躍した武蔵の指導を受けている。2020年11月の『RIZIN』では山口侑馬を試合時間残り1秒でKO、今年5月にはKENTAを延長Rで破り、連勝でベテラン健在ぶりを示している。戦績は25勝(7KO)16敗1分。  山畑はNJKF所属で、2020年6月にDEEP☆KICK王者となった。同年11月には『RIZIN.25』で大雅と対戦し、判定3-0で敗れている。さらに今年2月には大石健作とドローと勝ち星から遠ざかったが4月のDEEP☆KICKで勝利。6月のRIZINでは高橋聖人と引き分け、9月のDEEP☆KICKではKENTAに判定3-0で敗れている。  1R、パンチで前に出る麻原にサウスポーの山畑は左ミドル、左三日月。ワンツー、左フックを放っていく麻原は右ボディも戦く。山畑は右へ回り込んでいくが、麻原のパンチのプレッシャーにやや押され気味。  2Rも前に出るのは麻原。左ミドルを蹴り続ける山畑に麻原は右ボディストレートで対抗。パンチを出しながら前へ出続ける麻原に、蹴りまくる山畑。麻原はそのミドルに右ストレートを合わせに行くが、タイミングはまだ合わない。  3R、パンチの回転を上げていく麻原に、山畑も蹴りを連打。山畑のヒザ蹴りには右フックを合わせる麻原だが、山畑は左ストレートを返す。さらにミドルを蹴りまくる山畑はヒザも突き刺す。麻原はミドルに右ローを返しつつ、右ボディから左フック。山畑が左ローを蹴ると、麻原が飛びヒザ蹴りを合わせる。  判定は3-0で山畑が勝利。大声で勝利の雄叫びをあげ、全身で喜びを表現する大畑。解説席にいた直樹に「必ず追いつきます」と宣言した。 [nextpage] ▼第5試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R×宮崎就斗(TARGET/同級5位、第2代DEEP☆KICK -57.5kg王者)TKO 1R 2分07秒 ※レフェリーストップ〇梅井泰成(TEAM TEPPEN/同級6位)  宮崎は2011年11月デビューのベテランで、「第5代RISEバンタム級王座決定トーナメント」に出場するなど早くから活躍。現RISEフェザー級王者・工藤政英、現バンタム級王者・鈴木真彦、内藤大樹らとも拳を交えた。9月大会では無敗のホープ奥平将太に判定勝ちし、ベテラン健在を証明。戦績は23勝(7KO)17敗2分。  梅井は4歳の頃より始めた空手、中学一年から始めた柔道、そして高校ではレスリングと、様々な格闘技経験を持つ。柔道では全国中学柔道大会に出場し、レスリングでは近畿大会で3位入賞。19歳でキックボクサーを志し、2019年10月にはRIZINで植山征紀と対戦(判定負け)。その後、TEPPENに移籍して7月大会ではランキング上位の山川賢誠をKOし、現在3連勝。戦績は11勝(1KO)6敗。  1R、サウスポーの梅井に対し、本来サウスポーの宮崎がオーソドックスにも構える。前に出る宮崎は左カーフキック。梅井は宮崎のパンチにカウンターを奪いに行く。宮崎のペースで進んでいたが、梅井の左ハイがいきなりヒット。ダウンを奪う。梅井は一気にラッシュを仕掛け、パンチをまとめるとレフェリーがストップ。  2連続KO勝ちした梅井を、セコンドの那須川天心も称えた。梅井はマイクを持つと「皆さんの応援があって今日の結果があります。いつも僕のために時間を使ってくださって朝早くから練習に付き合ってくれた会長、岡本さん、天心ありがとうございます。今日は僕にとって特別な日で、何がなんでも勝ちたかったので。1RでKO勝ち、RISEで4勝して2連続KO勝ち、インパクト的に申し分ないと思うので次タイトルマッチ組んでください。現チャンピオンの工藤選手とやりたいです。ベルトを獲るなら工藤さんから奪いたいと思います。天心がキックからいなくなるので、それまでにベルトを獲りたい」と、タイトルマッチをアピールした。  続いて、「天心、一緒にバナー(会場にかけられる王者たちの垂れ幕)に載りたいよな」と那須川に声を懸けると、那須川は手を横に振って否定した。 [nextpage] ▼第4試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R×知花デビット(エイワスポーツジム/同級2位、WMAF世界スーパーバンタム級王者)判定0-2 ※29-30、29-29、28-30〇拳剛(誠剛館/同級4位、第5代DEEP☆KICK -55kg王者)  知花は三階級制覇四冠王でムエタイにて活躍した選手だが、パンチ&ローを得意とする。2019年7月以来勝ち星から遠ざかっていたが、2020年12月のRISEで元DEEP☆KICK-55kg王者・内藤凌太を左フックでKOして復活の雄たけびをあげた。7月大会ではバンタム級2位の良星を延長R判定2-1の僅差ながら破り、トップ戦線へ浮上。戦績は20勝(8KO)13敗4分。  拳剛は長いリーチを活かしたパンチと蹴りを得意とし、昨年2月には内藤凌太を破りDEEP☆KICK 55kg王座を戴冠。昨年11月のRISE初参戦時には、BOUTの看板選手である拓也を1RKOで下し強烈なインパクトを残した。今年2月には強豪の江幡塁に1RKO負けを喫したが、4月には麻太郎を1RKOしDEEP☆KICK王座の初防衛に成功している。6月大会ではMA日本スーパーバンタム王者・戸井田大輝から3度のダウンを奪って判定勝ち。戦績は17勝(4KO)11敗2分。  RISEバンタム級王者・鈴木真彦への挑戦者候補の激突となった。  1R、右カーフを蹴りつつパンチを繰り出していく知花が前へ出る。拳剛はロープを背負う場面が多いが、しっかりローを蹴り返して前へ来る知花へヒザ、左右のボディ。  2Rも知花は右カーフを狙い撃ちにし、フックも放っていく。拳剛も右ローを返してつかんでのヒザ蹴り。拳剛は前蹴りやテンカオで突き放しに行くが、至近距離での打ち合いにも応じる。コーナーを背負いながらも左右フックで打ち合う拳剛。知花の左フックがヒットするが、拳剛も右ストレート。さらにヒザ蹴りを突き刺す。  3R、長い手足を利してワンツー、ヒザ蹴りを繰り出し、ハイキックでけん制する拳剛。左ミドルでも快音を響かせる。知花は思い切って踏み込み、顔面とボディへフックを連打する。知花が前へ出るところへ拳剛のワンツーが入る。知花も負けじと左右フックで逆襲し、拳剛がバランスを崩してロープに持たれかかる場面もあったが、蹴りを当てていった拳剛の勝利となった。 [nextpage] ▼第3試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R×甲斐元太郎(理心塾/NJKFバンタム級暫定王者)KO 2R 1分32秒 ※左ハイキック〇数島大陸(及川道場)  甲斐は8月のNJKF大阪大会でNJKFバンタム級王座決定戦を行い予定だったが、対戦相手の欠場により暫定王座に認定されたばかり。  有井渚海欠場を受け、緊急参戦に名乗りをあげたのは同門のフライ級の数島。第30回全日本新空手道選手権大会K-3GRAND PRIX 2019軽軽量級優勝、JAPAN CUP 2017 K-3選抜トーナメント-45kg級優勝の実績を持ち、昨年9月のRISE新宿FACE大会でプロデビュー。7月大会でも薩摩3373の代打として出場しており、元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者の竜哉・エイワスポーツジムからダウンを奪って引き分けて一気に名を挙げた。8月の『RISE EVOL』ではメインを務めて判定勝ち、戦績を4勝(2KO)2分とした。  1R、サウスポー同士。数島は右で蹴りながら前へ出て左ストレートを繰り出す。甲斐はよく見て数島がボディを打ってきたところへ左フック。その直後、数島が甲斐のジャブに合わせて左ハイキックから右をフォローしてダウンを奪う。立ち上がった甲斐は思い切りフックを振り回すが、ダメージがあるか転倒を繰り返す。ラウンド終了間際にも数島が右フックでダウンを奪った。  2R、数島が左ストレート、右ボディから左フックとコーナーへ詰めてパンチを見舞う。甲斐も強きに左右フックを繰り出すが、右フックからの左ストレートでダウンを奪われる。最後は数島がロープを背負った甲斐に左ハイを炸裂させ、代打出場に関わらず鮮やかなKO勝ちを収めた。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R×田渕神太(拳聖塾/第2代アクセルバンタム級王者、ABW初代バンタム級王者)判定0-2 ※29-29、29-30×2〇大森隆之介(EX ARES/バンタム級9位)  田渕は空手とキックボクシングを並行して行う二刀流で、2020年12月にACCELバンタム級王座の初防衛に成功すると、今年3月のHOOST CUPではOISHI GYMのルーキー・HΛLを判定で下している。戦う場所や相手を選ばず、4月はRISEでRISEフェザー級王者・工藤政英に判定負け、7月は修斗大会内で行われた「CKC2021-54kgトーナメント」で準決勝に進出するも、優勝した寺山遼冴に判定負け。9月のシュートボクシングでは延長戦の末に山田彪太朗に判定で惜敗した。戦績は19勝(4KO)9敗2分。  対する大森は2020年1月にRISEでプロデビューすると4勝(3KO)と快進撃を続けていたが、6月の修斗大阪大会で開催されたCKC2021-54kgトーナメントの1回戦で有井渚海に敗れプロ初黒星。ここからの再起を狙う。  1R、長身の大森は左右に構えをスイッチしつつ、ジャブと打ち下ろすような右ストレートを繰り出し、田渕も同じく構えをスイッチしながらワンツー、奥手のストレートからフックを見舞う。田渕は出入りが速く、身長差を感じさせずにパンチを当てていく。  2R、遠間から右ストレートで踏み込む田渕。さらにローも蹴る。前に出る大森は田渕が右を出してくると右のカウンターを狙う。残り30秒で大森がジャブ、前蹴りで距離を取り始める。  3Rも大森は距離をとってジャブ、前蹴り。しかし、大森が右を放ったところへ田渕がカウンターの右フックをヒット。大森はジャブから右ストレートを放ち、田渕が前に出るとヒザで迎え撃つ。サウスポーに構えての大森の左ストレートも入る。田渕の被弾が目立ち始め、田渕も前に出るがそこに大森がフック&アッパーを合わせる。  最終Rで差が付き、大森が判定2-0で勝利した。 [nextpage] ▼第1試合 スーパーフライ級(-53kg)3分3R〇KING剛(ROYAL KINGS/MA日本バンタム級王者)判定2-0 ※30-29、29-29、30-29×溜田蒼馬(Crazy Wolf/第2代CMA KAISERバンタム級王者)  KING剛は“壊れた戦車”の異名を持つタフな選手で、大崎一貴、滉大、福田海斗らトップ選手と対戦。今年7月にはSB日本バンタム級2位・佐藤執斗に判定3-0で敗れている。  溜田の戦績は12勝(11KO)8敗と勝つ時は、ほぼKOと相手を倒しきる攻撃力を持つKO率9割を超えるハードヒッター。2月大会でRISEバンタム級王者・鈴木真彦の相手に抜擢され、左フックで鈴木からダウンを奪うと壮絶な打ち合いの末に初回KO負けを喫した。5月大会では政所仁にも初回KO負けを喫しており、RISE初白星を目指す。  1R、サウスポーのKINGに対して溜田は左へ回り込みながら右の蹴り。KINGも左ミドルを蹴る。蹴り合いが続く中、溜田が左フックを放てばすぐにKINGも右フックを返す。KINGは左ミドルを蹴りつつ右フックを当てに行く。  2Rが始まってすぐ、溜田の右フックがKINGを捉える。KINGは左インローを返す。溜田はこのラウンドは回り込まず正面から打ち合いを挑む。左ヒザを突き刺した溜田はパンチをまとめる。前に出てくるKINGは右フックを打つが、溜田は右ストレートから左ヒザにつなぐ。終盤にはKINGが打ち合いに行き、溜田は下がりながら打ち合い、ヒザで前に出ると右ストレート。  3Rも前に出るのはKING。左右フックとローを放っていき、溜田は右ヒザ蹴りで迎え撃ってワンツー。前に出すぎたKINGが突き上げるようなバッティングとなり、溜田は歯の痛みを訴える。再開後、左右フックと左ボディストレートで突進するKINGに溜田はサウスポーに構えて前蹴り、右フック、左ヒザ。KINGの勢いに押された溜田だが最後は打ち返す。  最終ラウンドのアグレッシブが功を奏し、KINGが判定2-0で勝利を収めた。 ▼オープニングファイト第3試合 フェザー級(-60kg)3分3R〇岩郷泰成(TFT/DEEP☆KICK-60kg 1位)判定3-0 ※30-28、30-27×2×佐藤 亮(健心塾/DEEP☆KICK-60kg 3位) ▼オープニングファイト第2試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R△都築海杜(キックボクシングジム3K/and lab/同級10位)ドロー 判定0-0 ※29-29×3△勇志(真門ジム/NKBフェザー級5位) ▼オープニングファイト第1試合 バンタム級(-55kg)3分3R〇翔磨(多田ジム/DEEP☆KICK-55kg 2位)KO 1R 2分49秒 ※3ノックダウン×久津輪将充(888GYM/DEEP☆KICK-57.5kg 6位)
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