限られたスペースのジムで非常に近い距離で立ち会う昇侍と大原。KIBAスタイルで勝ち星を積み上げてきた(C)RIZIN FF
2021年11月28日(日)に神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZINのケージシリーズ『RIZIN TRIGGER』のメインイベント・66.0kg契約で、萩原京平(SMOKERGYM)と対戦する昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ)が12日、所属ジムにて同門の大原樹理と公開練習を行った。
階級上のDEEPライト級暫定王者・大原と2分間のマススパーリングに臨んだ38歳の昇侍。
鈴木千裕(20)を20秒 TKOに降した前戦に続き、今回も20代の萩原(28)と戦うことについて、「こういうカードを組まれるのは年齢差を踏まえてのマッチメイクだと思う。さらに階級(違い)など体格差もだいぶあるけど、そういった一般的に“不利”と言われている部分をひっくり返して結果を残すことが自分に求められているもの」と、不利な形勢を覆すことが自身の役目と語った。
対戦相手の萩原はアマチュア格闘技を経て、2017年にDEEPでプロデビュー。4勝のすべてがKO・TKOというストライカーだ。昇侍は、「打撃力が強くて人気もあって、非常に男らしいファイターだなと思ってます」と語る。
日本航空高校三年生時に甲子園に出場した経験を持つ昇侍は、高校卒業後にシュートボクセ・アカデミー・ジャパンでMMAのキャリアをスタート。萩原より11年早い2006年にプロデビューしている。
跳びヒザ蹴りによる3秒KO勝利のストライカーとして名を馳せるが、2013年には後楽園ホールでの初のケージ大会のメインを現UFCのチェ・ドゥホと戦うなどケージ経験も豊富で、近年はケージレスリングの猛者を相手に引けを取らない戦いも見せている。また、トライフォース赤坂での朝倉兄弟との練習でも日々、フルケージを使用した戦いが想定できている。
「ケージはDEEPの方でもずっとやってますし、むしろケージの方がやりやすいので、そういった部分でテクニックとかは出るかもしれないですね。(組みの展開や際の打撃で勝っている?)勝っているというより、“どうやってお互い自分のストロングポイントを出せる展開に持っていけるか”。その辺の戦略も含めて自分の方が勝っているかなと思ってます」
後のUFC世界フェザー級王者ジョゼ・アルドとも68kgで戦い判定まで持ち込んでいる昇侍は、今回の公開練習でもライト級の大原樹理と対峙。
「樹理も大きいですし、体格差的にもいい感じなので、しっかり練習してます。夜はここKIBAマーシャルアーツクラブの方で練習しています」と、通常より1階級上の萩原との対戦に向けて、余念がない。
渋谷区幡ケ谷の決して広くはないKIBAマーシャルアーツクラブで磨かれた“打ち勝つ”KIBAスタイルを見せたいという。
「狭いですからねKIBAは。小っちゃいところでもしっかりと練習して、もう13年、(ランボー)松風会長の下でずっとやってきて、RIZINという日本トップの団体にこうして2選手も出られるっていうことはすごいことだと思いますし、そういった部分を『KIBA魂』で、しっかりとRIZINのリングで証明したいなっていう思いはすごくあります」
同門の大原は昇侍について、「入った時からずっと見続けているんですけど、変わらず一発の威力がエゲつないんですよね。どんなにキツくても一発で終わらせちゃうような場面をいくつも見てるので、そこは自分にはないところなので羨ましいなと思っています」と、先輩を評する。
昇侍は最後まで諦めないタフネスさと、真っ向勝負を挑む勝負度胸、そして類稀な打撃センスと長年のキャリアでの引き出しを武器に、ベテランの意地を見せつけるか。
昇侍は「自分の格闘技人生を賭けて、格闘技キャリアの中においても、最高の舞台と言っても過言ではない試合だと思っているので、そこで悔いのないようにしっかりとした態勢で挑みたい」と語った。昇侍との一問一答の全文は以下の通りだ。