もともと世界でも戦える自信はあった。打・投・極のレベルが一段一段上がっている
──あらためて試合を振り返っていかがでしたか。
「冷静にセコンドの声も聞こえましたし、いつもの練習通りの動きが出来たかなって思います」
──海外選手との国際戦で変わったことはありましたか。
「国際戦でVTJという大会の雰囲気もあって、ちょっと裏では緊張しちゃいました。初めての会場ですし、VTJですし……なんか……輝いてるなあって(苦笑)。僕が一番初めに見た大会がVTJだったので、“VTJに(自分が)出てる”と思って、すごいワクワクと緊張でソワソワもしました」
──前半はストライカーを相手に蹴りなど、打撃を試しているようにも感じました。
「そうですね、はい。試合前にいくつか自分のテーマを持って挑もうと思っていて、まず、打撃の距離感を大事にし、自分の蹴りを当てて、相手には触れさせないという距離。あとは脱力。常にリラックスして戦うことを意識しました。もうひとつは、楽しむ、ということ。緊張とかいろいろあるんですけど、1周回って、“VTJを楽しもう”と思って。この3つを自分の中で決めて戦いました」
──何点くらいでしょう。
「まあ、ちょっと……80点くらいですね」
──ダウンを奪った右の打ち下ろしは、相手の左が見えていて狙っていましたか。
「そうですね。相手も足(カーフキック)が効いていたかもしれなくて、自分の攻撃の方が当たっていたので、焦ってそろそろ来るな、というのは常に感じていて、来たときに右がうまく入ったなという印象です」
──相手のボディ打ちなども受けましたが、威力などはいかがでしたか。
「威力があって、ボディ(打ち)が上手いのは分かっていて警戒はしていたんですけど、詰めてポンポンとボディ来たんで上手いなあと思って。でも効いてはいなかったんですけど、流石だなと思いました」
──「世界」への飛躍のための試合でした。手応えはいかがでしたか。
「もともと世界でも戦える自信はあって、今回、勝ったからといって、その自信が確信に変わったわけじゃないんですけど、さらにその自信が深まったかなっていう感じですね。1Rで極めようとかは思っていなかったですけど、結果的に流れのなかで極められたので、打・投・極のレベルが一つずつ、一段一段上がっているなというのは今回の試合で感じることが出来ました」
──海外勢ならではの頑丈さなどのフィジカル差は感じましたか?
「タフだろうなとは思っていて後半に強い選手というイメージだったので、正直、1Rで自分のパンチで倒れるとは思っていなくてラッキーだなと。パンチとかは重かったです」
【写真】コロナ禍の海外選手の招聘に尽力した須藤元気議員と。須藤氏はUFC参戦経験も持つ。
──この時期になると大晦日の大会への出場をアピールする選手も多いですが、平良選手は興味がありませんか。
「うーん……自分としては興味はあるんですけど、何て言ったらいいですかね。まあ、GOサインが出れば、自分としては興味があります。いろんな他団体のチャンピオンと戦うのも、正直ワクワクします」
──GOサインというのは?
「UFCを目指しているので、周囲の方々に(聞いて)。契約とか(の問題)もあると思います。自分としてはいろんな選手と戦いたいという気持ちもあるんですけど、『出て来いよ』となったら、自分としては出たいなという気持ちもあります。ただ、最短でUFCに出たいです」