KNOCK OUT 2021 vol.52021年10月29日(金)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第9試合)KNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦 3分3R延長1R〇龍聖(TRY HARD GYM)判定3-0 ※29-28×2、30-27×銀次(Next 零)※龍聖が新王座に就く。
龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、HIROYAの指導を受けアマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー(KO勝ち)。“HIROYAが送り込む刺客”として同年8月のREBELSに初参戦し、強打で2R53秒KO勝ち。その後もKOで連勝し、2020年12月のREBELSでは聖域統一フェザー級王者・光太郎ZLSに1Rわずか51秒でハイキックによるKO勝ち。6戦6勝全KO勝ちのパーフェクトレコードを更新していたが、3月大会で大脇武に判定勝ち。無敗記録は更新したものの初めてKOを逃してしまった。8月大会では井上竜太を1R2分でTKOに仕留めている。戦績は8勝(7KO)無敗。今回、いよいよ初のタイトル獲得に臨む。
銀次は福岡在住の選手で、九州プロキック・フェザー級王者、TENKAICHI同級王者、大和57.5kg王者の三冠王。戦績は16勝(7KO)3敗3分。5月のKNOCK OUTに初参戦し、小笠原裕典と延長戦の末に引き分けた。9月の九州プロキックボクシングでは、過去2度勝利を収めている栗秋祥梧と3度目の対決を行い、2R1分40秒で右ボディブローによるKO勝ち。リング上からKNOCK OUTタイトルマッチをアピールし、今回実現に漕ぎ着けた。
1R、右カーフで銀次を転倒させた龍聖は二段飛び蹴り。さらに右カーフを蹴っていくと、銀次は飛び込んでの右フック。ジャブを出して右カーフを蹴る龍聖は足払いでコカす。銀次も左ボディを打ち込むが、龍聖は左三日月蹴り。さらにいいタイミングで左ハイを蹴る。ジャブで仰け反らせ、前蹴りで転倒させると、銀次も負けじと左フックを打つが、龍聖の真っ直ぐ伸びてくるジャブに押し戻される。龍聖の飛びヒザを右ストレートで迎え撃つ銀次。、
2R、銀次は体勢を低くしてボディを狙うが、龍聖は顔面へヒザを突き上げる。龍聖は真っ直ぐな右ストレート、左フックと連続して当て、銀次が前へ出てミドルを蹴るとキャッチしてコカす。それでも前へ出ていく銀次は飛びヒザ。龍聖はジャブから右ストレート、飛びヒザを放つ。左フックを打ってくる銀次に上から右を打ち込み、首相撲からヒザを突き刺す龍聖。銀次は右クロスを打ち込む。
3R、龍聖は銀次のフックをかわしての左フック。銀次は龍聖の飛びヒザ蹴りに右フックを合わせてヒットを奪う。前に出る銀次を右ストレート、左テンカオで迎え撃つ龍聖。左フックを当て合い、前へ出る銀次の執念の左フックが龍聖を捉える。ヒザで反撃する龍聖。
最後まで倒しに行く執念を見せた銀次だったが、判定は3-0で龍聖の勝利。真新しいベルトを腰に巻いた。
龍聖はマイクを持つと、「全然自分の試合が出来なくて、腰にベルトがあるけれどあまり嬉しくないです。普通の格闘家とは違う人生を歩んできて、両親にも迷惑かけて心配してくれていて。見てるかなお父さん、お母さん、ここまでありがとうございます。息子として誇らしい息子に少しはなれたと思います。ジムの仲間、皆さん、家族のような感じで支えてくれてありがとうございます。このベルトがスタートだと思っているのでまだまだ上に行けるように頑張っていきたいと思います」と、王者としてさらに邁進していきたいと語った。
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▼セミファイナル(第8試合)スーパーファイト KNOCK OUT-BLACK -76.0kg契約 3分3R延長1R〇松倉信太郎(TRY HARD GYM/KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王者、WPMF世界同級王者)KO 2R 0分18秒 ※左フック×武来安(アメリカ/上州松井ジム/WMCインターコンチネンタルライトヘビー級王者)
松倉はK-1甲子園70kg日本一トーナメントでの優勝を経てK-1、Krushを主戦場にキャリアを重ねた。2018年に戦場を『RISE』に移し、『RIZIN』にも参戦。2019年7月にイ・ソンヒョンとRISEミドル級王座を争うも、5R判定負けで王座戴冠を逃した。2020年9月の『スックワンキントーン』ではWPMF世界スーパーミドル級王座を獲得。12月にT-98を判定3-0で降し、2021年3月にはトーナメントを制してKNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王座に就いた。
武来安はアメリカ北西部のモンタナ州出身で、留学生として日本へ渡りキックボクシングでプロデビュー。ヒジありのムエタイルールで活躍し、2018年9月にはK-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメントにも参戦。2019年7月に本来のムエタイルールに戻ってWMCインターコンチネンタルライトヘビー級王座を獲得した。今年5月にはRISEに初参戦し、小西拓槙を判定で破っている。今回は王者・松倉との戦いのために、ベスト体重のライトヘビー級(-79.38kg)から3kg以上絞っての参戦となる。
1R、右ローを蹴り合い、右ストレートを狙う両者。武来安はボディにも右ストレート。松倉は右カーフを蹴り、武来安は右ストレートを出しながら前へ出る。右ストレートで尻もちをつく松倉。しかし、松倉が左ミドルを蹴り、右カーフからの狙いすました右ストレートでダウンを奪う。
前に出てパンチを放ち反撃する武来安に松倉はまたも右カーフからの右ストレート。武来安は後ろ蹴りを繰り出す。
2Rが始まってすぐ、松倉が右ストレートをヒットさせるが、その直後に武来安の右ストレートもクリーンヒット。一気に前へ出る武来安が打ち合いに行き、松倉は下がりながら応戦。そして松倉は立ち止まると左フックを振り抜く。これが武来安を捉え、その場に崩れ落ちる。
鮮やかなKO劇で勝利した松倉はリングの四方へ向かって笑顔で勝利をアピール。武来安は失神し、担架で運ばれた。
松倉は「僕はこれで7連勝目なんですが、ここまで16回負けているんですよ。でもいろいろな人のおかげで俺も頑張らないといけないなと、僕は全然強くないので全然寝れなかったし、試合当日も帰りたいくらい怖かったりするんですが、いろいろな人のおかげで勇気を持って戦えます。結果が出なくても応援してくれる、そういう人たちの力になれるような選手になりたいです」とマイクで語る。
そして「RIZINにKNOCK OUTから4選手出て1勝3敗。僕、ここまでRIZINに2回呼ばれて2つともKOで勝って失神させていて。ちょっと違うよねって思っているので。RIZINでKNOCK OUTを体現できるのは僕しかいない」と、KNOCK OUTを背負ってRIZINに出るのは俺だとアピールした。
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▼第7試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級 3分3R延長1R〇中島弘貴(LARA TOKYO)判定3-0 ※30-28×3×平塚洋二郎(チーム・タイガーホーク)
中島はシュートボクセ・アカデミージャパン所属として格闘家のキャリアをスタートさせ、シュートボクシング、RISE、全日本キックボクシング連盟、Krushと渡り歩き、強打とヒザ蹴りを武器に無敗のまま「Krush 70kg Tournament 2009」で優勝。2010年3月には「K-1 WORLD MAX 2010 ~-70kkg日本トーナメント」に出場し、TATSUJIと日菜太にKO勝ちして決勝進出。決勝では長島☆自演乙☆雄一郎にKO負けを喫してプロ初黒星。K-1でアルバート・クラウス、戦極でブアカーオらと対戦し、2012年には欧州最大のキックボクシング団体(当時)であったIT'S SHOWTIMEの日本王座として制定されたSTJ 70kg MAXの初代王者にも輝いている。
2015年4月にトーナメントを制して第3代Krushスーパー・ウェルター級王座に就き、2015年と2017年にはK-1スーパーウェルター級王座決定トーナメントに出場。2019年6月に12年ぶりにシュートボクシングのリングに上がるも、海人に4R2分56秒、KO負けを喫した。今年5月にKNOCK OUT初参戦を果たすと、サッシスに1R2分8秒、得意の右ストレートで初回KO勝ち。戦績は26勝(15KO)16敗。
平塚は総合武道・空道の選手で、2013年『北斗旗全日本空道体力別選手権大会』の-260クラスで優勝している。近年はキックボクシングに挑戦し、2018年10月にはJ-NETWORKスーパーウェルター級王者となった。同年12月のKrush初参戦では神保克哉に、2019年6月には小鉄に判定負け。2020年11月のNJKFではマリモ―に判定2-1で競り勝った。KNOCK OUTには今回が初参戦。
1R、中島は左インローを狙い撃ち、平塚も左右ローを蹴って静かな立ち上がり。中島は左右のボディを叩いていくと、左フックから蹴り落とすような右ロー。これが強烈に決まった。
2R、左ボディを打っていく中島は右フックからの左フックでグラつかせ、ジャブ&左ストレートを当てていく。平塚はパンチをもらいながらも左ミドルを返し、ジャブでけん制。中島の左右フック、左ボディが終盤にも決まった。
3R、平塚が中島の左ミドルをキャッチした直後、中島が飛びヒザを発射。当たりは浅かったが十分なインパクトがあった。中島は右ロー、左ボディ、左ストレート、左フックでもしっかりヒットを奪っていくが、平塚も左右フックで反撃する。左ローからの右ストレート、さらに左右フックと終盤は中島が圧倒。判定3-0で中島が復帰2連勝を飾った。
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▼第6試合 KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級 3分3R延長1R〇津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)判定3-0 ※28-27、28-26×2×駒形賢太(レンジャージム)
1R、津崎のローとヒザ蹴りが続けざまにローブローとなってしまい2度の中断となったが、津崎は攻撃の手を休めず右ストレートで駒形を吹っ飛ばす。掴むと首相撲からのヒザ蹴りを連打、そして右ヒジ。駒形もパンチで反撃するが、津崎がどんどん前へ出てワンツー、右ストレートをヒットさせる。
2R、津崎の左ミドルをかわした駒形が左フックを打つと津崎はスリップ。立ち上がった津崎と至近距離での打ち合いになると、左縦ヒジで今度はダウンを奪う。立ち上がった津崎は前へ出てワンツー、接近すると右ヒジ。右ストレートを打ち抜いて駒形は一瞬ヒザを折ったが踏みとどまる。さらにワンツーの連打で前へ出る津崎。右ヒジで駒形をカットして流血させ、さらに前へ出て攻める。
3Rも前に出て右ストレート、左フックを打つ津崎に駒形は左ヒジで対抗。津崎の左ヒジで駒形は左瞼を切って流血。ドクターチェックを受ける。再開後、すぐに津崎が左フックからの右ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。津崎が顔面からボディ、また顔面とショートのパンチのコンビネーションを当てていき、ヒジも繰り出す。駒形も負けじと右ストレート、ヒジで反撃。津崎がショート3連打を放って試合終了となり、判定3-0で逆転勝利に成功した。
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▼第5試合 KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級 3分3R延長1R×新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)判定0-3 ※29-30×2、28-29〇力也(WSRフェアテックス湖北)
新田は7勝(3KO)3分と無敗、初参戦の力也は5勝(2KO)1敗。
1R、新田は待ちのスタイルで右のカウンターを狙い、自分からは左ハイ、左ローを蹴る。力也は左右ローを蹴りつつパンチで前へ出ていくが、新田に首相撲で捕まりヒザをもらう。
2R、新田は縦ヒジで飛び込みつつ、ボディを打っていく。前に出る力也は接近戦に持ち込みクリンチ状態からもフック、アッパーを放っていく。新田は終盤ワンツーで切り込んでいったが、力也の組みにかなり消耗した様子。
3Rも力也は前に出てパンチから組んでいく。ヒジで対抗する新田。偶発性のバッティングで力也は眉間をカットしてドクターチェック。乱戦に持ち込む力也のペースに巻き込まれる新田。力也が前へ出て一発当てては組み付いて新田を押していき捻り倒す。
乱戦に持ち込み、パワーでねじ伏せた力也が判定勝ちを収めた。
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▼第4試合 KNOCK OUT-BLACK -87.0kg契約 3分3R〇竜矢(伊原道場稲城支部)KO 1R 1分47秒 ※顔面ヒザ蹴り×ナイト(レンジャージム赤坂) ※初参戦
1R、蹴りを中心に放っていく竜矢はノーガードになり、腰を振って相手を挑発。飛び込んでの左フックから相手を掴むと、顔面ヒザ蹴りでダウンを奪う。立ち上がろうとしたナイトだが再び崩れ落ち、竜矢のKO勝ちとなった。
マイクを持った竜矢は「前回負けて1年間休養してリングに戻ってこられて嬉しいです。声を出しての声援は自粛の中で、声援が上がるのは気持ちよかったです。上の選手を僕に宛てていただいてKNOCK OUTを盛り上げていきたいのでぜひ使ってください」とアピールした。
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▼第3試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級 3分3R△YUYA(クロスポイント吉祥寺)ドロー 判定1-1 ※30-29、29-30、29-29△Apollo中山(GOD SIDE GYM)
前大会で般若HASHIMOTOと大激闘を展開した中山が連続出場。戦績は1勝(1KO)1敗1分。1勝(1KO)1敗のYUYAと対戦する。両者ともサウスポー。
1R、中山はオーソドックスに構えていつも通りステップを踏みながら左へ回り込んでいく。出入りを駆使してのワンツー。右フックを当てていく中山だが、YUYAの左三日月を突き刺された。
2R、右に左にスイッチする中山だが、YUYAが飛び込んでのワンツー、左ローをもらう。前足に左右ローを蹴るYUYA。しかし、前へ出て行くと中山が右フックを合わせてきてこれを連続でもらってしまった。
3R、前に出て追いかける形となるYUYA。そこへ右フックを合わせにいくYUYAと、右ストレートを伸ばす中山。右フックは中山が当てるが、YUYAも前へ出て右ストレート、左フックを放つ。判定は三者三様のドロー、両者痛み分けとなった。
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▼第2試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級 3分3R×井樋大介(クロスポイント吉祥寺)KO 3R 2分25秒 ※右ストレート〇向井貫太(WSRフェアテックス)
井樋は2勝(2KO)2敗、向井は初出場で2勝(1KO)4敗1分。1Rから前に出るのはサウスポーの井樋。前蹴りから左右の連打。向井もこれに応じて左右ストレートを繰り出す。井樋はたびたび後ろ蹴りを出すが当たりは浅い。2Rも前蹴りから左右のストレートを出す井樋に向井も打ち返す。思い切りパンチを振り回して空振りが目立つ井樋に向井のパンチが入り始め、井樋は鼻血を出す。
3R、転倒も目立つ井樋はそれでも前へ出てパンチを繰り出すが、向井はカウンターのテンカオをボディへ入れ、がら空きの顔面へ右ストレート。力なく倒れた井樋は足元がフラつき、レフェリーが即座にストップした。
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▼第1試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級 3分3R〇乙津 陸(クロスポイント大泉)判定3-0 ※30-27×3×ゾンビネーター今吉(GOD SIDE GYM)
両者ともデビュー戦。乙津は右ローから右ハイの連続蹴り、ワンツー、右ストレートからの左フックとスピードのある攻撃。今吉は左ローを蹴ってパンチに行くが、乙津はしっかりディフェンス。2R、サウスポーにスイッチする乙津は左ハイ、左ストレート。今吉は打たれながらも前に出てフックを繰り出していくが、打ち合いに行った乙津の右ストレートが連続ヒット。
3Rも左右フックを振りながら前へ出てくる今吉に乙津は右ローを蹴ってクリンチに来る今吉にヒザ蹴りを連打。この繰り返しとなり、乙津の右ローに今吉は明らかなダメージを感じさせる。乙津は右ローを蹴りつつワンツー、ヒザ、右ハイを放ち、大差の判定3-0でデビュー戦勝利を飾った。