6戦全試合フィニッシュ。うち1R決着が5試合の井村(左)と、5Rの王座戦を経験している中島(右)。(C)ゴング格闘技
2021年12月12日(日)東京新木場・USEN STUDIO COASTにて開催される「PANCRASE 325」の追加カードが発表された。
ブラジルのハファエル・シウバの来日の目途がたたないため、バンタム級でも「暫定王者決定戦」が行われることになった。
▼バンタム級 暫定王者決定戦 5分5R
井村 塁(Nexusense)#1位/2020年NBT同級優勝・MVP 6勝(※全てフィニッシュ勝利)
中島太一(ロータス世田谷)#2位/2012年NBT同級優勝 15勝13敗1分
2021年10月17日「PANCRASE 324」で、ZST現役王者のジェイク・ムラタを131秒殺、三角絞めで極め、1位にランキング。デビュー以来のフィニッシュ勝利記録を「6」と更新し続けている井村塁が、爆速でタイトル戦を迎える。
Nexusenseの井村は、2020年のネオブラッド・トーナメント・バンタム級で、宮平守太郎を腕十字、田中スネ夫ハヤトをリアネイキドチョーク、MG眞介を腕十字、修我を三角絞めで極め、2021年5月には平岡将英を168秒、カウンターの右ヒザ蹴りでTKO。
さらに10月にジェイクを三角絞めに極めて一本勝ち。「ZST王者を倒したので暫定王座に挑戦、よろしくお願いします」とアピールしていた。
対する中島太一は前フェザー級タイトル挑戦者。階級変更でフェザー級ランカーは安堵し、バンタム級ランカーは頭を抱えただろう。中島の実力は現バンタム級ランカーの中では頭二つは抜けている。
ロータス世田谷所属の中島は、PANCRASEでプロデビュー後、ロシアACBなど海外団体でも経験を積み、2018年、再びPANCRASEマットへ。2019年にフェザー級次期挑戦者決定戦でカイル・アグオンに判定で敗れたが、2020年2月大会ではロシアのボリス・フェドロフを相手に判定勝利を挙げた。
2020年9月大会で堀江圭功を相手に「フェザー級 次期挑戦者決定戦」を戦い、スプリット判定で勝利。ISAOへの挑戦権を獲得し、2021年5月に王者ISAOに判定で敗れている。
まだ真のトップどころとの対戦経験に欠ける井村は、フィニッシャーゆえに2R決着も1度のみ。それ以外はすべて1R内に試合を決めており、5R制、そして1階級上のトップ選手との王座戦は未知の領域となる。
対する中島は、堀江に競り勝ち、長いリーチの左右での打撃、ISAOからバックを奪う組み力、これまで一度も一本負けが無いなどサブミッションの受けも強い。178cmの井村と174cmの中島。ともにリーチ・コンパスも長く、体格の利点は薄い。
今回の暫定王座戦で中島が、格と実力の違いを21歳の若者に見せつけるか。それともNexusense、そしてCAVEでも練習する井村がフィニッシャーぶりを発揮して中島をも極め、念願のUFCへと駒を進めるか。