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2021年10月17日(日)新木場USEN STUDIO COASTで開催される「PANCRASE 324」にて、「フライ級暫定王座戦」(5分5R)に臨む、暫定王者の小川徹(TRIBE TOKYO M.M.A)と、挑戦者・上田将竜(G-face TEAM緒方道場)の調印式が9月24日、都内にて行われた。
元フライ級暫定王者・翔兵が怪我を理由にベルト返上を申し出たことにより、小川徹(TRIBE TOKYO M.M.A)vs. 秋葉太樹(フリー)、上田将竜(G-face TEAM緒方道場)vs.猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)の4選手が暫定王座をトーナメントで争い、5月30日の大会では、Aブロックで小川が秋葉に判定3-0勝利、Bブロックで猿飛流が上田将竜をスプリット判定で破り、小川と猿飛流が決勝進出を決めていた。
しかし、猿飛流が試合中に関節を傷め、決勝に出場出来ず。Aブロック勝者の小川が「不戦勝」により暫定王者に就いた。そして、その小川に2戦2勝している上田が10月大会で、小川の暫定王座に挑戦することが決定した。
調印式後の会見冒頭で、フライ暫定王者として初防衛戦に臨む小川は、「やることは一つだけ。このベルトをしっかり防衛して、TRIBE TOKYO M.M.Aへ持ち帰ること、それだけです」と決意を語ると、挑戦権を得た上田は「5月にトーナメントで負けて一度死んだ身。失うものは何もありません。覚悟をもって、完全決着で勝ってキング・オブ・パンクラシストになりたいです」と意気込みを表した。
トーナメント決勝戦を戦うことなく暫定王者となった小川は、「正直、猿飛流選手と戦いたかったです。試合をして勝ってケージの中でベルトを巻くのが一番望んでいたことでした」と、吐露しながらも、「でも、2回勝たないと優勝できないトーナメントで生き残れたのは僕ですから、ベルトを巻いていいと思っています」と、唯一のサバイバーとしての自負はある。
ただ、ベルトを手にしたが、まだジムには持って行っていないという。
「まだベルトをケージの中で巻いていないので、ベルトをジムに持って行ってなくて、長南(亮)さんにも誰にも見せてないんです。なので、今回しっかり勝って、ケージの中でベルトを巻いていただいて、それをジムに持ち帰りたいと思います」
TRIBE TOKYO M.M.Aへベルトを、と望むのには理由がある。
9月20日の修斗では、同門の後藤丈治が石橋佳大に判定負け、石井逸人が環太平洋王座戦で安藤達也に一本負けを喫した。国内トップファイターが集う環境のなかで練習を積む2人が敗れたことで、「動揺は少しありました」という。
「“なんで?”っていうのが少しあったんですけど、でも、ただ技術とかメンタルとかそれぞれが強くてもMMAでは勝てなくて、そこの“リンク”が2人にはちょっと足りなかったのかなと。2人からも、試合が終わったあとにいろいろと良かったところ・悪かったところを聞いて、MMA選手として、ただ打投極だけじゃなくて、メンタルも練習も含めてリンクしきれていなかったので、僕はそこをしっかりリンクさせてケージに上がりたいと思います」と、気を引き締めている。
小川は、「その2戦、その前の若松佑弥vs.仙三戦(2018年2月)とか、佐藤天のタイトルマッチ(2018年7月、グライコ・フランサ戦)も、そこからTRIBEにはベルトが無いっていうのが……。でも、TRIBEってすごい良い環境で練習できているのに、選手が結果を残せていないっていうのがほんとうに悔しくて。なので、今、清水(清隆)さんを除けば、僕も上の立場としてしっかりベルトを持ち帰って、少しでも後輩たちの刺激になればなと思います。やっぱり、普通の一戦じゃなくてタイトルマッチは違うんだなっていうところを工藤(諒司、7月にSASUKEに判定負け)くんや逸人くんにも見せてもらったので、今それを踏まえてしっかり練習しています。『ベルトを巻いてもいい選手』として調整をやっていますね」と、油断なく、王座戦に臨む気持ちを語る。