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インタビュー

【PANCRASE】女子フライ級暫定王者決定戦、端貴代「仕留める。完全決着で終わらせたい」×NORI「世代交代したい」=10月17日(日)新木場

2021/09/28 13:09
 2021年10月17日(日)、東京・新木場USEN STUDIO COASTにて開催される『PANCRASE 324』で「女子フライ級 暫定王者決定戦」に臨む、NORI(PRAVAJRA)と端貴代(和術慧舟會AKZA)の調印式が24日、都内で行われた。  廣瀬隆司・パンクラスコミッショナーの立会いのもと、出場誓約書にサインした両者は、タイトルマッチに向けて意気込みを語った。  初代フライ級クィーン・オブ・パンクラシストのシッジ・ホッシャ(ブラジル)が、新型コロナウイルスの影響で来日の目処が立たないため、「王者が国外在住の階級は暫定王者を設定」することが決定。今回、端とNORIの間で「女子フライ級 暫定王者決定戦」が行われる。  端は、MMA17勝8敗1分のベテラン。2002年からSMACKGIRLのグラップリングで活躍し、2004年9月にMMAデビュー。2007年5月のADCC本戦で60kg級3位になるなど強い組み技をベースに、2007年9月、赤野仁美に判定勝ちでSMACKGIRLミドル級(58kg)王座獲得。  VALKYRIEを経て、2010年2月には米国でサラ・カフマンを相手にStrikeforce女子世界ウェルター級王座決定戦に臨むも判定負け。王座獲得はならず。その後、 タラ・ラローサ、キャット・ジンガノ、ロクサン・モダフェリ、キム・ジヨンら強豪との国際戦を経て、2014年5月のDEEP JEWELSでのDEEP JEWELS初代ミドル級(61.2kg)王者決定戦で杉山しずかに3R TKO勝ち。王座獲得に成功した。  2014年11月には、Invicta FCフライ級王座にも挑戦。バーブ・ホンチャックに判定負けで王座獲得ならず。その後、ジヨンとの再戦で判定負けしDEEP JEWELSバンタム級王座から陥落したが、2018年2月にバーバラ・アシオリーにはリアネイキドチョークで一本勝ちもマークしている。  2019年4月の「PANCRASE女子フライ級王座決定戦」でシッジ・ホッシャに判定負けで王座獲得ならず。2019年9月にマイラ・カントゥアリアにも判定負けでPANCRASE王座戦線から一歩後退したかに見えたが、2020年7月に2連勝中だったライカを判定で降し、再起を果たしている。  また、2021年はQUINTEに参戦。吉田綾子をハンマーロックで極めるなどグラップリングの強さは健在だ。SMACKGIRL、DEEPJEWELSでも王者になった端が、取れなかったクィーン・オブ・パンクラスのベルトを、2度目の挑戦で獲得なるか。 端「今までの格闘技人生の節目としてベルトを巻きたい」  調印式冒頭で端は、「今回は暫定ということで王者決定戦となりますが、PANCRASEの顔としてきっちりと勝って、“端貴代ここにあり”というところを見せつけて、いい試合をしたいと思います」と王座獲得の意気込みを語る。  前戦で自身と同じくライカを降しているNORIについては、「蹴りを主体として、離れた形での打撃が巧いのかなと。あとは身体が柔らかいんじゃないかな」と印象を語る。  初めての総合格闘技の試合から17年目を数える端にとってMMAは「自分でもまだ答えが見出せないくらい難しい問題」だという。 「MMAは打投極の3つが繋がり合って重なるような動きが、本当に素晴らしい完成形だなと思っています。自分がそこに行き着くまでには、これからもっともっと進化していかなければいけないですし、本当に一言では語り尽くせないものじゃないかなと思います」と、探求が尽きないものだと評する。  その上で、「やはり、自分が信じるものをやって行くのがいいと思うので、自分がいいと思う私のやり方があって、それを信じてやっています」と、現在のしっかりとスタンドで向き合い、組んでドミネート、極めるスタイルを語る。  目指すのは、3本目のベルトだ。  端は、「PANCRASEの舞台に上がらせていただいて、目指すところはベルトでした。そのチャンスを与えていただけたので感謝しています。一度与えていただいた機会を自分で逃してしまった、モノにできなかった(2019年にホッシャに判定負け)ので、ここはしっかり獲って、自分の今までの格闘技の節目としてベルトを巻きたいと思います」と、格闘技人生の節目にしたいとした。  20歳若い対戦相手のNORIからは「世代交代」の言葉も飛び出したが、「若い子が率先してやって行くのは大事だと思うので、それはそれでいいと思います」としながらも、「でも、今回は私が勝ちます、申し訳ないですけど。シンプルに、KOか一本という形で勝つことが今回の目標でもあります。5Rになったとしても、仕留める完全決着という形で終わらせたいと思います」と、悲願の王座獲得に気迫を見せた。 [nextpage] NORI「出稽古はしたことがないけど、武術をMMAルールに適用しながら練習しています」  一方、「レジェンドハンター」NORIは所属を変え心機一転。  端がプロMMAデビューを果たしている2005年、6歳からインド武術を学んだNORIは、J-NETWORKアマチュアで活躍。2014年にMuay Thai Open 26で立ち技プロデビューを果たすと、シュートボクシングにも参戦。  2015年9月にプロMMAデビュー戦で勝利し、同年11月にDEEP JEWELSに参戦。藤野恵実、魅津希に敗れるも2016年6月、アミバに判定勝ち。同年7月にROAD FCで現ONEファイターのリン・ホーチンに判定負け。11月にBB TAKAに1R TKO勝ち後、SEI☆ZAでのタバタ・ヒッチ戦を経て、2019年12月にPANCRASEで鈴木万李弥にスプリット判定負けと、厳しい試合を重ねてきた。  しかし、2021年5月にライカを3-0の判定で降し、パンクラス初勝利を挙げ、今回の暫定王座戦のチャンスを掴んだ。  調印式では、「今回タイトルマッチ、暫定王座戦ですけど、しっかりチャンスを掴んでベルトを巻きたいと思います」と戴冠を宣言したNORI。  ベテランの端については、「これまでいろんなタイトルを獲っていて、格上の選手ではあるんですけど、きっと私みたいな蹴りを使う選手とは戦ったことがないんじゃないかなと思うので、しっかり自分のペースを握ってやって行きたい」と、独特のリズムから放たれるサイドキックやローキックで上回れると自信をのぞかせた。  これまでは、Team DATEの法 DATEとして活躍していたが、2021年6月にTeam DATEを退団。同年7月12日に設立された新チーム・PRAVAJRAに加入、NORIとして活動している。PRAVAJRAの代表はDARANI。ほかNORI、KAREN(華蓮)が所属している。 「新しい出発のタイミングでタイトルマッチを組んでいただきラッキーでした。ただ、これからも1試合1試合をこなして行くことは変わらないので、しっかりと勝っていきたいなと思います」と、気を引き締める。  幼い頃からインド王族武術に取り組んできたというNORIは、「チームは変わっても、昔からずっと『マハーラージャ カルーリカ&ヨーガ』をやっていて、それはこれからも変わらずにやって行きます。インド王族武術は、元々はインドの王族の護身のための武術で、諸説ありますが、こうして日本に伝わってきて、MMAの源流と言われているところもある武術です。MMAは制約が少ないので、ここでしっかりと、この武術をやって勝つところを皆さんにも見ていただいて、インド王族武術ってこういうものなんだよと広めて行きたい。それを実践するためにケージに入っているところもあります。目で見ていただいて、感じていただけたらと思います」と、自身のバックボーンの武術の力を証明するために、MMAを戦っているとした。  通常のMMAの練習とインド王族武術の練習は、どのくらいの比率でやっているのかを問われると、「出稽古とかは今までしたことがないので、一般的なMMAの練習というのをよく知らないんですけど、インド王族武術をMMAのルールに適用しながら練習していますので、通じるものはあると思います。はたから見れば一般的なMMAの練習とは違うかも知れませんけど、私たちはそのルールに合わせた練習を想定して行っているので、そこの差というのはあまりないかなと思っています」と、出稽古をしたことが無いことを告白。それでも、武術をMMAルールに適用して練習しているため問題はないと語った。  MMA4戦4敗と五分の戦績だが、黒星の4敗は強豪ばかり。UFCファイターの魅津希には一本負けも、現ストロー級王者の藤野恵実、現ONEファイターのリン・ホーチン、立ち技でも活躍する鈴木万李弥を相手にいずれも判定まで持ち込んでいる。  NORIは、「端選手はいろんなベルトを獲っていて、MMAのオールラウンダーというイメージがあります。その中でもやはり寝技が得意な感じがあるので、私は立ち技で蹴りが得意ではありますけど、寝技やグラウンドの部分──自分たちでいうと“ヨーガ”の部分になるんですけど、そこで勝てたら、女子格闘技界の中で、NORIがもっと認知してもらえるんじゃないかなと思っています。でも、まず立ち技でしっかりKOできたらいいなと思っています」と、得意の打撃を軸に、チャンスがあれば相手の得意なグラウンドの局面でも渡り合いたいと意欲を見せた。  初のタイトル戦に向け、23歳になったばかりのNORIは、「世代交代をしたい」という。 「歴史あるPANCRASEで、このタイトルマッチを組んでいただけて、PANCRASEの女子というと、やはりまだ端選手やライカ選手というイメージがあると思うんですけど、ここでしっかり自分が勝って世代交代したいと思います。そして、PANCRASEに限らず『女子格闘技のスター』といった時に、パッと挙げてもらえるように、ここでしっかり王座を獲って、PANCRASEのチャンピオンとして女子格闘技を引っ張って行けるスターになりたいです」と飛躍を誓う。  5Rの王座戦でベルトを巻くのは、端かNORIか。
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