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2021年10月17日(日)、東京・新木場USEN STUDIO COASTにて開催される『PANCRASE 324』で「女子フライ級 暫定王者決定戦」に臨む、NORI(PRAVAJRA)と端貴代(和術慧舟會AKZA)の調印式が24日、都内で行われた。
廣瀬隆司・パンクラスコミッショナーの立会いのもと、出場誓約書にサインした両者は、タイトルマッチに向けて意気込みを語った。
初代フライ級クィーン・オブ・パンクラシストのシッジ・ホッシャ(ブラジル)が、新型コロナウイルスの影響で来日の目処が立たないため、「王者が国外在住の階級は暫定王者を設定」することが決定。今回、端とNORIの間で「女子フライ級 暫定王者決定戦」が行われる。
端は、MMA17勝8敗1分のベテラン。2002年からSMACKGIRLのグラップリングで活躍し、2004年9月にMMAデビュー。2007年5月のADCC本戦で60kg級3位になるなど強い組み技をベースに、2007年9月、赤野仁美に判定勝ちでSMACKGIRLミドル級(58kg)王座獲得。
VALKYRIEを経て、2010年2月には米国でサラ・カフマンを相手にStrikeforce女子世界ウェルター級王座決定戦に臨むも判定負け。王座獲得はならず。その後、 タラ・ラローサ、キャット・ジンガノ、ロクサン・モダフェリ、キム・ジヨンら強豪との国際戦を経て、2014年5月のDEEP JEWELSでのDEEP JEWELS初代ミドル級(61.2kg)王者決定戦で杉山しずかに3R TKO勝ち。王座獲得に成功した。
2014年11月には、Invicta FCフライ級王座にも挑戦。バーブ・ホンチャックに判定負けで王座獲得ならず。その後、ジヨンとの再戦で判定負けしDEEP JEWELSバンタム級王座から陥落したが、2018年2月にバーバラ・アシオリーにはリアネイキドチョークで一本勝ちもマークしている。
2019年4月の「PANCRASE女子フライ級王座決定戦」でシッジ・ホッシャに判定負けで王座獲得ならず。2019年9月にマイラ・カントゥアリアにも判定負けでPANCRASE王座戦線から一歩後退したかに見えたが、2020年7月に2連勝中だったライカを判定で降し、再起を果たしている。
また、2021年はQUINTEに参戦。吉田綾子をハンマーロックで極めるなどグラップリングの強さは健在だ。SMACKGIRL、DEEPJEWELSでも王者になった端が、取れなかったクィーン・オブ・パンクラスのベルトを、2度目の挑戦で獲得なるか。
端「今までの格闘技人生の節目としてベルトを巻きたい」
調印式冒頭で端は、「今回は暫定ということで王者決定戦となりますが、PANCRASEの顔としてきっちりと勝って、“端貴代ここにあり”というところを見せつけて、いい試合をしたいと思います」と王座獲得の意気込みを語る。
前戦で自身と同じくライカを降しているNORIについては、「蹴りを主体として、離れた形での打撃が巧いのかなと。あとは身体が柔らかいんじゃないかな」と印象を語る。
初めての総合格闘技の試合から17年目を数える端にとってMMAは「自分でもまだ答えが見出せないくらい難しい問題」だという。
「MMAは打投極の3つが繋がり合って重なるような動きが、本当に素晴らしい完成形だなと思っています。自分がそこに行き着くまでには、これからもっともっと進化していかなければいけないですし、本当に一言では語り尽くせないものじゃないかなと思います」と、探求が尽きないものだと評する。
その上で、「やはり、自分が信じるものをやって行くのがいいと思うので、自分がいいと思う私のやり方があって、それを信じてやっています」と、現在のしっかりとスタンドで向き合い、組んでドミネート、極めるスタイルを語る。
目指すのは、3本目のベルトだ。
端は、「PANCRASEの舞台に上がらせていただいて、目指すところはベルトでした。そのチャンスを与えていただけたので感謝しています。一度与えていただいた機会を自分で逃してしまった、モノにできなかった(2019年にホッシャに判定負け)ので、ここはしっかり獲って、自分の今までの格闘技の節目としてベルトを巻きたいと思います」と、格闘技人生の節目にしたいとした。
20歳若い対戦相手のNORIからは「世代交代」の言葉も飛び出したが、「若い子が率先してやって行くのは大事だと思うので、それはそれでいいと思います」としながらも、「でも、今回は私が勝ちます、申し訳ないですけど。シンプルに、KOか一本という形で勝つことが今回の目標でもあります。5Rになったとしても、仕留める完全決着という形で終わらせたいと思います」と、悲願の王座獲得に気迫を見せた。