BOM ~ The Battle Of MuayThai~-ouroboros 2021-第1部2021年9月26日(日)大田区総合体育館▼メインイベント BOMフェザー級(57.15kg)王座決定トーナメント決勝戦 3分3R(延長あり)×佐野貴信(創心會/第4代WMC日本フェザー級王者)延長R 判定0-3 ※10-9×3○竹内将生(エイワスポーツジム/Bigbangフェザー級王者/第4代 MA日本スーパーバンタム級王者/J-NETWORK バンタム級 王者/WPMFバンタム級王者)※竹内が新王座に就く。本戦の判定は29-29、29-28、29-29
佐野はデビュー当初はRISEを主戦場にして戦っていたが、ヒジ打ちあり・つかみ無制限のムエタイルールに転向。2019年4月にプロ20戦目にして初のタイトルマッチを行い、WMC日本フェザー級王者に。同年12月には初防衛にも成功している。
竹内はBigbangフェザー級王座、MA日本スーパーバンタム級王座などを獲得してきたムエタイスタイルのファイターだが、RISEルールにも適応。DEEP☆KICK暫定王者の宮崎就斗からパンチでダウンを奪い判定勝利を収めると、今年1月のRISEフェザー級次期王者挑戦者決定戦では門口佳佑に判定勝ち。7月には王者・工藤政英に挑戦し、1Rにダウンを奪うも工藤の逆襲に3度ダウンを奪われてKO負けしたが、大きなインパクトを残した。
1R、佐野は左ミドル、前蹴り、右ローと蹴りの距離で戦い、竹内は思い切りのいい右ストレートを放つ。竹内は3連打と左ボディ、パンチでは優勢に立つが佐野は左ミドルを蹴っていく。
2Rは佐野が徹底して左ミドル、前蹴り、右ローで蹴りの距離で戦う。竹内は前に出て右/トートを狙うが、蹴りを多くもらってしまう。竹内も左ミドルを蹴り返す。
3R、竹内は左ミドルを蹴り、接近するとヒザ蹴り。さらに組んでのヒザ蹴り。佐野は変わらず左ミドル、前蹴りと突き放しにかかり、下がって蹴りの距離を保つ。
本戦の判定はジャッジ1名が佐野を支持したがドロー。延長戦へ突入する。ミドルの蹴り合いとなり、有効打はないものの前へ出てパンチを多く出し、組んでのヒザ蹴りでも数で優った竹内が接戦を制した。
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▼セミファイナル WPMFインタコンチネンタル・スーパーライト級王座決定戦(63.50kg) 3分3R(延長あり)○北野克樹(誠至会/IOCインターコンチネンタルスーパーライト級王者)延長R 判定2-1 ※10-9、9-10、10-9×小川 翔(OISHI GYM/WBCムエタイ日本ライト級王者)※北野が新王座に就く。本戦の判定は29-29、29-28、29-29
北野は関西の名門・誠至会のエースで、回転系の蹴り技を得意とし“竜巻旋風脚”の異名を持つ。2020年9月にNJKFのリングで大ベテラン・健太相手に判定勝利を奪うと、11月にRISEに初参戦。当時11戦無敗と勢いに乗る山田を相手に、延長判定勝利を収め山田にプロ初黒星を付けて5連勝をマーク。今年6月の山田との再戦では判定で敗れ連勝がストップした。これまでIOCインターコンチネンタル・スーパーライト級王座、WBCムエタイ日本統一同級王座、NJKF同級王座を手にしており、四冠目を目指す。
小川は2009年に15歳でプロデビューし、WBCムエタイ日本ライト級王座、HOOST CUP日本スーパーライト級王座、蹴拳ムエタイスーパーライト級王座、REBELS-MUAYTHAIライト級王座など数々のタイトルを獲得。これまで木村ミノル、麻原将平、高橋幸光など名立たるトップファイターに勝利してきたテクニシャン。小学生で極真世界王者に輝くなど空手のバックボーンに裏打ちされた下段蹴り(ローキック)の強さには定評があり、高い防御力とタフネスに優れている。今年1月の『RISE 145』で北井智大に2度のダウンを奪われて敗れ、3月の『RIZIN』で大雅との対戦が決まっていたが、網膜剥離の手術で「1カ月間の運動禁止」のため欠場。約8カ月ぶりの再起戦となる。
1R、まずはローとミドルで両者蹴りの距離で蹴り合う。小川は右ローのリターンとミドルに対しての軸足蹴り。首相撲になると両者はしっかりヒザも蹴る。
2R、小川は首相撲に持ち込む場面が多く、ヒザを蹴るがコカすのは北野の方。北野はリラックスしてきたのか笑みを浮かべながらミドルを蹴る。
3R、小川は北野のミドルに軸足蹴り、右フック、左ボディで前に出ると組んでのヒザで削り、コカして優勢をアピールする。打ち合わず組みの展開で勝負した小川だが、本戦の判定はジャッジ1名が北野を支持してのドロー。延長戦へもつれ込む。
組み付いてくる小川を前蹴りとヒジで迎え撃つ北野は顔面前蹴りもヒットさせる。首相撲の展開では北野がコカすことに成功。小川は終盤パンチで攻めていったが、判定2-1の僅差で北野が接戦を制した。
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▼第8試合 WMCフライ級(50.80kg)3分3R(延長なし)○竜哉・エイワスポーツジム(エイワスポーツジム/元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者)判定3-0 ※30-28、30-27×3×TOMO(K CRONY)
竜哉は小学4年生でムエタイを始め、アマチュア時代は約100戦を経験して9本のベルトを巻いた。中1の時にタイでプロデビューを飾り、タイで試合(約20戦)・練習経験を積んで2018年4月に満を持して国内プロデビュー。いきなりWMC世界ピン級王座を獲得して世界王者となった。2019年7月にはタイでIBFムエタイ世界ミニフライ級王座決定戦を制して日本人3人目のIBFムエタイ世界王者となり、9月には同じくタイ・ラジャダムナンスタジアムにて日本人として8人目のラジャダムナンスタジアム王者に。凱旋試合となった12月のWPMF世界ライトフライ級王座決定戦では判定2-0で惜敗したが、2020年2月にKO勝ちでWPMF世界ミニフライ級王座を獲得。今年2月からRISEにも出場しているが、前戦は数島大陸とドローに終わった。
対するTOMOはNJKFフライ級5位で戦績は7勝(5KO)6敗1分。5月のイノベーションではスダ456に判定2-0で敗れている。
1R、竜哉は右ローを多く蹴っておいて右ハイ、ともは長いリーチを活かして右ストレート。組むとともはヒザ、竜哉はヒジを繰り出す。
2R、ともの右ストレートをかわして竜哉はヒジ。離れると竜哉は右ローを蹴り、左ボディ、ジャブとパンチで主導権を握る。首相撲でのコカしも見せ、完全にペースを握った。
3R、竜哉は徹底した右ローでダメージを与え、ともの身体が傾くほどの強烈な右ロー。右ストレート、左ボディも織り交ぜるコンビネーションで差をつける。ともも前へ出て右ストレートで勝負に出るが、竜哉は回り込んでのハイキック。
竜哉が縦横無尽に動いての判定勝ちを収めた。
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▼第7試合 WMCインターコンチネンタル・ライト級王座決定戦(61.23kg)3分3R(延長あり)×晃希(Team SRK/WMC日本スーパーライト級王者)KO 1R 1分49秒 ※右ヒジ○レンタ・ウォーワンチャイ(ウォーワンチャイプロモーション)※レンガが新王座に就く。
晃希はこれまでWMC日本スーパーライト級王座、大和ムエタイ同級王座、DBS同級王座、RKAライト級王座、UKFインターナショナル同級王者、DBS同級王座、UKFキックボクシング・イーストアジア・スーパーフェザー級王座、TRIBELATE同級王座と三階級制覇8冠王のタイトルコレクター。4月のBOMでは「BOMスーパーライト級(63.00kg)王座決定トーナメント」で健太にKO負けを喫している。
レンタは福田海斗や石井一成が所属するウォーワンチャイプロモーション所属で、ムエタイの本場ラジャダムナンスタジアムにも上がっている和製ムエタイの注目株。アマチュアで約70戦を経験し、プロでは15勝3敗2分1無効試合。
両者は6月13日の『KING OF STRIKERS』にて同じWMCインターコンチネンタル・ライト級王座決定戦を行ったが、1Rに偶発的なローブローで無効試合となり、今回再戦を迎えることとなった。
1R、レンタが首相撲に持ち込むとヒザ蹴りの応酬。レンタはヒジ打ちも繰り出していく。一度離れるとレンタは左ミドル、左フック。ローを蹴る晃希だがレンタは組み付くとヒジの乱れ打ち。コーナーでのヒジ連打で晃希が崩れ落ち、ダウンを奪う。
何とか立ち上がった晃希にレンタが再びヒジで襲い掛かり、右ヒジの一撃でKO。晃希はしばらく立ち上がれないほどのダメージを負い、レンタが秒殺KOで王座に就いた。
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▼第6試合 WMC日本スーパーフライ級タイトルマッチ(52.16kg)3分3R(延長あり)○佐藤九里虎(FAITH/WMC日本スーパーフライ級王者)判定3-0 ※29-28、28-29ひ、29-28×日畑達也(FKD/初代WKBA日本スーパーフライ級王者)※佐藤が防衛に成功。
1R、序盤はローとパンチの蹴り合い。距離は遠目だったが、徐々に佐藤が右ミドルで支配する。中盤以降はサウスポーの日畑が飛び込んでのパンチを繰り出し、打ち合いに持ち込んで佐藤も応じる。
2Rも佐藤が右ミドルで試合を支配するが、日畑は左ロングフックをヒットし始める。さらに距離を詰めてフック連打も。佐藤は右ストレートで対抗し、離れると右ミドル。
3R、日畑は飛び込んでのフック連打で勝負をかけるが、佐藤に組まれると浴びせ倒され、離れると右ミドルをもらう。打ち合いでも佐藤が右ストレートを繰り出し、組むとヒザ蹴りとコカしで完全にペースを握り、判定2-1で王座に就いた。
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▼第5試合 WMC日本ライト級タイトルマッチ(61.23kg)3分3R(延長あり)×川原龍弥(北流会君津ジム/WMC日本ライト級王者)KO 1R 0分40秒 ※左フック○羅向(ZERO)※羅向が新王座に就く。
川原は2018年のJ-NETWORKライト級新人王トーナメントで優勝、8戦無敗の18歳として2019年4月に佐野貴信とWMC日本フェザー級王座決定戦を争ったが、判定で敗れ初黒星。2020年2月にベテランの堀口貴博を破って王座挑戦権を獲得すると、12月の王座決定戦で加藤雅也を破って新王者となった。前戦はNJKF王者・松本龍斗に敗れている。
羅向はNJKFのランカー(現ライト級3位)で8勝(4KO)2敗と攻撃力が高い。「自分は頭のネジがぶっ飛んでる選手」と自ら言い、2020年11月には元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者・琢磨からダウンを奪って勝利しているサウスポー。
1R、蹴りから入る両者。サウスポーの羅向がロー、ミドルを当て、川原は蹴りを空振り。羅向の距離で進んでいる中、羅向が左ミドルから左フック一閃。一発で川原がひっくり返り、羅向の秒殺KO勝ちとなった。
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▼第4試合 WMCインターコンチネンタル・スーパーフライ級(52.16kg)王者決定トーナメント決勝 3分3R(延長あり)×誓(ZERO/NJKFフライ級王者)TKO 2R 0分57秒 ※ヒジによるカット→ドクターストップ○ダイヤ・ウォーワンチャイ(ウォーワンチャイプロモーション)※ダイヤが新王座に就く。
誓はNJKF所属ながら他団体にも積極的に出ていき、5連敗を喫したが2020年11月のNJKFフライ級王座決定戦でEIJIとの19歳対決を制し、王座に就いた。今年4月のBOMではWMCインターコンチネンタルスーパーフライ級王座決定トーナメント1回戦で佐藤九里虎に判定勝利。2021年6月の『RIZIN』では名高に挑むもヒジによるカットで初回TKO負け。左フックと右ストレートに威力を秘める。
ダイヤこと押川大也はタイ・ラジャダムナンスタジアムでの試合も経験。今年5月の1回戦では桂英慈に判定2-0で勝利を収めた。まだ高校1年生ながら8勝(3KO)3敗1分と12戦の戦績を持つ。
1R、右ローで攻める誓が序盤は首相撲でコカしていたが、中盤を過ぎるとダイヤが首相撲でコカす。さらにワンツー。誓はフックが大振りでかわされる。
2R始まってすぐ、パンチの打ち合いから組みの展開となり、ダイヤが誓の左腕をロックしたままヒザ蹴りと左のヒジを叩きつける。これで誓が左目上をカットして流血。再開後、首相撲でコカした誓だが、出血がすぐにひどくなり2度目のドクターチェック。ここでストップがかかり、ダイヤのTKO勝ちとなった。
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▼第3試合 WMC日本バンタム級(53.52kg)3分3R○士門・PKセンチャイムエタイジム(P.K.SaenchaiMuayThaiGym/WMC日本フライ級王者)判定3-0 ※30-28×3×宮坂桂介(ノーナクシン ムエタイジム/TENKAICHIバンタム級王者)
"令和の怪物"士門・PKセンチャイムエタイジム(=吉成士門)はTENKAICHIバンタム級王者・宮坂と対戦。 士門は吉成名高のいとこで、ジュニアでは20冠王を達成。ルンピニースタジアムなどタイでの試合経験を積み、2020年7月に『BOM』でプロデビュー。10月の2戦目ではNJKFフライ級1位・誓(現NJKFフライ級王者)を圧倒して勝利するという新人離れした実力を見せ、12月の3戦目では天馬をKOしてWMC日本フライ級王座に就いた。そして4戦目は今年2月の『NO KICK NO LIFE』で“平成最後の怪物”アマチュアで28冠王を達成した花岡竜との怪物対決でプロ初黒星を付けた。タイでの戦績は11勝3敗、日本では5戦全勝。
1R、序盤はミドルの蹴り合い。左右のハイを蹴る士門に宮坂は右ローを返す。首相撲の展開では宮坂が両足を広げて士門のヒザを防ぐ。
2R、士門は左ミドルをメインに右ストレートを繰り出す。宮坂のミドルをキャッチしての右ストレートでは転倒させた。宮坂も右ストレートを放ち、首相撲でも士門に負けていない。
3Rは首相撲とキャッチで宮坂を何度も転倒させて士門はパンチのスタイルに切り替え、右ストレート、左フック、ジャブとパンチを当てていく。最後はきっちりと差をつけ、士門が勝利した。
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▼第2試合 WMC日本ライト級(61.23kg)3分3R○貴雅(治政館)判定2-1 ※29-28、29-30、29-28×マサ佐藤(WSR三ノ輪/英雄伝説64kg級アジア王者)
沖縄を主戦場とする佐藤が一躍その名を中央で轟かせたのは、2018年2月12日の『KNOCK OUT』で水落洋祐と打撃戦を繰り広げ、何度も顎を跳ね上げられながら耐え抜き、ヒジ打ちで大流血させて逆転TKO勝利を収めた一戦。KNOCK OUTスーパーライト級トーナメントでも準決勝進出を果たした。英雄伝説64kg級アジア王座、西日本統一ライト級王座、蹴拳ムエタイ同級王座、DBS同級王座、RKA同級王座などを獲得。これまで沖縄をベースに活動していたが、2月から東京での仕事を始め、ウィラサクラック・フェアテックスジム所属となって5月のBOMではメインイベントで将輝・FLYSKY GYMに初回KO勝ち。
1R、サウスポーの貴雅は左ミドル、佐藤は右ローを蹴りつつ右フックを狙っていく。終盤、貴雅は首相撲からのヒザに活路を求める。
2Rも首相撲からのヒザで攻める貴雅。パンチの距離になると打ち合わず首相撲に持ち込む。しかし、佐藤は構わず右ストレート、右フックを叩きつけていく。
3Rもしつこく組んでいく貴雅。佐藤はパンチの連打で勝負を懸けるが首相撲に捕まってしまう。最後は左ミドルを蹴る貴雅に佐藤は左右の連打で応戦するも、判定2-1で貴雅の勝利となった。
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▼第1試合 WMC日本 67.00kg 3分3R○峯山竜哉(WSR 西川口/第9代J-NETWORKウェルター級王者)KO 1R 1分35秒 ※3ノックダウン×倫太朗(proud top team)
1R、序盤から峯山が左ミドル、左ローで先制し、左フックでダウンを奪うと左ハイでダウンを追加。最後は左フックでダウンを奪い、峯山が圧倒KOした。
▼オープニングファイト WMC日本フェザー級(57.15kg)3分3R○聡之晟(TSK japan)KO 3R 1分02秒 ※3ノックダウン×山元剣心(FAITH/2018年KAMINARIMON全日本大会-60㎏級優勝・大会特別賞)