審議では14人の競技委員のうち9人がハム・ソヒの勝利を支持
もうひとつの準決勝の組み合わせは、スタンプとハム・ソヒのスター同士の戦いとなった。
両者ともに1回戦はスプリツト判定の厳しい試合をモノにしている。
スタンプはアリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)との再戦で序盤こそ、初戦と同じ首投げや腕十字に捕まったが、エスケープして逆にリアネイキドチョークを仕掛けるなど、受けの強さを見せている。スタンドではムエタイでじっくり構えてパンチ・蹴り、ヒジ・ヒザを打つことが可能になっており、出場選手中で群を抜いた打撃技術を軸に、さらなる進化が期待されている。
対するハム・ソヒは、1回戦でスタンプの元同門のデニス・ザンボアンガ(フィリピン)にスプリツト判定勝ちも、物議を醸す内容だった。
試合後、ONEおよびチャトリシットヨートンCEO兼会長は、この試合を「コンペティション・コミッティーによる正式な審査を受けている」と、判定結果について審議中であることを自身のFacebookでアナウンス。
9月8日付の香港『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』のインタビューを受けたチャトリCEOは、「協議の結果、14人の競技委員のうち9人がハム・ソヒの勝利を支持。結果はそのままハム・ソヒの判定勝ち」となったことを明かしている。
なお、匿名による委員会のメンバーは、内部および外部の役員、専門家、元選手、ジャッジ(審査員)の組み合わせで構成されているという。
また、接戦の末に敗れたサンボアンガは、9月大会で山口芽生を判定で降したジュリー・メザバルバ(ブラジル)と、10月29日の大会で女子アトム級グランプリのリザーブマッチとして戦うことも発表されている。
ともあれ、1回戦を勝利したハム・ソヒは、試合後、初のONE独自の計量システムに苦しみ、試合当日にハイドレーションテスト(尿水分値チェック)をクリアしたことを吐露。RIZIN女子スーパーアトム級は前日計量の-49.0kgだったが、ONE女子アトム級は、水抜き禁止の-52kgのため、GPの中では小柄な体躯をいかにベストコンディションに仕上げるか。
懐の深い構えのスタンプはラソヒナの組みを後半はことごとく切っており、ガードからの首相撲ヒジも注意が必要だ。ハム・ソヒはサウスポー構えからの一本槍だった左ストレートをよりMMAのなかで混ぜて使うことになるだろう。
果たして、決勝に上がるのは誰か。1回戦からの進化も見逃せない準決勝だ。