RIZIN.14▼RIZINバンタム級タイトルマッチ 61kg RIZIN MMAルール 5分3R○堀口恭司(60.80kg/ATT)[3R 1分13秒 ギロチンチョーク]×ダリオン・コールドウェル(60.85kg/アライアンスMMA/現Bellator世界バンタム級王者)※堀口がRIZINバンタム級王者に。
1R、身長13cm、リーチで20cm差がある堀口と長身のコールドウェル。フェザー級から落としてきたコールドウェルがひとまわり大きい。左回りから後ろ廻し蹴りでけん制する堀口。フリースタイルレンスリングの猛者であるコールドウェルはワンツーから手を伸ばしてダブルレッグTD! ヒザを立てる堀口にコールドウェルはアームロック、ストレートアームバーへ。腕を戻す堀口。脇差し突き放す!右ローは堀口。堀口はオーソから左ロー! さらに左フック! ガードするコールドウェルに堀口は右前蹴りを腹に突く!とコールドウェルはヒザが落ちるが低いダブルレッグで堀口はエプロンに落ちる。
2R、右ローは堀口も長い右を振り、前蹴りから組み付くコールドウェルはコーナーでダブルレッグからテイクダン! さらにバックコントロールは。ヒザ立ちまでなる堀口の背後につくコールドウェルに正対する堀口は尻で立つが、大きな身体でボディロックから上半身を潰し立とうとする堀口のバックをうかがう。再び正対する堀口は尻で座るがボディロックからサイドにつくコールドウェルは驚異的に長いリーチを活かし、堀口の左手を右手でつかみ、そこに背後から左手でクラッチしコントロール。空いた右手で殴り立つ堀口。しかし、ゴング。
3R、手足の長いコールドウェルに、距離を作れない堀口。左フックで飛び込み、低いダブルレッグは切る。コーナーに詰めて左を突く堀口だが、その打ち終わりに伸ばした右手が届いてしまうコールドウェル。尻を着く堀口だがそこにカウンターのアームインギロチン!! しっかり堀口はクローズドガードに入れるとギロチンを極めタップを奪った!
大逆転勝ちを決めた堀口は、マイクで「日本で戦うのに日本で負けられないでしょう! だからベルトを獲れて、ちょっと嬉しいです。格闘技を盛り上げます。会場に観に来てください!」と語ると、師匠・二瓶弘宇先生の写真とマイク・ブラウンらATTのチームとともに写真に収まった。
◆堀口恭司「二瓶先生とKIDさんにも見てもらえたら」
──試合を振りかえって率直な感想を。
「相手がでかくてすごく力を感じる試合でした。プラン通りに戦えたかなと思います」
──ダリオン・コールドウェルは「リングで経験不足だった。米国で堀口と再戦したい」と言っていました。
「向こうの団体の王者が日本に乗り込んでくれたので、自分もお礼ではないですけどリターンマッチをしたいと思います」
──試合後のマイクで日本格闘技をアピールしました。
「RIZINのベルト、日本のベルトなのに、海外に持っていかれるのは自分的には納得いかないので、しっかり獲れてよかったです」
──今後の目標は?
「もっともっと日本の格闘技というのを、昔のPRIDE時代じゃないですけど、広めていきたいなと、楽しいんだぞと伝えていきたいと思っています。(Bellatorのベルトも狙う?)もちろん」
──試合が決した瞬間、会場が総立ちになりました。勝って日本格闘技が盛り上がるきっかけにしたかった?
「そうですね。自分の試合がそのきっかけになればと思います」
──フィニッシュになったギロチンは3Rまで出してなかったと思います。あのタイミングまで温存していたのでしょうか。
「練習はしていました。ダリオンの唯一の負けがギロチンなんです(2016年7月22日ジョー・タイマングロ戦)だからチャンスがあれば入ると思っていました。ただセコンドからはギロチンはあまりやるなと言われていたんです。(ギロチンを仕掛けると)下になるリスクがあるから。あの瞬間、レスラーの癖で(コールドウェルが頭を外に出してきて)いいところに頭があったから、これ入るなと思って。自分は練習で繰り返しやって手応えがあったので、ここで行くしかないと思ってやりました」
──相手はフリースタイルレスリング出身でリーチもあり、胸を合わせなくても手足を伸ばしてテイクダウンしてきました。
「寝かせられるなとは思っていたので想定内でした。向こうはレスラーでリーチもあるし。もっともっと自分のスタンドを活かしてやるという作戦でした」
──3R前のチームの判定の判断はどのような感じだったのでしょうか。
「セコンドは『1、2R取っているから大丈夫』と──自分を慌てさせないように──言っていたのかもしれませんが(※堀口陣営に確認したところ実際には『1Rはコールドウェル、2Rは堀口が取ったと指示』)、自分は1、2Rともに取られているから行かなきゃと思っていました。テイクダウンされて負けているだろう、このラウンドで(試合を)決めなきゃいけないと思っていました」
──メインの那須川vsメイウェザー戦をどう見ましたか。
「やっぱり体重差が出た試合。10kgの差はでかいなと思いました」
──今後の予定は?
「すぐに練習は再開します。日本にいるうちは空手の一期倶楽部で。米国では空手の練習ができないので」
──試合後、セコンド勢との記念撮影で、空手の師匠・二瓶弘宇先生のお写真が見えました。
「前回、那須川戦でいいところを見せられなかったんで。二瓶先生とそれにKIDさんにもいいところを見てもらえたらと思って。しっかりやれたと報告したいと思います」
◆ダリオン・コールドウェル「短期間の準備でリングの経験の差が出た。キョージとアメリカでケージの中で再戦したい」
──試合を振り返って率直な感想を。
「今夜はキョージがすごくいいファイトをした。良いゲームプランで試合に臨み、見事に実行できたということだ」
──コールドウェル選手としては、2R目までは優勢だった思いますか。
「よくわからない。負けているかとも思ったが、セコンドは『接戦だ』と言っていたので、3R目にとにかく前に出て行くと判断した結果、負けた」
──実際に戦って見て、堀口選手の印象は?
「キョウジは非常に素晴らしいファイターだ。また敬意を持って戦ってくれた。彼は、俺が対戦した中ではベストファイターだ。機会があればキョージとアメリカ、俺のホームグラウンドで、ケージの中で再戦したいと思う」
──ケージに言及しましたが、RIZINのリングはやり辛さも?
「俺はスタンディングよりグラウンドが得意なファイターだ。ケージのボトムでなるべく広いスペースを使って、タックルで追い込み、グラウンド勝負に持ち込むのが通常で、今日はそのいつもの流れ通りにできなかった。実際、リングでの戦いということになり、この契約から6週間半で、短い期間での準備でリングでの経験の差が出てしまったと思う」
──その上で、RIZINにまた出たいと思いますか?
「RIZINのGPに出たいと思うし、今でも自分はバンタム級で最強だと自負している。今後RIZINで戦う機会があればと思う。キョージにアメリカに来て戦ってほしい。今日は経験の差は出た。短い準備期間という要因も絡み、今日は彼の日だったということに尽きる。今日は彼のゲームプランがよかった。誰だって負けることはある。それが試合だよ」
──初めてのRIZINは、大会としてはいかがでしたか?
「素晴らしかった、自分の人生でも最高の経験のひとつだったと思う。日本のファンもすごく良くしてくれて素晴らしかった、またぜひ機会があればやってきたいと思う」
──試合終わったばかりですが、今後の展望や目標があれば教えてください。
「何度でも言うけど、俺はこの階級で一番だし、この1回の敗北で全てが決まるわけじゃない。Bellatorのケージでキョウジを倒す、そして、またここでも勝つ……。おい見ろよ、俺はファイターなんだ。やってやるよ、かかってこいよ。今夜がなんだ、クソ! 戻ってまた戦い続けるだけだ」
──フィニッシュの場面でダブルレッグテイクダウンからガードの中にステイしていたような瞬間がありました。あそこでギロチンが来ると予測できていましたか。
「予測はしてない。今までもギロチンや三角絞めで負けたことあるけど、跳ね返して勝てていた。次の機会にはキョウジの首を獲る。みんな、どうもありがとう!(会見を切り上げる)」
【試合動画】