2021年9月20日(月・祝)神奈川・横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~よこはまつり~』にて、スーパーファイトの-61kg契約3分3R延長1Rで卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と対戦する芦澤竜誠(Dragon Fish)が公開練習を行った。
PURGE TOKYOの矢口トレーナーが持つ先端にグローブを付けた棒による攻撃をかわし、パンチを打ち返すというディフェンスからのオフェンスを披露した芦澤。
「前までの攻撃は自分からガンガン行って終わりだったけれど、あれはよけてからの攻撃。次はレベルが上がった試合をするよってことです」と、練習の意図を説明した。
「調子はいつも以上にバッチシ。今は練習量を上げたから疲れて調子が出ませんが、抜けたら調子が出るのは分かっている。確実にいつもよりいい仕上げになっていますよ。これからもっと磨きをかける。今の時点でいつもより調子がいいです」と、コンディションにも自信満々だ。
PURGE TOKYOから自分のチーム名であるDragon Fishに所属を変えたが、「辞めたって言ってからは来てなかったんですが8月から来るようになりました。矢口さんが専属トレーナーになったので」と、以前と変わらず矢口トレーナーに師事し、「練習は3分間思い切りやる。今回の試合は俺の3分は長いようで早い。濃い試合をします」と練習から濃い1Rをやっているとした。
今年3月の村越優汰戦で判定負けした試合は「あの負けは収穫があったので、そのダメなところを直しています。それが出せたら(卜部は)話にならないと思いますよ」と、プラスに転換させたという。
「前よりパンチ力が上がっているし、まだスパーリングでぶん殴ってないから分からないけれど、試合は自分の実力を発表できる場所だと思っているので全力で殴りたい。前みたいな判定負けするのではなく、格闘家らしく今回は戦おうと思っています。KOしか狙ってないですね」とKO宣言も飛び出した。
芦澤の言う格闘家らしい戦いとは「前まではストリートですよ。その中でもフェイントをかけたり、合わせたり、格闘技ファンが本当のファンでオタクが多いじゃないですか。そういう人たちが見ていて、芦澤はこんなことが出来るんだ、テクニックが付いたんだってなる試合をしたい。レベルが上がる試合ですね」と技術的にレベルアップした試合だと答えた。
減量も「一度62kgまで落ちているので余裕かな。今は63kg。普通にご飯を喰ってます。大切なものを食べているのでめちゃくちゃ身体が調子いい。練習も頑張っているので、外は雨空でも心は晴れ渡っていますね」と笑顔を見せる。
その食生活とは「鮭、もも肉、鶏肉、米とか。それを喰ってたら余裕でしょ。ビタミンとかは錠剤で摂って。野菜は普通の人より喰ってないです。でも普通の人間より調子がいい。これは体験しないと分からない」と説明した。
対戦する卜部については「強いじゃないですか。ずっとK-1を引っ張ってきて。みんな卜部の兄は怖いとKRESTの人たちが言ってますよ。でもその牙が抜けちゃってるのでもう終わりじゃないですか。俺はリスペクトしていますが、誰かのために戦うというのは俺とは正反対。試合はもちろんKOするというか、試合だからやってみないと分からないけれど、作戦を練らないでその場で対応すればいいだけ。今練習していることが出せれば勝てる」と、卜部はもはや牙が抜けてしまっていると評した。
卜部が公開練習で「質の濃い練習をしている」と言っていたことを伝え聞くと、芦澤は「ありがとうございますって感じです。練習もしていないようなヤツと試合をしてもしょうがない。練習をめちゃくちゃやり込んで人生懸けている同士の試合はドラマが生まれるんですよ。勝たないと卜部選手は100%終わりですよ。この試合は卜部選手の人生の分岐点だと思っています。俺もこの勝ちがどれだけ価値があるかは分かっている。前の試合(2018年11月の初対決)のダウンは俺の気持ちが折れたから。今は折られない。あの時はクソガキだったので。今は折れるもんなら折ってみろって感じです」とニヤリ。
「みんなが見たい試合ができると思います。これが格闘技、これがK-1、これが芦澤竜誠って試合をします。卜部選手もどういう男かが分かる試合になる。相性抜群で、目を離した瞬間に終わります。一瞬で終わります」という。
「俺が“ここだな”っていうタイミングでラッシュしたら終わるでしょ」と会見でも事前インタビューでも言っていたが、そのラッシュとはどのようなものなのか。
「倒し切るまでやる。前と違うのはもっと連打ができる。前は一発一発だった。まあ、試合を見てください。手数を増やして倒し切ります」と手数がポイントのようだ。しかし、もしそのラッシュで倒し切れなかったらスタミナが切れるのでは、と聞かれると芦澤はこう答えた。
「そうしたらまた出直すだけです。またラッシュをかければいい。でも、普通に俺がラッシュしたら終わる。そのタイミングでやりますから。気持ちで行けますよ。スタミナは大事だと思うけれど、スタミナは気持ちでいけるなって思ったんです。それに前よりスタミナはついているので気にしないでいいのかなって思っています。ラッシュは終わらせようと思ってするもんじゃないですか。ペース配分は無理です」と、スタミナの心配をするラッシュはしないとした。
インタビューの途中には、絶対に勝てる自信はあるのかと聞かれると「勝つ自信はもちろんある。勝つ。もし負けたら仕方がないと今は思える。でもま負ける気はしない。俺はそういう質問がムカつく。勝つためにやってるんだろって。この前も、次の試合で勝てるのって聞かれたから、勝てるのってなんだ、そんなこと言うのは友だちじゃないぞって言いましたね。それはアンチがする質問だ」と、戦う前から負けることを考えるヤツはいないと声を荒げた。
そして、どんな試合になるかと問われると「俺らしさ全開です。絶対に勝つ。勝ちにさらにハングリーになったから。前もハングリーだったけれどもっとハングリーじゃなきゃいけなかった。今回はもっとハングリーに行ける」と、最後まで自分の勝利を信じて疑わなかった。