実力的に言えばすごく厄介な相手だけど──
7月20日に行われたカード発表会見で大塚は、「相手が扇久保選手と決まって試合の映像を見たんですが、マジでクソつまんねぇなと思いました。俺のこの前の試合もクソつまらなかったけれど、次は確実にぶっ倒すので覚悟しておいて」と煽っていた。
その言葉に扇久保は、「僕からすれば“僕よりつまんない試合をする選手”だと思う」とイラつきを隠さなかった。
YouTubeでは、「『お前に言われたくねぇよ』って感じですね。本当にあれはカチンと来ました。本当にレベルは違うんだぞっていうことを見せないといけない試合だなと思います。さらにそうやって煽られてもいるので、しっかり気持ちを作ってボコボコにしてやりたいなと思っています」と意気込み、「つまらない」試合内容についても、「似ているって言っても、大塚選手の場合はパンチからタックルだけって感じじゃないですか。僕はもう少し幅広く蹴りも出来ますし、テイクダウンしてもキープも出来るし。バック取っても極めがある。ちょっとオラオラで行こうかなと思っていますけれど。面白い試合になるかは分からないです。でも飲み込んでやりたい」と、差があることを語っている。
一方で、同じ15年選手である大塚の実力は認めている。1回戦で獅庵をフィニッシュに至らなくても完封出来る力。そして3R、戦い抜く心身のスタミナも警戒すべきところだ。
「実力的に言えば、すごく厄介な相手です。最後まで諦めずにタフで、判定でもいいから勝ちに来る。意外にそういう選手ってやり辛いので、かなり気は引き締めて練習しています。でもスタミナ勝負になっても負けないです。それくらい追い込んで練習しています」と、油断はない。
練習仲間となった太田忍は、扇久保の試合について、「扇久保さんは寝技も得意ですけど、打撃もほんとうにすごい選手なので、スタンドでもグラウンドでも削って、判定になっても圧倒的に勝つと思いますし、何でも極められるので、流れでいいフィニッシュになると思います」と、試合展開を予想する。
「スタイル的にはお互いに“塩系”のファイターですけど、意外にそういう選手同士が戦うとすごい試合になったりするので、おそらく激闘になると思うので楽しみにしていてください」という扇久保は、2回戦以降を見据えて、GPに臨んでいる。
「自分は優勝することしか考えていません。大晦日を見据えてやっているので打撃も強化しています」と、頂点までたどり着くことが使命だという。
目的は、リヴェンジだ。
「朝倉海選手にリヴェンジして勝って優勝したい。必ず優勝して、来年、堀口選手を引きずり出します」
RIZIN初参戦の堀口恭司戦の敗北から、元谷友貴、石渡伸太郎との接戦を制してバンタム級王座決定戦に漕ぎつけるも、朝倉海に敗れた扇久保。そこから2連勝し、GPの頂点まであと3つ。果たして扇久保は、一度は振り出しに戻ったサイコロをゴールまで進めることが出来るか。