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【UFC】パイルドライバーでアンドラージが女子ストロー級新王者に! アンデウソンがTKO負け。ヴォルカノフスキーがアルド破り17連勝=5.12『UFC237』リオ

2019/05/12 13:05
【UFC】パイルドライバーでアンドラージが女子ストロー級新王者に! アンデウソンがTKO負け。ヴォルカノフスキーがアルド破り17連勝=5.12『UFC237』リオ

(C)Buda Mendes/Zuffa LLC/UFC

日本時間の5月12日(日・現地時間11日)、ブラジル・リオデジャネイロ、ジュネス・アリーナで『UFC237』が開催された。

メインイベントでは、“冷徹女子”ローズ・ナマユナスが持つUFC世界女子ストロー級のベルトに地元ブラジルの“女ヴァンダレイ”ジャシカ・アンドラージが挑戦。

猛牛のごとく突進するアンドラージに、サウスポーのナマユナスは闘牛士さながらのステップと正確な右ジャブでアンドラージの左目を腫らしていく。

しかし、2Rにナマユナスを首相撲にとらえたアンドラージが片足タックルをハイクラッチで組み、頭上高くリフトしてナマユナスを頭からマットに叩きつけ、失神KO勝利。得意の“パイルドライバー”をオクタゴンで決めて、新王者に輝いた。

また、元世界フェザー級王者のジョゼ・アルドが、矢地祐介、粕谷優介、廣田瑞人ら日本人3選手を含む16試合で16連勝を記録中のアレックス・ヴォルカノフスキーと対戦。

豪州ラグビー出身のヴォルカノフスキーの強烈な圧力に金網に釘づけにされたアルドが判定負けを喫した。アウェーで1位のアルドを撃破したヴォルカノフスキーはトップ3との対戦をアピールした。

元世界ミドル級王者のアンデウソン・シウバは、ジャレッド・キャノニアのローキックに右ヒザを破壊され、TKO負け。BJペンもクレイ・グイダに判定負けするなど、レジェンドファイターたちは勝ち星に恵まれず。

第1試合では、第2代ストロー級クィーン・オブ・パンクラシストのヴィヴィアニ・アラウージョUFCデビュー。2階級上のバンタム級で3R、右フックで鮮烈KO勝利を挙げ、次戦でのストロー級戦を望んだ。

◆UFC 237: Namajunas vs. Andrade
5月12日(日・日本時間)ブラジル
リオデジャネイロジュネス・アリーナ

【Main Card】 

▼UFC女子世界ストロー級タイトルマッチ 5分5R
×ローズ・ナマユナス(米国)
[2R 0分15秒 KO]※ハイクラッチのシングルレッグからスラム(パイルドライバー)で失神
○ジェシカ・アンドラージ(ブラジル)

1R、アンドラージvsナマユナス、ともにオーソドックス構えから。スナップを効かせたジャブを突き左右に回るナマユナス。そこに大きな右をアンドラージは狙う。上下にもフェイントするナマユナス。さらにジャブを左目に当て、アンドラージは左目を腫らす。

左右を振りシングルレッグからハイクラッチに組んでリフトするアンドラージ。しかし、ナマユナスもキムラにとらえて着地。もう一度、リフトしたアンドラージはマットに叩きつけるがナマユナスは下から腕十字を狙い、離れたところを立つ。

今度は逆にナマユナスがダブルレッグテイクダウン。立つアンドラージは左右を振り中に入ってくるが、左ヒザ蹴りはナマユナス! ダウンしたアンドラージにギロチンも狙う。アンドラージは接近戦を望み、左右を振りながら前へ。しかしナマユナスは首相撲にとらえる。

2R、突進するアンドラージをマタドールのごとく左右にかわして右ジャブを当てるナマユナス。なおも詰めるアンドラージだが、下がりながら回ってさばいて、ナマユナスはサウスポーから左を突く。

大きな左右を振りついに金網に詰めるアンドラージだが、すっと左にかわすナマユナス。追い足を休めず首相撲にとらえたアンドラージ。金網際でシングレッグから得意のハイクラッチにとらえると、ナマユナスは再びキムラロックへ。アンドラージは高くリフトしてナマユナスを頭からスラム! キムラロックに入っていたナマユナスは受け身をとれず、失神。アンドラージが新王者に!

ナマユナスの打撃をもらいながらも、金網につめて得意のパイルドライバーで逆転KO勝ちを決めたアンドラージは、UFC女子世界ストロー級のベルトを肩にかけ、「コーチが10年前に受け入れてくれたおかげです。パイルドライバーをUFCでやった人はいないはずです(※スラムではフランク・シャムロック、ティト・オーティズ、マット・ヒューズらのKOあり)」と歓喜のコメント。

すぐに意識を取り戻した敗者も「ブラジルは素晴らしいところでした。家族のために戦った彼女も素晴らしかった。私のプレッシャーは大きかったです」と涙を流してコメントした。

◆ジェシカ・アンドラージ 「私の肩にベルトが載せられるなんてイリュージョンだと言った人がいたけど、これでどう?」



まだ自分がUFC女子ストロー級チャンピオンなんて実感がわかない。試合中に何が起きたのかさえも話せないくらいなの。パラレルワールドにいるような気分。私が勝ったってことを実感しただけ。私の肩にベルトが載せられるなんてイリュージョン(錯覚)だと言った人がいたけど、これでどう。地元でタイトル戦に勝つ、家族もチームもいてくれて、人生で一度も経験したことのない最高に素晴らしい気分よ」 

▼ミドル級 5分3R
○ジャレッド・キャノニア(米国)
[1R 4分47秒 TKO]※右ローキック
×アンデウソン・シウバ(ブラジル)

1R、オーソドックス構えのキャノニア。サウスポー構えのアンデウソンの左ミドルに地元の観客から大きな歓声が沸く。金網を背にしながらも徐々に押し返し、左ハイ! ブロックの上ながら再び大歓声が。しかしキャノニアも構わず右ストレート! 右のダブルにアンデウソンも首相撲にとらえるが、その外側からキャノニアが右フックを振る。

キャノニアは右ローをアンデウソンの右ヒザの内側にヒット! 外側にヒザが流れたアンデウソンはダウン! ガードポジションを取ろうとするが、足を押さえて動けず。キャノニアは鉄槌の追打を振り落とさず、レフェリーが試合を止めた。

試合後、ブーイングの中でキャノニアは、「最初にアンデウソンにお礼を。彼はチャンスをくれた。僕と試合をしなくてもいい彼が自分と試合をしてくれたんだ。ファンにはまた別の想いがあるだろう」とマイク。

アンデウソンは、キャノニアをハグし、互いにヒザを着いて礼。目を赤く腫らせながら「みんなすまなかった。調子が良くなかったヒザにキックが当たってしまった」と語った。

◆ジャレッド・キャノニア「ファンが俺のことを尊重してくれないのなら……」

「試合は計画通りにいった。キックで勝つなんて当然予想していなかったけど、ありがたくいただくよ。ファンには反応しないようにして試合に臨んだけど、ちょっと優越感を見せびらかしてやらないといけないかな。アンデウソンのことは尊敬しているし、世界中の尊敬を集めている人だ。でも、ファンが俺のことを尊重してくれないのなら、俺だって尊敬するつもりはない」 

▼フェザー級 5分3R
×ジョゼ・アルド(ブラジル)
[判定3-0]※30-27×3
○アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)

1R、アルド、ヴォルカノフスキーともにオーソドックス構えから。頭を振り、圧力をかけるアルド。左ジャブも。ヴォルカノフスキーは右ロー。しかし右ストレートはアルドがスウェーバックでかわす。アルドは左右ボディを続けて当て、ヴォルカノフスキーのバックフィストの打ち終わりにも右を入れる。

しかしヴォルカノフスキーも近づきながらテイクダウンプレッシャーを入れて組み付き前へ。右を差すが、アルドは突き放す。スイッチしての左ハイはヴォルカノフスキー。アルドは跳びヒザで飛び込む。ヴォルカノフスキーは受け止めて押し返す。

2R、右ストレートを入れるヴォルカノフスキー。さらに左ロー。そこにアルドは右を狙う。右アッパーから左ストレートを狙うアルドだが、ヴォルカノフスキーはかわす。左ジャブはアルド! 近づけばヒザも当てる。ヴォルカノフスキーは左右を打ちながら組み付き、金網に押し込み左で差すが、アルドが差し返して体を入れ替えると地元ファンから大きな歓声が沸き起こる。左ストレートで飛び込むヴォルカノフスキーをかわすアルド。ジャブをあごを引いて受けながらも前へ。右を返す。

3R、ヴォルカノフスキーが前へ。しかしかわして右を打つアルド。ヴォルカノフスキーもそこに右ストレートをヒットさせる。左右からの前進力はラグビー出身のヴォルカノフスキー。アルドは金網背に体を入れ替える。左ジャブで前に出ることでリズムを作るヴォルカノフスキー。接近戦で脇を潜るアルド。しかし、ヴォルカノフスキーはいつものように押し込んで左で差してアルドの身体を伸ばして金網にくぎ付けに。続けて右で差し替え、頭をアゴ下につけると、アルドは動けず。ホーン。

判定は3-0でヴォルカノフスキーが1位のアルドに勝利。MMA17連勝をマークしたヴォルカノフスキーは試合後、「全力で行こうと決めていた。アルドを尊敬しているよ。世界中の母の日、おめでとう。次に俺と戦いたいやつ、出てこい。トップ3とも戦いたい」と、チャンピオンのマックス・ホロウェイをはじめ、2位のブライアン・オルテガ、3位のフランキー・エドガーらとの対戦をアピールした。

◆アレックス・ボルカノフスキー「ラウンドを取ったと気づいたのは、クリンチを仕掛けて向こうが離れようとしていないのが分かった時」

「最後の2ラウンドは自分が勝ったと確信していたから、冷静でいられた。もちろん、第3ラウンドにフィニッシュしたかったけど、試合をうまくコントロールできていたと思う。ラウンドを取ったと気づいたのは、クリンチを仕掛けて向こうが離れようとしていないのが分かった時。俺は負けなしだ。ジョゼ・アルドの地元で彼をフィニッシュできれば最高だったんだろうと思うけど、同時に、史上最強ファイターの1人とフルラウンドを戦い抜いて勝ったんだ。タイトルを目指していく」 

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