MMA
インタビュー

【ONE】ハム・ソヒ「キャリアの最後をONEのベルトで締めくくりたい」×ザンボアンガ「真っ向勝負したい」=9月3日(金)女子アトム級GP

2021/08/30 15:08
 2021年9月3日(金)にシンガポール・インドアスタジムで開催されるONE Championship初のオール女子大会「ONE: EMPOWER」で女子アトム級ワールドGP1回戦に臨むハム・ソヒ(韓国)とデニス・ザンボアンガ(フィリピン)のコメントが主催者より届いた。  ハム・ソヒは、2019年の大晦日に浜崎朱加と3度目の対戦で判定勝ち。RIZIN女子スーパーアトム級のベルトを獲得するも、2020年10月に王座を返上。2021年2月にONE女子アトム級ワールドGP参戦が発表されていた。  14年間のキャリアのなかで、最大のチャレンジともいえるGPに向け、ハム・ソヒは準備を進めている。  RIZIN王座を返上してONEと契約したことについて、「難しい状況にはありましたが、自分の心の声に従って決めたこと。これまで戦ったことのない場所で自分を試したかった」と語っていたハム。 「ONE Championshipへの移籍は、私にとって重要なことでした。というのも、私は自分の選手としてのキャリアを終えようとしており、本気でベルトを獲りに行って、素晴らしいフィナーレを迎えたいと思っているからです。そう思って決めました」  1回戦では、現王者のアンジェラ・リー(米国/シンガポール)が妊娠前に一旦挑戦権を得ていた、フィリピンのデニス・ザンボアンガと対戦する。ザンボアンガは、MMA8戦無敗の24歳で、2020年2月には、山口芽生(V.V Mei)を判定で下している強豪だ。  現アトム級1位のコンテンダーであるザンボアンガに勝利すれば、トーナメントの本命に躍り出る。そして、優勝すれば、ONE Championship女子アトム級の女王として君臨するアンジェラ・リーの次の挑戦者となる。  このGPに向け、ハム・ソヒは、「ワクワクしている」と語った。 「ONE Championshipでのデビューのことを考えると、胃の中に蝶々がいるような気がします。久しぶりの大会なので、ワクワクしています。ONEとの契約が決まったとき、私は新人のようにスタート地点から一歩一歩進んでいくものだと思っていました。でも、最初からグランプリに出場することになりました。ある意味、“これでいいのかな?”と思わずにはいられませんでした。でも、こんな大きなチャンスを与えてくれたことに、とても感謝しています」  対戦相手がいきなり強豪のザンボアンガに決定したことについても、「彼女は確かにとても強いと思います。でも、弱い相手とは対戦したくなかった。だから、対戦相手がデニスだと聞いたときは、すごい試合ができる強い相手だと思って嬉しかったです」と笑顔を見せる。  この試合に向け、チームMADでトレーニングを積んできた。 「彼女はケージレスリングで相手を苦しめるのが好きで、グラウンドで相手を押さえるのも得意としています。ですから、ボクシングだけでなく、ケージレスリングに対するディフェンスを中心にトレーニングしてきました。それに、デニスの相手への打ち方を見ていると、彼女はKOパンチを使うのではなく、相手から打たれる範囲に自分が入らないようにしている。こういったことをたくさん勉強しました。全体的に、私は気をつけなければならないと思っています」と、ザンボアンガ対策は万全のようだ。  プロとして31試合(23勝8敗)を戦い、現在6連勝中のハム・ソヒは、ザンボアンガのグラウンド&パウンドに対応できる自信を持っている。 「この試合に向けて、彼女のテイクダウンの戦術を予想し、たくさんの準備をしてきたので、簡単にテイクダウンされることはないと思います。これまで、テイクダウンされてパウンドを受けて試合を終えたことがないので、今回もそうはならないでしょう。1R目のゴングが鳴った後、彼女と距離をとって構え、相手の動きを見極めて研究します。そして、一撃のノックアウトを狙います。これは、今回のGPに向けて常に考え、イメージしてきたことです」  負けたら脱落のGPを勝ち抜くためには、経験に裏打ちされた心技体の強さが必要とされる。 「どんな試合でも相手が誰であろうと、私は決して諦めません。やるべきことは何でもやるというスタイルが、私の強みだと思っています。(ONE世界王座は)より切実に欲しいです。最後の試合をONE Championshipのベルトで締めくくりたいので、より重要だと感じています」 [nextpage] 間違いではなかったと証明したい(ザンボアンガ)  対するデニス・ザンボアンガは、ハム・ソヒとの対戦に興奮を隠せない。 「ハム・ソヒと対戦すると聞いた時は驚きました。ニューカマーが来て、GPに参戦するとは思っていなかったので。確かに少し緊張しました。でも緊張というよりは興奮の方が大きいです」  鳴り物入りでGPに参戦するベテランの対戦相手として抜擢された8戦無敗のコンテンダーは、「ONEが自分の能力を信用してくれたのだと捉えています。世界でもトップクラスと言われているアスリートを相手に当ててくれたことは、自分もそのレベルに達しているのではないかという評価の現れだと考えています。この試合は自分のキャリアの中で最大のチャレンジの一つになるでしょう。ONEが最高の状態で試合に臨むだろうと自分を信頼してくれているので、ベストの状態でこの挑戦に臨みます」  ときに“ミニ・ヴァンダレイ・シウバ”とも呼ばれるハムのアグレッシブなスタイルをザンボアンガは警戒している。 「非常に危険なストライカーです。彼女はサウスポーなので、難しいかもしれない。これまでサウスポーのストライカーとはあまり対戦したことがないから。これが彼女にとって有利な点だと思います。もちろん、サウスポーもできるスパーリングパートナーは何人かいるけれど、ほとんどはもともとオーソドックスの選手ですから」  グラップリングを軸とするザンボアンガだが、スタンドでの勝負でも一歩も退く気はなく、世界中に自分が持つ多様なスキルを見せつけたいと思っているようだ。 「私は彼女とストライキングで真っ向勝負したい。自分はレスラーやグラップラー以上だと証明したいんです。彼女はこの階級で有数のストライカーだから、彼女とスタンドでやり合えれば、自分も有数のアスリートだと証明できるでしょ?」  そのため、ザンボアンガは、タイ・バンコクの「マロック・フォース」のコーチやチームメイトと、MMAのあらゆる局面を磨き上げている。 「私の最大のアドバンテージは、チームの親密さになると思います。バックにはブレーンがいて、彼らが協力しあって、万全の体勢で臨めるように対策してくれています。このようなチームの存在は、自分が望む成果を上げるために大きな助けになります」  周囲の期待はプレッシャーとしてあるが、ザンボアンガは“アップセット”ではないことを証明したいという。 「ファンや仲間から尊敬されていること、優勝候補として見られていることは間違いなく嬉しいです。それでもプレッシャーは多少あるけれど、自分を信じてくれている人たちに、私がやってきたことは間違いではなかったと証明したい。自分が本当にベストだっていうことを」──。 ▼ONE女子世界ストロー級選手権試合 5分5Rション・ジンナン(中国)王者ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)挑戦者 ▼女子アトム級ワールドGP1回戦 5分3Rデニス・ザンボアンガ(フィリピン)MMA8勝0敗ハム・ソヒ(韓国)MMA23勝8敗 ▼女子アトム級ワールドGP1回戦 5分3Rアリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)MMA13勝4敗スタンプ・フェアテックス(タイ)MMA5勝1敗 ▼女子アトム級ワールドGP1回戦 5分3Rメン・ボー(中国)MMA17勝5敗リトゥ・フォガット(インド)MMA5勝1敗 ▼女子アトム級ワールドGP1回戦 5分3R平田 樹(日本)MMA4勝0敗アリース・アンダーソン(米国)MMA5勝1敗 ▼キックボクシング アトム級 アニッサ・メクセン(フランス)クリスティーナ・モラレス(スペイン) ▼ムエタイ ストロー級 ジャッキー・ブンタン(米国)ダニエラ・ロペス(アルゼンチン) ▼女子アトム級ワールドGP(交替試合)5分3R山口芽生(日本)MMA21勝12敗1分ジュリー・メザバルバ(ブラジル)MMA8勝2敗1分
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