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2021年9月3日(金)にシンガポール・インドアスタジムで開催されるONE Championship初のオール女子大会「ONE: EMPOWER」で女子アトム級ワールドGP1回戦に臨むハム・ソヒ(韓国)とデニス・ザンボアンガ(フィリピン)のコメントが主催者より届いた。
ハム・ソヒは、2019年の大晦日に浜崎朱加と3度目の対戦で判定勝ち。RIZIN女子スーパーアトム級のベルトを獲得するも、2020年10月に王座を返上。2021年2月にONE女子アトム級ワールドGP参戦が発表されていた。
14年間のキャリアのなかで、最大のチャレンジともいえるGPに向け、ハム・ソヒは準備を進めている。
RIZIN王座を返上してONEと契約したことについて、「難しい状況にはありましたが、自分の心の声に従って決めたこと。これまで戦ったことのない場所で自分を試したかった」と語っていたハム。
「ONE Championshipへの移籍は、私にとって重要なことでした。というのも、私は自分の選手としてのキャリアを終えようとしており、本気でベルトを獲りに行って、素晴らしいフィナーレを迎えたいと思っているからです。そう思って決めました」
1回戦では、現王者のアンジェラ・リー(米国/シンガポール)が妊娠前に一旦挑戦権を得ていた、フィリピンのデニス・ザンボアンガと対戦する。ザンボアンガは、MMA8戦無敗の24歳で、2020年2月には、山口芽生(V.V Mei)を判定で下している強豪だ。
現アトム級1位のコンテンダーであるザンボアンガに勝利すれば、トーナメントの本命に躍り出る。そして、優勝すれば、ONE Championship女子アトム級の女王として君臨するアンジェラ・リーの次の挑戦者となる。
このGPに向け、ハム・ソヒは、「ワクワクしている」と語った。
「ONE Championshipでのデビューのことを考えると、胃の中に蝶々がいるような気がします。久しぶりの大会なので、ワクワクしています。ONEとの契約が決まったとき、私は新人のようにスタート地点から一歩一歩進んでいくものだと思っていました。でも、最初からグランプリに出場することになりました。ある意味、“これでいいのかな?”と思わずにはいられませんでした。でも、こんな大きなチャンスを与えてくれたことに、とても感謝しています」
対戦相手がいきなり強豪のザンボアンガに決定したことについても、「彼女は確かにとても強いと思います。でも、弱い相手とは対戦したくなかった。だから、対戦相手がデニスだと聞いたときは、すごい試合ができる強い相手だと思って嬉しかったです」と笑顔を見せる。
この試合に向け、チームMADでトレーニングを積んできた。
「彼女はケージレスリングで相手を苦しめるのが好きで、グラウンドで相手を押さえるのも得意としています。ですから、ボクシングだけでなく、ケージレスリングに対するディフェンスを中心にトレーニングしてきました。それに、デニスの相手への打ち方を見ていると、彼女はKOパンチを使うのではなく、相手から打たれる範囲に自分が入らないようにしている。こういったことをたくさん勉強しました。全体的に、私は気をつけなければならないと思っています」と、ザンボアンガ対策は万全のようだ。
プロとして31試合(23勝8敗)を戦い、現在6連勝中のハム・ソヒは、ザンボアンガのグラウンド&パウンドに対応できる自信を持っている。
「この試合に向けて、彼女のテイクダウンの戦術を予想し、たくさんの準備をしてきたので、簡単にテイクダウンされることはないと思います。これまで、テイクダウンされてパウンドを受けて試合を終えたことがないので、今回もそうはならないでしょう。1R目のゴングが鳴った後、彼女と距離をとって構え、相手の動きを見極めて研究します。そして、一撃のノックアウトを狙います。これは、今回のGPに向けて常に考え、イメージしてきたことです」
負けたら脱落のGPを勝ち抜くためには、経験に裏打ちされた心技体の強さが必要とされる。
「どんな試合でも相手が誰であろうと、私は決して諦めません。やるべきことは何でもやるというスタイルが、私の強みだと思っています。(ONE世界王座は)より切実に欲しいです。最後の試合をONE Championshipのベルトで締めくくりたいので、より重要だと感じています」