UFCファイターによる「リングボーイ」も登場
UFCのオクタゴンガールの中には年収7桁と報道されているスターもいる。一方で、各スポーツのチアリーダー同様に、勇猛果敢な戦いとのコントラストとして、その合間に華やかな美しさを見せることがビジネスモデルにもなっている。
初期の大学チアリーダーなどは男性が務めており、現在、米国には「スタント」を務める男性チアのほかに、女性チアと同じように「ダンス」を披露する男性チアも存在する。
最もタフなスポーツの一つであるMMAも、女子に門戸を開放してきた。2012年11月に北京オリンピック柔道70kg級銅メダリストのロンダ・ラウジー(米国)がUFCと契約。UFC初の女子選手として、メインイベントも務めている。
同時に、女子のみの大会Invicta FCでは、公開計量時にファイターに寄り添い、観客がいる大会ではラウンド間にリングカードを持ってケージの外を歩く男性もいる。
2018年3月、日本の魅津希とヴィルナ・ジャンジローバがメインを務めた(後に2人ともUFCに転身)「Invicta FC 28」で、初めて「リングボーイ」を務めたトロント出身のエリアス・セオドロウは、当時現役のUFCファイターだった。
会見でセオドロウは、「リングボーイとして初めて登場したときは正直なところ、人々がどう思うか少し心配だったけど、本当にうまくいった。ファイターとしてのプロフィールのおかげで、人々はリラックスしていたし、僕自身もこの仕事への敬意を持ってリングボーイをしたから、イベントから気が散ることはなかったと思う」と語っている。
そして、そのときセオドロウは、Invictaの女性社長のシャノン・ナップと交渉し、「すべてのスポンサーをショートパンツに入れることが出来た」と、搾取されることは一切なく、自身のプロモーションとしても成功したことを語っている。
エンターテインメント・コンテンツのひとつとしてプロスポーツの見せ方も時代とともに変化している。世界が反応したヌルマゴメドフの一言は、彼の宗教観を表したものであったとしても、コンバットスポーツの見せ方を考えるきっかけになっている。