MMA
インタビュー

【ONE】鈴木博昭、メインでレジェンドが持つ世界王座に挑む「ONEはやっつけたもん勝ちの舞台。やっつける=ぶっ壊すのイメージです」

2019/05/09 20:05
 5月10日(金・現地時間)タイ・バンコクのインパクト・アリーナで開催される『ONE: WARRIORS OF LIGHT』のメインイベント、ONE Super Seriesムエタイ・世界バンタム級タイトルマッチで、王者ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)に挑む元シュートボクシング世界スーパーライト級王者・鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)。ONE三戦目で掴んだビッグチャンスを明日に控えた鈴木を現地でキャッチ! タイトルへの想いを訊いた。(聞き手&写真:安村発) 新しい闘技場で戦う感覚でいます ――ONE三戦目でタイトル挑戦が決まりました。心境はいかがですか。 「脊髄反射で“やります”と答えました(笑)。もちろん、タイトルは目指してましたが、あと何回勝ってここに辿り着けるのかを考えていた矢先だったのでタイミングが全てにおいて良過ぎましたね。デイヴィダス・ダニラ戦(2018年11月23日)、モハマド・ビン・マフムード戦(2019年1月25日)で試してきたことが色々とあり、今回はONEでの自分なりの答えと今までの格闘技人生の答えを一つ出したいと思います」 ONE初戦となったデイヴィダス・ダニラ戦はダウンを奪って判定勝ち――チャンピオンのノンオーについてはどのような印象がありますか? 「コンプリートファイターで何でも出来るムエタイのレジェンドですよね。以前からこの階級の頂点に君臨していて意識していた選手なので、ノンオーといずれ戦うことをベースに考えていました」――ノンオーのONEでの試合での印象はどのようなものがあります? 「単純に今までの引き出しの多さで勝ってきているイメージがあります。もちろん練習はバッチリしているでしょうが、今までやってきたムエタイに自信を持ってやっていますよね」 ――どのような試合イメージをしてます? 「ムエタイのリングでムエタイの戦いをして勝ちたいというこだわりのある選手とは違って、今回はONEのケージでやるのでムエタイの競技ではありません。新しい闘技場で戦う感覚でいます」 ONE2戦目ではモハマド・ビン・マフムードにTKO勝ち――ノンオーの母国であるタイでのタイトルマッチですが、完全にアウェーでの状況についてはどうでしょうか。 「それがまた良いじゃないですか(笑)。ホームではなく、敵地で王座を獲るというのは実力がないと出来ないことじゃないですか。これで獲れば何も文句言われることもないでしょ? 願ったり叶ったりの最高のシチュエーションだと思います。もうあとはただ単にぶんどりに行くだけですよ」 ――試合のテーマはありますか? 「試合はもちろん競い合いですが、ONEという闘技場で“相手を壊す”ことです。相手を壊すというと、大振りパンチをやるイメージとかではなく、結果、壊すための練習をずっとしてきました。ONEではグローブではなくオープンフィンガーグローブで立ち技オンリーの戦いになります。駆け引きも大事ですが、ONEはやっつけたもん勝ちの舞台だと痛感したんです。だから、やっつける=ぶっ壊すのイメージですね。そのための練習をずっとしてきたので、練習パートナーたちのケガが正直多いです…それを気にしないで下さい、とずっと付き合ってくれている仲間に感謝しています」 [nextpage] 心はシュートボクサー、はぐれシュートボクサーなんです ――S-cup世界トーナメントなど、今まで何度か大一番を迎えてきてましたが、これまでとは違う心境でもありますか? 「もちろん今までも全力で戦ってきましたし、全部大一番という感覚でやってきました。僕はここを見据えてやってきたというよりも、目の前にある目標に向けて全力で頑張ってきました。そして今の感覚はキャリア最盛期でタイトルマッチに臨むことは間違いないです。今までは仕事をやり、ジムで指導をしながら自分の練習時間を作って自主練がほとんどで、たまに後輩にミットを持ってもらっていましたが、今はもうフリーランスで自分のジムを立ち上げて、バッチリ練習が出来ています。今考えうる自分自身を伸ばすことに関して最高の環境にいると思います」 ――ご自身のジム以外に出稽古ではどちらに行かれました? 「チーム吉鷹だったり、今回は特に名古屋のOISHI GYMさんでお世話になりました。そこを選んだのは、単純にムエタイの技術の練習をしたかったから。ムエタイで勝負するわけではありませんが、ムエタイを知らずに勝負するのは間違いですし、ちょうどOISHI GYMさんには選手が揃っていたり雰囲気も良く、ムエタイの技術も高いです」 ――東京での出稽古はあります? 「週一で東京に行っていて、シーザージムでボクシングトレーナーの石塚勝久さんにミットを持ってパンチの技術の向上をしていただきました」――石塚トレーナーはルンピニー&ラジャダムナン統一王者の名高・エイワスポーツジム選手や、元SB日本スーパーフェザー級王者・村田聖明選手を育ててますよね。 「こういう感覚でパンチを打つんだ!? ということもわかって自分自身のパンチの技術向上にもつながり、叩けて良かったです。あと、シーザージムではシーザー武志会長にご挨拶をしてお食事にも誘っていただきました。本当は今回バナーフラッグにシュートボクシングの名前が載る予定でしたが、ONEでは他のプロモーションは載せてはいけないということだったので急遽ガムテープで消してあります…。僕は今までシュートボクシングで試合経験を積み、一人で飛び出したとはいえ、そこでの実績があったからこそ今回のタイトルマッチにつながっています。個の戦いではありますが、結局、心はシュートボクサー、はぐれシュートボクサーなんです(笑)」 ――日本のファンが明日、鈴木選手がONEのキックタイトルを日本人として初めて獲る瞬間を楽しみにしています。 「僕は日本代表を自負して思いっきり戦ってきます。たくさんの応援もありがとうございます。明日の試合当日は一度全てを落とし込んで、ただ純粋に戦う一つの細胞になってノンオーを仕留めてきます。見ててください。応援よろしくお願いします」
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