2021年8月21日(土)東京・後楽園ホール『Krush.128』で開幕する「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」。その1回戦で第6代Krushバンタム級王者・吉岡ビギン(team ALL-WIN)と対戦する璃明武(=りあむ/K-1ジム総本部チームペガサス)が、2日(月)都内所属ジムにて公開練習を行った。
長い手足を利したロングリーチのミット打ちを披露した璃明武は「もうあと3週間切ってだいぶ仕上がっているので、今週から来週でガッツリ追い込みをしてあとは調整という最終段階です」と、現在の状況を語る。
デビューから5連勝を飾ったが、7戦目で元Krushバンタム級王者・佐々木洵樹に判定で敗れ初黒星。今年2月の再起戦では蒼士に判定勝ちして再起を飾っているが、初黒星は何をもたらしたのか。
「初めて負けた後は悔しかったけれど 後悔していてもしょうがないのですぐ次に行こうと、早く試合を決めていただいたので蒼士戦に切り替えて、結果でしか成長は見せられないと思ったのですぐに切り替えられました。負けて一から練習して、元々練習量は毎日していたけれどさらに増やして24時間格闘技のことを考えて生活していました」
今回のトーナメントに関しては「そろそろタイトルが絡む試合をすると思っていたのでやっと来たか、という感じで。そんなにビックリはしてないですね。ベルトが欲しかったので優勝すれば獲れるのでよかったなと思っています。ここ1、2年は近い目標としてやっていたので、やっと獲るタイミングが来たかなって」と望むところ。
「8月は1回戦だけなので特にトーナメントだという意識はないですし、毎試合勝つ準備をしているので意識はしていない。10月(準決勝・決勝)はいろいろ変わって来るので、まず1回戦に勝ってから考えます」と、目の前の試合に集中している。
吉岡については「前回は計量オーバーで減点2があったので、内容では吉岡選手が勝っていたと思うので実質無敗だと思う。実績も実力もある選手だと思います」と評価しながらも、「元チャンピオンとはいえ一階級下。自分はずっとスーパー・バンタム級でやっていて、バンタム級とは違うので自分が勝とうと思っています」と、元王者であることは関係ないとする。
本人も「誰が出るかは知っていたんですが、組み合わせを聞いて、そんな予想はしていなかったですね。2人とも優勝候補と言われる部類だと思っていたので最初はマジかと思いました」というように、1回戦での激突は意外だったが、「でもモチベーションは上がるので、1回戦から強い相手が来て今はよかったと思っています」とモチベーションに変えている。
吉岡と言えばK-1 JAPAN GROUP初参戦で蒼士を相手に高い攻撃力を見せつけて勝ち、2戦目にして元バンタム級王者の晃貴を破って一気に注目を集めた。しかし、その後は王座決定トーナメントだったこともあり、固い試合が続いてインパクトを残せていない。
璃明武は「相手が研究してきているのもあったし、前回の試合は会場で見ていて普通に強いと思ったのでスランプではないかなと思いましたね。確かに最初に出てきた時のインパクトは大きかったですが」と、吉岡が不調には見えないという。
「身体はゴツイですが、一階級下なのでフィジカルはそんなに…自分はずっと55kgでやっているのでフィジカルは自分の方が強いと思います」と、吉岡の強みであるフィジカルの部分でも自分の方が優っているとする。逆に身長差(吉岡163㎝、璃明武170㎝)に関しては「吉岡選手はデカいのとはやり慣れているのかなと思いますし、自分は小さい選手とやりづらさはない」とあまり影響はないと見ている。
吉岡に勝てば相当な勢いがつくのではないか。そう聞かれると「自分と吉岡選手は他の選手たちとはレベルが違うと思うので、しっかり吉岡選手に差をつけて勝てば、自然と優勝候補だと、1回戦が終わった時点で注目が集まると思っています」と事実上の決勝戦くらいの気持ちで臨むとした。
準決勝・決勝については「準決勝は小巻選手か黒田選手、タイプが違って2人とも実力があるのでどっちが来るかは予想がつかない。どっちが来ても1日2試合なのでKOで終わらせたいですね。決勝は鬼山選手か小倉選手が何もなければ上がってくると思う。どっちもタイプは似ているけれど強いので、決勝でやるにはちょうといい相手だと思う」とした。
2019年12月の内田晶戦で見せた後ろ廻し蹴りによる一発KOのインパクトが強すぎ、璃明武=後ろ廻し蹴りのイメージになっているが、本人は「よく言われるんですが、そんなに得意技ではないんです。一個の倒せる武器なので、次の試合でも出せるタイミングがあったら使うけれど、相手も警戒していると思うので意識はしていないですね。でも見ている人は期待していると思うので、当たると思った時は出そうかな、くらいです」と、そこまで意識している技ではないという。
チャンピオンになるにふさわしい試合はどういうものかと問われると「一番分かりやすいのはKOだと思いますが、狙いすぎてもKOはできないので。理想は3試合ともKOですが勝つことを一番大事にしたいですね」と答えた。