那須川(右)がISKAフリースタイルルール世界フェザー級王者アメッド・フェラージに挑戦
2019年6月2日(日)兵庫・神戸ワールド記念ホール『RIZIN.16』への出場が決まっていた、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)の対戦相手がISKAフリースタイルルール世界フェザー級王者アメッド・フェラージ(フランス)に決定した。
フェラージはフランスの伝統格闘技で、蹴り技を主体として戦うため“足のボクシング”と称されるサバット出身。サバットで国内タイトルを皮切りに、K1フランス王者など数々のタイトルを獲得してきた。2017年にISKAオリエンタルルールヨーロッパ王座に就くと、昨年5月にはISKAフリースタイルルール世界フェザー級王座を獲得。戦績は12勝5KOで、サウスポー構えから得意の蹴りに加えて破壊力のあるパンチも持っている。
今回の試合は那須川が王者フェラージに挑戦するISKA世界フェザー級タイトルマッチとして行われるが、ルールはISKAフリースタイルルール(パンチとキックのみ攻撃が認められ、ヒジ打ち・ヒザ蹴りとつかんでの攻撃が禁止)ではなくISKAユニファイドルールが採用される。
ISKAユニファイドルールとは、ABC(the Association of Boxing Commissions=ボクシング・コミッション協会。90以上の政府及び各地域管轄の格闘技団体をコーディネートしている北米にある組織で、プロボクシング及び総合格闘技などの試合や記録を統括する)が制定しているABCキックボクシングユニファイドルールに則る。基本的にはパンチ、キック、ヒザ蹴りが有効でヒジ打ちは禁止。相手を首相撲などでつかんでの攻撃はつかんですぐ攻撃すれば最大5秒間許される。(詳細は後日発表=参照:ABC UNIFIED RULES OF PROFESSIONAL KICKBOXING)。
ISKAはひとつの階級で5つのルールの王座を認定しているが、今後はABCキックボクシングユニファイドルールとフル・ムエタイルールの2つに王座を統一していく意向があるという。今回の那須川vsフェラージは、ISKAからの要請で、ユニファイドルールのもとで実施される最初の世界タイトルマッチとなる。
那須川は2016年3月、ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王座決定戦を行い、フレッド・コルデイロに勝利して17歳で世界王座を獲得しているが、今回はフェザー級(-57kg)王座に挑戦する。ISKA世界王座の2階級制覇、そして現在保持するRISE世界フェザー級王座と合わせて世界三冠王を目指す。
フェラージは「自分の持つベルトの防衛戦を日本で那須川天心とやれることができて光栄だ。RIZINのような素晴らしい舞台での試合が待ちきれないぜ」とコメント。那須川は「今回は戦い方にこだわって試合をしようと思いますので、その辺の違いを見てもらえればと思います。周りの試合よりも圧倒的に盛り上げて、圧倒的に勝ちます」と意気込んでいる。
また、ISKAのコーリー・シェーファー代表とISKAヨーロッパのポール・ヘネシー代表からのコメントも届いた。
ISKA代表 コーリー・シェーファー氏
「私たちは、ISKAフェザー級世界タイトルマッチとして、アメッド・フェラージ 対 那須川天心を発表できることを非常に嬉しく思います。試合は6月2日に神戸で開催されるRIZIN.16で争われます。フランスのフェラージは、2018年5月にベルギーのヤシン・モタシムに4ラウンドTKOで勝利してタイトルを獲得しました。無敗の日本の天才、那須川天心はRISEの世界タイトルと、ISKA世界バンタム級の2つのベルトを保持しています。私たちはこのスポーツの最高に若いスターたちが繰り広げるこの試合が、キックボクシングの年間のベストバウト候補になると期待しています。 ISKAヨーロッパの代表であり、世界のキックボクシング部門のコーディネーターであるポール・ヘネシーがISKAを代表して当日立会人として出席します」
ISKAヨーロッパ代表 ポール・ヘネシー氏
「私たちは、正式にISKAフェザー級世界タイトル防衛戦として、アメッド・フェラージvs那須川天心の試合が実施されることを発表します。この試合は、日本の神戸にて6月2日開催されるRIZIN.16にて行われます。
フランスのフェラージ選手は、2018年5月にベルギーのヤシン・モタシム選手を4R TKOにて破り、タイトルを獲得しました。無敗の神童、那須川天心選手は、RISE世界フェザー級のタイトルに加え、ISKA世界バンタム級のタイトルを保有しています。私たちは、この若い2選手の試合が、今年のキックボクシング・オブ・ザ・イヤーなることを期待しています。ISKAを代表して、ヨーロッパ代表兼グローバルキックボクシング部門コーディネーターであるポール・ヘネシーが出席します。
また本試合は、ABCキックボクシングユニファイドルールが適用されます。ISKA会長コーリー・シェーファーは、ABC(the Association of Boxing Commissions- 90以上の政府及び各地域管轄の格闘技団体をコーディネートしている北米にある組織)での、これらのルール立案を行った委員会のメンバーでもありました。ISKAは、グローバルブランディングとしてABCキックボクシングユニファイドルールを支持する意向です。これは、ABCボクシングユニファイドルールやMMAユニファイドルールが、ぞれぞれ競技において前向きな効果をもたらしてきているように、キックボクシング界においても非常に前向きなインパクトを与えることになるでしょう。
フェラージvs那須川は、ユニファイドルールの下実施される最初の世界タイトルマッチとなります。ISKAでは、現在、ABCユニファイドルールでの、いくつかの部門を1つのタイトルに併合する実現性を検討しています」