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【UFC】ディラショーがサンドヘイゲンにスプリット判定勝ち「タイトルマッチを」。パイヴァがフィリップスに、バーバーがマーヴェリックに競り勝つ

2021/07/25 08:07
 2021年7月24日(日本時間25日)に、米国ネバダ州ラスベガスの「UFC APEX」にて「UFC Fight Night: Sandhagen vs. Dillashaw」が開催された。 UFC Fight Night: Sandhagen vs. Dillashaw 速報 現地時間2021年7月24日(土)、日本時間25日(日)米国ネバダ州ラスベガス/UFC APEX 【メインイベント】 ▼バンタム級 5分5R〇TJ・ディラショー(米国)17勝4敗(UFC13勝4敗)136lbs/61.69kg[判定2-1] ※48-47×2, 47-48×コーリー・サンドヘイゲン(米国)14勝3敗(UFC7勝2敗)136lbs/61.69kg  メインイベントのバンタム級戦で、5分5Rを戦うコーリー・サンドヘイゲン(米国)とTJ・ディラショー(米国)。前日計量では、ともに136ポンド(61.69kg)でパス。フェイスオフでは、180cm(リーチ178cm)と長身のサンドヘイゲンが、168cm(リーチ173cm)のディラショーを見下ろす形となったが、視線を合わせた後はがっちり握手をかわした。 ◆UFCバンタム級(※7月23日時点)王者 アルジャメイン・スターリング1位 ピョートル・ヤン2位 コリー・サンドハーゲン3位 ロブ・フォント4位 ジョゼ・アルド5位 コーディ・ガーブラント6位 マルロン・モラエス7位 フランキー・エドガー8位 ペドロ・ムニョス9位 ドミニク・クルーズ10位 メラブ・ドヴァリシヴィリ  怪物ぞろいのUFCバンタム級で2位のサンドヘイゲンは、キックボクシングでWKA世界王座を獲得後、MMAに転向し、MMA14勝2敗。LFAでジャマル・エマーズに判定負けもUFCで5連勝。2020年6月にアルジャメイン・スターリングに1R リアネイキドチョークで一本負けでオクタゴン初黒星を喫するも、2020年10月に元WSOF世界バンタム級王者のマルロン・モラエスを2R、スピニングバックキックを当ててパウンドアウト。  2021年2月の前戦ではフランキー・エドガーをわずか28秒、右跳びヒザ蹴りでKOに下している。オーソドックス構えがベースのスイッチヒッターで、MMA柔術にも長けている29歳だ。  対する元同級世界王者のTJ・ディラショーはMMA16勝4敗(UFC12勝4敗)の35歳。レスリングをベースにスイッチするステップ、精度の高い打撃を武器に、MMA16勝中11のフィニッシュを飾ってきた。  前戦は2019年1月、バンタム級王者としてフライ級王者ヘンリー・セフードに挑戦。32秒でTKO負けし、UFC史上4人目の同時2階級制覇はならなかった。試合後、ドーピング違反に抵触し、バンタム級王座を返上。今回は2年間の出場停止処分明けの復帰戦となる。元練習パートナーを相手にいかに戦うか。  1R、サウスポー構えのディラショー。オーソドックス構えのサンドヘイゲンは先に右ローを当てる。  詰めるディラショーにサークリングするサンドヘイゲン。スイッチするディラショーの詰めに右跳びヒザはサンドヘイゲン! キャッチしたディラショーは三角絞めに入るがすぐに抜いたディラショー。サンドヘイゲンは下から足を手繰るが、切ったディラショーがスタンドバックに。前に崩すが、サンドヘイゲンは切る。後ろ蹴り、右カーフキックはサンドヘイゲン。ディラショーはスイッチしての右オーバーハンド。さらに右ローを返す。  頭を振って右を振るディラショーは右のダブルから詰めてボディロック、前方に崩すが、ここもヒップアタップでガードに持ち込むサンドヘイゲンは、下からディラショーの左足にインサイドから三角に組む。中腰で鉄槌はディラショー! 浴びるもサンドヘイゲンは足で突き放す。  2R、右インローを当てるサンドヘイゲン。詰めてシングルレッグはディラショー。金網まで詰めて右で差して、今度は左に切り替えるが、突き放すサンドヘイゲン。ディラショーは左ミドル! その蹴り足を掴むサンドヘイゲン。足を抜くディラショーはノーガードで頭を振る。右カーフキックはディラショー。その入りにカウンターを狙い、インローを返すサンドヘイゲン。  左フック! ダウンしたディラショーは鼻血。頭を振って詰め返すが、サンドヘイゲンは下がりながら右を当てる! 右眉をざっくり縦に切るディラショー。  ドクターチェック後、再開。詰めるディラショーに右跳びヒザはサンドヘイゲン! さらに右ハイも繰り出す。ここは左手でブロックするディラショーは詰めてボディロックから崩し。しかしすぐに立ち上がり金網まで歩くサンドヘイゲン。ディラショーは背後から右ヒジを突く。  3R、ディラショーは右のダブル。そこに後ろを見せてサンドヘイゲンはバックヒジ狙いか。詰めるディラショーにやはり右バックヒジを打つ。ここはブロックするディラショーはダブルレッグへ。脇を潜りボディロックから背後につくも正対するサンドヘイゲンは突き放し、左ジャブ! ディラショーのワンツーをかわし、左ジャブ、右ストレートを当てる。  右のカーフキックを当てるディラショー。サンドヘイゲンは右の後ろ蹴りも、キャッチしたディラショーがテイクダウン。ここもサンドヘイゲンはガードに持ち込み立ち上がる。オラウンドーソから右から左のワンツーはサンドヘイゲン。ディラショーは右ローを当ててからワンツーの右! 打撃の数で上回る。さらに低いダブルレッグからボディロックに繋ぎ、背後からヒザ! さらに押し込んでだまま右のダブルを打つと、サンドヘイゲンはブザー同時に左を打ち返す。ディラショーが取り返したか。  4R、ワンツーから右ローはディラショー。さらに押し込むディラショーの右ストレートがヒット。回りながら右ストレートを返すサンドヘイゲンだが、右カーフを効かせるディラショーに足が流れるサンドヘイゲン。前に出ると、ディラショーは組んでスタンドバックに。  正対し離れるサンドヘイゲン。左ストレートはブロックするディラショーは右ロー。さらに左ローを打ち、そのままオーソに。サンドヘイゲンの左の打ち終わりに組み付き、ボディロック。サンドヘイゲンはここも正対し離れる。  ワンツーを振って金網まで下がらせて組むディラショー。背中を見せながら凌ぐサンドヘイゲンは金網際で正対。左インロー、右ローと前足に打つディラショー。サンドヘイゲンは下がりながらバックフィストを当てる。サンドヘイゲンは取り返したか。  5R、詰めるディラショーに左右にサークリングするサンドヘイゲン。左右から右に繋ぎ顔面を叩くディラショー。サンドヘイゲンもワンツーをヒットさせる。左右で前に出るサンドヘイゲン。しかしダブルレッグからすぐにバックに回り押し込むディラショー。突き放されてもすぐにダブルレッグへ。なおも突き放すサンドヘイゲンは右から左ボディ打ち。下がりながらもヒザを突く。  詰めるディラショーはフックも、それをかわして右を当てるサンドヘイゲン。ディラショーは胴に組んで押しこむが右にサークリングするサンドヘイゲンはアウトボクシングで的確にジャブ。ディラショーは組むも倒そうとはせず。離れるサンドヘイゲンがディラショーの打撃を見切り、ワンツーを当てる。被弾するディラショー。ブザー。  判定は2-1(48-47×2, 47-48)に割れ、ディラショーが勝利。  前に出て手数を出しケージレスリングで巧みにバックテイクしたディラショーは「サンドヘイゲンは好きだよ。ダディは帰ったぜ、ビッチども! ヤンかスターリングとタイトルマッチをしたい」とコメント。  2連勝から敗れたサンドヘイゲンは「(やれることはやりきったか?)そうだね。ミスは分かっていてちゃんと対応した。ダメージは無いけどね……」と首を振った。 [nextpage] 【セミメインイベント】 ▼バンタム級 5分3R〇ハウリアン・パイヴァ(ブラジル)21勝3敗(UFC3勝2敗)135.5lbs/61.46kg[判定2-0] ※29-28×2, 28-28×カイラー・フィリップス(米国)9勝2敗(UFC3勝1敗)135.5lbs/61.46kg  バンタム級14位のフィリップスと、フライ級12位のパパイヴァ。パイヴァは一時はマネル・ケイプの対戦候補に挙がった選手。当初はハファエル・アスンサオと対戦予定だったが、6月下旬にアスンサオが負傷欠場。代役としてバンタム級初戦に臨む。  1R、ともにオーソドックス構え。フィリップスの入りにステップして右を打つパイヴァ。しかしフィリップスは右を伸ばしてから左をヒットさせるとパイヴァがダウン! パイヴァは立ち上がると逆にワンツーで前に。フィリップスの蹴り足を取ってこかすパイヴァ。  スイッチから持ち上げてスラムして離れるフィリップスは、右を当ててパイヴァの腰を落とさせる。さらに右ハイから左後ろ廻し蹴り。それを詰めて潰したパイヴァが上に。フィリップスの三角絞め狙いを切り、中腰からパウンドも、フィリップスが下からカニ挟み的に足を挟み草刈りトランジションでサイドへ。立ち上がるパイヴァにさらに左を当てて、しがみつくパイヴァを切り、ヒジ! パウンドラッシュもパイヴァは何とか凌ぐ。  2R、前に詰めるフィリップスにダブルレッグからバックテイク、何と引き込みを見せるパイヴァ。しかし切ったフィリップスは右ヒジ! しかしパイヴァも右ストレート! グラつくフィリップスを追い右ヒジも。  フィリップスが前に出てきたところにボディロックはパイヴァ。ここも切ったフィリップスが今度はダブルレッグテイクダウン! 金網背に立ち上がるパイヴァはバックにつかせず正対、突き放す。  ダブルレッグから脇を潜りバックに回り、突き放し際でヒジを狙うパイヴァ。しかし、この苦しい時間帯にダブルレッグからテイクダウンはフィリップス! 右を当てるとパイヴァも右! ブザーもスクランブルの展開に疲労困憊のパイヴァはマットに手を着く。  3R、先にニータップはフィリップス。右ストレートをヒット。さらにダブルレッグに入るがパイヴァも差し上げる。なおもシングルレッグも尻を着き捨て身気味になるフィリップス。立ち上がるとパイヴァが右ヒジ。打ち合いの中で右ストレートもヒットさせる。しかし、フィリップスもダブルレッグテイクダウン。  金網で立つパイヴァ。なおもアタックするフィリップスだが、詰め返すパイヴァにフィリップスは金網背にスイッチ、コブラを狙う。それを潰したパイヴァが上に。ハーフで凌ぐフィリップスは立ち上がり。互いに左右を振りブザー。座り込んだパイヴァに、両手を挙げるフィリップス。  熱闘の判定は2-0でパイヴァが勝利。1RにTKO寸前まで追い込み、テイクダウンアテンプトも積極的だったフィリップスは厳しい敗戦。2、3Rに有効打を当て、打撃で上回り接戦を勝利したパイヴァは「タフな試合だったけど、前に出続けてよかった」とポルトガル語通訳→ユライアの英語という形で語った。 [nextpage] 【メインカード】 ▼フェザー級 5分3R〇ダレン・エルキンス(米国)26勝9敗(UFC16勝8敗)146lbs/66.22kg[2R 3分48秒 TKO] ※パウンド×ダリック・ミナー(米国)26勝12敗(UFC2勝2敗)145.5lbs/66.00kg  身長差8cm、リーチ差は4cm、エルキンスが長い。エルキンスは悪夢の4連敗から11月の前戦でガラゴリにリアネイキドチョークで一本勝ち。フェイバリットのミラーはララミー。ロサに勝利し2連勝中。 エルキンスのダブルレッグにチョークを狙うミナー。首を抜くエルキンスはさらにシングルレッグ、ミナーはニンジャチョークを狙う。ここも首を抜くエルキンスは三角絞め狙い。組ませないミナーは上を取り、さらにノーアームギロチン。エルキンスが首を抜くとマウントを狙う。エルキンスは潜りからヒザ十字狙いも、潰したミナーがヒジ!  2R、詰めて首狙いのミナーに、首を抜き逆にギロチンを狙うエルキンス。ここも外し、トラックポジションからバック狙いから上に回るミナーは今度はアームインギロチンへ。  しかし首を抜いたエルキンスが肩固め狙いから、サイド、クルスフィックでパウンド&ヒジ! 右腕を踏みつけてパウンド。最後は亀になったミナーにニアマウントからパウンドラッシュ! レフェリーが間に入った。  1Rの劣勢から盛り返したエルキンスは顔面を血に染めながら勝利の咆哮! 「ミナーはとてもタフで大変だった。前に出続ければチャンスが来ると思っていた。10月にまた試合がしたい」と語った。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇メイシー・バーバー(米国)9勝2敗(UFC4勝2敗)125.5lbs/56.93kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ミランダ・マーヴェリック(米国)9勝3敗(UFC2勝1敗)125.5lbs/56.93kg  1R、ともにオーソドックス構えから。遠い間合いから右を伸ばし圧力をかけるマーヴェリック。ユライア・フェイバーがコーナーマンのバーバーはサークリングしながら右ミドル。しかし詰めるマーヴェリックもミドルの蹴り返し。サウスポー構えにスイッチし、右ジャブから左の蹴りに繋げる。右を打ち、右に回ろうとするバーバーを左の蹴りで止めるマーヴェリック。右から左のワンツー。  2Rも圧力をかけるのはサウスポー構えのマーヴェリック。バーバーも右足前に変えるが、ワンツー&右ローまで繋ぐマーヴェリックが前に。左で差して押し込むが突き放したバーバーが今度はボディロックからテイクダウン狙い。金網際で右のヒジを当てる。  離れた両者。右から左で飛び込むバーバーに、左右を返すマーヴェリックはダブルレッグテイクダウンから立ち上がり際にバックテイク。両足をフックすると残り10秒でバックマウントパウンド。組みで展開を打破したバーバーだが、後半はマーヴェリックに攻め込まれた。  3R、左右フックのマーヴェリック。右を振るバーバーに左ミドルで迎撃する。バーバーもサウスポー構えから左ハイも空ぶり。右を振りボディロックから小外がけテイクダウンもマーヴェリックは金網背に立ち上がる。ワンツーで前に出るバーバーに左を振るマーヴェリック。バーバーは右で差して組んで左ヒジ狙い。離れ際に右バックヒジも! 離れて右ストレートで飛び込むバーバー。3Rに追い上げを見せたが……。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)でテイクダウンアテンプトと際の打撃が評価されたか、2R、3Rを取ったバーバーが勝利。ロクサン、アレクサ・グラッソ戦の判定負けの2連敗から脱出。1年9カ月ぶりの白星を掴んだ。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇エイドリアン・ヤネス(米国)14勝3敗(UFC3勝0敗)135.5lbs/61.46kg[2R 2分11秒 TKO] ※右アッパー→パウンド×ランディ・コスタ(米国)6勝2敗(UFC2勝2敗)135lbs/61.24kg  1R、長いリーチで押し込みリズムよく左右のハイを繰り出すコスタ。左ジャブの連打も当てワンツー。下がるヤネスは距離がつかめず鼻血。右カーフを狙い、後半に左アッパー右関節蹴り。  2R、1Rに一歩的に距離を支配されていたヤネスが、左ジャブで金網に詰めて左右ボディから右アッパー! コスタはガードを固めながら座り込み、レフェリーが間に入った。  LFA、Contender Series 2020からUFC入りしたコスタは1Rに苦しみながらもUFC3連勝を決めた。 [nextpage] 【プレリム】 ▼ミドル級 5分3R〇ブレンダン・アレン(米国)17勝4敗(UFC5勝1敗)185.5lbs/84.14kg[判定3-0] ※30-27×2、29-28×プナヘレ・ソリアーノ(米国)8勝1敗(UFC2勝1敗)185.5lbs/84.14kg ▼ミドル級 5分3R〇ナッソーディン・イマボフ(フランス)10勝3敗(UFC2勝1敗)185.5lbs/84.14kg[2R 3分09秒 TKO] ※ヒザ蹴り→パウンド×イアン・ハイニッシュ(米国)14勝5敗(UFC3勝4敗)185.5lbs/84.14kg ▼ウェルター級 5分3R〇ミッキー・ガル(米国)7勝3敗(UFC6勝3敗)169.5lbs/76.88kg[1R 2分57秒 リアネイキドチョーク]×ジョーダン・ウィリアムズ(米国)9勝5敗(UFC0勝2敗)170.5lbs/77.34kg ▼バンタム級 5分3R〇フリオ・アルセ(米国)17勝4敗(UFC4勝2敗)135.5lbs/61.46kg[2R 3分45秒 TKO] ※左右ラッシュでスタンドTKO×アンドレ・イーウェル(米国)17勝8敗(UFC4勝4敗)135lbs/61.24kg ▼女子フライ級 5分3R〇シジャラ・ユーバンクス(米国)7勝6敗(UFC5勝4敗)125lbs/56.70kg[1R 3分49秒 TKO] ※パウンド×エリース・リード(米国)4勝1敗(UFC0勝1敗)125lbs/56.70kg ▼女子ストロー級 5分3R〇ディアナ・ベルビタ(ルーマニア)14勝6敗(UFC1勝2敗)114.5lbs/51.94kg[判定3-0] ※30-27×3×ハンナ・ゴールディ(米国)5勝2敗(UFC0勝2敗)115.5lbs/52.39kg 【中止】女子バンタム級 5分3Rアスペン・ラッド(米国)9勝1敗(UFC4勝1敗)メイシー・チアソン(米国)7勝1敗(UFC5勝1敗)※チアソンが負傷欠場
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