2021年7月24日(土)東京・後楽園ホール『Krush.127』で開幕の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」に出場する、南雲大輝(八光流柔術総本部)が公開練習を行った。
南雲はMMA(総合格闘技)からミャンマーの頭突きありの超過激格闘技ラウェイに転向し、2017年12月にはミャンマー・ヤンゴンで開催されたAir KBZ(エアカンボーザ)チャンピオンシップにて67kg級の2017年王者となった。2019年6月、K-1への参戦を表明し、11月に初参戦して独特の動き・リズムを見せて林健太を戸惑わせたが、最後は右ストレートでKO負け。2020年6月の堀井翼戦は反則負け、8月の東本央貴戦では初回KO負け、今年3月のK-1ではゴンナパーに2RでKO負けと5連敗ながらチャンスを得た。キックボクシングの通算戦績は1勝6敗。
30度を超える暑さの道場へ姿を現した南雲は、涼しい表情で奥山道場長の持つミットへ鋭いワンツー、ハイキックを繰り出す。さらにはローキックへカウンターのストレートを合わせ、トーナメント対策が充実していることをうかがわせる。
さらには上條師範が仕掛けた投げに対して受け身を見せた南雲。リング上でのファイトに止まらない、八光流柔術が重んじる"武"を感じさせる公開練習となった。
Krushが誇る気鋭の8選手が名を連ねた本トーナメント。「前回の3月28日が終わってからすぐにお話をいただきました。試合後にはすぐに練習を再開していたのでありがたいです」と南雲は大チャンスの到来に喜びの表情を見せた。
このトーナメントには1回戦で対戦する堀井翼(K-1ジム五反田チームキングス)のほか、東本央貴、里見柚己と南雲が過去に敗戦した相手が3人参戦している。ハードなトーナメントとなることは間違いないが、「自分にとっていいトーナメント」と、リベンジチャンスに自信を見せた。
「堀井選手とは1回戦目。反対ブロックには里見選手、東本選手がいます。他にも戦ってみたい選手がいますので、自分にとっていいトーナメントですね。いい試合ができると思います」
その自信の裏には、前戦から所属する八光流柔術で感じた成長がある。前回3月28日の『K'FESTA.4 Day.2』では、K-1ライト級王者ゴンナパー・ウィラサクレックとスーパーファイトで対戦。2RにKOで沈んだものの、1Rには右フックでゴンナパーをダウン寸前に追い込んだ。
南雲は自身の成長を生んだ当時の環境を「変化しかなかった」と表現。「武道館の舞台に立たせてもらうまでは本当にいろいろなことがありました。結果としてああいう形の試合になりましたが、いろいろな人の支えがあって試合が出来ました。本当に感謝しかありません」と新天地で自らの成長を支えてくれた周囲への感謝を口にした。
一回戦の対戦相手・堀井とは昨年6月に対戦するも、金子がローブローを3度蹴ってしまい、金子の反則負け裁定が下された。その後、両者の再戦が組まれたものの、堀井が怪我で欠場。まさに因縁の一戦がトーナメント・一回戦で実現することになる。
南雲は「とりあえず金的を蹴らないように」と反省を見せつつも、この一戦のフィニッシュに、これまで封印してきた"ラウェイサンダー"の披露を宣言する。
「ずっと『ラウェイサンダーって金的蹴りでしょ』と言われてきたので、封じていました。(ラウェイサンダーは)今まで観客が見たことがない技、見たことがない試合運び。Krushは相手を壊すという意味だと思いますが、試合の概念を壊す、新しいものを作るような試合をしたいと思います」
K-1 JAPAN GROUPに参戦して以来、盛り上げは見せつつも5連敗。募らせ続けた悔しさも、ファンからの温かい応援も、南雲は全てを糧にした。狙うはKrushライト級のベルト。南雲は7月24日、不完全燃焼のまま終わった堀井翼との完全決着のリングへ向かう。
「結果が出ていない身でありながらチャンスをいただけたことに感謝しています。負けるたびにいろいろなことを言われてきましたが、それも全部糧にして練習をしてきました。前回の試合から一日も練習を休んでいません。1戦目の林(健太)選手との試合から大きく成長した姿を次の試合で見せたいですし、さらに次の試合ではもっと成長した姿を見せます。ぜひ一戦ごとに大きく変化していく姿を見て欲しいと思います」