◆KNOCK OUT 2021 vol.32021年7月18日(日)後楽園ホール
▼第8試合 初代KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級王座決定トーナメント決勝 3分3R延長1R〇鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)[1R 0分43秒 KO] ×宮越慶二郎(拳粋会宮越道場/WBCムエタイ・インターナショナル・ライト級王者)
初代KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王座決定トーナメント決勝戦3分3R延長1Rの、鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺) vs宮越慶二郎(拳粋会宮越道場) 。
3月の1回戦で久保政哉を1R1分25秒、右フックでKOして4連続KO、「判定なんてクソくらえ」とKO至上主義を貫く鈴木と、3月の1回戦では延長戦の末に判定2-1で与座優貴を下してベテラン健在を示した、“ニンジャステップ”と呼ばれる独特のフットワークを駆使する宮越。初代王座に就くのはどっちだ。
1R、いきなり詰めて右から左の強打を当てて宮越からダウンを奪う鈴木! フラつく宮越を詰める鈴木は、右を当て、さらにコーナーに詰めて左右ラッシュ! レフェリーが間に入った。
予告どおりの秒殺勝利で5連続KOを決めた鈴木は、試合後「ぶっちぎってやったぜ! 無事チャンピオンになることができました。今後、MMAの方でも戦って突っ走っていきたいと思います。今後も進化を追いかけてください!」と力強く挨拶。最後はマイクを使わずに、「ありがとうございました」と四方に頭を下げた。
キックボクサーとして初のタイトルを獲得した鈴木は記念撮影で、あらかじめベルトを着ける部分がデザインされたガウンを着用し、その上から初代KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級王者のベルトを巻いた。
MMAでは、5勝2敗の戦績を持つ鈴木。PANCRASEの「2018年ネオブラッド・トーナメントフライ級」では水谷健人、猿飛流、RIZINにも出場した杉山廣平を下して優勝している。果たして二足の草鞋を履く鈴木のMMAでの主戦場はどこになるか。
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▼第7試合 初代KNOCK OUT-BLACK スーパーミドル級王座決定トーナメント決勝 3分3R延長1R〇松倉信太郎(TRY HARD GYM/WPMF世界スーパーミドル級王者)[判定3-0] ※29-24, 30-23×2×田村 聖(拳心館/NKBミドル級1位)※松倉が王者に
第7試合は初代KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王座決定トーナメント決勝戦3分3R延長1Rの、松倉信太郎(TRY HARD GYM)vs田村聖(拳心館)。この階級の新設を提唱した松倉は“自分のための”トーナメントで見事、ベルトを巻くことができるか。3月の1回戦では渡慶次幸平を1R2分14秒、右ストレートでマットに沈める圧倒的な強さを見せつけている。
一方の田村は「PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメント」を全試合KOで完全制覇を成し遂げ、ヘビー級の試合でも勝利している。1回戦では吉野友規に先制のダウンを奪われるも2R2分9秒、逆転TKO勝利で吉野にプロ初黒星を付けた。
1R、ともにオーソドックス構え。右ローを打つ松倉。前足を変えると田村はインロー。松倉は左ミドルを当て、田村は前進して右を振り、右ローに繋ぐ。右をジャブで突く松倉。田村は詰めて右ヒジで飛び込む。しかし、右カーフを効かせる松倉は、詰めてラッシュの田村に下がりながらカウンターの右! ダウンを奪う。
2R、右でバランスを崩した松倉に詰める田村だが、右を打ち返し、今度は田村がグラつく。さらに左フックでダウンを奪う松倉! 立ち上がる田村に右カーフキックを効かせ、右ミドル。サウスポー構えにして前足を変える田村。しかし前傾姿勢の田村は左右を当ててコーナーに松倉を詰めてヒザ。ここで松倉が出血。さらに頭から突っ込むもバッティング。
3R、出血は田村のヒザ蹴りによる有効打とアナウンス。再開。右の打ち下ろしでダウンを奪う松倉! 接近戦の打ち合いでカウンターの右も! ダウンから立ち上がる田村に左フックを当てる松倉。しかし田村も左ストレートを当て、前進。両者ともに近い距離で激しい打ち合いの末、ゴング。
ダウンを奪った松倉が出血に苦しみながらも、大差判定で勝利。ベルトを巻いた。リング上で松倉は、「中学生で格闘技を始めて、まだ29でクソガキですが、ベルトがひとつの目標でやってきました。挑戦したいことがあって、失敗したらどうすればいいのかと思うこともあると思いますが、実は失敗なんかないし、勝ち負けなんてない。今日の感情を忘れずに、確実に日本で一番強いことが証明できたんで、これからも応援宜しくお願いします」と挨拶した。
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▼第6試合 KNOCK OUT-RED ライト級タイトルマッチ 3分5R×スアレック・ルークカムイ(タイ/STURGIS新宿/王者)[判定0-3] ※49-48×2, 49-47〇重森陽太(伊原道場稲城支部/WKBA世界ライト級王者/挑戦者)※重森が新王者に。
KNOCK OUT-REDライト級王者スアレック・ルークカムイ(STURGIS新宿)が、重森陽太(伊原道場稲城支部) を挑戦者に迎えて3分5Rの初防衛戦を行う。2020年9月のワンデートーナメントを制して王者となったスアレックだが、今年2月にシュートボクシングで笠原弘希に2RでKO負けを喫しており今回が再起戦。新日本キックで三階級制覇を成し遂げ、2017年には4年間無敗の18連勝を誇っていたマキ・ピンサヤームに黒星を付けた重森からタイトルを守ることができるか。
1R、ともにオーソドックス構え。スアレックの右ミドルをかわして左ローを当てる重森。右ミドルの打ち合いは最後に掴んだスアレックが重森をこかす。重森の左ミドルが脇腹をとらえるが、そのうち終わりにスアレックは右! 圧力をかける重森にスアレックは左の強打を相打ちで狙う。
2R、スアレックの右の蹴りをかわして強い左ローを当てる重森。さらに右ミドルにスアレックの左脇腹が赤くなる。しかし右から左の強打はスアレック。徐々に前に出ると重森の右ミドルを掴んだまま右フックを狙う。強い右ローを当てる重森! スアレックの右の蹴りをかわして今度は右ミドルを当てる。
3R、スアレックの右ミドルの打ち終わりに左ミドルを当てる重森。1、2R同様にスアレックの右の蹴りはかわして蹴り返す。スアレックも右ローを返すと押し込んでから右ミドルに繋ぐ。蹴り足を取っての右の連打はスアレック。ミドルの蹴り合いでは重森が最後に右を打ち返し、右手を挙げる。
4R、圧力をかける重森。スアレックの前進に下がりながら左ミドル。右ミドル、左ロー、さらに右ミドルを当て、スアレックの左右の脇を赤く腫れさせる。左ミドルを返すスアレック。スアレックの入りに重森はバックヒジ狙い。ブロックするスアレックだがパンチの距離には遠い。最後に詰めてゴング。
5R、詰めて右ミドルを当てる重森に蹴り足をつかんで投げるスアレック! 重森はスアレックの蹴りをかわしての右ローを当てて左ミドル、右ヒザ。スアレックは掴んでこかしを交えてパンチを狙うが、そこに重森もヒジ狙い。最後はスアレックの右ローを掴んでの右ストレートで重森がスアレックに尻餅をつかせる、お株を奪う攻撃でゴング。
判定3-0で重森が勝利。新王者は、「ずっと巻きたかったベルトが腰に巻かれ、いざ目指して頑張ってきたものが手に入ると、なかなか言葉が出てきません(笑)。明日の一夜明け会見で言葉が出ると思います。ヒジあり日本人は強いタイ人に通用する技術を持っています。KNOCK OUT-RED、私が中心になって盛り上げていきます」と笑顔で語った。
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▼第5試合 スーパーファイト KNOCK OUT-RED フェザー級 3分3R延長1R〇安本晴翔(橋本道場/KNOCK OUT-REDフェザー級王者)[3R 0分30秒 KO] ※左ハイ×竹内賢一(Ten Clover Gym 世田谷/Bigbang フェザー級王者)
第5試合のスーパーファイトKNOCK OUT-REDフェザー級3分3R延長1Rでは、エース候補のKNOCK OUT-REDフェザー級王者・安本晴翔(橋本道場) がBigbangフェザー級王者・竹内賢一(Ten Clover Gym世田谷) と対戦。安本は空手仕込みの殺傷能力の高い蹴り技で怒涛の9連勝中。アマチュアで50戦以上、プロで37戦のキャリアを持つ竹内は番狂わせを宣言している。
コーナーに詰めてのラッシュから左ハイでKOした安本は「もっともっと強くなって、格闘技を盛り上げていきます」とマイク。
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▼第4試合 スーパーファイト KNOCK OUT-BLACK女子 -48.4kg契約 3分3R延長1R〇ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)[判定2-0] ※29-29, 29-28×2×sasori(テツジム/PRIMA GOLD/NJKFミネルヴァ・ライトフライ級王者)
KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)とミネルヴァ・ライトフライ級王者“女蹴”(じょしゅう)sasori(テツジム/PRIMA GOLD)が異色対決。スーパーファイトのKNOCK OUT-BLACK女子-48.4kg契約3分3R延長1Rで対戦する。
sasoriは2019年9月、ミネルヴァ王座を獲得。2020年2月にはシュートボクシングに参戦し、5勝3KO無敗の快進撃を続けていた女神と対戦。サウスポーから繰り出す左ボディ&左フックを中心に、パンチを全く止めずに打ち合いへ行くアグレッシブなファイトスタイルで女神からダウンを奪い、延長戦で判定勝ち。7月にはRISEに初参戦すると寺山日葵に延長戦で敗れるも大きなインパクトを残した。
10月に開幕した「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」では、独特のキャラクターで大ブレイクを果たし、11月の準決勝へ進出するも寺山との再戦で判定2-1の惜敗。前戦はホームリングのNKBで同門の喜多村美紀とドローでミネルヴァ王座の初防衛に成功している。戦績は10勝(1KO)4敗3分。
2019年2月にプロデビューして以来10勝(2KO)無敗と快進撃を続けているぱんちゃんだが、sasoriは過去最強の相手。しかも契約体重が本来のアトム級(-46.0kg)より2.4kgも重く、この試合を実現するべくsasoriのライトフライ級(-48.97kg)に近付けた形となる。
1R、サウスポー構えのsasoriの左腕に右ミドルを当てるぱんちゃん。遠間から右の蹴り、ストレートを逆ワンツーでリズムよく打ち込んで行く。詰めるsasoriの連打にはクリンチ。詰めてボディのsasoriにぱんちゃんは右ミドル、右前蹴り、ハイと長い距離で戦う。
2R、左を振るsasoriに右ハイを当てるぱんちゃん。右ハイから右ストレート、右ミドルと右の攻撃。しかし、左ストレートをヒットさせたsasoriはさらにコーナーに詰めて左ボディ! ぱんちゃんの右にカウンターの左も当てる。ガード固めるぱんちゃんに左右で前進するsasoriにぱんちゃんは前蹴りの連打!
3R、詰めて左を振るsasoriにヒザはぱんちゃん。右も当てるがsasoriの前進は止まらず。しかし、ぱんちゃんは右ハイを顔面に3度ヒット! 効いてないと顔を振り笑顔のsasoriはボディ打ちから前へ。しかし、ぱんちゃんは右の前蹴りを連打! さらに右ストレートを当て、sasoriの押し込みにも退かず。逆に下がらせてロープまで押し込んだところでゴング。
熱戦を制したぱんちゃんは「怖かったです。めっちゃ怖かったけれど、みんなが応援してくれて頑張れました。まだまだ弱いですが、もっと練習します。ギリギリでそれでも勝てたことを自分を褒めてあげたいです。敵がいなくなってきましたけれど、見守ってください。応援ありがとうございました」と表情を崩して語った。
【関連記事】ぱんちゃん璃奈が引き締まったボディで計量パス、笑顔無しのシリアスモード「心が折れるくらい痛めつけられれば」sasoriは「地獄の風車戦法でボコボコ」
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▼第3試合 スーパーファイト KNOCK OUT-RED -57.0kg契約 3分3R延長1R〇小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者)[2R 1分18秒 KO] ※左ロー×横野 洋(キックボクシングジム3K/元DEEP☆KICK 57.5kg王者)
第3試合にはスーパーファイトKNOCK OUT-RED -57.0kg契約3分3R延長1Rで、KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者・小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)が登場。当初は二冠王・大田拓真(新興ムエタイジム)との王者対決が決まっていた小笠原だが、大田の欠場により新鋭の横野洋(キックボクシングジム3K)との対戦が決定。小笠原としては横綱相撲で王者の実力を見せつけたいところだが、自信たっぷりの“ビッグマウス”横野は番狂わせを狙う。
1R、ともにサウスポー構え。左ロー、右ハイと対角に蹴る小笠原。続く左ローは横野もチェック。小笠原は前蹴りで横野のバランスを崩すと左ローをヒット。上を突いて左ロー、足払いと再三、横野をこかす。
2R、右から左ストレートのワンツーの左を当てる小笠原は左カーフキックでダウンを奪うと、足元がおぼつかない横野にダメ押しの左ローで試合を決めた。
小笠原はリング上で「2週間前のオファーを受けていただきありがとうございます! 来年の頭のビッグマツチをお願いしています。応援よろしくお願いします」と語った。
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▼第2試合 スーパーファイト KNOCK OUT-BLACK -63.0kg契約 3分3R延長1R〇バズーカ巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-BLACKライト級王者、第10代MA日本スーパーライト級王者)[3R 1分37秒 KO] ※右後ろ蹴り×康弘(ゴリラジム/大和KICK 65kg級王者、九州プロキックボクシングスーパーライト級王者)
第2試合には5月のメインイベントでKNOCK OUT-BLACKライト級王座の初防衛に成功したバズーカ巧樹(菅原道場)が早くも登場。スーパーファイトのKNOCK OUT-BLACK -63.0kg契約3分3R延長1Rで、康弘(ゴリラジム)と対戦する。凶暴なイメージながらテクニシャンの一面を持つバズーカに、「ノックアウトすることしか考えていません」と捨て身で来る九州プロキックボクシング(KPKB)初代スーパーライト級王者の康弘も番狂わせを狙う。
1R、左ミドル、右ヒザをリズムよく打ち込む巧樹。右フックでダウンを奪うと、立ち上がった康弘に右をスイング! さらに跳びヒザも、倒れた巧樹に康弘が攻撃を加え減点1。
2R、詰める康弘に、巧樹は右に回りながら左右から左の蹴りに繋げる。右後ろ廻し蹴り。康弘の入りのヒザ、前手の左フックを効かせる。康弘は圧力をかけて右ローを返す。
3R、康弘の左フックに、シャープなワンツーを返す巧樹。さらに右の後ろ蹴りをレバーに当てると、康弘の動きが止まりうずくまってダウン。
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▼第1試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級 3分3R延長1R〇中島弘貴(LARA TOKYO/第3代Krushスーパー・ウェルター級王者)[1R 2分08秒 KO] ※右ストレート×サッシス(カンボジア/元カンボジア・ウェルター級王者)
第1試合のKNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級3分3R延長1Rでは、初参戦となる元Krushスーパー・ウェルター級王者の中島弘貴(LARA TOKYO)がサッシス(カンボジア)と対戦。2019年6月ぶりの復帰を果たす中島は「ファンにアツい試合をお見せしたい」と意気込んでいる。対するサッシスは元カンボジア・ウェルター級王者の肩書きを持つ35歳で、戦績は55勝(23KO)19敗。2015年1月の日本初ファイトではTOMOYUKIに判定で敗れたが、同年に行った2試合は勝利、2019年9月にも勝利を収めている。
1R、ともにオーソドックス構え。左ローを狙うサッシスに、中島はカウンターのパンチ狙い。コーナーに詰めて右ストレートを連打。アゴを上がったサッシスを見て、レフェリーが間に入った。
中島は「いろんな人のサポートのおかげで久しぶりの試合が出来ました。1年以内にチャンピオンとやりたい」と語った。