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【DEEP】3大王座戦・牛久絢太郎が中村大介に判定勝ちで王座防衛、ジョアンオ・バティスタ吉村が水野竜也をTKOで新王者に、大原樹里が大木良太にテクニカル判定勝ちで暫定王座につく、鶴屋怜が鮮烈の一本勝ち!

2021/07/04 18:07
 2021年7月4日(日)後楽園ホールにて「skyticket Presents DEEP 102 IMPACT ~20th Anniversary~」が開催された。  チケットは全席完売で、PPVが、7月4日(日)17時45分から生配信。ゲスト解説を武田光司(第9代DEEPライト級現王者)が務めた。 ▼第9試合 DEEPフェザー級選手権試合 5分3R〇牛久絢太郎(K-Clann/王者)65.6kg[判定4-1] ※29-28×4, 28-29×中村大介(夕月堂本舗/挑戦者、元ライト級王者)65.6kg※牛久が初防衛に成功  フェザー級タイトルマッチで、牛久絢太郎(王者)vs.中村大介(挑戦者)が行われる。再戦にして、王者のリヴェンジマッチとなる。  26歳の牛久はPANCRASEと台湾国際戦も含め5連勝で、2020年9月、王者・弥益ドミネーター聡志に判定勝ちし、DEEPフェザー級王座を獲得した。しかし、2021年2月のTDCホール大会でのノンタイトル戦で、中村のカウンターのヒザ蹴りを受けて、2R TKO負けしている。  40歳の中村は2020年9月の長倉立尚戦で4年ぶりにMMAに復帰し、2R右フックでのKO勝ち。そして5カ月後の復帰2戦目で牛久にKO勝ちしていた。  2012年6月の岸本泰昭戦でDEEPライト級王座を獲得したときは、プロ10年目にして初戴冠。今回のタイトルマッチに勝利すれば、プロ19年目の二階級制覇となる。今秋には、RIZINがフェザー級ワールドGP開催を予定しており、出場には王者の肩書は必須の条件となりそうだ。  1R、サウスポー構えの牛久にオーソドックス構えの中村。前足にローは牛久。中村は右ミドルを当てて前に詰める。互いにローが交錯。左のダブルで飛び込む牛久。ステップバックでかわす中村は右ミドルをバチンと音を立てて当てる。頭が当たり中断。再開。  再び金網に詰めて右ミドルを当てる中村! オーソになり右カーフキックを返す牛久。中村の蹴り足を掴んで左を振るがさばく中村。圧力をかける中村が右ロー、左を振るが、左に回る牛久が左フック。  追う中村は、首投げから際で上になりバックテイク、腕十字へ。前転させる中村だが、牛久は正対して上になりガードの中に。細かいパウンドを突く牛久に、下から中村はヒジを返す。  2R、前足を入れ替える牛久。ノーモーションの右を突く中村。さらに右ミドル。牛久の左を見切る中村。牛久は低いシングルレッグから押し込み。しかし中村は体を入れ替え、牛久に金網を背にさせる。左を差した牛久は投げてテイクダウン。しかし、金網使い中村は立つ。両脇を差した中村。四つに戻す牛久。ブレーク。  右ミドルを当てる中村。右ローを返す牛久。圧力をかける中村に右を返した牛久だが、詰めての投げで上になるのは中村! 亀になる牛久に腕十字を狙うもゴング。  3R、詰めて左で差してダブルレッグテイクダウンは牛久。立つ中村にバックに回ると、中村はアームロック狙い。ヒジを抜く牛久は右で差して押し込む。正対する中村は四つに戻すも、すぐに小外がけテイクダウンは牛久! しかしここで中村は休まず立ち上がり体を入れ替え。牛久も入れ替えると左で差して崩し! すぐに立つ中村だが、牛久は両脇を差して小外がけテイクダウン!  その際でバックに回ろうとする中村だが、足があと少しでかからず下に! ここもすぐに立つ中村だが、脇を潜る牛久は何度も崩してコントロール。立ち上がる中村だが足関節狙いも、牛久がしっかり潰して上のままゴング。判定は29-28×4、28-29の4-1で牛久が勝利。歓喜し、咆哮する牛久はベルトを腰に戻した。  試合後、牛久は「試合内容は情けない、反省点でいっぱいでしたが、前回の試合から、試合前におじいちゃんが亡くなり、母親にも絶対に勝つという約束も守れず、今回、守れて嬉しく思います。いつか母親が会場に観てくれるような立派なファイターになります。これからも応援よろしくお願いします」とマイクで語った。  また、バックステージでは、「練習1回ごとに向き合って、勝つために何をしなくちゃいけないか常に考えてきました。気持ちで勝てた試合です」と振り返ると、その取り組みのひとつに「バッティングの修正」を上げ、「どうしても左ストレートを身体を傾けて打つときに、喧嘩四つで相手も同じく頭を下げてくるので前回バッティングになったけど、それが前回、そういう練習しかしてこなかったので、途中で修正できなかった。それを今回はスイッチを混ぜて、試合中断が無くなるように考えてきました」と明かした。  中村の腕十字については、「ああいうポジションになってはいけないけど、自分のなかで逃げられるとは思っていた」と語り、ベルトを腰に巻いたが、「正直、試合が終わって不安だった。まだちょっと、内容はダメダメだった。ベルトを巻いているのが恥ずかしいくらい」と防衛を振り返った。 「試合後、胸を張れるように」と語った牛久は、マイクで語った母親について、「応援はしてくれているんです。いつも試合が終わるまで起きて待ってくれて。でも、息子を持つ母として、危険な格闘技をやることを周囲と同じように賛成していてはいけない。1人でも反対しないと、という思いがあるようです」と、会場に観戦に来てもらえない理由を語った。  最後に、報道陣から「いつか母親にも安心して観てもらえるような試合を?」と問われ「そうですね」と語った牛久はフェザー級のベルトを腰に巻き、会見場を後にした。 [nextpage] ▼第8試合 DEEPミドル級選手権試合 5分3R×水野竜也(フリー/王者)※初防衛戦 83.8kg[2R 0分32秒 TKO] ※左ストレート→パウンド〇ジョアンオ・バティスタ・吉村(ブラジル/TOP 1 FITNESS GYM/挑戦者)83.85kg※バティスタが新王者に  ミドル級タイトルマッチ、水野竜也(王者)vs.ジョアンオ・バティスタ・吉村(挑戦者)。再戦にして、王者のリヴェンジマッチとなる。バティスタは前日計量開始時間に間に合わなかったものの、その後、83.85kgで計量をパスしている。  ミドル級王者の水野は、2018年2月に奥野泰舗を下してミドル級王者となり今回が初防衛戦となる。2017年5月のパク・ジョンギョ戦の一本勝ち以降、驚異の8連勝をマーク。しかし、2020年11月のバティスタとのノンタイトル戦で、カーフキックを効かされ、2Rに左ストレートからのパウンドでTKO負けを喫している。再戦で再起なるか。  バティスタは9月の「HEAT47」でウェルター級で、菱沼郷に1R、左フックでTKO勝ち。2016年7月の「PANCRASE 279」での冨樫健一郎戦以来、4年ぶりのMMAで白星を挙げると、11月に水野をTKO。満を持して王座獲りに挑む。  1R、ともにサウスポー構え。右インローのバティスタに左ロー、右インローを前足を突く水野。そこにカウンターの左を狙うバティスタだが、水野のローがローブローに。再開。  水野の組みを突き放すバティスタ。水野はヒザ蹴りもバランスを崩し下に引き込む形になって水野。インサイドから強いパウンドも足を効かせた水野。ブレーク。  大きな左右を振るバティスタ。水野もワンツー、右! バティスタ。は前足に左ローを突き、右ミドルで押し返す。前手の右フックでさばく水野。ワンツーからダブルレッグに入るが、ここは切るバティスタ。水野の蹴り足を掴んで肩口まで上げてテイクダウンも水野の立ちに深追いせず。水野は右ハイ。ブロックするバティスタ。  2R、右前蹴りを腹に突く水野。声を出しながら回転ヒジ、さらにダブルレッグを狙うバティスタ。切る水野を追うバティスタは左ストレート! 後方にダウンした水野にパウンドを連打し、レフェリーを呼び込んだ。バティスタが新王者に。  試合後、ベルトを巻いたバティスタは、「皆さん、どうですか? ムイト・オブリガード、来てくれてありがとう」と日本語で涙の挨拶。続けてポルトガル語で「12歳から格闘技を始め、最初は空手のチャンピオンになりました。お父さんと一緒に日本へ来て、会社員ではなくてチャンピオンになるために来ました。ブラジルではこういうチャンスは無かったです。サンパウロの皆さんのための試合です。ママ、パパ、私はチャンピオンになりました。そして子供に。ダニーロ先生、ありがとうございます。早めに終わらないといけないね(笑)。皆さん、ありがとうございます。最後に、佐伯さんありがとう。チャンスをくれて。77kgの次のチャンピオンとタイトルマッチをやりたいです」と、二階級制覇を掲げた。 [nextpage] ▼第7試合 DEEPライト級暫定王者決定戦 5分3R〇大原樹里(KIBAマーシャルアーツクラブ)70.25kg[3R 0分7秒 テクニカル判定5-0] ※29-28×2, 30-26×2, 30-27×大木良太(KRAZY BEE)70.25kg※大原が暫定王者に  現DEEPライト級王者・武田光司(BRAVE)が負傷のため、大原樹理(マーシャルアーツクラブ)と大木良太(試合時32=KRAZY BEE)が暫定王座を争う。  大原は現在3連勝中。武田光司との連戦で敗れた後、2020年8月に鈴木琢仁を下からの蹴り上げで1R TKOに下すと、同年9月にRIZIN初参戦。矢地祐介との死闘をスプリット判定で制した。2021年2月にはDEEPで北岡悟を1R KOに下し、武田へのリヴェンジを宣言していた。  対する大木は、フルコンタクト空手出身でTHE OUTSIDERで活躍後、85kg契約で侍マーク・ハントにTKO勝ちし、WARDOGでキム・デファンにKO負けという激闘派。DEEPでは4戦4勝と負け無しで、高塩竜司を1R TKO、佐々木大とLUIZに判定勝ち。2021年3月に鈴木琢仁にスプリット判定で勝利している。  180cmの長身から繰り出す長い打撃を武器とする大原に対し、サウスポー構えの大木もストライカーながら粘り強い戦いを身上とする。暫定のベルトを巻くのは大原か大木か。  1R、オーソドックス構えの大原にサウスポー構えの大木。左インローの大木。大原は大きく構えて詰めて右ハイ。ガードする大木は左回り。右ミドルを当てて止める大原に、大木は右ヒジ狙い。さらに左ストレートで詰め返す。  距離を取り直す大木は左インロー。左ストレートには大原が右のヒザを突き刺す。左ハイをガード上に当てる大木。さらに右を当てて突き放す。詰めて右のテンカオは大原。右の蹴りで詰めると大木は左を当てて回る。左ミドルを当てる大木。大原も右ミドルを蹴り返す。  大木の左ストレートの飛び込みを避ける大原。詰めて右ヒジを狙うが、避けた大木が左ストレートで飛び込んだところでゴング。  2R、右ミドルをヒットさせる大原! しかし左ストレートから左右をラッシュする大木が体を入れ替えする。右腕で小手に巻く大原。右で差す大木は押し込んで足を踏む。両脇を差しボディロックも四つに戻す大原は小外がけテイクダウン狙いも凌ぐ大木!  追って強い右ミドルは大原! 脇腹を腫らせた大木は左右で詰め返すが、大原はなおも右ミドル! そして右ストレート! ダウンした大木にサッカーキック! ここで試合が終わるかと思いきや、大木は立ち上がりケージを背にしてアッパーをもらいながらも左を振って残り時間を耐える。大原もラッシュ後で詰めることが出来ず。  3R、大木のローブローにより、大原がヒザをマットに着く。中断。椅子に座る大原だが、試合続行は不可能。偶発的なローブローにより、ここまでのテクニカル判定に。大原が5-0で勝利。大原は跪いてコールを受けて頭を下げると、両セコンドの肩を借りてケージを降りた。 [nextpage] ▼第6試合 DEEPフライ級 5分3R ※ノンタイトル戦〇藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)※同級暫定王者 57.05kg[3R 2分43秒 TKO] ※右ハイキック→パウンド×山本聖悟(フリー)57.2kg  2月大会で渋谷カズキをサッカーキックで3R TKOに下し、DEEPフライ級暫定王者となった藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)が、ノンタイトルで山本聖悟(フリー)と対戦する。  藤田はボクシングでアマチュア5冠を達成しMMAに転向。プロデビュー戦となった17年のRIZINで那須川天心と対戦し判定負け(MMAルール)、同年キックルールで再び那須川と対戦しKO負けを喫したが、その後はDEEPでキャリアを積んできた。暫定ベルトを巻いた前戦含め現在4連勝中。  対する山本は、3月21日のRIZIN以来、約3カ月半ぶりの再起戦。  極真空手をバックボーンに、少年院退所後、朝倉未来の勧めもあり格闘技に打ち込み、2016年3月のDEEP名古屋大会でプロデビュー。以降は、GRACHAN、HEAT、PXCで経験を積み、韓国のROAD FCではROAD FC 2019 KO AWARDに選ばれるなど、長いリーチを活かした強打を武器に活躍した。3月のRIZINでは、村元友太郎を相手に連続跳びヒザで詰めるもカウンターの右ストレートを浴びて1R KO負け。今回プロデビュー以来、5年3カ月ぶりにDEEPマットに復帰する。  現フライ級王者の神龍誠は2019年6月の柴田“MONKEY”有哉戦での戴冠以来、Bellator JAPANでの中村優作戦、2020年8月のRIZINでの伊藤盛一郎戦で勝利しているものの、DEEPでは「地元・宮城でジムをオープンする準備のため」防衛戦を行っておらず、現暫定王者の藤田が統一戦ではなく、ノンタイトルで山本聖悟を迎え撃つ。  カーフキック、左右にスイッチしての左の三日月蹴り、跳びヒザ蹴りなど多様な蹴りを武器とする山本に対し、空手経験もあるボクサーからMMAファイターに進化を遂げた藤田は、総合力で山本を封じ込めるか。  1R、ともにオーソドックス構え。右のカーフキックから入る山本。藤田も右カーフ狙い。ワンツーの右を当てる藤田に、山本はバックヒジ、さらに跳びヒザ。それをキャッチしてテイクダウンする藤田は、山本の立ち際にギロチンチョーク狙い。前に落として立つ山本。  サウスポー構えになる山本に右カーフを当てる藤田は左ミドルも! 山本はオーソドックス構えに変える。左フックをガード上に当てる藤田にバックヒジを狙い山本。藤田は右ミドル。右ローを狙う藤田。さらに右ミドルもこれは間合いを外した山本がローを返す。  2R、オーソドックス構えから入る山本。カウンター狙いで前足を入れ替える。遠い間合いに、藤田から圧力をかけて左ロー、右ローと蹴りを使う藤田。山本の回転技をさばいて右ローを当てる藤田。山本も左ミドルをガード上に当てる。  詰める藤田はレベルチェンジから右ロー。オーソドックス構えから互いに前手のフックは相打ち。右インローも当てる藤田。  両選手に「ネガティブファイト」の警告。3R。ともにジャブの刺し合い。ジャブを突く藤田を右ローから追う山本だが、左にさばく。左ジャブをヒットさせ右インローも当てる藤田。若干後退した山本。藤田は右のカーフキックを効かせると、バランスを崩した山本。続く藤田の右ハイキックに山本がダウン! 藤田は一気にパウンドラッシュでレフェリーを呼び込んだ。  試合後、藤田は「暫定王者になって気持ちをより一層引き締めて臨みました。途中もっとアグレッシブに出来ずすみません。フライ級が盛り上がってるんで自分がもっと盛り上げてトップを目指しますので、応援よろしくお願いします」と挨拶した。  一方の山本は足にダメージが大きく、セコンドに背負われてケージを後にした。 [nextpage] ▼第5試合 DEEPバンタム級 5分2R×雅 駿介(CAVE)61.70kg[1R 2分18秒 TKO] ※パウンド〇RYUKI(フリー)61.2kg  バンタム級の雅駿介(CAVE)は、元ムエタイオープンライト級王者&スック・ワンキントーンライト級王者&WMC日本ライト級王者。2021年2月のDEEPでのMMAデビュー戦で「朝倉未来1年チャレンジ」のヒロヤを相手にケージムエタイを駆使して判定勝ち。石渡伸太郎との練習でさらなる進化を遂げている。  対するRYUKI(フリー)も打撃出身。2019年12月に、8年間所属したRKS顕修塾を離れ、キックボクシングからMMAに転向した大阪のRYUKI(竜暉)は、キックでは2020年2月のRISEで篠塚辰樹に敗れるまでは18戦無敗。2017年には中国で行われた「英雄伝説」60kg級でホイ・フェイに判定勝利しアジア王者に輝き、2018年8月の「RIZIN.12」では直也に判定勝ちも収めている。  2020年10月のPANCRASEでMMA転向も、強豪・河村泰博の三角絞めに敗れており、今回が再起戦となる。  ともにストライカーながら、首相撲&ヒジ・ヒザありのムエタイルールに長け、ケージレスリングと融合させている雅に対し、立ち技の後期は首相撲無しのルールで戦ってきたRYUKIが、いかに立ち会うか。  オーソドックス構えの雅にサウスポー構えのRYUKI。先にダブルレッグを仕掛ける雅。切るRYUKIは左! 金網まで詰めて首相撲は雅も突き放し左を振るRYUKI。しかし、ボディロックテイクダウンは雅! 際で上を取るRYUKIに雅は下から三角絞めを仕掛けるが、すぐに対応したRYUKIは上体を起こし、強いパウンド! 雅の意識が飛び、レフェリーが間に入った。  試合後、マイクを渡されたRYUKIは、ケージの中で「初めまして、大阪から来ましたRYUKIです。自分も雅選手みたいにもともとキックボクシングをやっていて、総合格闘技をやりたくて転向して、デビュー戦は寝技で仕留められて、サポートに返せなくて。雅選手、強くて怖かったですけど、なんとか勝ててよかったです。1RでKO出来て、次、また呼んでもらえるかなと思うので、これからもよろしくお願いします」と挨拶した。 [nextpage] ▼第4試合 DEEPライト級 5分2R〇大山釼呑助(INFIGHT JAPAN)70.55kg[判定2-1] ※20-19, 19-19マスト泰斗, 19-19大山×泰斗(高本道場/真月流)70.1kg  プロボクサーから総合格闘家に転向した大山釼呑助(INFIGHT JAPAN)は、2020年3月のハリー・スタローン戦での反則のヒザ蹴り連打を受けての勝利から、1年半振りに復帰。  対する泰斗(高本道場/真月流)は、3歳から伝統派空手「真月流」を始め三段。ローカル大会で-70kg級王者となると、2014年にPANCRASEに参戦し、1勝1敗。2020年6月のTTF CHALLENGE 08では関野大成に2R TKO勝ちしている。2020年9月のDEEPではウェルター級で米田奈央に判定負けも、2021年3月に、72kg以下契約でStreet☆Bob洸助にヒザ十字で一本勝ち。連勝を目指す。  1R、泰斗の右カーフキックに転倒しながら足を手繰りに行く大山はディープハーフからシングルレッグで立ちに行くが、その都度潰す泰斗はキムラ狙い。潰して上になる大山に下から腕十字狙い、センタク挟みも。  中央を取る泰斗に右回りの大山は、泰斗の2度目のミドルをキャッチしテイクダウン。続くパウンドに腕十字を仕掛ける泰斗だが、大山は押し込んで潰してヒジを抜く。アゴ下に頭をつけて寝かせて片足を越える大山がパウンド。そのスペースで泰斗が立ち上がりゴング。  判定は2-1に割れ、19-19マスト泰斗、19-19マスト大山、20-19大山で、泰斗の下からの仕掛けを潰し、上から攻めた大山が勝利した。 [nextpage] ▼第3試合 DEEPバンタム級 5分2R×原 虎徹(CAVE)61.3kg[判定1-2] ※18-19, 19-19マスト吉野, 19-19マスト原、〇吉野光(フリー)61.4kg  バンタム級で、6月19日の『DEEP TOKYO IMPACT 2021~2nd ROUND~』で松丸息吹(パラエストラ千葉)と対戦予定だったものの、松丸の負傷欠場により試合が流れていた原虎徹(CAVE)が出場。吉野光(フリー)と対戦する。  原は、石渡伸太郎がその才能を認めるCAVEの逸材。4歳から極真空手を習い、キックボクシング、柔術、ボクシング、レスリングも修得。第2回U-15ボクシング全国大会、第1回ジュニア修斗-44kg(2011年9月)、全日本新空手道選手権大会など数々の大会で優勝。2020年2月のDEEPフューチャーキングトーナメントを制し、2020年9月にプロデビュー。“エビ中ファイター”の日比野純也の粘り強いテイクダウンを断ち切り判定勝ちした。  2020年12月の前戦では「朝倉未来1年チャレンジ」で常にアグレッシブファイトを見せるヒロヤ(トライフォース赤坂)を、高い打撃力と強いボディロックテイクダウンで完封し、判定勝利。現在、2連勝中だ。  対する吉野は柔道出身。HEAT、Gladiator、Fighting NEXUS、Demolition XFC、PFCでキャリアを積み、ONE Warrior Series に参戦し1勝1敗という叩き上げ。塗装の仕事から「THE PAINTER」の異名も持つ。ONE Warrior Seriesがコロナ禍で休止状態のなか、2021年2月に『Road to ONE』に参戦し、強豪・野瀬翔平と大激闘。スプリット判定で接戦を制している。  柔道仕込みの投げと抑え込み、下になっても野瀬をパワフルにスイープした吉野は組みに勝機を見出すか。対する原も、強打に加え、強いボディロックテイクダウンも持っている。20代の実力者同士のフレッシュな好カードだ。  1R、ともにサウスポー構え。原は左ストレート。左を突き、詰めて小足でテイクダウンは吉野。金網使い立ち上がる原だが、左を振って組んでテイクダウンは吉野。ハーフからアメリカーナを狙うが、原が外してゴング。  2R、すぐに詰めて左で差す吉野は脇を潜ろうとするが、潰した原がバックに。たすきからリアネイキドチョークを狙うが、背後の原の腕をたぐり脇を潜る吉野。両足をかけて左腕をすくいにいく。4の字ロックに切り替えた原。吉野の正対際で下にならず立つ原だが、詰める吉野がボディロックから崩し。前手の右フック、左ミドルを打つが、吉野が右で押し込み尻餅を着かせたところでゴング。  判定は、2-1(19-19マスト原、19-19マスト吉野、吉野19-18)で吉野が接戦を制した。 [nextpage] ▼第2試合 DEEP67kg以下 5分2R×海飛(和術慧舟會HEARTS)※吉村海飛 66.7kg[判定1-2] ※18-20,19-19マスト海飛、19-19マスト佐藤〇佐藤拳駿(K-Clann)65.55kg  海飛(和術慧舟會HEARTS ※吉村海飛)が6月19日の「DEEP TOKYO」での一本勝ちから、わずか2週間で連続参戦。6月20日の「DEEP 101」で対戦相手の体調不良により試合が流れていた佐藤拳駿(K-Clann)と対戦する。  海飛は、極真会館山口支部出身。2015年に全日本高校生空手道選手権で優勝し、その後はTEAM TEPPENでアマキックを経験。現在は、大沢ケンジ代表率いる和術慧舟會HEARTS所属で、2020年12月のPANCRASEアマチュア全日本オープントーナメントライト級優勝。さらに2021年3月のDEEPフューチャーキングトーナメントフェザー級でも優勝し、この2つのトーナメントで7試合連続KO勝ちという驚異の新人だ。 『格闘DREAMERS』では漆間蒋生を相手に“外敵”として対戦。スプリット判定勝利。6月19日の「DEEP TOKYO」では、山口コウタのテイクダウンに苦しみながらも、サウスポー構えからの右の蹴りを当て、最後はギロチンチョークで一本勝ちし、DEEP本戦初勝利を飾っている。  対する佐藤は、2試合連続で対戦相手が体調不良による欠場で試合が流れている不運のファイター。3月に佐々木由大が計量パス後に体調不良により欠場。6月20日には、佐々木と同じトライフォース赤坂の畠山祐輔が減量中に緊急搬送され、試合が中止。不戦勝となっている。  少年院出所後に格闘技を始め、THE OUTSIDERやFighting Nexusで経験を積みDEEPに初参戦する佐藤は「2試合連続での中止です。自分の試合が無くなるのは、その分強くなるのでいいのですが、都合をつけて来てくださったお客さんに申し訳ないです。フェザーで世界を獲るように覚悟を決めているので応援、よろしくお願いします」とコメントしている。  1R、サウスポー構えから左の打撃で詰める海飛に対し、右にさばいて右ストレートを当てる佐藤。近づいて四つの攻防はブレーク。左ハイを打つ海飛は詰めて距離を潰すと、ボディロックからテイクダウン狙い。それを凌いだ佐藤がそのまま腰を抱いて、後方にテイクダウン。 首を抱えてギロチンチョークは佐藤。外足をまたいでサイドにつこうとする海飛は頭を抜いてブレーク。海飛の左ハイに右ミドル。頭を横に出す海飛に再びギロチンチョークでクローズドに入れる佐藤がキャッチしたままゴング。判定は2-1で佐藤が勝利した。 [nextpage] ▼第1試合 DEEP 60kg以下 5分2R〇鶴屋 怜(パラエストラ松戸)59.5kg[ギロチンチョーク]×荒木凌(ロータス福岡 古賀道場)59.5kg  6月20日の「DEEP 101」で前日計量をパスしながらも、対戦相手の岡崎鷹士郎(フリー)が計量前に6.95kgオーバーを申告し、試合が「不戦勝」となっていた鶴屋怜(パラエストラ松戸)が参戦。荒木凌(ロータス福岡 古賀道場)と対戦する。  鶴屋は、扇久保博正、岡田遼、内藤のび太、浅倉カンナら名選手を育てた名門パラエストラ千葉ネットワークの総帥である鶴屋浩の次男。3歳から始めたレスリングで数々の大会で優勝し、アマチュアMMAでも6戦6勝。17歳ながらMMAプロデビュー戦となった2021年2月の「DEEP100」では、KRAZY BEEの竜己を相手に父譲りの首投げからのキーロックを披露。最後はマウント&パウンドでTKO勝ちを収めている。  対する荒木は、空手をベースにキックボクシング、THE OUTSIDERに出場するなどアマチュアからの試合経験は豊富。2019年7月にプロデビューし、「Wardog Cage Fight 22」で吉野剛腕に判定負け。同年9月に「Tenkaichi 95」でショージン・ミキに2R TKO負けで連敗も、2021年4月の「Wardog Cage Fight 29」で小林朋弥に腕十字で一本勝ち。嬉しいプロ初勝利を挙げている。古賀靖隆率いるロータス福岡で、組みもどこまで進化しているか。  1R、早々にダブルレッグテイクダウンは鶴屋。ニンジャチョークを狙う荒木だが、首を抜く鶴屋は、荒木の三角絞め狙いも外してインサイドから強いパウンド。荒木の頭が金網に詰まっている状態でヒジも打つ。荒木は再び四角に組もうとするが、鶴屋はかついでパス。  亀になって立とうとする荒木のサイドバックにつきパウンド。足を立ててきた荒木の首をがぶり、ヒザを突く。さらに金網に押し付けながらギロチンチョークを極めた。
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