MMA
インタビュー

【PANCRASE】内藤由良「ゴイチを倒せば世界に証明できる。自分を信じてトップに食い込まないといけない」=4月27日(日)立川

2025/04/26 12:04
 2025年4月27日(日)東京・立川ステージガーデンにて『PANCRASE 353』(U-NEXT配信)が開催される。 ▼スペシャルワンマッチ ウェルター級 5分3R内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)第15代ミドル級KOP 6勝1敗ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)29勝7敗  試合前日に29歳の誕生日を迎えるミドル級王者の内藤由良は、PNACRASEで6戦無敗。デビュー以来、5フィニッシュと圧巻の戦績を誇る。  2024年9月にUFC登竜門大会『ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ(DWCS)2024』ミドル級に参戦し、カメルーンのアテバ・グーティエと対戦。1Rは蹴り足を掴んだテイクダウンでトップを奪ったものの、2Rに組みを切られて左右フックにダウン。パウンドアウトされている。 (C)Zuffa LLC/UFC  7カ月ぶりの再起戦にして、ウェルター級に転向してUFCを目指す内藤は、同階級でいきなり世界レベルのゴイチと対戦することになる。  Bellator、PFLで活躍し、MMA36戦の強者ゴイチに、内藤は7戦のプロスペクト。柔術・ボクシング・ムエタイベースのゴイチに対し、内藤は2016年の全日本選手権86kg級5位のレスリングと3歳から始めた極真空手歴10年の経験も持つ。 (C)PFL  オールラウンダーながら、3KO・TKOに21の一本勝ちを誇る柔術が際立つゴイチに対し、階級上から落としてくる内藤は減量に成功し、パワフルな身体でトップで寝技をカットして殴れるか。  インタビューで内藤は、DWCSのミドル級でUFC初戦でも勝利を挙げたグーティエとのフィジカル差を感じたことを明かし、ウェルター級転向に向けトレーナーについてもらい減量が順調であること。さらに、PFLウェルター級トーナメントを勝ち上がっている菊入正行、そしてともにウェルター級転向となる岩﨑大河とも練習を行っていることを語った。 DWCSでケージの中で対峙して、こんなにデカかったか? と ──ここまでの練習環境は? 「自分の所属する横浜グランドスラムと、出稽古でクロスポイント吉祥寺に行って、同じDWCSに出た岩﨑大河選手とスパーリングさせていただいています。DWCS前に自分も練習していたKRAZY BEEに岩﨑君も来るようになって、そこから一緒に頑張ろうと話していたんですが、互いにDWCS後も練習をと。向こうもウェルター級に落とすと聞いていますし、NEVER QUITの菊入正行選手がGENに来るようになって一緒にやったりもしています。やっぱり、同じくらいの階級で目指すところが世界という同じ目標を持っている選手は少ないし、そもそもの分母が少ないなか切磋琢磨して行くしかない。狭い日本のなかでいがみ合うとか、ライバルとかって考えるのは、日本の重量級がもっと発展してからの話だと思うので、それよりも、日本の中でも出来ることをしていこうと」 ──その練習は外から見てくれるコーチなどもいるのですか。 「KRAZY BEEの時から一緒に練習してるマックス・コクエイコーチに見てもらうこともあります。それぞれのパートを分ける、というか分けざるを得ない。GENで重量級の選手とMMAスパーをして、グラップリングではグランドスラムで大脇(征吾)選手ともすごく練習しています」 ──Progressルールで中島太一選手をチョイバーで極めた選手ですね。フィジカルなども? 「はい、伊藤盛一郎選手から紹介してもらったところを4年半ぐらい。東京と横浜を行き来しながら。スポンサーさんや地元の方々に協力してもらって、そのおかげで練習に専念できています」 ──あらためて9月の『ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ(DWCS)2024』でアテバ・アベガ・グーティエ(カメルーン)との試合を見直したのですが、その後のグーティエのUFCでの初回KO勝ちを見ても大きく、打撃も丁寧かつパワフルでした。内藤選手との試合では、初回にシングルレッグからアンクルピックでテイクダウンを奪ったのは内藤選手でした。あの試合で感じたこととは? 「フィジカル差がもう大前提でありました。一番最初に感じました。前日計量で自分はもうすぐ落ちるので、水抜き調整しても2キロ弱くらい。グーティエの方はかなり減量していて、結構疲弊している感じで計量に来たんです。めちゃくちゃ厳しそうだったんですよ。でもケージに入ると、別人でした。対峙した第一印象で『デケェなぁ』と。もう、そこに尽きました」 ──……それほどだったのですね。 「前日計量までは全然、体格差とかは“痩せていて細いな”とかとは思ったんですけど、ケージで向かい合うまで合わないので、中に入って“こんなにデカかったか?”と思って、自分との体格差も多分10キロ以上あったと思います」 ──それが2R以降のケージ際でのテイクダウンが出来なかったことに繋がったでしょうか。 「そうですね。普段だったらテイクダウン出来ているような入りでも、もう何というか地力が強くて、正直、全然倒れる気がしなかったんです。1R目にローシングルで倒せた。2R目はインパクトを残さないと、契約もできないなということも考えました。そのためには出来ればフラットなところでテイクダウンしたい。でも差し上げる手もめちゃくちゃ長い」 ──身長193cmな上に、リーチは206cmでした。ケージの中央際でテイクダウンしたかったのがスプロールされて。左ハイを掴んでケージに押し込んだ。ここでの感触も? 「全然しなかったですね。左では差してほぼいつもだったら万全ぐらいの状況で引っ張り出すことも出来なかった」 ──力も使いましたか。 「使いましたね。これがやっぱりいつもだったらテイクダウンまで行けるところで行けてないのが、差だったと思います。最後のところはあまり覚えてなくて。気づいたら下になっていて」 ──日本では内藤選手が下になる場面はほぼ見ないです。 「グラップリングの練習では、意識的に下からやるようにすることもあるのですが、試合ではほぼないです。腕十字も狙いましたが、この時点で結構左目が腫れてたんだなと思って。全然見えてなくて、足を解いて立ち上がりに行かないと、とも思ったんですが、下から取れるところは取った方が良いかと、そこでスイープも狙ってましたが、だんだんと押し込まれてジリ貧になっていました」 ──さきほどの「いつもならテイクダウン出来る」ということが、簡単に出来ない環境での練習や試合を、日本でなかなか積むことができなかった。ウェルター級転向に関してはこのグーティエ戦で最後のきっかけになったのですね。 「階級に関しては結構前から思ってはいたんです。ただ、ミドルで中国や北米選手と肌を合わせたときにデカいなとは思ったんですけどやれるところまでやろうと思っていました。でも、DWCSでこれだけレスリングをずっとやってきたけど、通用しなかったというのが自分の中では大きかった。米国のティキ・ゴーセンからは『実際は由良は全然ウェルターだよ、骨格的にも』と言われていて。DWCSを経て、今年また同じことをしていてもしょうがない。自分がどうしたらUFCに行けるのかを考えたら、階級変更は一つの手でした」 ──再チャレンジするために、おそらく世界では適正階級であるウェルター級で、力の出る階級で戦おうと。77kgというのはいつ以来になりますか。 「70キロ台は、高校生からやってないですね。高校2年のレスリングで74kg級で試合して以来です。高校三年生になったら、もう84kg級でしたから。そのときも全然体重足りなかったんですけど」 ──減量はいかがですか。 「ミドル級で減量をしている時に、全然まだ落ちるなとは思っていたんですね。1カ月前で86kgぐらい。これまでのミドルのときより通常体重で軽くても全然元気に動けてますし、ご飯も全然食べています」 [nextpage] 自分のペースで試合を進められるように ──そんななかで元Bellator/PFLのゴイチ・ヤマウチが対戦相手となりました。ウェルター級でスピードが上がって、相対的にパワフルに戦えるか、その試金石としては、かなりタフな相手です。 「たまたま相手がゴイチなだけであって、まずは自分との戦いかなと思っています。治療と試合のダメージを抜いて、いったん97kgぐらいまで行ったのを、トレーナーさんにもついてもらい徐々に落としてこれた。それでGENでは、さきほどの上田幹雄選手のようなヘビー級や重量級と練習し、同じウェルター級の菊入選手や岩﨑選手とも練習する」 ──ウェルター級での手応えを感じていますか。 「あります。それに成功させないと今後が見えてこない。前回、ブライアン・オルテガの試合前に合流したことがあったのですが、どのように試合に向かうのかを見て、強い選手はそのプロセスを楽しんでいる。どういうマインドで試合前過ごしているのかも気付きになりました」 ──内藤選手も初のウェルター級戦に向かうプロセスを楽しんでいると。そしていよいよゴイチ戦です。どんな印象を持っていますか。 「タフですね。ベーシックな柔術が上手くて、打撃もしっかり思い切り打てる。そういうタフな選手だと思っています」 ──ベーシックな寝技、というのは興味深いです。 「もう基本通り基本がしっかりできてる。そんな難しい柔術充していないイメージがあります。その分、ベーシックの強さがある。もちろん寝技の対策はしていますし、そういう展開にさせないっていうのも大事だと思っていますが、相手どうこうで合わせるよりは、自分のペースで試合を進められるように。トプリアのようにアタックできるレスラーでありたいと思っています。ゴイチは寝技に自信を持っているから、あれだけ打撃が使えて気持ちも強い。メジャーで戦うトップ選手だなと思います」 ──今日は昼にGENで練習し、これから午後も2部練習ですか? 「はい、国士館大学で後輩の原口伸と。月3回ほどやっています」 ──ゴイチ選手と戦うことで、ご自身のウェルターでの世界の立ち位置も見えてきます。 「そうですね。ここを倒せれば世界に証明できる。自分を信じてトップに食い込まないといけないと思っています」
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