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インタビュー

【修斗】師・松根良太と同じ21歳での戴冠なるか、修斗フライ級世界王座挑戦、平良達郎「挑戦者だけど“負けられない戦い”」=7月4日(日)大阪

2021/07/02 07:07

「まだ若いから負けてもいい」とも思ってない

──昨年のインタビューで打撃の距離感は練習と試合で違うということを言われていて、でもその違いの調整は試合が始まり割と早い段階でできるものですか?

「打撃の距離感はやっぱり違うんですけど、相手も自分の打撃を練習の時よりは警戒してくれるので、逆にやりやすさを感じたりもします」

──なるほど。福田選手はストライカーなので、その空間把握がどれだけ早くできるかが試合の鍵となりそうですね。

「どんな感じなのかっていうのを、1回感じてみたいです」

──ですが、そういった調整・把握は試合の中でも早い段階でできると。

「まだ8戦しかしてなくて経験してないことがたくさんあるのでどうか分からないですけど、これまでは」

──2020年1月に対戦したチーム・ラカイのジャレッド ライアン アルマザン(2R 0分19秒で平良がKO勝ち)選手は、やり辛そうな相手でしたが、苦にした様子を見せませんでした。

「フィリピンの相手は思ったよりカーフキックとかも来なくてやりやすかったです」

──以前はプレッシャーに弱かったのが、格闘技に来て強くなったのは面白いですね。

「若干プレッシャーに強くなったのかなって。野球は気持ちで負けてました(笑)」

──格闘技をやっていく中でそうした精神的強さを身につけていったのでしょうか。

「最初アマチュアの頃はものすごい緊張して力んで、すごい疲れたりとかあったんですけど、だんだん慣れてきて、慣れてきてっていう感じです」

──以前は修斗のベルトを獲ってRIZIN、UFCを目指したいとのことでしたが、今の気持ちはいかがですか?

「今はRIZIN、UFCに行きたいっていう気持ちもあるんですけど、まず修斗のベルトしか考えていなくて、それで勝ってなるようになればいいかなって感じです」

──先輩たちの姿を見ていて一戦一戦が大事だと話をしていました。今回王座奪取がなれば、奇しくも師である松根良太代表が果たした21歳4カ月24日と全く同じ形での戴冠となります(※緊急事態宣言の延長で大会が7月4日に延期)。

「できれば一緒の方がロマンチックでいいんですけど、2、3日は誤差があるんじゃないかと思うので、ちょっと自分でも数えてみます」

──あまりそういうことを気にしない現実的なタイプなのですか(苦笑)?

「現実的なタイプではないんですけど、一緒っていうのが信じられなくて」

──でも、松根代表の戴冠から18年経って、弟子が同じ年齢でチャンピオンになったらドラマチックだと思います。平良選手本人の意気込みとしてはいかがでしょうか。

「アマチュア修斗の時から先輩の仲宗根武蔵さんとかがプロで戦ってるのを見ていて、『こんな強い人でも負けちゃうんだ』って思ったりして、『プロの世界は厳しいんだな』と思っていました。でも自分は幸いにも勝ち続けられているので、もうここまで来たらちょっと早いんですけど、チャンピオンベルトまで辿り着きたいなって思います」

──身をもって知る強い人でも負けてしまう厳しい世界ですが、そんな中でも平良選手は無敗で来ています。

「運がいいっていうのもあるんですけど、なんだかんだで勝てていて、そこは自分でもビックリしています。こんなに早くタイトル戦ができるとは思ってなかったので」

──当然無敗は崩したくないですよね。

「記録を崩したくないっていうのもありますし、まだ若いから負けてもいい、とも思ってないので、もっと早く実力が追いついてくるように頑張ります」

──これでいいとも、若いから負けていいとも思っていないと。

「もちろんです。このまま行ったらどこかでボコボコにされちゃうので」

──では、今必死に実力を伸ばしていると。

「実力は薄く薄くしかついてこないと思うので頑張ります」

──浮かれたところがなく、しっかり地に足をつけて先を見越していますね。では、チャンピオンシップへ向け改めての意気込みを最後にお願いします。

「本当に負けたら今までの成績とかも全部崩れる、無くなっちゃうと思っていますし、挑戦者ですけど負けられない戦いだと思っているので、死んでも勝つぐらいの気持ちで、試合を迎えたいと思います」

──負けられない戦いですが、かといって守るような気持ちはないですよね。

「はい、もう攻めて攻めて、キツい試合をして勝つぐらいの気持ちで行こうかなって思ってます。たぶん1Rでスコーンとは勝てないと思うので、逆に削り合いみたいな展開になればなって思います」

平良達郎/Taira Tatsuro 
2000年1月27日、沖縄県那覇市出身。高校時代にTheパラエストラ沖縄に入門し、2017年9月に全日本アマチュア修斗で優勝。アマ修斗10戦10勝でプロ昇格を果たす。2018年、プロ修斗新人王&MVPを獲得。20年にチーム・ラカイのジャレッド・ライアン・アルマザン、清水清隆を破り、21年3月には前田吉朗に初回一本勝ち。プロ8戦無敗、修斗世界フライ級ランキング1位。7月4日、王者・福田龍彌に挑む。Theパラエストラ沖縄所属。

text by Hasegawa Ryo, photos by Sakamoto Isamu

平良の挑戦を受ける第7代修斗世界フライ級王者・福田龍彌

福田龍彌は中学でのムエタイ経験後、PUREBRED京都入門。2020年7月、地元・関西で前田吉朗にカーフキックを効かせ、3RにパウンドでKOし暫定王者に。2021年1月、前王者・扇久保の返上を受け正規王者に認定された。再びの関西大会で最強の挑戦者を迎え撃つ。

【写真】2020年7月、前田吉朗を3R 4分57秒、TKOに下した福田龍彌(C)SUSUMU NAGAO /SUSTAIN

 大会の模様は、2021年7月4日(日)13時から20時まで、ABEMA「格闘チャンネル」にて配信される。

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