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インタビュー

【BREAKING DOWN】菊野克紀が元大相撲力士と対戦、朝倉未来の1分間大会に「空手衣で出る。路上では服を着ているから。出来れば素手がいい」

2021/07/01 16:07
 2021年7月4日、朝倉未来がスペシャルアドバイザーを務める大会『BREAKING DOWN』(トライフォース赤坂)に、元UFCの菊野克紀(誰ツヨDOJOy)が出場。新たな対戦相手が、元大相撲力士の野尻和暉(フリー)に決定したことが発表された。 ▼第20試合 スーパーヘビー級 スペシャルワンマッチ 120kg超菊野克紀野尻和暉  当初、菊野は、朝倉未来のチームでYouTubeチャンネルで編集を務める佐々木大(トライフォース赤坂)との対戦が決定していたが、佐々木が怪我により欠場。未来は、「菊野選手はどんな相手でも、体重差があっても大丈夫だと男気ある返答をいただいています。格闘家にとっては名前を売るチャンス」と、ファイターに挑戦を呼び掛けていた。今回の急募に「100件近くの応募」が届いたという。 『BREAKING DOWN』はフルサイズの金網オクタゴンを使用した寝技ありの総合格闘技ルールで、試合時間は1分。スペシャルマッチ以外は、プロ戦3試合以下のアマチュア選手が参加可能で、時間内に決着がつかない場合は3人のジャッジにより旗判定で勝敗が決まる(2本以上で勝利)。  本誌では、野尻との対戦が決定した菊野にインタビュー。なぜ、『BREAKING DOWN』出場を決めたのか、無差別級戦に臨む思いを聞いた。  大会の模様は「ABEMA PPV ONLINE LIVE」にて、14時30分より、全試合・完全生中継される。 欲を捨てて、迷いとか不安も捨てて、手放して「今ここ」に集中して臨めたら ――武術に傾倒する菊野選手が「BREAKING DOWN」に参戦ということで驚きました。 「そうですか。出そうじゃないですか」 ――なぜ出ようと? 「ルールが面白そうだから」 ――今回の試合はフルサイズのケージで行われ、ルールは1分間の総合格闘技ルールという中で、どこに興味を持たれたのですか? 「実際にありそうだから。護身というか、何か揉め事があったときに、起こり得そうな戦いだからって感じです。競技っぽくないから」 ――路上であり得そうだと。 「そうですね。僕が求める強さを表現するのに近いルールかなと感じました」 ――しかし1分です。それが「求めるもの」に近いのでしょうか。 「たぶん実際、揉め事が起きたときに、20秒くらいで決着が着くと思うんです、ガチャガチャって。だから、1分というのはそういう想定としてはいいかなと。安全なグローブをつけて、安全な攻撃の上だったら、1分くらいが妥当かなと思います」 ――現実世界でその場面を想定しているとはいえ、実際にそういった場面はありましたか。 「そこまでのはなかったですね。けんかを止めたくらいはありますけど、自分が巻き込まれたというのは今までないかな」 ――ここ数年で求めてきた菊野選手の動きは、BREAKING DOWNにどう繋がると考えていますか? 「僕が求めるものというのは、単純に“強さ”なんですよね。強くなりたいし、別に戦場に行きたいわけでもないし、誰かをぶっ飛ばしたいわけでもなくて、自信を持って日々を送りたいというか、安心して日々を送りたいというか、いざというときに身を守れる、大切な人を守れる強さが欲しいということで、それを表現するのに、『稽古』としていいルールだなと思いました」 ――制約が多く競技になればなるほど、「正面衝突」になってフィジカルの強い者が勝つ、と話したことがありましたね。 「そうですね」 ――それは、今回の戦いはそうならない? 「1分間という制限の中だったら、例えばガッチリ固めてとかっていう攻防を、相手がしないのであればそこまで影響しないのかなと思いますね」 ――そういう中で、対戦相手が一旦決まって、佐々木大選手という、ライトからウェルター級の選手でした。それが怪我で飛んだときはどのように感じましたか? 「まず受けていただいてありがとうございましたでしたし、怪我をお大事にしてくださいという感じです」 ――佐々木選手が飛んでしまったので、同じチームの朝倉未来選手はどうですか、とは思いませんでしたか? 「それはさすがに思いませんよね(笑)、そんなことをしてくれるとは思ってないです」 ――今回の対戦相手がヘビー級の元力士の野尻和暉選手になりました。これは快諾された? 「そうですね。面白そうですねと」 ――今、菊野選手は何キロですか? 「80キロくらいです」 ――対戦相手はどれくらいと聞いていますか? 「プロフィールをちゃんともらってないんですが、見た目は百何十キロはありそうですね」 ――大相撲では和歌武蔵 和樹として序二段で活躍。DEEPメガトンGP、RISE、スタンド頭突き有効のIGFにも出ています。重量級の動きですが、サウスポー構えでRISEでは右ジャブでダウンを取ったりもしてます。 「そうなんですか。そこまでは知らなかったです。まだちゃんと見ていないんです」 ――そういう相手と体重無差別で戦うことに関してはどう考えていますか。 「なおさらいいですね。僕はもともと『体重は気にしません』ということを伝えたうえで、先方は佐々木選手を出してきたので。元々僕はそのほう(無差別)が面白い、とは思っていました」 ――どんな試合も危険ですが、あまりにも体重差がありすぎるので、1分間でノンストップで衝突して来られたら、あるいはグラウンドでもかなり危険なのでは、と感じました。 「怖いですよ、本当に。大怪我をする可能性だってありますし。怖いのは怖いです。だけど“ありがたい”というか、そういう試合を組んでくれるというのがありがたいです。自主興行の『敬天愛人』という大会で、そういう体重差がある試合をやりましたし、『巌流島』でもやりましたね。その責任って、主催者が背負うわけじゃないですか。怪我するのは僕だけど、なんか言われたときに責められるのは主催者。それをちゃんと背負ってくれるというのはありがたいですよ。(実力を)信じてくれているというのもあるのかもしれない。“いざ”というときに体重を合わせるということはないわけで。そういう相手からも身を守れる稽古をしたい。その意味では自分は超アマチュア選手です」 ――なかなか得られる体験ではないと。 「そうですよ。相撲取りと戦えるんですよ。しかもキックボクシング経験者と。怖いですね」 ――相手は相撲取りだと。では菊野さんは“何取り”ですか? 「なんなんですかね。僕いつも肩書で迷うんですよ。空手はやってきましたけど、でも空手だけじゃない。武術家というとちょっと恥ずかしい。競技ファイターを人生の中心には今置いていない。ちょっと僕もいま肩書が欲しいです(笑)」 ――人間・菊野克紀として戦う。 「そうですね。すごくシンプルな、僕としては変わってなくて、強くなりたいし、孫悟空に憧れて、ジャッキー・チェンに憧れての延長線上でこうなってるだけで、逆にみんながルールに染まっていくのが不思議なんですよ。競技に染まっていくのが。孫悟空は言わないじゃないですか、『体重合わせて』とか。だから、まあシンプルなんですけどね、そこは」 ──でも、今回もルールがある「試合」です。対戦相手は主催者から提示されたものでしたか。 「もちろんそうです」 ――菊野選手は選ばなかった? 「僕は選んではいないですね。『誰でもいいです』と伝えました」――シュートボクシングの元チャンピオンの鈴木博昭選手も名乗りを挙げていました。 「ドキッとしましたけどね。これはすごい試合になるなってね。絶対ぐっちゃぐちゃになるじゃないですか、お互い。でもそれはまたやったら面白いなと思いました。契約のこととかは分かりませんが、とりあえず僕は、一言も口出ししてないです」 ――提示されて、それを受けたと。 「そうですね。野尻選手の名前が出て。ただ、ひとつ主催者にお願いをしました。グローブが練習用のちょっと、あんこの部分がもっこりしたグローブですよね。それを小さい『普通のオープンフィンガーグローブにしてください』とはお願いしました」 [nextpage] 「いざ」というときは、その場で戦いが決まる ――あんこの小さなオープンフィンガーグローブにしたい、というその心は? 「グローブが厚ければ厚いほど、体重差が出るじゃないですか。だから、素手のほうが僕はいいわけです、本当は。素手は安全上無理だろうから、普通のオープンフィンガーグローブでやらせてくださいとお願いはしました。まだ返事はもらっていないです。『たぶん大丈夫だと思います』という感じでした」 ――それはご自身にとっても諸刃の剣ではありますね。 「でも当っても効かない攻撃よりは、当たって効く攻撃でお互いにやったほうが面白いですから」 ――相手の攻撃は当たらない自信がある? 「キック経験者ですし、当たるかもしれないですよ。分からないですけど。でもそのほうが面白いじゃないですか」 ――簡単に面白いとは言えないです。総合ルールなので1分とはいえ、組みもあります。 「そうですね。心配なのが、僕この空手衣(長袖)で出るんです。だから掴まれたらけっこう大変なのかな、とは思うんです。ビリビリって破れるかもしれないし、でも、それも稽古かなと」 ――「それも稽古」というのは? 「僕は空手をやっている、武術をやっているというのもあるし、服を着ているじゃないですか、みんな」 ――路上では皆、服を着ていると。でも相手はおそらく着て来ないかと。 「それはそれでいいんです。僕の問題ですよね。別に脱いでもいいんですけど、相手がこうだからこうするという、競技にあまり寄せたくないというか。いざというときって、その場で(戦いが)決まるので、その瞬間でいろいろ準備するという状況に近づけたい。だから脱ぐのが嫌だって感じですね。意味が無いよなと」 ――掴まれる前に一撃で仕留められる自信も? 「でも“一撃で仕留める”と考えたら仕留められないんですよね(苦笑)。散々そんなのは経験してるので、欲を捨てて、迷いとか不安も捨てて、手放して、“今ここ”に集中して臨めたらいいなと思いますね。勝ち負けは分からないです」 ――今まで一番体重差があった試合は? 「(巌流島での)ジミー・アンブリッツ戦じゃないですかね。彼は140キロくらいだったかと(※体重差約57kg)。僕ここ(脛)が切れちゃってノーコンテストになったんですけど。あと『敬天愛人』では100キロの選手ともやりました」 ――アンブリッツ戦で外受けされて、骨折ではなく切れたのは、体重差によるところもありませんか。 「まあそうなんでしょうね」 ――それでも試してみたいと。 「まだ僕、ヘビー級をKOしたことないんですよね。その欲を出したら駄目なんですけど、試してみたいなというのはあります」 ――極真空手の頃から無差別にも出られて、今回の無差別&1分間ルールでの試合に向けて、どんな練習をされていますか。 「普段、僕は『誰ツヨDOJOy』という道場をやってるんですけど、そこでも大体、組み手とかも20秒で回したりするんです。長くても40秒とか。手合わせ稽古会というのも主催してますけど、それも20秒とか40秒で回すので、基本短い時間で終わるくらいの気持ちで、パンパンではなくて、パパパパっと終わるような気持ちで稽古してるので、もうそのままです」 ――普段から短期決戦を想定していると。 「そうですね。起こり得る状況を想定してやっています」 ――それは、実際にどういう戦いになるんでしょうか? 無酸素ラッシュをする人も? 「いや全然、無酸素というか、そういう勝負じゃなくなるかな。僕がここでやっているのは“流々舞”と言ってルール無しなんです。目突き、金的、なんでもあり。当てないですけどね」 ――……何でもあり、なのですか。 「当てないけどありのルールで練習をするんです。お互いそういうことをしてくる前提だから、絶対中心のガードは欠かせないです。目とか金的とかはちゃんと(防御を)意識しながらやらないと、一瞬でやられます。オラッてやって、パーンと割れます」 ――それを想定して構えなくてはいけない。 「そうですね。たぶん半身を切るであったりとか、中心の意識を外したら一瞬でやられます」 ――急所攻撃を想定して、20秒なり40秒なりで回す。 「そうです。攻防が起きます。本気で当てたらどっちかが死んでいると思うんですけど、一応20秒間は当てずに勝負をする。それとは別に、オープンフィンガーグローブをつけて、ライトスパー的なものも40秒くらいでやります。そのときも目突き、金的の想定はします。スパー的な場合は、敬天愛人ルールに近くて、噛み付きとか目潰しとかを想定して、密着・膠着は禁止という感じでやります。だから、今回のルールに対して、特別な練習をするということはなくて、ふだんの練習の感覚で行きたいなと思います」 ――相手に抑え込まれる可能性もありますが、1分で試合は終わる。 「そういうことを僕はやりたいわけじゃないので」 ――でも路上ではずっと抑え込む人もいるのでは? 「いや、目潰せばいいじゃないですか。噛み付けばいいじゃないですか。あり得ないです、そんな想定は。ある意味抑え込むというのは喧嘩じゃ使えないです。よほど安全に距離をとって抑え込まないと」 ――なるほど。グレイシー柔術はセルフディフェンスとして、目突き、頭突き、髪引っ張りなどの攻撃に対しても想定をしていたようでした。ホイス・グレイシーは時間無制限でそれを戦った。 「だから、ニーオンザベリー、マウント、バックとかだったらOKなんです。常に頭突き・目突きとかを想定しなきゃいけない。もちろんセルフディフェンスとしてのグレイシー柔術はあったはずですよ。でもいまの競技は、そうじゃなくなってきているのは、僕はあまり燃えないんです」 ――柔術は組み優先の中でセルフディフェンスを考えた。菊野選手の考える「路上の現実」はどういうものでしょうか。 「1対1だったら組みでいいですけど、複数だったらちょっとキツいなと思います」 ――対複数ということを考えると、立ち技のほうがいいと。 「まあそうですよね。一対一をやっていられない状況だったら、打撃のほうがいいとは思います。ただ組み技も重要なので。だから、僕も両方やりますし、“誰ツヨ”でも両方教えているし、敬天愛人でも両方使うようにしています」 ――対複数の練習もここではあるのですか? 「よくやります。ここでもするし、手合わせでもやりますよ、2対1、3対1……そういうことをして遊んで楽しんでいます(笑)」 ――“いざ”というときの護身、身を守るためには逃げてもいいと考えますか。 「もちろんですよ。逃げるのが一番です。危険に遭わないこと、逃げること、助けを呼ぶこと。どうしようもないときに最低限、身を守れるようにしておけば、ちょっと心が楽じゃないですか。そうすれば声も出て、足も動くかもしれない。保険と一緒ですよ。別に何も起きないけども、保険に入っておけばちょっと安心して日々を送れる。そういうものを、武術によって得ていると。  それを楽しく身につけるということ。おもちゃなんですよね、言い方は悪いかもしれないけど、戦いごっこの延長です。武術って誰でも、何歳からでも強くなれるから、楽しい。ちょっと実用的なところもあるし」 ――確かに想定しておくことで、心構えは変わりますよね。 「楽しいですよ。個人的にはいざというときに、UFCのヘビー級チャンピオンに襲われたとして、白旗を揚げたくないわけです」 ――白旗を揚げたいんですけど(苦笑)。 「そうですよね。でも家族まで殺されたら、と考えたら嫌じゃないですか。そこで勝てません、じゃあ済まなくて、負けねえぞと、やってやんぞという気持ちは持っていたい。そのための稽古はし続けるという。まあ、そんなことが起きずに一生を終えたいんですが(笑)。体重がどうだとか、相手は武器を持っているから白旗を揚げて殺されるだの、家族がやられるだのは、嫌なんです」 ――その意味は分かります。考え出すとキリがないですね。通り魔的なものに遭ったらどうするのか、とか。 「考えますよ。すごく考えます。まず殺意を持って自分に向かってくる、誰かに恨まれた場合、それは無理だと思います。守れない。だから人に恨まれないようにしようとか、仲良くしようとか。それが、通り魔的にやられたらちょっとキツいです。でも、そういうものに遭遇して、慌てて何も動けないとはなりたくないなと思います」 ――果たしてそのときに何らかの動きが出来るか。あるいは自分と誰かを護れるか。 「分からない。だから、そのための、ちょっとでも確率を上げる練習をしておきたいなって感じです。それは、その場にあるものを使ってどう戦うかという発想も含まれます。ジャッキー・チェンなんかがいい勉強になりますよ。環境を利用する。そのうえで逃げるのが最善だし、助けを呼ぶことも。ベストな選択をできるような心構えというか、自信を持っておけば冷静に判断できるのかなと」 ――そういう心構えを教えている生徒たちに、見せたいという思いもあるのでしょうか。 「まあ普段やっている稽古の延長線で、こういう威力も出て戦えるよ、みたいなものは見せられたらいいですけどね」 ――それを自分自身も試したい? 「そうです。正直に言えば発散もありますね。さきほどの話しと矛盾するかもしれませんが、闘争本能とかもあるし、試合で思いっきり人を殴りたい、蓄えたものを出したい、発散したいという欲求はあるので、それと稽古というのと、両方ですね。本当、アマチュアです(笑)」 [nextpage] 朝倉未来選手がこのルールでやりたいと言ってくれるなら、喜んでやります ――朝倉未来選手が路上で襲われる、YouTubeのドッキリ動画とかもご覧になられましたか。 「見ました」 ――ご自身だったら? 「あれに関しては僕もそんなプロでもないし、あまり人のことは言わないようにしましょう。僕があれができるかといったら分からないです。ただ、練習はしておきます」 ――菊野選手は、朝倉兄弟2人とアライアンスでの練習で手合わせがあると思います。2人のことをどう感じていますか。 「素直に朝倉兄弟のことを尊敬していますよ。選手としても尊敬するし、YouTuberとして、社会的に成功していることも。僕には出来ないことだから」 ──その朝倉未来選手が、今回の「BREAKING DOWN」を発案したことについては? 「当然、朝倉未来選手は修羅場を潜ってきた選手なので、素直にそういう強さというのは憧れるし、1分間というのは、朝倉選手らしい発想かなと思いました」 ――手を合わせたときの印象を教えてください。 「本当にライト(スパー)ですけどね。まず2人ともめちゃくちゃ身体が強いなと思いました。全然僕なんかより遥かに身体が強いです。持っているものという意味でも。  朝倉海選手は僕より2階級くらい下なのかな。僕がガッチリ抑え込んでも跳ね返すくらい強くて。イメージとしては、朝倉未来選手は腰が凄く強くて、クレバーというか、打撃のカウンターとか、間合いの操作とかも得意な感じです。僕と練習したときの海選手は本当にイケイケでした。後退のスイッチが無くて、わーっと前に来るから、僕も押されるくらい。少しリスキーだなと感じたくらいで、その後、マネル・ケイプに敗れてまた修正して、それだけじゃない選手になっている。またレベルが上がったなと思っています」 ――今回、勝利して、路上での戦いも経験している朝倉未来選手を引き出したいという思いはありませんか。 「もちろんそういうルールでやってくれるんだったらむちゃくちゃ興味ありますよ。勝てるとは思わないですけど、やってみたいとは思います。でもそこまで望んでいないです。こっちからお願いする話ではないのですが、彼がやりたいと言ってくれるなら、喜んでやりますけど」 ――今回の反響や、自身のモチベーションが高くなったら、定期的な参戦もありますか。 「それは気分次第です。今は僕は職業空手、格闘家じゃないので、道場を持ってアマチュアとしてやりたいということだし稽古として出てるので、またやりたいと思ったら出るだろうし」 ――あらためて、試合の話に戻りますが、無差別とか路上に近いものではあるかもしれないけど、やっぱり限定はされている。金網オクタゴンにも囲まれていますし、それがフルサイズで大きいということもあります。 「UFCと同じサイズですよね。それは経験済みです。もしエレベーターで戦ったらけっこうキツい。目突き、金的がないと無理かなと思います。だけど、今回はちょっと広いので、多少はいけるかなと。効くかどうかですね、あの体格に。体重というのは攻撃力であり、防御力なんです。そこにどれだけ……まともに当てても効かないと思うので、うまくポイントに、急所にいい角度で当てないといけない」 ――あの身体にボディを打って効くのか分からない。 「厳しいですね。意識を散らしてポイントに当たればいいかもしれない。アゴや肝臓、そういうところに当たれば。しかもそれを狙わずに自然に出せないと。いやあ、ドキドキしますね。怪我をして指導ができなくなると生活に支障をきたすので。でもこういうルールをやってくれるというのは本当ありがたいので、このチャンスをしっかり活かしたい。この状況を受け入れてくれて、相手もいたという、本当恵まれていますよね」 ――できれば素手でやりたいくらいですか。 「そこはすごくいつもジレンマなんですよ。実戦性と安全性。大会である以上、安全性はやっぱり担保しなきゃいけない。僕も怪我をしたくないし、殺したくもない。だから、そこのバランスが競技というのは難しいですよね。グローブを着けることは納得しますよ。オープンフィンガーでやろうということで」 ――バンテージはいつも巻くのですか? 「僕は巻かないです。沖縄空手をやりだしてから巻かなくなりましたね」 ――より素手に近いから? 「バンテージを巻かなければ握りがしっかりできるので。そこからは試合で骨も折ってないですね。テコンドーで無茶して折りましたが(苦笑)、それ以外は折ってないですね。テコンドーにも取り組み、学んだことはすべて僕の中にありますからね。散々いろいろなことをやってきましたから。甲冑戦とかも。そのうえで自分なりに競技を楽しみつつ、武術を楽しみつつ、やっていますよ」 ――DEEP100の記念大会でグラップリングのエキシビションも行いました。 「やりました。久しぶりにリングインしましたね」 ――またいつかMMAにチャレンジということは? 「ルールが面白ければという感じです」 ――MMAのルールは、いまの菊野選手にとって面白くないと。 「今はちょっと僕の思う強さとはズレているので。“僕がズレた”んです。逆にいえば、もともと僕はそうだったのに、(競技を)選んでいたんだけど、自分らしく生きようということで、こっちに行ったという感じです。やっぱり無理していた自分もいたので、いまは解放されています」 ――素手に近いラウェーにも興味がありますか? 「ラウェーも僕が思う強さとは違いますね。寝技がないので。その時点で実戦じゃまったくない。寝技は必要なんですよ。ただ、密着・膠着が駄目なだけで。だって組まれたら負けますよ。それではつまらない」 ――倒されても身は護れないといけないと。 「そのとおりです。誰が相手でも勝てるというか、負けない強さはあったほうがいいと思う」 ――徒手格闘技として、あらゆる状況を想定したいと。 「そう。だから、そこに殺意を持たれたら無理です。守れない。後ろに目をつけておくことは無理なので。パッと今日常で起こり得る場で守るというのが僕の思う強さです。だから戦場で戦えないし、殺し屋には勝てないと思っています。だからみんなと仲良くしたいですね。僕、ずっとこんなことを言ってるかもしれない。変わっていないといえば変わっていないんです。ずっと、ドラゴンボールに憧れたままなんです」 ――フルサイズのオクタゴンは広いですよね。沖縄空手も学ぶなかで、相手が距離を取った場合、あるいは超接近戦で押し込んだ場合、どう打撃を当てるという考えはありますか。 「別に近かろうが遠かろうが、いつもどおり“顔に手を伸ばします”よ。空手の型とかいろいろあるんですけど、技もあるけども、技よりももっと奥の鍛錬というか、身体の使い方、原理・原則ですよね。重心移動とか、歩隔を揃えるとか。それは全てに応用が利くので。僕が手を伸ばせば、そこに技が乗るわけです。威力が乗るので」 ――それを出せる身体も作ったということですね。 「そうです。ああしてこうしてじゃなくて、手を伸ばせばそれが技になる」 ――それは相手が動き、姿勢が崩れても? 「姿勢も自由に。姿勢が良ければよりいいですけど、姿勢が崩れてもリラックスと動きによって威力が出る。見ていてください」 [nextpage] BREAKING DOWN 対戦カード ※試合時間はいずれも1分1R ▼第20試合 スーパーヘビー級 スペシャルワンマッチ 120kg超菊野克紀野尻和暉 ▼第19試合 ヘビー級スペシャルワンマッチ -120kgシバターみなみかわ ▼第18試合 ウェルター級 スペシャルワンマッチ -75kgゲンキ山下裕太郎 ▼第17試合 ヘビー級 ワンマッチ -99kgよね(爆食いトレーニー)マジ牛・條太朗 ▼第16試合 フェザー級 ワンマッチ -66kgガンちゃん渡部 一紀 ▼第15試合 フェザー級 ワンマッチ -63kg笹野 翔太堺 龍平 ▼第14試合 ウェルター級 ワンマッチ -77kg安井飛馬大黒力斗 ▼第13試合 フェザー級 ワンマッチ -66kgTaichi.N大滝裕太 ▼第12試合 ライト級 ワンマッチ -71kg荒井政穂朝比奈龍希 ▼第11試合 ウェルター級 ワンマッチ -77kg誠一郎オメガ(ゆとりすたいる) ▼第10試合 ミドル級 ワンマッチ -84kg茂木慧太古賀輝哉 ▼第9試合 バンタム級 ワンマッチ -61kg本間 椋タッキー ▼第8試合 ウェルター級 オーバーエイジワンマッチ -77kg永戸竜也中吉繁幸 ▼第7試合 ウェルター級 オーバーエイジワンマッチ -77kg石井一也ジャック大塚 ▼第6試合 ミドル級 オーバーエイジワンマッチ -84kg渡辺直由板東吾空 ▼第5試合 フェザー級 オーバーエイジワンマッチ -66kgフランク・ペリー大田浩司 ▼第4試合 ライト級 オーバーエイジワンマッチ -71kg田中“エーヤンダー”やんぶ長倉秀一 ▼第3試合 ウェルター級 ワンマッチ -77kg銭谷優太郎HIRO ▼第2試合 ミドル級 ワンマッチ -84kg川島悠汰相原慎太朗 ▼第1試合 ヘビー級 ワンマッチ -120kgキョウスケギャン朝倉
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