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レポート

【修斗】デビュー3戦目の黒部和沙が澤田龍人に一本勝ち、バンタム級・18歳の永井が松下に判定勝ち、榎本がライダーをパウンドアウト、ガッツが藤木に組み勝つ、スーパー高校生・中池が38秒KO勝利、新井が青井をTKO、谷井が一條下す

2024/04/07 13:04
 2024年4月7日(日)東京・新宿FACEにてプロフェッショナル修斗公式戦『SHOOTO GIG TOKYO Vol.36』が開催。大会の模様はツイキャスPPV配信された。 ▼ストロー級 5分2R×澤田龍人(AACC×剛毅會)51.9kg[1R 3分38秒 ツイスター]〇黒部和沙(TRIBE TOKYO MMA)52.0kg  前日計量では、メインのストロー級戦に臨む、澤田龍人(AACC×剛毅會)は51.9kg、黒部和沙(TRIBE TOKYO MMA)は52.0kgでともに計量をパス。  アマ時代に“天才”と呼ばれた澤田は28歳となりキャリアも20戦を越えた。シンガポールEvolve MMA時代は様々な国の選手と拳を交えてきたプレイヤーとして十分すぎる経験を積むも、ここ4戦は勝ちを逃す結果が続いている。  ONEでミアオ・リータオ、グスタボ・バラートに判定負け後、2022年3月に仙三のヒザ蹴りで2R TKO負け。2023年3月に5年5カ月ぶりに修斗にカムバックし、安芸柊斗に1R TKO負けを喫している。AACC×剛毅會所属となり、修斗復帰2戦目で白星を掴めるか。  澤田の相手に大抜擢されたのがキャリア3戦目の23歳・黒部和沙(TRIBE TOKYO MMA)だ。“練馬長南軍団”の一員として、国内トップ選手が集う厳しい環境で研鑽の日々を送る黒部は僅か2戦ながら、そのポテンシャルの高さを評価され今回のオファーとなった。  2023年10月のプロデビュー戦で新鋭・根井博登とマジョリティ判定ドローも、2024年1月に大田ノヒロをリアネイキドチョークで極めたばかり。鋭い打撃から素早いグラウンドワーク。この階級のトップどころと当たっても引けを取らないだけの可能性を秘めている黒部は、その実力を澤田との試合で証明できるか。 澤田「AACC×剛毅會の澤田龍人です。明日はしっかり勝ってメインを締めたいと思います。応援よろしくお願いします」 黒部「TRIBE TOKYOから来ました黒部和沙です。自分は天才でもないんですけど、相手は天才ということなので、ただの格闘技好きなやつが天才を超える姿を明日は見せたいと思うので期待していてください」  そろそろベテランの枠に入ってもおかしくはない澤田と、新世代・黒部とのマッチアップ。これぞ生き残りをかけた今後の指針を決める一戦、サバイブするのは澤田か、黒部か。  1R、ともにオーソドックス構え。右を突いて組む黒部に、澤田は切って右をヒット! しかしなおも詰めてダブルレッグでドライブする黒部に澤田はがぶり。  コーナー際でニンジャチョークも、仰向けに下になって外す黒部は下からレッスルアップ。  そこに首投げで投げた澤田だが、起き上がる黒部。小手巻き、内股の澤田に小手を解除しボディロックに行く黒部。  そこに澤田は再び首投げも右で脇差しバック狙いは黒部。この際の攻防で腰を抱いて上になった黒部は、澤田が腰を切っての腕十字、オモプラッタ狙いもさばいてまたぐとついにバックへ。  中腰になって落とそうとする澤田に、ダブルアンダー、ネルソンを組み合わせて落とされない黒部は、ついに完全バック! 澤田の向き直り際におたつロック、和田竜光~、石井逸人、後藤丈治らに連なるTRIBE勢の伝家の宝刀、ツイスターを極めた。  デビュー3戦目で澤田龍人を極めて一本勝ちした黒部和沙は試合後、マイクを渡され、「言いたいことが3つあります。一つ目、澤田選手、こんな3戦目のペーペーの僕と戦ってくれてありがとうございました。1発効いちゃったんですけど。2つ目、そろそろ宣材写真、カッコいいのに変えてください(笑)。3つ目、好きなことを本気でやれば19から始めた僕のように勝てる、好きなことを本気でやれば一番になれるんだと証明します!」と叫び、長南亮代表はじめTRIBE勢と写真におさまった。 [nextpage] ▼バンタム級 5分2R×松下祐介(パラエストラTB)61.1kg[判定0-3] ※18-20×3〇永井奏多(TRIBE TOKYO MMA)61.2kg 松下「パラエストラTBの松下祐介です。ここまでいい準備が出来たので、明日に備えてしっかりリカバリーしていい試合をして勝ちたいと思います」 永井「TRIBE TOKYO MMAの永井奏多です。僕は世界を目指しているので、明日は綺麗な戦績を作るためだと思って、油断せず勝ちに行きたいと思います。応援よろしくお願いします」  1R、松下の組みからのバックテイクを落として詰める永井は右カーフを当てて、松下の右に左を突いて、蹴りを上下に散らす。  2R、右を当てる永井に、松下のダブルレッグダイブをがぶる永井がバック。これを正対する松下が小外がけテイクダウン、バックも永井は正対。  両者止まらないスクランブルのなか、永井は脇潜り、4の字の完全バックも奪うが、松下も腰ずらし正対。なおも組みで競る永井は左アッパー、松下の組みを切ってクオーターネルソン、ゴング。  判定は3-0(20-18×3)で18歳の永井が勝利。「絶対フィニュシュしたかったんでちょっと悔しいけど、正直、バンタム級で負ける気がしないんで、近い将来チャンピオンになるので応援よろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分2R×ライダーHIRO(シューティング宇留野道場)61.0kg[2R 2分25秒 TKO] ※パウンド〇榎本明(リバーサルジム東京スタンドアウト)61.0kg HIRO「しっかり勝利を掴み取りたいので、ぜひともみんな応援よろしく頼むぞ。ライダー変身!」 榎本「明日は面白い試合をしてしっかり勝ちたいと思います」  1R、ジャブ&ローの榎本に、HIROはシングルレッグテイクダウンを狙う。コーナー際でクラッチも榎本は崩されず。  2R、ジャブを当てる榎本にHIROは低いシングルレッグもがぶり、足首を掴んで上になる榎本が強いパウンド! レフェリーが間に入った。  榎本は「いろいろ怪我とかあったんですけど、またリングに上がれて良かったです、思ったより人生はうまくいかないですけど、続ければ何か実になるので皆さんも頑張ってください」と語り、猿飛流と熱いハグをかわした。 [nextpage] ▼バンタム級 5分2R×藤木龍一郎(和術慧舟會AKZA)60.9kg[判定0-3] ※18-20×3〇ガッツ・takato(パラエストラ綾瀬)61.1kg 藤木「和術慧舟會AKZAの藤木龍一郎です。4年半ぶりの復帰戦。そして自分の適性階級のバンタム級にしっかりシフトチェンジして1戦目、強い気持ちのある選手と戦わせていただくので、しっかり自分の全力を出せるように明日は頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします」 ガッツ「押忍、“黒さこそ正義”パラエストラ綾瀬のガッツ・takatoです。前回、しっかりと復帰戦勝ちまして今回、藤木選手とやることになりました。相手も4年ぶりということなので、やることはたった一つです。5分2R、ドロドロの試合をします。よろしくお願いします。押忍!」  1R、サウスポー構えの藤木の左に詰めるガッツはバッククリンチで背後からこつこつヒザ。バックからのヴァレリーキックでかかとを落とす。後ろのガッツに右ヒジを返す藤木だが、ガッツがこつこつヒザ突きバックコントロール。正対した藤木をボディロックで崩してゴング。  2R、サウスポー構えから右ハイ、右の後ろ廻し蹴りの藤木を肩口で受けてこかせるガッツ。藤木もコーナー使い立ち上がり、左ストレート、左前蹴りを突くが、ガッツが粘り強く組んで崩してパウンド。最後に藤木は組みを切ってバックもゴング。  判定3-0(20-18×3)でガッツが組み勝った。 [nextpage] ▼フライ級 5分2R×蒔田伸吾(TKエスペランサ)56.5kg[1R 0分38秒 KO]〇中池武寛(パラエストラ小岩)56.5kg 蒔田「明日はスーパー高校生を相手に激しい試合をして39歳のおっさんがスーパー高校生をブッ倒します」 中池「明日は2分以内に倒します。以上です」  1R、左前蹴りを当てる中池は、蒔田をロープに詰めると右ストレートをヒット。打ち返す蒔田に再び右を当てると、蒔田がダウン。中腰で立とうとする蒔田にさらに右のパウンドでレフェリーが間に入った。  春から高校2年になる中池は「2分で倒すと言って、早く倒しすぎちゃってすみません。もっと強い相手を当ててください」と語った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分2R〇新井拓巳(ストライプル新百合ヶ丘)60.9kg[1R 1分46秒 TKO] ※パウンド×青井心二(心技舘)61.2kg 新井「明日は必ずフィニュシュします。よろしくお願いします」 青井「明日はやってきたことをしっかり出して悔いなく勝ちます。よろしくお願いします」  青井の蹴り足を掴んでテイクダウンした新井。青井は蹴り上げから立ち上がるがすぐに詰める新井が首相撲からヒザ! パウンド連打でレフェリーが間に入った。ロープ外に身体が出ていた青井は両手を広げるが、止められても仕方ないラッシュだった。  新井は「新人王になってからパッとしなかったですが、やっと結果を出せました。よかったらランキング戦を組んでください」と語った。 [nextpage] ▼63.5kg契約 5分2R×一條貴洋(ストライブル南相馬)63.4kg[判定0-3] ※17-20×3〇谷井翔太(ロデオスタイル/大道塾)63.4kg  福島出身の一條貴洋(ストライプル南相馬)と、「空道」でも活躍している谷井翔太(ロデオスタイル/大道塾)が63.5kgのキャッチウェイトで対戦する。  一條は2023年11月に行われた『THE SHOOTO OKINAWA vol.9』で2年半振りの復帰戦を勝利で飾り、2024年3月の『修斗LIVE! TOKYO』のメインに登場。  以前に痛み分けに終わった小林佳純(リバーサルジム東京スタンドアウト)との3年ぶりの決着戦に挑むもユナニマス判定で黒星を喫した。  余程の悔しさからか、大会直後から各プロモーターへ参戦希望のラブコールを送り続け、今回1カ月弱での出場となった。  一方の谷井は、2023年9月にALLIANCEの杉野光星と対戦。右を当てるも、杉野に組まれて右も当てられ判定負け。2024年3月23日の後楽園ホール大会のバックアップファイターとしてスタンバイしていたこともあり、一條の出場希望はもってこいのタイミングだった。  2023年に行われた『北斗旗 第6回世界空道選手権』では男子230以下3位に入賞しており、ノーモーションから繰り出す左の突きは当たれば一撃で意識を飛ばす破壊力を持つ。  組んでの展開を作りたい一條、「空道」仕込みの鋭い打撃を中心にゲームメイクする谷井。得意分野は各々あるが、相手の土壌でもしっかり勝負出来るか否かがトップ戦線に食い込んでいく為の条件でもあり、勝利の決め手となるだろう。  今回キャッチウェイトでのマッチアップとなったが、修斗最激戦区と言われているバンタム級の中でクラスBながら絶妙な組み合わせのカードとなった。 一條「3月、思うような試合ができず、ちょっと消化不良で、急遽、今回の大会で組んでいただきありがとうございます。明日はちょっと面白い試合を出来るんじゃないかと思っているので応援よろしくお願いします」 谷井「到着ちょっと遅れちゃってすみません。オファーを結構、急遽いただいたんですけどいつでも行ける準備していたので、明日頑張って勝ちます。応援よろしくお願いします」  1R、一條の組みを差し上げた谷井が上に。一條は下から手首を掴み仕掛けるがパウンドの谷井のスペースで立ち上がり。一條がボディロックテイクダウンで上になりパウンド。  2R、谷井の蹴り足を掴んでテイクダウンし、立ち際になおもテイクダウン、バック、リアネイキドチョークで絞めるが、後ろ手を剥がした谷井が正対して上に。下からの一條の仕掛けをかついでパス。亀になって立つ一條を詰めて右三日月蹴り、一條の組みを潰して上からパウンドの谷井! 立つ一條にヒザ蹴りで追って倒して、上からパウンドでゴング。  判定3-0(20-17×3)で谷井が勝利した。 [nextpage] ▼63kg契約5分2R〇藤田ムネノリ(SUBMIT MMA)62.9kg[2R 4分30秒 TKO] ※パウンド×森本ユタカ(THE BLACKBELT JAPAN)61.5kg 藤田「修斗関係者の皆様、1週間前という急なピッチながら試合を組んでいただきありがとうございます。BLACKBELT JAPANの森本選手も試合をのんでいただきありがとうございます。ですが、明日は自分が勝ちますので、試合ではバチバチやっていきたと思います。応援よろしくお願いします」 森本「明日は自分のプロデビュー戦でTHE BLACKBELT JAPANになってからの初めての試合が僕なので精一杯、デビュー戦ですけど、一番盛り上げて頑張りたいと思います」  1R。森本の左右に組む藤田がダブルレッグテイクダウン。押さえ込む藤田に森本が下に。終了間際にコーナーで上体立てて蹴り上げから立つ森本だが、藤田のスクランブルに下に。  2R、サウスポー構えから左ボディを突く森本に、藤田はシングルレッグテイクダウンからサイド奪取。細かいパウンドからマウント、肩固め狙い。腕を戻した森本だが、藤田がマウントからパウンドアウトした。  藤田は「2勝2敗1分、これでスタートラインに立ちました。これからの藤田ムネノリの躍進にご期待ください」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分2R〇伊集龍皇(パラエストラ小岩)65.5kg[1R 1分44秒 腕十字]×健太エスペランサ(TKエスペランサ)65.7kg 伊集「ブッ飛ばします」 健太「全力で明日は倒しに行きます。初めての関東での試合ですけどいい結果になるように頑張ります」  1R、右ハイから入る伊集に勘太からダブルレッグテイクダウン。下の伊集は三角絞め狙いからヒジ、腕十字に切り替えてタップを奪った。  伊集は「前回、減量失敗してすみません。これで修斗無敗で4連続一本勝ち、ちょっと強い相手とバンタム……フェザーでよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼トライアウト フライ級 3分2R×樋口幹太(FIGHT FARM)56.6kg[判定0-3] ※18-20×3〇矢野博之(修斗GYM東京)56.4kg 樋口「明日は頑張ります。応援よろしくお願いします」 矢野「ちょっと緊張していますけど、明日は一生懸命頑張ります。よろしくお願いします」  1R、矢野の右ハイを掴んでテイクダウンした樋口に、下の矢野は草刈り。ともに起き上がりで上は樋口。パウンドに下の矢野は三角絞めも防ぐ樋口に外した矢野がパウンド。  2R、サウスポー構えの矢野は右前手のフック、樋口は回転速く左右も矢野はボディロック。それを正対して剥がす樋口。打撃でも矢野が前に出て首相撲ヒザも。  判定3-0(20-18×3)で矢野が勝利した。 [nextpage] ※キッズ修斗&ジュニア修斗は当日計量 ▼ジュニア修斗 40kg契約4分1R×鈴木孝征(心技舘)[腕十字]〇北村璃希(フォーランバス) ▼キッズ6 44kg契約3分1R×中坊 一(心技舘)[判定0-3]〇佐久間風我(フォーランバス)
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