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【PANCRASE】10年目で初のタイトルマッチに挑む中島太一「ここで逃したら次はない」、迎え撃つ王者ISAO「確実に勝って今後につなげる」

2021/05/26 17:05
 2021年5月30日(日)東京・新木場USENスタジオコースト『PANCRASE 321』にて、フェザー級キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップを争う王者ISAO(NEVER QUIT)と挑戦者同級1位・中島太一(ロータス世田谷)の記者会見&調印式が26日(水)都内にて行われた。  調印式に先だって行われた記者会見で、中島は今回のタイトルマッチに懸ける想いを語った。 「タイトルマッチですが、タイトルマッチだから特別とかはなく一つ一つの試合が大事との気持ちはそんなに変わりません。堀江戦が終わってからすぐISAO選手との試合を考えて対策してきたし、やることは全てやって、かつ戦略もあるので本当に楽しみです。ISAO選手は2012年にチャンピオンになってその時に僕はパンクラスデビューして。ISAO選手はずっと王者でずっと強くて。最初は2階級違ったのでやることはないと思っていたんですが、まさかのフェザー級という階級でこうしてやることになったことは感慨深いです。僕の家族もISAO選手は凄く強いと言っていて、パンクラス=ISAOというのが僕の中にもあったのでその選手とタイトルマッチをやれるのは嬉しく思っていてワクワクしています」  続いてISAOは「パンクラスは今年初めての興行ですし、僕自身久しぶりの試合ですし、全身全霊でやってきたことをやり遂げて戦い抜きます。しっかり勝って防衛するのでよろしくお願いします」とシンプルな挨拶。  2人とも試合4日前とは思えないほど落ち着いて和やかな雰囲気であり、中島は「減量幅が元々ないので、体調は凄くいいし、タイトルマッチだからといって緊張とかもなくいつも通りです。それでナチュラルに見えるのかも」、ISAOは「もうだいぶ(現役を)やっていますし、あまり気負ってなくてリラックスしているので。でも早く試合をしたい気持ちです」と、互いにピリピリすることなくリラックスしているとした。  4日前に顔を合わせたことも「会場でよく見ているので“うわっ”とも思わないです」(中島)、「自分も中島選手もパンクラスで戦い続けてきているので、同じ興行にも出ているので今こうやって会っても特別なものはないです。戦えるのが感慨深いです」(ISAO)と、2人とも自然体そのもの。  新型コロナウイルスの影響により、パンクラスとしては今大会がようやく2021年ファーストマッチとなる。待たされ続けた形となった2人だが、その時の心境は微妙に違うものであったようだ 「大会があると聞いていたので、それを望みに頑張っていました。6月、7月となったらちょっと考えようかなとも思いましたね。他のところでやれるチャンスがあるならとも思いました。でもタイトルマッチなのでそれも逃せない。葛藤していました」(中島) 「大会がなかなか開催されないのは気になっていましたが、そこまで深くは考えずに、さすがに夏までにはあるなと思って信じていました。決まって良かったです」(ISAO)  試合が決まる前からお互い意識していたところはあったか。中島は「ISAO選手はずっとチャンピオンのイメージ。凄く強い選手っていうのがあったし、(階級が違うので)やることはないと思っていたので。でも僕が(海外団体から)パンクラスに帰ってきてフェザー級でやりたい人は誰ですかと聞かれた時に、ISAO選手と答えているんですよね。その時からやれたらみたいなのはありました」と、意識はしていたという。  ISAOも「最初の頃は中島選手も一個下のバンタム級で戦っていたので、そんなに考えてなかったです。でも僕がフェザー級に落として戦い始めて中島選手もフェザー級に上げた時に、同じフェザーってことで少なからずやる機会があるかもしれないと思って見ていました」と、意識していた。  お互いの試合を見ての印象を聞かれると、中島は「ISAO選手はトータルファイターなので、全て気を付けないといけないと想定して練習しています。特にこれを気を付けないといけないというのは何個かありますが、今は言えない。弱みと強みは理解しています」、ISAOは「中島選手も全部できる選手。5分5Rというのもありますし、スクランブルですとか小さなことも僅かなことにも注意していかないといけない」と、それぞれ答えた。  KRAZY BEEへの出稽古などを積んでいるISAOは「試行錯誤して考えて、常に自分がレベルアップするためにいろいろな方にアドバイスをもらっています。いろいろなところが伸びているなと思っているので、それをしっかり出していければと思っています。試合期間は空きましたが、その期間しっかりレベルアップできるように取り組んできたので、そこを全部出し切って戦い抜きたいと思います」と、前回の試合から10カ月の期間でレベルアップしたところを見せたいとする。  今回がキャリア初のタイトルマッチとなることについて中島は「無敗で王者になると言っておきながらいっぱい負けてきて。自分の考えが甘かったと思い知って、10年目でやっとタイトルマッチ。フェザー級で強かった人たちがONEに行って選手層が薄くなって、それでたどり着けたのでチャンスだと思っています。ここで逃したら次はない気持ちで戦います」との想いを話す。  その想いをどう受け止めるかと聞かれたISAOは「今年初めての興行ですし、タイトルマッチというのもあるので、ド派手にかましたい…ところもありますが、確実に勝って今後につなげていこうと思います」とニヤリ。  RIZINでは今秋にもフェザー級のワールドGPの開催が予定されており、このパンクラスのフェザー級トップ対決にも注目が集まるところ。  中島は「RIZINだけじゃないぞってところも見せたい。パンクラスのフェザー級が強いところも見せたいですね。ハイレベルな技術攻防も見せたいし、RIZINに出たいとかは今は考えてないですけれど、にわかファンの方にも届く試合がしたいです」とし、ISAOは「どうしても大舞台に目が行きがちですが、自分はしっかりとパンクラスでやってきた自負があります。中島選手とならこのパンクラスを盛り上げる試合ができると信じています。そこをしっかり見せて、たくさんの方にパンクラスもあるぞってことを知ってもらいたいと思います」と、両者とも誇りを感じさせるコメント。  フィニッシュのイメージはとの質問には、中島が「早く勝負を決められる可能性もあるし、後半戦が僕は得意なので最後あたりに決める可能性もある。とにかく今回は極める練習をしてきているので、今までの僕と違ったスタイルを見せられると思うので注目して欲しい」と言えば、ISAOは「どんなところでも隙があれば、打撃でも寝技でもフィニッシュを狙っていければと思います」とした。  そして、この試合後の目標を聞かれた2人は、「年齢もあるのでステップアップしたい気持ちもありますが、僕は流れを大事にしているので流れに身を任せる。ここに出たいというのはないです」(中島)、「この試合に懸けています」(ISAO)と、先のことは考えていないと口を揃えた。  最後に、会見に同席した廣瀬隆司コミッショナーは「中島選手で印象に残っているのは2014年の横浜文化体育館で、セザールを後ろ廻し蹴りでKOした試合。あの印象は忘れられない。2020年はフェドロフ選手、堀江選手に判定ながら勝ちを取っている。ISAO選手はフェザー級王者としてマレガリエ選手、アグオン選手、アキラ選手に勝っていますが、ISAO選手も中島選手も判定勝ちなんですね。2021年5月30日のタイトルマッチに関しては、おそらく両名に判定はない。5Rはしないだろうなと受け止めているので楽しみにしています。試合までの数時間、怪我しないようにお願いしたい」と両選手にメッセージ。両者は「はい」と力強く頷いた。  なお、会見と調印式後にはパンクラスのレギュレーションに沿い、計量前の体重申告の日に当たるため参考計量が行われ、ISAOは71.75kg、中島は69.25kgでリミットの65.8kgに近付いていることが確認された。
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