2021年5月8日(日本時間9日)、米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて「UFC Fight Night: Rodriguez vs. Waterson」が開催された。
UFC Fight Night: Rodriguez vs. Waterson
現地時間2021年5月8日(土)、日本時間9日(日)米国ネバダ州ラスベガス/UFC APEX
【メインイベント】
▼女子フライ級 5分5R〇マリナ・ロドリゲス(ブラジル)125.5lbs/56.93kg[判定3-0] ※48-47, 49-46×2×ミシェル・ウォーターソン(米国)125lbs/56.70kg
女子ストロー級で6位のロドリゲスと、9位のウォーターソンが女子フライ級5分5Rで対戦。
T.J.ディラショーの負傷により、コーリー・サンドヘイゲンvs.ディラショーのメインイベントが延期となり、急転直下、ロドリゲスとウォータソンがメインイベントで戦う。
MMA13勝1敗2分のロドリゲスはムエタイがバックボーン。UFC3勝1敗2分で唯一の黒星はカーラ・エスパルザ戦でテイクダウンされた試合。組みは首相撲ヒジ・ヒザの強みがあるが、寝技に課題を残す。今回が初メインイベント。
対するウォーターソンは空手黒帯の足技を持つが、リーチは短いため、テイクダウンからの寝技に強みを見せる。2019年にヨアナ・イェンジェイチックとカール・エスパルザにいずれも判定負けで連敗。2020年9月の前戦ではアンジェラ・ヒル戦ではグラウンドで上回り、スプリット判定の接戦を制している。
1R、サウスポー構えから入るウォーターソンに、オーソドックス構えのロドリゲス。ウォーターソンは右前足のサイドキックで牽制。ウォーターソンのローに長身のロドリゲスは右を届かせる。
ワンツーから近づき右のブラジリアンキックを側頭部に当てるウォーターソン。右の長い蹴りはロドリゲス。ウォーターソンの入りに右を当てる! さらにウォーターソンの右に右のカウンターはロドリゲスが優勢。サウスポー構えから右ローを当てるウォーターソン! 続けて組みに行くが、ここは切るウォーターソン。近づくと危険なヒザ蹴りを打つ。
右の関節蹴りを当ててロドリゲスのバランスを崩すウォーターソン! しかし、右で前に出るロドリゲスは高いヒザ蹴り! さらに左右でウォーターソンを釘付けにする。
2R、スイッチしての右ロー、サイドキックはウォーターソン。しかし圧力をかけるロドリゲスは右ミドル。その入りにウォーターソンも右を返す。ワンツーから右ミドルに繋ぐロドリゲス。ウォーターソンは組みに行くが、ここは切られる。首相撲ヒザはロドリゲスの展開。
離れるウォーターソン。ロドリゲスの胸にサイドキックで突き放す。右を振るロドリゲス。左ミドルを蹴るウォーターソンに詰めてヒザを突くのはロドリゲス。離れるウォーターソンは前足の関節蹴り。ロドリゲスも右奥足ローを返す。詰めるロドリゲスにサイドキック、更に組むウォーターソンだがいい組み手は出来ず。ワンツーから首相撲に持ち込むロドリゲスはヒジ打ち。かすめたウォーターソンは鼻血。
3R、右足を踏みつけるような動きで転倒するウォーターソンだが立ち上がると、ロドリゲスは右ハイ! 辛うじてガードするウォーターソンは両脇を差して組むが、ロドリゲスは突き放す。さらに金網に詰めて左右ラッシュ! 被弾するウォーターソンは離れる。
右の関節蹴りでロドリゲスに尻餅を着かせるウォーターソン! 右のダブルで圧力をかけるロドリゲスに、右サイドキック。左ヒザを突きながら前進するロドリゲス。ウォーターソンも右ローを蹴りながら右ストレート狙い。左右で圧力をかけなおすロドリゲスにウォーターソンは右ローを返す。首相撲ヒザ&ヒジを打つロドリゲス。右にサークリングするウォーターソン。ここまではロドリゲスペース。
4R、左ミドルを当てるウォーターソン。ロドリゲスも右ミドルを上下に打ち分ける。その刹那、組んで右で差して小外がけでテイクダウンはウォーターソン! 苦しいラウンドにテイクダウンを奪ったウォーターソンはハーフから寝かせて腰を抱いてパウンド。ロドリゲスはバックを見せずに凌ぐが、ウォーターソンは左のパウンド。左手を掴むロドリゲスはストレートアームバー狙いも、手を外すウォーターソンはパウンド、ヒジ! ブザーにこのラウンドはフィニッシュされないことを優先したロドリゲスはすくっと立ち上がる。
5R、最終ラウンドに笑顔を見せるウォーターソン。グローブタッチ。右ジャブ、左ストレートを見せる。さらに左ミドルもヒット。ロドリゲスは半身のウォーターソンの肩にハイキック。右から左ハイを狙うウォーターソン。サイドキックにロドリゲスの動きが一瞬止まる。右を伸ばすロドリゲスはテイクダウンを警戒。
足を触りに行くが、ここは切るロドリゲス。詰めるロドリゲスに金網背にするウォーターソンはまたもヒザを触るが追えず。左ミドルを当ててからテイクダウンに入るが切るロドリゲス。ウォーターソンの左の打ち終わりに右を振るロドリゲス。詰めて首相撲ヒザ、左ハイまで繋ぐ。サークリングするウォーターソンだが防戦に。
粘り強い戦いを見せたウォーターソンは、ブザーにプレッシャーから解放されたか声を挙げる。ロドリゲスも「グッドジョブ」と応える。判定は3-0(48-47, 49-46×2)でロドリゲスが勝利。1月のアマンダ・ヒバス戦に続く勝利で、MMA戦績を14勝1敗2分けとした。2020年9月にヒルにスプリット判定勝ちしていたウォーターソンは連勝ならず。18勝9敗となっている。
試合後の公式インタビューでロドリゲスは、対戦相手のウォーターソンについて「素晴らしい相手に勝てて嬉しい。相手にテイクダウンを取られる場面もあったけど、最初の3ラウンドは自分が勝ったと確信していたので、焦らず守備的な試合を心がけた。ミシェルは思った以上にタフだったわ」と讃えると、「良いパフォーマンスができたとは思う。決して簡単な試合にはならないと思っていたので、しっかり精神的にも準備する必要があった。ノックアウトで勝ちたかったのはあるけれど、試合内容に関しては満足している」と試合を振り返った。
「次はトップランクの選手と試合がしたい」と最後に語ったロドリゲス。ストロー級ではロドリゲスより上位には王者のナマユナス、1位のウェイリー、2位のイェンジェイチック、3位のシャオナン、4位のエスパルザ、5位のダーンが待っている。
[nextpage]
【セミメインイベント】
▼ウェルター級 5分3R〇アレックス・モロノ(米国)170.5lbs/77.34kg[1R 4分40秒 TKO]×ドナルド・セラーニ(米国)170lbs/77.11kg
ライト級で15位のセラーニ、ウェルター級で3戦目。
セラーニは、トニー・ファーガソン、ジャスティン・ゲイジー、コナー・マクレガー、アンソニー・ペティスという強豪相手に4連敗。2020年9月の前戦ではニコ・プライス相手に苦戦の末のドロー(※プライスのマリファナ陽性によりノーコンテストに)。当初はディエゴ・サンチェスの引退試合の相手を務める予定も、サンチェス陣営のトラブルにより、サンチェスがリリース。
代役として緊急出場のモロノはUFC戦績は7勝4敗1分け。2020年12月の前戦はアンソニー・ペティスと対戦し、判定負け。今回のスクランブル参戦にも「欠場者を待っていた」と気合十分でレジェンド狩りに臨む。
1R、いきなり右を振っていったモロノに、組み付くセラーニ。モロノは離れ際に右アッパー、さらに右ハイも。ガードするセラーニに積極的に左右を振る。
ワンツーの右を届かせるモロノ。セラーニは左ミドルを当てて組むが、こかすのはモロノ! 深追いせずスタンド勝負を望む。左右の蹴りを下段に打つセラーニだが、モロノの右フックにバランスを崩す。
さらに右ストレートに鼻を赤くするセラーニ。セラーニの右の打ち終わりにモロノはさらに右をスイング! 組みに来たセラーニに首相撲ヒザも! 後退するセラーニに左右を打ち込み、レフェリーが間に入った。
「1週間前に仕上げた」というモロノが1R 4分40秒、TKO勝ち。2年間勝ち星が無いセラーニは5敗1分、厳しい結果となった。
◆アレックス・モロノ「コナー以外ではカウボーイがUFCで一番認知度の高いファイター。勝てるなんて最高だ」「ボクシングやキックボクシングで、文字通り自分の手を動かしてノックアウトするのは気持ちがいい。永遠の目標ってところだね。これまで何度も試合をしてきたけど、あと一歩のところで相手を落としきれなかったり、打ちきれなかったりしたことがある。スタンディングでのフィニッシュはなかなかできなかった。今日は尊敬してやまないファイターを相手に、ロースターにいるほとんどの人がなし得ていないフィニッシュを決められた。目標達成さ。本当に満足している。カウボーイは象徴的な存在だ。最高だし、試合も最高だった。
光栄に思う。フィニッシュしたかったけど、そういうときはいろんなことがワイルドになる。MMAではパンチがどこに当たるかという点で運命的なものがあって、パンチが避けられることもあれば、射程距離がわずかにずれてしまうこともある。とにかく良いショットを打ちたかった。右のパンチを当てて相手がよろけたんだけど、少し落ち着いたところに右フックの強打を当てていった。クリンチアッパーの練習をしていたからそれを生かしたのさ。俺はもうわりと長くUFCにいる。格闘家というライフスタイルを全うするためにここにいる。もちろん、今回の勝利は自分にとって大きい。コナー以外ではカウボーイがUFCで一番認知度の高いファイターだと思う。彼と戦えるなんて、しかも勝てるなんて最高だ」
[nextpage]
【メインカード】
▼ウェルター級 5分3R〇ニール・マグニー(米国)170.5lbs/77.34kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×ジェフ・ニール(米国)171lbs/77.56kg
ウェルター級9位のマグニーと、10位のニールの対戦。
1R、サウスポー構えのニール。オーソドックス構えのマグニー。右で差して組むのはノール。右ヒザを突くマグニー、ニールは離れて左ストレートを打ち込む。前蹴りで突き放すマグニーだが、ニールは左ストレートをガード上に突く。組んで離れ際の打撃を狙うニール。
右から左ストレートに繋ぐニール。マグニーも声を挙げながらワンツーから右ハイをガード上に叩く。組んで左脇を潜ったマグニーはスタンドバックから左足をかけてパウンド。すぐに立ち上がるニールが圧力をかける。左右の前蹴りはマグニー。両脇を差すニールを顔を押して離れる。
2R、右ジャブのダブルで前に出るニール。互いに順番に打ち返しのなか、右ストレート、右ミドルはマグニー。左を掻い潜り、脇を潜りテイクダウンはニール。ここも深追いせずパンチを打ち込み離れる。次はマグニーがタックルへ。切るニールは離れる。ワンツーの左で攻めるニールに、シングルレッグに入るマグニーは左足を両足に挟んで着地させるとバックテイクへ。
しかし正対するニールがおっつけて離れる。ワンツーローのマグニー。右で差すニールも攻撃できず。終了間際、押し込み右ヒジを振ると、左ストレートを最後に入れる。
3R、先に左ジャブで中央を取るマグニー。押し戻すニールに右の蹴りで突き放すマグニーは手数も多い。右ジャブを上下に突く。ダブルレッグの動きも織り交ぜる。ワンツーから組むのはニール。首相撲から突き放すマグニーは左ジャブを連打。手詰まりになったニールにマグニーはダブルレッグから左で差してテイクダウン! すぐに立ち上がるニール。マグニーの組みを切るが、動きが鈍る。
頭が下がりがちになるニールを首相撲にとらえるマグニー。ニールは金網に詰めると左ストレートを振るが単発。最後はマグニーがケージ背にしながらもテンカオ、前蹴り、右ストレートを打ってブザー。判定は3-0で中盤以降を制したマグニーが勝利。ウェルター級で18勝目をマークし、MMA戦績を25勝8敗とした。マグニーは2021年1月の前戦マイケル・キエーサ戦の判定負けから再起を果たした。ニールは2020年12月のステフェン・トンプソン戦の判定負けに続く2連敗となった。
◆マグニー「ビセンテ・ルーケが自分を試すには最適な相手かもしれない」「最高の試合だった。ジェフ・ニールは間違いなくタフな対戦相手だよ。あいつがトップ10にランキングされているのには理由があるってことだ。バランスの取れたファイターだし、パワーもある。ああいうヤツを相手に勝利できて本当によかった。最高だよ。今回の試合はトレーニングに満足できなかったことが大きな役割を果たしたと思う。試合の行方を見守ることもできたけれど、自分が率先して主導権を握りにいった結果が勝利につながったと思っている。
一番、調整が必要だったのは相手の攻撃的なレスリングへの対応だ。向こうが打ってくることもクリンチを仕掛けてくることも予想していなかった。自分がアンダードッグなのは分かっていたけど、自分の力を発揮して、疑い深い人たちが間違っていることを証明するときだと思ったんだ。ひとつの山を越えればまた別の山が来る。ジェフ・ニールは確かに大きな山だったけど、それが最終ゴールじゃない。自分が目指すところにたどり着くためには、まだまだやるべきことがたくさんある。すぐに戻って改善し、この階級のトップに立てるようにがんばる。次の相手はきっとトップ10の誰かだろうね。ビセンテ・ルーケがいい感じに連勝を重ねているよね。トップ5に近いところにいるし、自分を試すには最適な相手かもしれない。家に帰って息子を抱っこするのが待ち遠しい。家族で過ごす初めての母の日だからね。妻と息子と一緒にお祝いできるなんて楽しみでしょうがないよ」
[nextpage]
▼ヘビー級 5分3R〇マルコス・ホジェリオ・デ・リマ(ブラジル)264.5lbs/119.98kg[判定3-0] ※30-26×2, 30-27×モーリス・グリーン(米国)247lbs/112.04kg
1R、先に打って組んで行くリマ。左で差して崩すとグリーンは引き込み気味に下に。リマはガードの中から押し込んでパウンドする。2Rもテイクダウンはリマ。そのまま上から削る。
3R、左ミドルを打ち始めたグリーン。アイポークで中断、再会。左ストレートを打つグリーン。しかしカウンターでボディロックするリマがテイクダウン。ブリッジ狙うグリーンをノースサウスで固めるリマ。
ケージを蹴ってハーフに戻すグリーンだが立ち上がれず。試合は判定3-0(30-26×2、30-27)でリマが圧勝した。2020年11月前戦のアレクサンダー・ロマノフ戦での一本負けから再起を果たした。
◆リマ「グラウンド&パウンド能力を披露するチャンスだった」「本当に嬉しい。また勝利街道に戻れて神に感謝している。自分のレスリング、柔術、コントロールやグラウンド&パウンドの能力を披露するチャンスだった。みんなは俺をただのストライカーだと言うかもしれないけれど、俺にもそういうスキルはある。間違いなく戦略がものを言った。テイクダウンのチャンスを見つけて、グラウンド&パウンドに持ち込み、試合に応じて対処しないといけなかった。すぐにでも戦いたい。家族や子供たちと過ごすために少し休みを取るつもりだけど、数週間後にはトレーニングに復帰する。UFCが用意してくれた試合なら何でも受けるよ」
[nextpage]
▼ライト級 5分3R〇グレゴール・ガレスピー(米国)156lbs/70.76kg[2R 4分51秒 TKO] ※パウンド×ディエゴ・フェレイラ(ブラジル)160.5lbs/72.80kg※※フェレイラは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のガレスピーに報奨金の30%を支払う
ライト級12位のフェレイラと、14位のガレスピーの対戦。
1R、シングルレッグのガレスピーに、ヒザ十字、アンクルを狙うフェレイラ。離れるガレスピーはシングルレッグを切られるもさらにダブルレッグ、シングルレッグに移行。切るフェレイラはオモプラッタ。
上になるガレスピーはマウントを奪いかけるが、脇差し立とうとするフェレイラ。小手に巻くガレスピー。離れる両者にすぐにダブルレッグでアタックするガレスピー。しかし、バックに回るフェレイラは上からヒジ。
2R、ジャブを突きながらシングルレッグに入るガレスピー。足を抜くフェレイラに、なおもシングルレッグに入ると踵を上げてテイクダウン。しかしスクランブルするフェレイラはキムラ狙いからバックへ。落として際で上を取るガレスピー。下からキムラクラッチを組むフェレイラを外して削りに。
背中を着くフェレイラは下から腕十字狙いも外すガレスピーはバックに。前転するフェレイラについていくガレスピー。動きが落ちたフェレイラはスクランブルも最後にバックを奪うのはガレスピー! ニアマウントを奪いパウンド。フェレイラの仕掛けを潰して完全マウントを奪い、背後からヒジ打ち!
レスリングvs.柔術で1Rにバックも奪われたガレスピーだが、フェレイラを根負けさせ、2R残り10秒内で試合を決めた。2019年11月にケヴィン・リーにKO負けしたガレスピーだが、復活の勝利でMMA14勝1敗とした。フェレイラは2月のベニール・ダリウシュ戦のスプリット判定負けに続き2連敗。
◆ガレスピー「俺がリーとの試合をきっかけに引退したと思ったファンもいただろう」「決して楽な試合ではなかった。何人かに試合後、“疲れているように見えた”と言われたけど、それは身体的な不準備からきた疲れではなく、試合のテンポが早かったのが理由だと思う。相手もペースを崩すことなく攻めてきた。相手のペースを崩そうと俺もトライしたんだけど、その結果、1R終了後の疲労はものすごかった。1Rでは相手に良いポジションを与えてしまい、パンンチも食らってしまった。改善点は多くあったと思うけど、勝利したのは事実だ。勝利した後に泣いたことは今までないけれど、今日の試合は特別にタフだったこともあって感情が表に出たのだと思う。2年以上試合に勝ててなかったことも理由としてあるだろう。俺がリーとの試合をきっかけに引退したと思ったファンもいただろう。今日は何とか良い試合ができるように祈っていた」
[nextpage]
▼ミドル級 5分3R〇フィリップ・ハウズ(米国)186lbs/84.37kg[判定3-0] ※30-26×2, 29027×カイル・ドーカス(米国)186lbs/84.37kg
1R、サウスポー構えドーカス。オーソドックス構えのハウズはダブルレッグテイクダウン。ハーフガードのドーカスは左で脇を差してスイープ。フルガードに戻すハウズは後転して立とうとするがバック狙うドーカス。強引に立ち上がるハウズ。なおもダブルレッグはドーカス。ここは差し上げるハウズが離れ際に左を打つ。
2R、左を当てて組むドーカス。四つから投げも腰の強いハウズが潰してスタンドバックに。正対するドーカス。離れるドーカスは打撃勝負に。右ボディストレートを打つハウズは右オーバーハンドも。ハウズのヒザ蹴りがローブローに。再開。左ボディ、右フックの対角線攻撃のハウズ。身体がくの字になるドーカス。さらに右ミドルも。
3R、詰めて左から右はハウズ。さらにダブルレッグテイクダウン。ギロチンを合わせに行くドーカスだが、首を抜くハウズにドーカスはクローズドガードに。左で枕に巻き背中を着かせて片足を抜くハウズは右手でパウンド。溜まらず亀になるもパウンドにハーフガードにするドーカスはフルガードに戻すもブザー。
判定は3-0でハウズが勝利。7連勝で戦績を11勝2敗とした。
◆ハウズ「イジー(イズラエル・アデサニヤ)戦の準備はできているつもり」「もっとうまくやれたはずだ。ノックアウトを狙って気合いを入れすぎたせいで自分のショットをダメにしてしまったんだと思う。2Rと3Rは調整してジャブを打つようにした。カイル・ドーカスのような相手に勝てたことは本当にうれしい。彼は1敗しかしていないし、すごい相手だった。俺には2R目を乗り切れられないと言う人がいたけどね。嬉しいけど、まだ改善しないといけないところがある。試合前の誇大広告は気にしていない。ああいう人たちはただ話しているだけ。2Rで俺をフィニッシュすると言っていた。彼のコーナーが俺の悪口を言っているのが目に浮かんだけど、追い詰めたのは俺だ。敗北とともに帰るのは向こうだし、俺はそれに満足している。
何度か18秒のノックアウトを経験して、どの試合も18秒のノックアウトになるんじゃないかと思い始めていたんだけど、ここ3試合はすべて3ラウンドにもつれ込んだ。自分としては、どうしたもんかと。でも、ここ居られることはラッキーだと思っている。勝利できたことも、こういう知識を得られたことも神に感謝している。イジー(イズラエル・アデサニヤ)戦の準備はできているつもりだ。あとは待つだけ。これまでは友だちみたいな関係だったのに、向こうがインスタグラムのフォローを外してきた。つらかった。その傷を癒やさないと。ジムに戻ってイジー戦に備える。休みはない。すべてをかけて世界王者になりたい」
[nextpage]
【プレリム】
▼フェザー級 5分3R〇マイケル・トリザーノ(米国)146lbs/66.22kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×ルドビト・クライン(スロヴァキア)146lbs/66.22kg
◆トリザーノ「誰の人生にも問題は起きる。どう乗り越えるかだ」「最高だね。基本的に常に自分には厳しいつもり。もっとやれたはず。あとちょっとで仕留められそうだったんだけどね。自分にとっては学びの経験だ。タフな相手と戦いたい。今回の相手は連勝中だったし、期待されていたのは間違いない。そういう相手を望んでいた。アンダードッグでいたいんだ。それが自分のモチベーションになるし、どん欲さにもつながる。楽に勝てるような相手ではないということを示したい。
大変だった。ヒザの手術を2回受けて、足首もひどいケガだったし、COVID(新型コロナウイルス)は誰にとっても大問題。次から次へと問題がやってくる感じだ。誰の人生にも問題は起きる。どう乗り越えるかだ。ノックダウンされても、すぐに立ち上がらないといけない。俺はそれを実行している。それが報われた。前回の試合からずっと自分のダメなところに取り組んできた。ジャブは生きていたと思うけど、コーチたちがもっといけと叫んでいたし、戻ったらまた一から出直さいないと。もっと大きなコンビネーションをまとめられたら撃破できたはずだからね」
[nextpage]
▼ミドル級 5分3R〇パク・ジョンヨン(韓国)186lbs/84.37kg[判定3-0] ※30-25, 29-26, 28-28×テフォン・チュクウィ(カメルーン)186lbs/84.37kg
◆ジョンヨン「28-28のスコアは説得力がないと思う」「パフォーマンスにはとても満足している。自分にできる70%か80%は出せたと思う。関節技を仕掛けるチャンスは2回あったけど、そのチャンスを逃してしまった。だから今回の試合はA+をつけられない。自分が間違いなく3つのラウンドとも取ったと思っていた。10-8で勝っていると思ったし、相手はローブローのせいで1ポイントの減点があった。28-28のスコアは説得力がないと思う。あれでちょっと不安になった。できるだけ戦っていきたい。ただ、自分は誰かを指名できるような立場にいるとは思っていない。UFCが用意してくれる試合なら誰が相手でも受けるつもりだ」
[nextpage]
▼ウェルター級 5分3R〇カールストン・ハリス(ガイアナ)170.5lbs/77.34kg[1R 2分52秒 アナコンダチョーク]×クリスチャン・アギレラ(米国)170.5lbs/77.34kg
ボディロックからスタンドバックに回るハリスに、正対し両脇を差すアギレラ。詰めるアギレラに左の蹴りはハリス。組むハリスに左を差すのはアギレラ。離れると左フックを当てたハリスが前に。低いダブルレッグテイクダウンを両足を広げてスプロールするハリスはアナコンダチョークへ。アギレラが失神。
ルタリーブリ出身、マーシオ・クロマドを師匠に持つハリスは修斗ブラジルからUAEウォーリアーズを経て、UFCデビュー戦も一本勝ち。4連続フィニッシュ勝利となった。
◆ハリス「戦うために必要なものは持っている」「最高の気分だよ。この瞬間を待つために、人生を賭けてジムで必死に頑張ってきたんだからね。右のフックで相手をとらえ、向こうは俺のパンチを味わっていたと思う。テイクダウンを狙ってきたけど、こっちの好きなポジションになったから、アナコンダチョークを仕掛けたんだ。最高のチャンスをもらったから、それを生かした。今回のファイトキャンプに全集中してきた。こういうファイターたちと戦うために必要なものは持っている。実力を示すチャンスを待っていただけ。今は夢中になっているけど、家に戻ったらジムに行ってもっとうまくなるよ」
【中止】
▼女子ストロー級 5分3Rアマンダ・ヒバス(115.5lbs/52.39kg)アンジェラ・ヒル(116lbs/52.62kg)※ヒバスに新型コロナウイルスの陽性反応で直前に試合中止に。
▼ヘビー級 5分3Rベン・ロズウェル(264.5lbs/119.98kg)フィリペ・リンス(N/A)※※リンスが医学的観点から試合出場にゴーサインが出ず。試合中止に。
▼フライ級 5分3Rライアン・ブノワ(129lbs/58.51kg)※ザルーク・アダーシェフ(125.5lbs/56.93kg)※ブノワが規定体重をオーバー。体重管理に問題があったため、アダーシェフとの試合は中止に。