K-1 WORLD MAX 20242024年9月29日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館
▼第18試合 K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R〇金子晃大(K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)KO 2R 0分26秒 ※右ローキック×大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/Krushフライ級王者)※金子がトーナメント優勝。
「K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント」決勝戦は、準決勝で玖村将史を破る大番狂わせを起こした大久保と、璃明武に辛くも勝利した金子で争われた。
1R、ジャブを出しながら前へ出る金子に大久保は左ミドル、右ハイを蹴る。見合いが続く。じりじりと近付く金子をジャブ、ハイキックで入らせない大久保。ひりひりとした静かなる攻防が続く。
2R、ジャブで金子を迎え撃つ大久保に金子は右ボディストレート。左ハイ、左ミドルを蹴り返した大久保だが、結末は突然訪れた。金子が右ローキックを蹴ると、大久保はその場で転倒。ダウンとなり、立ち上がることが出来ず、金子がKOでトーナメントを制覇した。
ニッコリと笑顔を見せる金子はお馴染みのピースサイン。マイクを持つと「いろいろ格闘技関係者だったり、ファンの皆さんに本当に迷惑をかけて本当に申し訳なかったと思って」と言うと涙。
続けて「確かに周りの人から見たらよくないことだと思うんですけれど、僕の中では格闘技に対して見られ方というか、見てる人からすれば理解できないかもしれないですけれど格闘技に対して裏切ったつもりはなくて。言っても分からないと思うので、僕の中ではそこと向き合おうと思っています。
ただ僕は今回のことで見ている人からしたら落ちて行ったと言うか、僕が落ちて行った時に結果を出せなかったら、見てる人は人間1回落ちたら終わりなんだなと思っちゃうし、僕はこのトーナメントに命を懸けて戦って勝つことで人間誰でもどんな人間でも戦う時があると思うので、そんな時に僕の今回のこと、僕に責任があるんですけれど、そこで戦うってこと、つらいことがあった時に思い出してくれれば。
それを見てる人に与えたくて本当は辞退しようと思ったんですが、それを届けたくて頑張ることが出来ました。このおかげで高められと思うのでありがとうございました。これからも僕は僕っていうリアルを戦って見せていくので、見てる人に役に立てればいいかなと思います」と語った。
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▼第17試合 第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R〇ヨードクンポン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/TOPKING WORLDSERIES -70kg王者)判定2-0 ※30-29×2、30-30×稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン/第9代Krushスーパー・ライト級王者)
「第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント」の決勝戦は、2試合連続KOで勝ち上がってきたヨードクンポンと、1回戦はKO勝ち、準決勝は判定勝ちで勝ち上がってきた稲垣で争われた。
1R、ヨードクンポンは1回戦・準決勝とスタイルを変えて右ミドル中心のムエタイらしい戦い方に。稲垣が接近してくるとボディへ飛びヒザを打つ。稲垣はヨードクンポンをロープへ押し付けるようにするが、ヨードクンポンも逆にプッシュして後ろ蹴りを放つ。稲垣がワンツーから左ヒザ、ヨードクンポンは右ミドルを返す。
2R、ここでヨードクンポンが必殺の左フックを叩き込む。稲垣は左ハイもヨードクンポンがつかんでしまい注意を受ける。ジャブで入り込もうとする稲垣にヨードクンポンは左フック、稲垣はヒザ。右ミドルを蹴っていくヨードクンポンに稲垣も左ハイを蹴る。右ストレートで突っ込んだヨードクンポンが右フック。ラウンドが終了するとヨードクンポンは笑顔で両手を上げる。
3R、ジャブから前へ出る稲垣だが、ヨードクンポンは右ミドルを蹴る。稲垣が飛びヒザ蹴りを放ち、パンチをまとめるがヨードクンポンも負けじと打ち合う。右ストレートから前へ出てヒザにつなぐヨードクンポンだが、つかみで注意を受ける。稲垣は左ボディもヨードクンポンは右フック。稲垣が左を出したところ右を合わせるヨードクンポン。さらに右ミドルを蹴るヨードクンポン。残り僅かで稲垣が打ち合いに行くが、ヨードクンポンも退かずに打ち合う。
ほぼ互角の展開だったが、判定2-0でヨードクンポンが勝利。セコンドと抱き合って喜んだ。新王者のヨードクンポンは、「日本で初めてでしたが、応援してありがとうございました。今回、このリングに立つチャンスをもらってありがとうございました。KOで勝てることを目指してやってきました。ブアカーオ、ゲーオ、ゴンナパーに並んでチャンピオンになれてよかったです。支えてくれたウィラサクレック・フェアテックスジム、ありがとうございました」とコメントした。
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▼第16試合 K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇リュウ・ツァー(唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP/王者)判定2-0 ※30-28、29-29、30-29×マハムード・サッタリ(TEAM OTA/挑戦者)※ツァーが初防衛に成功。
ツァーは散打の強豪にして中国キックボクシング界のニュースター。中国・武林風の推薦選手として2023年9月の「K-130周年記念無差別級トーナメント」に参戦すると、全試合KO決着で優勝を果たした。12月には本来の階級であるクルーザー級で谷川聖哉を初回KO。2024年3月、シナ・カリミアンを3RでKOして王座を奪取し、今回が初防衛戦となる。戦績は11勝(9KO)1敗。
サッタリは2020年10月のKrushに初参戦、2021年7月の第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメントを圧倒的な強さで制して王座に就いた。2022年4月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント」では最軽量(85.20kg)にも関わらずK-JeeをKO、京太郎に判定勝ち、谷川をKOして優勝。無敗の快進撃を続けていたが、2022年12月にステファン・ラテスクにKO負けで初黒星。2023年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」では1回戦でクラウディオ・イストラテに初回KOで敗れた。戦績は20勝(12KO)2敗。
1R、飛び込んでの左フックを繰り出したサッタリに場内からどよめきが起こる。ツァーはじわじわと前へ出ていき、いきなりヒザを突き上げる。離れ際には右ストレート。ツァーのジャブをもらってしまうサッタリ。ツァーはペースダウンしてきたサッタリのボディを叩く。ツァーの右ストレートにはサッタリが左ミドル。
2R、ジャブ、右ストレートで前へ出ていくツァー。右ストレートを直撃させる。サッタリは左インロー、右ミドルを返すが動きが鈍い。そこへツァーが左右ボディ。蹴るサッタリだがコーナーへ詰まってツァーの左右ボディを受けると身体をまとめる。サッタリは左ミドル、左ハイ、やっと左フックを打つが明らかに押された。
3R、観客を煽るサッタリ。左ハイを蹴るツァーに右カーフを蹴る。右カーフから左フックを打つサッタリ、ツァーの右ストレート、ジャブをかわしてフックと蹴りにつなげる。左ローをどんどん蹴っていくサッタリだが、ツァーは変わらず前へ出ていく。それを左右フック、左ローで迎え撃つサッタリ。ツァーが右ストレート、サッタリが右フックを当てたところで試合終了。
判定は2-0でツァーが初防衛に成功。ツァーは「今回K-1のリングで戦えて防衛で来て嬉しいです。ただ、今日は十分なパフォーマンスを発揮できませんでした。もっと自分主導で攻撃すればKO出来たと思います。でも防衛できたことは嬉しく思います。皆さんにご報告があります。私の師匠であるウェイ・ルイ先生に第二子が生まれました。おめでとうございます。最後にK-1のリング、応援してくれた日本と中国のファンにお礼を言いたいです。これからもK-1のリングで活躍するので応援してください」と語った。
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▼第15試合 K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R×軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/王者)延長R 判定0-3 ※9-10×3〇寺田 匠(team VASILEUS/挑戦者)※寺田が新王座に就く。軍司は2度目の防衛に失敗。本戦の判定は30-30、30-29、29-30。
軍司はK-1アマチュア優勝を経て2015年2月にプロデビュー。2016年にK-1甲子園優勝を果たし、2017年9月にはKrushバンタム級王座を獲得(第2代)。2021年12月に椿原龍矢の持つK-1 WORLD GPフェザー級王座に挑戦し、第5代王座に就いた。2022年8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」で優勝。2023年3月にはムエタイのトップ選手ヴューを判定に破り、初防衛に成功した。前戦は3月にRISEフェザー級王者・門口佳佑に延長戦の末に判定勝ちで13連勝を達成。戦績は25勝(6KO)5敗1分。
寺田は幼少期から様々な格闘技を学び、地元・九州のアマチュア大会でキャリアを積んでABEMAの番組企画『格闘代理戦争』に出演。2020年4月にプロデビューすると6戦無敗の快進撃を続けていたが、2023年6月の元Krushフェザー級王者・新美貴士との試合で初黒星。11月にはイタリアの『OKTAGON』でISKA世界スーパーフェザー級王座を奪取、2024年2月は『RIZIN LANDMARK 8 in SAGA』で冨永武聖から1RでTKO勝ちを奪うと、7月に挑戦者の最有力候補だった兼田将暉を判定で破った。戦績は9勝(4KO)1敗。
1R、軍司はステップを踏み、ジャブを打つと寺田が左フックを返す。互いに相手の前足へカーフキック。寺田が左ミドルを蹴るとしっかりと右ローを返す軍司。ステップを踏んで下がった軍司は左ボディの3連発、寺田が打ってくると左ボディから左フックを打つ。寺田も負けじと左右フックで前へ出る。
2R、ジャブを出しながら前へ出る軍司。ジャブ。右カーフを蹴る寺田が左右フックで軍司にロープを背負わせるが、軍司も右フック、右ボディストレートで反撃。寺田が前へ出て攻め込む場面が目立った。
3R、寺田の右カーフに軍司がワンツー、寺田の右カーフ一発に軍司が連打をまとめて打つ。動きが止まった寺田に軍司はジャブ、右ストレート、飛びヒザ。寺田が右カーフを蹴ると右ストレートを合わせる。ロープを背負った寺田に軍司が左右フックと左ボディ、寺田も負けじとフックを打ち返す。ラストは打ち合い、軍司がステップで動きながらパンチを当てていった。
判定は三者三様のドローで延長戦に。寺田は武尊の檄を受けてコーナーを出る。寺田のカーフで軍司が転倒。ステップで動く軍司は寺田が前へ来たところに左右フックを見舞うが、寺戸のカーフで大きくバランスを崩す。軍司はヒザで勝負をかけるが、寺田は左フックで反撃。軍司も左フックを返す。ワンツーを吊って離れるを繰り返す軍司。寺田はそれを追えない。ワンツーを当てていく軍司に寺田も打ち返すが、軍司はステップでかわす。それでも右カーフを蹴って攻め込んでいく寺田。軍司も必死の反撃。
判定は3-0で寺田の勝利に。セコンドの武尊も大喜びだ。
ベルトを巻いた寺田は「自分は3歳から空手を始めてそこから格闘技しかなくて高校行けなかったり格闘技しかできなくて。今たくさんの人たちに迷惑かけてきました。でもこうやって勝てて今こうやってベルトを撮って形にすることが出来て。今まで僕に関わってくれた全ての人たちに感謝したいです。team VASILEUSになって僕だけベルトを持ってなくて練習の時とか凄いみんな強いから、気持ち的に全然置いていかれたらどうしようって毎日思っていて。でもベルトを撮ってteam VASILEUSは最強なんだと証明できたと思います。これからもteam VASILEUS最強を目指して頑張っていくのでよろしくお願いします」とマイクで語った。
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▼第14試合 スーパーファイト -63kg契約 3分3R延長1R〇与座優貴(team VASILEUS/K-1 WORLD GPライト級王者)KO 3R 1分15秒 ※3ノックダウン×ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ/Petchyindee Academy/元ONEキックボクシング世界フライ級王者)
与座は2017年極真会館第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級優勝の実績を持つ空手家で、2019年3月にキックボクシングに転向。7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2020年2月の鈴木千裕戦で初黒星。2021年12月にKrush初参戦を果たすと豪快KO勝ち、2022年2月のK-1ではいきなり当時のライト級王者・朝久泰央と対戦すると、延長戦で勝利する番狂わせを起こした。2023年3月の朝久との再戦でも勝利し、第6代K-1 WORLD GPライト級王座を奪取。
2024年3月にはRISEのリングでRISEライト級王者・中村寛と対戦し、負傷判定での勝利。7月にゴンナパー・ウィラサクレックと対戦すると、1Rで3度ダウンを奪う圧勝でインパクトを残した。戦績は18勝(8KO)2敗。
ペッダムは元WBCムエタイ世界フェザー級王者(2018年)、元True4Uライト級王者(2020年)、元ルンピニースタジアム認定バンタム級王者(2015年)で、2017年のトヨタカップではムエマラソントーナメント・フェザー級で優勝。2022年にはラジャダムナンスタジアムのファイト・オブ・ザ・イヤーにも選ばれている。
2018年からONE Championshipに参戦し、ジョシュ・トナー、工藤政英らをKOし、2019年5月にエリアス・マムーディにテクニカル判定で勝利してONEキックボクシング世界フライ級王座を獲得。8月のイリアス・エナッシとの初防衛戦で敗れ王座は失った。2020年1月にMOMOTAROを首相撲&ヒザ蹴りで削っての判定勝ち。7月にはロッタン・ジットムアンノンが持つONEムエタイ世界フライ級王座に挑戦も判定2-0で惜敗した。2021年11月、内藤大樹に敗れた試合がONEでの最後の試合となった。その後は主にRWSで戦っている。最新の試合は2024年1月、武林風でジャン・ランペイに判定負け。戦績は104勝(23KO)22敗9分。身長167cm。25歳。サウスポー。
1R、前に出る与座が与座キック、サウスポーのペッダムは左ミドルを蹴るが、すぐに与座がカーフやローを蹴り返す。左ローを蹴る与座は下がったペッダムに左ミドル。ペッダムも強い左ミドルを蹴るがすぐに与座がローを蹴り返す。与座の左ローに足を上げ始めるペッダム。与座は三日月蹴り、後ろ蹴りを放つがペッダムはスネブロック。
2R、ペッダムはジャブを突いて下がり、左ミドル。与座はすぐに左ローを蹴り返す。ペッダムはガードの上からワンツーを叩きつけ、左ボディを打つ。さらにヒザ。与座も左ボディを返して左右フック、そして左ロー。この左ローにペッダムの足が流れ始める。
ジャブを突いてヒザを蹴るペッダムだが、与座の徹底した左カーフに押される。ワンツーから左ミドルのペッダムに、与座は左カーフ。右フックからの飛びヒザ蹴り。そして左ストレートへの左カーフでダウンを奪う。ワンツーからヒザで応戦するペッダムに与座は左ローと左カーフ。
3R、ペッダムは左ヒザで前へ出て左フック。ワンツーからヒザと前へ出るが、与座は後ろ蹴りから三日月蹴り。雑になるペッダムは左ストレートを空振り、後ろを向いて振り返るところに与座が左ハイキックでダウンを奪う。パンチとヒザで抵抗するペッダムだったが、与座が左カーフを2発蹴るとペッダムが寄りかかり、与座が突き放すと倒れてダウン。レフェリーが手を交差した。
与座が見事なKOで元ONE世界王者を撃退、セコンドに就いていた武尊と抱き合って勝利を喜んだ。今回もバンデージは巻かず素手でグローブを着けていた与座。「ペッダム選手久々に緊張感ある攻防が続いて、セコンドからお客さんを巻き込まないとダメだよと言われて、最後は壊しに行って最高の勝ち方が出来たと思います。自分はまだ通過点なのでもっと世界の強いヤツとやらせてください」とアピールした。
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K-1 WORLD GP第2代ライト級&初代スーパー・フェザー級王者の卜部功也(ALONZA ABLAZE)が6月8日に引退を発表、今大会で引退セレモニーを行った。
卜部は2009年3月にプロデビューし、K-1 WORLD MAX 2011 -63kg Japanトーナメントで準優勝。2015年1月にはトーナメントを制覇してK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級初代王座を獲得。2016年にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級世界最強決定トーナメント優勝、2018年3月にはK-1 WORLD GPライト級王座を奪取して2階級制覇を達成した。
高度なディフェンステクニックとカウンターテクニックを持ち、国内外の名だたる強豪を次々と撃破。長くトップに君臨していたが、2019年3月に後輩でもある林健太に敗れ、ライト級王座を奪われた。2019年7月に再起戦を行うもジュー・シュアイにまさかの初回55秒KO負け。引退をにおわす発言もしていたが、2020年9月に約1年2カ月ぶりに復帰し、2021年7月の大沢文也戦まで3連勝。2年8カ月ぶりに復帰した2024年3月、鈴木勇人に判定で敗れ、これが現役最後の試合となった。生涯戦績は52勝(13KO)11敗。
兄の卜部弘嵩、弟分の武尊、教え子の松谷綺、家族、そしてかつて拳を交えたウェイ・ルイから花束を受け取った卜部。
「15年間の現役生活、充実して刺激的な日々が送れました」と話し始めた卜部は自分の現役生活を振り返り、「中でもベルトを懸けた2度の兄弟対決は忘れられません」とした。
そして多くの人たちにお礼の言葉を述べると「引退後も選手たちとK-1のリングで戦っていきます。そして自分を育ててくれたK-1に恩返しできるように挑戦していきたいと思います。長い間、本当にありがとうございました」と語った。
最後に10カウントゴングを聞いて、卜部は現役生活に別れを告げた。
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▼第13試合 スーパーファイト -61.5kg契約 3分3R延長1R×村越優汰(湘南格闘クラブ/第2代K-1 WORLD GPフェザー級王者)判定0-3〇中島千博(POWER OF DREAM/第10代Krushスーパー・フェザー級王者)
村越は2011年4月にプロデビュー。2014年7月には第5代RISEバンタム級王座を獲得。同王座は2015年5月に那須川天心に奪われたが、2016年9月の再戦では那須川と判定2-0で敗れるも接戦を演じた。K-1には2017年12月から参戦し、2018年6月の第2代K-1フェザー級王座決定トーナメントで優勝して王座に就き、k-1とRISEの両方で王者となった。
2019年3月に卜部弘嵩の挑戦を退け初防衛に成功すると8月にスーパー・フェザー級転向のため王座を返上。11月には武尊に判定2-0で敗れるも武尊を苦しめた。2020年3月にレオナ・ペタスに敗れて連敗を喫したが、12月の両国大会で山本直樹からダウンを奪って再起。2021年3月には芦澤竜誠、9月には西元也史も判定で破っている。2022年4月の朝久裕貴戦でKO負けを喫し、怪我のため長期欠場で今回約2年ぶりの復帰戦となる。戦績は31勝(11KO)10敗。
中島は極真空手で2017年第34回全日本ウェイト制軽重量級優勝、2017年オールアメリカン大会無差別級3位、2018年USウェイト制軽重量級優勝などの実績を引っ提げてキックボクシングに転向。2019年5月にプロデビューし、2022年1月「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」を制して王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』では笠原友希に判定負けを喫したが、12月の初防衛戦では西元也史に判定勝ちも、2023年9月の2度目の防衛戦で髙橋直輝に敗れ王座を失った。怪我により今回が約1年ぶりの復帰戦となる。戦績は8勝(5KO)4敗。
1R、両ヒザにテーピングを巻いていない村越を見るのも久しぶりだ。前へ出るサウスポーの村越がパンチの3連打、中島は左ローと右ミドル、左ハイ。村越は得意の左ミドルと三日月よりも、前へ出てのパンチを繰り出した。
2R、両者かなり遠い距離。前蹴りを蹴り合う。村越は左ハイを空振りするとそのまま後ろ回し蹴りを出すが、中島はかわす。遠い距離から蹴りを当て合うテコンドーのような試合展開となる中、村越が入ってくると中島はヒザwお突き上げる。さらに横蹴り。村越が入ってくるところにパンチ、ヒザを合わせる中島。待ちの姿勢となった中島が村越の出鼻を挫く形のラウンドに。
3R、前に出る村越だが、大振りの右フックに中島に右ストレートを合わされてしゃがみこむようにダウン。中島は右ロー、右ミドル。村越は前へ出ると右フックを当てるが、中島は打ち合わずあくまでも蹴りの距離。左へ回り込む中島は追ってくる中島に顔面前蹴り。それでも村越は前へ出て左右ボディと顔面へ。中島は右ミドルからの右ストレートで迎え撃つが、村越がさらに反撃してフックを打つ。
判定は3-0で中島が勝利。復帰戦で勝利ならず村越は肩を落とした。
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▼第12試合 第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R延長1R〇稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン/第9代Krushスーパー・ライト級王者)判定3-0 ※30-28×2、30-27×トーマス・アギーレ(アルゼンチン/Dojo Serpiente/WGP Kickboxingスーパーライト級(-64.5kg)王者)※稲垣が決勝へ進出。
1R、アギーレが前へ出てくるところを右フックで迎え撃つサウスポーの稲垣。下がりながら右カーフも蹴る。右へ回り込む稲垣だが、アギーレが詰めてくると左へ回って左ローで転倒させる。アギーレの出鼻を挫く左ヒザ、ジャブ。稲垣はジャブを打って右へ回り込んでいく。前へ出るアギーレに稲垣がジャブ、アギーレは右ミドルを蹴る。
2R、始まってすぐに稲垣がアギーレの右ローに左フックからの右ストレートをヒットさせてダウンを奪う。立ち上がったアギーレが左右フックで猛反撃も稲垣は落ち着いて対処。アギーレの右フックをもらうとクリンチして止める。稲垣が左ボディ、左ミドル。稲垣は飛びヒザを見せると左右のボディ、アギーレも打ち返してくるがジャブで突き放す。
3R、アギーレが左右フックの連打、稲垣はクリンチで追撃を防ぐ。離れると稲垣が左ミドル、ジャブを打ってすぐに右へ回り込む。ジャブから左ボディストレートは稲垣。プッシュしてアギーレをのけ反らせた稲垣はヒザを突き上げる。アギーレはパンチで前へ出るが、稲垣はジャブ&右回りでそれを当てさせずクリンチに持ち込む。ラスト30秒、稲垣が左ストレートをカウンターで当て、左の三日月。さらに左ストレート、ジャブ。
判定3-0で稲垣が決勝へ進出した。
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▼第11試合 第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R延長1R×イオヌット・ポパ(ルーマニア/Team Super Pro Alin Balasa Sibiu/ISKAインターコンチネンタル・ライトウェルター級(-65kg)王者)KO 1R 1分13秒 ※左右フック連打〇ヨードクンポン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/TOPKING WORLDSERIES -70kg王者)※ヨードクンポンが決勝へ進出。 1Rが始まってすぐ、ヨードクンポンが右足を引っかけてバランスを崩しておいてからの左フックでダウンを奪う。立ち上がったポパに襲い掛かるヨードクンポンは左右フックから飛びヒザ蹴り。右ストレートから飛び込んで、ロープを背負ったポパに左右フックの連打。 ポパはガードするのが精一杯の回転力の速さでヨードクンポンが圧倒。最後は右フックでダウンさせ、ヨードクンポンが2連続KO勝ちで決勝へ進出した。
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▼第10試合 K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント準決勝(2) 3分3R延長1R×玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス)判定0-3 ※29-30×3〇大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER/Krushフライ級王者)※大久保が決勝へ進出。
玖村は2020年3月に当時プロ無敗だった金子晃大に初黒星をつけた。2022年2月、第3代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント決勝で金子と激しい打ち合いを繰り広げるも判定負け。6月の『THE MATCH 2022』ではRISEの志朗からダウンを奪う判定勝利。2023年3月にRISEの鈴木真彦から勝利。9月、金子の持つK-1スーパー・バンタム級王座に挑戦するも延長で判定負け。2024年7月のトーナメント一回戦ではアントニオ・オルデンを左フック一撃の衝撃KOを見せた。
大久保は、2022年6月の『THE MATCH 2022』で那須川天心の弟・龍心に勝利。9月は初代Krushフライ級王座決定トーナメントを制し、プロ4戦目にして王座に就いた。2023年6月、バンタム級ワンマッチでアマチュア時代のライバル・齊藤龍之介と対戦し延長判定で敗れてプロ初黒星を喫するも、10月に黒川瑛斗を判定で下して再起。2024年3月に壬生狼一輝から判定勝利。7月のトーナメント一回戦ではジャオ・ジェンドンを破り、3連勝を飾った。
1R、大久保はジャブと左右ロー、玖村はじりじりと近寄って急に入る左フック、左ボディ。大久保は下がりながらもヒザ、左ミドル。ジャブを打つ大久保に玖村は右ストレート。大久保が長いジャブを伸ばし、玖村が入ってくるとヒザ。玖村も左ミドルを蹴り、左フックを打つが大久保がガード。玖村の鋭いジャブに多くのアゴが上がる。玖村の右ストレートには大久保が右ストレートを返す。序盤は大久保の距離で進んでいたが、後半は玖村が距離を詰めた。
2R、大久保がジャブと左ミドル、玖村は左フックを返すが、大久保がプッシュで転倒させる。玖村が左の三日月。玖村が歩み寄ったところへ、大久保が突然放った至近距離での飛びヒザ蹴りに玖村の腰がガクッと落ちる。ラッシュする大久保だが玖村は打ちかして応戦。玖村の左ミドルに大久保も左ミドルを返す。前へ出る玖村が左フック、右ストレート、ジャブ。大久保も長いジャブを打つ。クリンチに来た大久保に玖村は右フックを連打。
3R、大久保がジャブと蹴りで距離を支配。玖村が右フックを放つと大久保が左を被せる。自分から攻めた時はクリンチに持ち込む大久保。ジャブ、ワンツーを打つ大久保は玖村が右を打ち返してくるとクリンチ。ここでホールディングで注意が与えられる。ジャブの相打ち。玖村は前へ出て左ミドル、ジャブ。大久保の長いリーチから放たれる右ストレート、左フック。大久保は右ミドルを蹴り、玖村はパンチを打とうとする。大久保は右ミドルで距離を取る。
判定は3-0で大久保。玖村は「えっ!」と大きなリアクションを見せたが、最後は大久保を笑顔で称えた。大久保が戦前の宣言通り、大番狂わせを起こして決勝へ進出した。
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▼第9試合 K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント準決勝(1) 3分3R延長1R〇金子晃大(K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)判定2-0 ※29-29、30-29×2×璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス/Krushスーパー・バンタム級王者)※金子が決勝へ進出。
金子は2022年2月にK-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントで黒田勇斗、璃明武、決勝で玖村将史を破りK-1王座戴冠。6月『THE MATCH 2022』ではRISEの鈴木真彦に惜敗も2023年9月に玖村将史との3度目の対戦で判定勝ちを収め、王座防衛に成功。2024年3月は、RISEのリングに乗り込み鈴木真彦を破り、リベンジを成し遂げた。7月のトーナメント一回戦でカン・メンホンを衝撃KOで下して準決勝進出を決めている。
璃明武は2021年8月に第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント準決勝で黒田勇斗、決勝で鬼山桃太朗を下して、同級王座に就いた。2022年2月に第3代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント準決勝で金子晃大に敗北。7月のトーナメント一回戦でアンジェロス・マルティノスに延長ラウンドでKO勝ちを収めた。
1R、両者慎重な出足の中、金子が左ミドルを2発、右カーフ。璃明武は右ヒザをいきなり突き上げるが金子はブロック。金子が右ロー。璃明武も右カーフからの右ハイを放つ。両者かなり慎重な中、璃明武の方が手数が少なかったか。
2R、金子が左ミドルを蹴り、じりじりと前へ出ていく。金子の右ミドルに璃明武は右ロー。左ミドルから入っていった金子に璃明武が左右フックを打つが、組みついた金子がヒザを突き刺す。璃明武がワンツーから左ハイキック、さらにパンチの連打。金子のパンチの距離になると璃明武がクリンチに持ち込む。璃明武は左ミドルで金子の右腕を蹴っていく。
3R、璃明武がワンツーから左ミドル、金子が打ち返そうとするとクリンチ。璃明武はホールディングで注意をとられる。璃明武がワンツーからクリンチ、離れると左ミドル、ヒザ。しかし、璃明武には警告。璃明武が左インロー、右ハイ。金子も強い左ミドルを蹴る。残り20秒を切ったところで璃明武にイエローカードが提示され、痛い減点1。最後、璃明武が蹴りで攻めていった。
判定は2-0で金子の勝利。減点がなければドローという結果だった。
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▼第8試合 K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R×池田幸司(ReBORN経堂)KO 1R 2分31秒 ※2ノックダウン〇永坂吏羅(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
池田は幼稚園から始めた空手をバックボーンに持ち、アマチュアでは無敗を誇り、2019年にはK-1カレッジ優勝。同年10月にKrushでプロデビュー。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で黒田斗真にKO負けを喫したが、その後は連勝して2022年3月に壬生狼一輝を判定で破りKrushバンタム級王座に就いた。同王座は2度の防衛に成功。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝で石井一成に敗れて3位に。2023年12月にはRISEに殴り込み松下武蔵を判定で破ったが、2024年3月には花岡竜に敗れた。スーパー・バンタム級に階級を上げた7月、晃貴を2RでKOして再起。戦績は14勝(8KO)5敗。
永坂は全日本テコンドー選手権大会2連覇&MVP受賞、全九州テコンドー選手権大会7回優勝の実績を持ち、2018年11月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2戦目で璃明武、5戦目で小倉尚也に敗れるも、その後は3連勝。2022年5月大会では第6代Krushバンタム級王者の吉岡ビギンを2RでKOし、7月大会では「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に出場した内田晶もKOした。2023年7月、Krushスーパー・バンタム級王座に挑んだが、王者・璃明武に判定負け。戦績は6勝(6KO)4敗1分。
1R、池田のヒザからの右ストレートで永坂が大きくバランスを崩す。池田の右ミドルに下がっていた永坂が右フックをクリーンヒットさせ、グラついた池田との打ち合いで左フックからの右フックでダウンを奪う。
猛然と襲い掛かる永坂は勢いで自分が転倒してしまうほどの左右フックを振り回す。そこへ池田が左フックでダウンを奪い返す。さらに左右フックを振り回す永坂に池田は右の三日月を蹴るが、永坂の右フックで池田が横に吹っ飛び、永坂のKO勝ちとなった。
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▼第7試合 K-1スーパー・バンタム級 3分3R延長1R×岩尾 力(POWER OF DREAM)判定0-3〇鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
1R、前に出ようとする鬼山に岩尾は軽快なステップから右カーフを連発、ヒザも蹴る。さらにジャブ。鬼山のパンチをステップでかわし、左ボディ、ジャブ、右カーフと攻撃を当てては離れ、鬼山が出てくると左フックを合わせる。両肩を回すようなフェイントの岩尾、鬼山のパンチを鮮やかにステップでかわし、左ボディストレート。岩尾は至近距離でノーガードで鬼山のパンチをかわす余裕を見せる。
2R、鬼山の右カーフが当たり始め、岩尾の右カーフに鬼山が左フックを合わせる。前へ出る鬼山がジャブと右カーフ。岩尾も右カーフを蹴り、右ストレートを打ち込む。再びステップを使ってジャブを打つ岩尾は左ボディ、左ヒザも。前へ出てくる岩尾に左ストレートを打つ。鬼山も右フックを返す。鬼山が1Rよりも距離を潰した。
3R、ジャブを打つ岩尾に鬼山が距離を潰していく。そこへ岩尾が左右フック。鬼山の左フックがヒットし、一瞬怯んだ岩尾だが右ストレートを返す。前へ出て左ボディ、右ロー、左右フックを放つ鬼山。岩尾も負けじとパンチを返していく。ジャブ、アッパーを打つ岩尾だが、左フックでダウンを奪われる。鬼山はさらに右フックでダウンを追加。
判定3-0で序盤は劣勢だった鬼山が執念のダウンを奪い、勝利した。
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▼第6試合 第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R延長1R×メン・ガオフォン(中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP/WLF武林風 -65Kg級世界王者)判定0-3 ※27-30×3〇トーマス・アギーレ(アルゼンチン/Dojo Serpiente/WGP Kickboxingスーパーライト級(-64.5kg)王者)※アギーレが準決勝へ進出。
中国からまた新たな強豪が来襲。オウヤン・フェンと同門でWLF武林風 -65kg級世界王者、同スーパールーキー -65kg王者、IPCC中国 -65kg級王者。世界王座は2023年11月にセルゲイ・アダムチャックを破って獲得したもの。頑丈な肉体から放たれるパンチは脅威で、2019年12月には日本のクボマサヤをGLORYのリングで降し、2024年3月にはアリハン・オズドエフから判定勝ちを収めている。戦績は31勝(8KO)11敗。身長177cm。27歳。オーソドックス。
アギーレは南米のWGP Kickboxingスーパーライト級(-64.5kg)王者で、2023年1月のGLORY RIVALS 5にてメキシコのエイブラハム・ヴィダレスと激闘を繰り広げた。左右のフックとローキックの破壊力は抜群で、打ち合いに強いところが持ち味のひとつ。戦績は33勝(23KO)5敗。身長168cm。25歳。オーソドックス。
1R、ガオフォンは右カーフを狙い撃ち。アギーレはフックを振り回しながら入っていくが、ガオフォンのステップに逃げられる。止まったところへガオフォンが右カーフ、左ボディストレート。ジャブをボディと顔面に打ち分けるガオフォン、アギーレは左フックと左ボディを打ち返すがガオフォンのステップで当たらない。ガオフォンの右ストレートをかわしてアギーレが左フック。空振りしてもどんどん前へ出ていくアギーレが徐々に距離を詰めていく。
2Rが始まってすぐ、アギーレが左フックでダウンを奪う。突進するアギーレをガオフォンは止められず、左フックをもらう。ブンブンと左右フックを振り回して距離を詰めるアギーレは飛びヒザ蹴りも。ガオフォンはジャブを打つがアギーレはかまわず突進してフックを打つ。左右フック、飛びヒザ、左ハイ、アッパー&フックのコンビネーションを繰り出したアギーレが巻き返した。
3R、ガオフォンのジャブにアギーレが右クロス。どんどん前へ出てパンチを打って行くとガオフォンもジャブとヒザで応戦。互いに頭を付けてフックからアッパーにつなぐ。ガオフォンのヒザに左アッパーを突き上げるアギーレ。しかし、つかんでのヒザでアギーレには警告が与えられる。左右のフックを打つアギーレにガオフォンも応戦。手数は同じくらいだが前に出てアギーレがアグレッシブで上回ったか。
判定3-0でアギーレが準決勝へ進出した。
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▼第5試合 第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R延長1R×レニー・ブラジ(イタリア/Team Calzolari/ISKAムエタイ欧州ライトウェルター級(-65kg)王者)KO 3R 1分35秒 ※左飛びヒザ蹴り〇稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン/第9代Krushスーパー・ライト級王者)
ブラジはISKAムエタイ欧州ライトウェルター級(-65kg)王者の肩書きを持つ20歳と若い選手で、戦績は26勝(15KO)8敗3分。高いKO率を誇り“イタリアンKOマシーン”として注目を集めている。2023年10月には『ONE Friday Fights 38』に参戦してムエタイの強豪ノンタキット・トー・モースィーから3R KO勝ちを収めた。甘いマスクとは裏腹に、リングに上がると嵐のようなパンチラッシュを見せて、まるで鬼神のような姿に変身するのも魅力のひとつ。
稲垣は極真空手出身で少年時代に数々の大会で優勝・入賞を果たす。中学・高校はバレーボールで全国大会に出場するなど活躍。高校卒業後に格闘技に戻ると「格闘代理戦争」出演を経て2019年9月にプロデビュー。2戦目で瓦田脩二にKO負けを喫したが、その後は11連勝。2023年1月・4月の王座決定トーナメントを制し、第9代Krushスーパー・ライト級王者に。11月には小嶋瑠久に判定勝ちで初防衛に成功すると、2024年4月に第3代K-1ライト級王者である林健太を破る番狂わせを起こした。戦績は12勝(6KO)1敗。
1R、サウスポーの稲垣がジャブ、ブラジは左ボディ。稲垣がクリンチすると鋭いヒザを突き上げるブラジ。ワンツーからヒザにもつなぐ。ワンツーの連打で前へ出る稲垣。ワンツーフックの相打ちとなるが、ブラジが左フックが稲垣をかすめる。
2Rが始まってすぐ、稲垣のヒザが前に出てきたブラジの顔面へヒット。稲垣は下がって自分の距離を取り、真っ直ぐの左ストレート、左三日月をヒットさせる。稲垣は左ボディからの右フック、ブラジは前へ出て稲垣をロープに詰めると左右ボディ。稲垣の左ローが奥足に入り、左三日月も突き刺さる。ブラジは疲労が見え始めた。
3R、ブラジがワンツーで前へ出る。飛びヒザも放つブラジ。稲垣は左三日月を蹴り、右フックを打って右へ回っていく。ジャブを当て、左ボディストレートも当てる稲垣。一瞬下を見て沈むこむような体勢となった稲垣に、ブラジが左フックを打ってきたところへ左の飛びヒザ蹴りを発射、バッタリと倒れるブラジ。稲垣が鮮やかなKO勝ちで準決勝へ進出した。
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▼第4試合 第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R延長1R〇ヨードクンポン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/TOPKING WORLDSERIES -70kg王者)KO 1R 2分52秒 ※左フック×カン・ピナール(トルコ/Mike's Gym/FFCトルコ-66kg王者)※ヨードクンポンが準決勝へ進出。
ヨードクンポンはルンピニー、ラジャダムナンの2大スタジアムで活躍後、2014年からGLORYを主戦場にしてTOPKING WORLDSERIES 2018 -70kgトーナメントで優勝。2021年1月にはK-1で野杁正明と対戦する予定だったが、コロナ禍の影響で中止となっていた。2023年はタイで開催されたRWSの8名参加のウェルター級王座決定リーグ戦に出場し、ファイナルまで勝ち進んでいる。パンチを得意とするスタイルに磨きをかけ、左フックは一撃で相手をマットへ沈める正確さとパワーを秘めている。打ち合いにも強いため、K-1ルールにアジャストしてきそうだ。戦績は98勝(25KO)38敗1分。身長176cm。29歳。オーソドックス。
ピナールは24歳のトルコ系オランダ出身。これまで70~72kgと上の階級で試合をすることもあったが、本来のベストウェイトは-65kgだという。オランダ特有の左フックから右ローキックといった対角線コンビネーションで相手を崩していくスタイルは迫力満点。打ち下ろす右ローキックは、相手の気持ちを折るような破壊力を持っている。2023年2月にマイクスジムで武者修行をした与座優貴が強いと思ったという選手の一人。身長174cm。オーソドックス。戦績は17勝2敗。
1R、ピナールが前へ入ってくるとヨードクンポンは左フックの3連発。その後もピナールが入ってくると左フックで迎え撃つ。ピナールは右カーフ、中に入ってくるとヨードクンポンが左フックから左右フックの連打を見舞う。ヨードクンポンが右ミドルから左フック。徹底して左フックを合わせるヨードクンポン。左フックから右ストレートも打つ。ピナールが左フックで入ってきたところへヨードクンポンが左フックを合わせてダウンを奪う。
再開後、ほぼ時間がなかったがヨードクンポンはワンツー・スリーで前へ出ての左フック。ピナールが吹っ飛ぶようにダウンし、ヨードクンポンが初回KOで準決勝へコマを進めた。
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▼第3試合 第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント・一回戦(1) 3分3R延長1R×鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/第7代Krushスーパー・ライト級王者)TKO 3R ※出血によるレフェリーストップ〇イオヌット・ポパ(ルーマニア/Team Super Pro Alin Balasa Sibiu/ISKAインターコンチネンタル・ライトウェルター級(-65kg)王者)※ポパが準決勝へ進出。
鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。しかし2020年2月に佐々木大蔵にタイトルを奪われた。2022年4月の林健太戦で元K-1ライト級王者の林をKOする金星を得ると、8月には近藤魁成に先制のダウンを奪われるも延長戦で大逆転KOに成功した。2024年3月にはK-1で2階級制覇を達成した卜部功也からも殊勲の勝利を収め、2023年7月のデンサヤーム戦から4連勝中。戦績は17勝(10KO)8敗1分。
ポパはFIGHT CLUBBING ライトウェルター級(-64.5kg)王者、ISKAインターコンチネンタル・ライトウェルター級(-65kg)王者の肩書きを持つ25歳で、戦績は17勝(7KO)4敗1分。ファイトスタイルは、左右どちらでも出来るスイッチで的確な左ミドルキックと打ち落とすローキックも持っている。
1R、鈴木がサウスポーから得意の左ミドル、ポパは右ミドルから左右フックで前へ出る。ポパは右ミドルから右ボディ、鈴木は左ミドルを返す。必ず右ミドルから入ってパンチにつなぐポパは顔面とボディへ打ち分ける。勢いよく前へ出るポパに鈴木は左ストレートのカウンター。体を入れ替えてポパをコーナーへ詰めると連打を見舞う。鈴木のジャブにポパは右ボディ、右ミドルキック。鈴木は身体をやや丸める。
2R、鈴木が左右フックの連打で前へ出るとポパも打ち合いに応じる。そこへ鈴木がヒザを真っ直ぐに突き刺す。ポパが右ハイから右ボディ、そして右ミドル。鈴木は左ストレートからの左ヒザで応戦。左のカウンターをとる鈴木だが、ポパは右のボディを打ってくる。鈴木はジャブの連打から左フック。ここで鈴木はジャブを多用し始める。ポパは踏み込んで左右フックを打ち左フックをクリーンヒット。ラッシュをかけるポパだが、鈴木が左ボディで逆襲。
3R、右目の上から出血が見られる鈴木。ジャブから前に出て連打を見舞う鈴木にポパが左フックを返して鈴木がフラつく。打ち合いとなるが、ここで鈴木にドクターチェック。再開後、鈴木は打ち合いに行って左ストレート、左ヒザ、左ミドルでポパをコーナーへ押し込む。ポパは右ミドル、左フックで押し戻す。鈴木の出血がひどくなり、もみ合いとなって鈴木が尻もちをついたところでレフェリーがストップ。
鈴木が猛抗議するが、裁定は変わらない。ポパが準決勝進出を決めた。
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▼第2試合 第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント・第1リザーブファイト 3分3R延長1R〇佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第8代Krushスーパー・ライト級王者)判定3-0 ※30-26×3×齋藤紘也(WSRフェアテックス三ノ輪)※佐々木が第1リザーバーに。
1R、じりじりと前に出る佐々木に齋藤は下がりながらもヒザを突き刺す。しかし、佐々木が右ストレートでロープに詰めて左フックでダウンを奪う。左右にスイッチを繰り返す齋藤もワンツーを放つが、またも佐々木の左フックをもらう。
2R、右カーフを蹴る佐々木は左フックからの右ストレート。齋藤もローを蹴り返すと佐々木は左ミドルを蹴る。絶妙の距離感で齋藤のパンチをかわして佐々木がパンチを当てる。ジャブから右ローを蹴る佐々木。齋藤が飛び込んでの左フックを当てるが、直後に佐々木が飛び込んでの右フックを強打して印象付けた。
3Rは前に出る齋藤。佐々木も打ち合いに応じる。左アッパー、右フックを当てるのは佐々木。齋藤の返しのフックは佐々木がしっかりブロック。多種多様なフェイントを使う佐々木。逆転を狙ってワンツーを打つ齋藤だが、佐々木のワンツーが入る。佐々木は前蹴りから飛び前蹴りも見せる。最後も佐々木が前に出てのジャブを当て、バックハンドブローを繰り出して試合終了。試合終了のゴングが鳴ると、齋藤はロープに座り込んで全身で悔しさを表した。 佐々木が判定3-0で勝利、第1リザーバーとなった。
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▼第1試合 第7代K-1 WORLD GP スーパー・ライト級王座決定トーナメント・第2リザーブファイト 3分3R延長1R×瑠久(RAUSU GYM)KO 3R 2分29秒 ※右カーフキック〇寺島 輝(TANG TANG FIGHT CLUB)※寺島が第2リザーバーに。
1R、寺島が右のカウンターと左の三日月蹴り。瑠久はステップを踏みながらワンツーを狙うが慎重な出足となった。
2R、寺島が左ストレートをヒットさせて瑠久のアゴを上げさせる。瑠久の左フックに寺島が三日月。近距離でのフックの打ち合いで寺島が左フックをヒットさせる。寺島の右カーフには瑠久が右ストレート。瑠久の出鼻を挫くような寺島の左ストレートがまたも決まる。
3R、瑠久が左右フックで前へ出ようとする瑠久に寺島はクリンチ。その展開が続くが、瑠久のフックを寺島はダッキングでかわしていく。寺島の右カーフ3連発で瑠久がダウン。瑠久は立つことが出来ず、寺島がKO勝ち。リザーバーの権利を手にした。
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▼プレリミナリーファイト第5試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R×川島康佑(HALEO TOP TEAM)KO 2R 3分00秒 ※左フック〇坂本優輝(ARROWS GYM)
1R、両者とも慎重な出足。サウスポーの川島は前へ出ると同時に放つ左ストレート。坂本は右ミドルを多用する。両者フックを打つがヒットは見られなかった。
2R、坂本がパワフルな左ミドルを中心に、右三日月、左右フックで前へ出る。劣勢だった川島だが坂本が蹴るところに左ストレートをタイミングよく合わせてダウンを奪う。
セコンドに「大丈夫」と合図した坂本は再び力強い左ミドルを蹴っていき、打ち合いになると左フックを打ち抜いてダウンを奪い返す。強烈なダウンに川島は立つことが出来ず、坂本の逆転KO勝ちとなった。
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▼プレリミナリーファイト第4試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R〇上野奏貴(kickboxing gym SHINYUUKI+)KO 1R 1分28秒 ※左フック×武蔵(デビルジム)
1R、勢いよく前に出てパンチを打ってくる武蔵に、上野はジャブと右カーフ。勢いのある連打に下がる上野だが前蹴りで反撃。
武蔵が前へ出てきたところに左フックを振り抜くとキレのあるパンチで武蔵がダウン。そのまま立ち上がれず、上野のKO勝ちとなった。
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▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1フェザー級 3分3R〇関口功誠(ALONZA ABLAZE)TKO 3R 0分41秒 ※セコンドからのタオル投入×石川 慶(team NOVA)
1R序盤から左ボディを連発していく関口に、石川は前へ出続けて徐々にパンチを当てていく。回転の速い左右フックを打つ石川が右フックでダウンを奪う。
2Rは関口が大逆襲に転じる。左ボディを中心に左右フックと左ローのラッシュで石川をロープへ釘付けに。石川も左ボディに左フックを合わせ、ミドルを蹴っていく。かなりの消耗戦となったが関口はパンチを打って前へ出続けた。
3Rもパンチを打ちに行く関口が左フック、左アッパーをヒットさせて一気にラッシュ。右フックでダウンを奪う。立ち上がった石川へラッシュを仕掛け、コーナーでの連打。ここで石川のコーナーからタオルが舞った。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1ライト級 3分3R×川越亮彦(K-1ジム総本部チームペガサス)判定0-2 ※30-30、29-30×2〇瑠唯(リーブルロア)
1R、左右ミドルを蹴る川越に、瑠唯は右カーフと左三日月&ヒザ、そして左ボディでボディを中心に攻める。
2R、瑠唯は右カーフに加えて与座キックも決めて足を攻め、左三日月も蹴る。劣勢だった川越だが前へ出続け、この圧に瑠唯が攻め疲れかペースダウン。川越が右ストレート、左右ミドル、ヒザで逆襲に転じる。
3Rも前に出る川越がヒザで優勢。苦しそうな瑠唯だが右ストレート、左フック、ヒザを返す。川越も手数が出なくなり、そのまま判定に。瑠唯の判定勝ちとなった。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 K-1バンタム級 3分3R〇瀧山悠斗(WSRフェアテックス西川口)判定2-0 ※29-29、29-28×2×雨宮 空(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
1R、滝山が右カーフを蹴ると雨宮は左ミドルから右カーフ。雨宮が右ストレートをヒットさせて前へ出ると雨宮は右フックで迎え撃つ。
2Rはパンチの応酬となり、前に出る瀧山が右ストレートをヒットさせて蹴りにつなぐ。雨宮もコーナーへ追いつめる場面があるが、瀧山の反撃にあった。
3R、瀧山が左三日月とヒザでボディを攻め、随所で飛びヒザも放つ。パンチも当たりだし、バックキックもヒットさせるなど瀧山が優勢の中、ラスト数秒で雨宮が右をヒットさせて猛反撃。追い上げたが判定2-0で瀧山の勝利となった。