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【格闘DREAMERS】朝倉未来「実力差、ちょっとあった。1年でこれだけ強くなれる」vs. 教え子の完敗に高谷裕之「イラつくな…」、いよいよ「最終決戦」へ=5月8日(土)夜9時配信

2021/05/06 13:05
 格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』の第9話が5月8日(土)夜9時から、ABEMAにて配信される。  番組では200通を超える応募のうち、書類審査、実技審査、面談を経て17名で行われた“地獄の合宿”と謳われる2泊3日の合宿形式の2次オーディションを通過した12名が、いよいよ「最終審査試合」に臨む姿に迫っている。果たして、プロ格闘家としてLDH martial artsとの契約を勝ち取るのは誰になるのか。  いよいよ運命の「最終審査」の試合放送に向け、今回は、第7話と第8話から、主に試合部分をピックアップして紹介したい。  第7話では、平本蓮の実弟・丈が名津井颯との入れ替え戦に勝利。その激動の入れ替え戦から2日後、チームGENERATIONS、チーム THE RAMPAGEの双方から選抜された5名が、プロMMAファイターになるための登竜門「アマチュアパンクラス・横浜ケージファイト13」に出場し、初の対外試合に挑んだ試合の後編が配信された。 明暗分けたゴールデンルーキー、中村倫也と宇佐美のMMAデビュー  安永吏成、山内渉、柳田龍彌が勝利するなか、いよいよ1位指名の中村倫也と宇佐美正パトリックがMMA公式戦デビューに向かった。  アマチュアの中村と宇佐美は、MMA初試合。  U23世界王者の中村の相手は、パラエストラ大阪のミランダ・アーレンとなった。アーレンはミランダ亜廉として、2018年JOCジュニアオリンピックカップ(カデット)グレコローマン55kg級5位。2020年全国高校選抜大会ではフリースタイル60kg級で5位の実績を持つ。  ハイレベルなレスラー対決となった中村vs.アーレン。  1R、サウスポー構えから先に左ローを放つ中村。シングルレッグのアーレンを切ると、左ハイから後ろ廻し蹴りで牽制。アーレンの右フックにカウンターのダブルレッグに入るが、右で小手に巻いたアーレンが払い腰で上に! すぐに左で差した中村だが、小手に巻いたアーレンが潰すと、中村も止まらずに下からダブルレッグでパウンド、さらにシングルレッグテイクダウンからマウント&パウンド。腕十字に後転するアーレンを最後はうつ伏せで極めた。  1R 2分55秒、一本勝ちを極めた中村だが、表情に笑顔は無し。「まだまだひよっこだなと改めて思いました。勝ったのはいいけど、アマで3分近くかかっているようでは……っていう評価ですね」と、強豪レスラー相手ながら、課題の残る内容に気を引き締めた。  一方の宇佐美は、2018年全日本ブラジリアン柔術選手権黒帯ライト級優勝のホブソン・タンノ(DAMM FIGHT JAPAN)と対戦。ストライカーの宇佐美にとっては越えなければならない寝技師の壁となる。  1R、ともにオーソドックス構えから、手の位置はボクシングではなく、空手の低い構えは宇佐美。奥手の右ストレート、左ストレートで詰める宇佐美に、ダブルレッグテイクダウンはタンノ。  バックテイクを狙うタンノに、正対する宇佐美。タンノはボディロックから詰めると、右で差し返しにきた宇佐美を引き込んで下に。頭を胸につけて脇を潜ろうとする。  潜らせない宇佐美は右足を後方に伸ばすが、その足首をつかまれると、一瞬背中を見せて立ちに。そこについていきダブルレッグテイクダウンするタンノ。  腰を殺して背中をつかせようとするタンノに、「壁まで行け」という高谷総監督の声に、頭を押して這って金網で上体を立てる宇佐美。タンノは両足を束ねて腿の上に乗せて寝かせると、キムラクラッチを狙う。それを後方に反ってから正対して外そうとする宇佐美。  正対して上になりかかるが、足をかけるタンノがバックについていき腕十字へ。伸ばしかかるが、前転際で正対した宇佐美は腕をクラッチ。しかし、片手でのパウンドに岡見は「先に手を抜け!」と叫ぶ。タンノは足を顔にかけると、最後はうつ伏せになって宇佐美からタップを奪った。  1R 2分09秒、腕十字による一本負け。  岡見勇信ヘッドコーチは「荒々しくなっちゃうな、止めらんねえなあ」と、本番で制御が効かない宇佐美に険しい表情。父・秀次さんも「この悔しさを次に繋いでくれたらいいと思います。出来ることはいろいろある。あとはもう本人次第」というなか、宇佐美は、「“悔しい”で収まりきらない」と唇を噛むも、「立ち技・打撃には自信があるんで、ああいう相手にもしっかり寝技でも勝てるように、どんな状況でも自分のフィールドを作れるように次は準備をしていきたい」と、前を向いた。 [nextpage] 「朝倉未来1年チャレンジ」落選の「DREAMERS」がトライフォース赤坂で練習試合、ヒロヤ相手に柳田は厳しい「連敗」  第8話では、『朝倉未来1年チャレンジ』に挑戦するも落選した柳田龍彌と漆間將生、2人の“DREAMERS”が、朝倉の所属するトライフォース赤坂に出稽古のスパーリングへ。『朝倉未来1年チャレンジ』に合格し、すでにプロとして活躍しているヒロヤ、 畠山祐輔にチャレンジした。  高谷裕之総監督が「どこまで食らいつけるか。悔しい思いもあると思う。勝つつもりでいきます」と語るなか、DREAMERSと首脳陣は、トライフォース赤坂へ乗り込む。  ヘッドギア着用のつもりも、「ヒザパットありとヒジ無し(ルール)なんでノーヘッド(ギア)で」という朝倉未来に、岡見ヘッドコーチも「やる気満々だから乗りましょう。退いてるわけにはいかない」と語り、練習試合はヘッドギア無しの5分3R、ヒジ無しのユニファイドルールに。両者レガースを着け、アンコの大きなオープンフィンガーグローブでの試合形式のスパーリングとなった。 「向こうはギアなんか要らないって言っている。殺しに来ているから。2人とも舐められてる。(朝倉未来チャレンジに)落ちたんだから見返さなきゃ。試合で見せつけろよ」とゲキを飛ばす岡見HC。高谷総監督も柳田にファールカップを着けながら、「お前、ブチ殺せよ。ほんとうに。向こうもその気で来てるからな」と気合を入れる。  一方の未来は、すでにプロとして活躍する畠山とヒロヤに、「尺の方だけは伸ばしたいんで、5分3Rだけど、すぐに極めるのだけは止めてもらって」と余裕を見せる。  第1試合は、DEEPではバンタム級で戦うヒロヤが、アマチュアパンクラス横浜ではフェザー級に出場した柳田と対戦。かつて「1年チャレンジ」で落選した柳田は「やられることは意識せずにやってやろうというだけ」と意気込む。 「1年チャレンジ」選考時の柳田の印象を聞かれたヒロヤは、「印象は特にないかなって。そのオーディションのなかで僕が一番強かったんで」と振り返ると、「この1年でどれだけ(自分が)強くなってるかも分かるし、ちょうどいいかなって感じですね。時間をかけていじめてやろうかなって思います」と、差があることを語った。  柳田とヒロヤによる第1試合。  1R、ともにオーソドックス構え。左ハイを先にガード上に当てる柳田。ステップを使うようになるヒロヤはを振って組みに。それを左にさばいてバックにつこうとする柳田だが、ガードに入れたヒロヤは、中腰からパウンドを狙う柳田に、左足を外掛けして、すぐにサドルロックに組んで外ヒールフック!  わずか24秒でタップを奪い、柳田を秒殺した。苦笑する未来は、「え? どうしたん? 違うじゃん、当初の作戦と。尺短いよ、マジで。もう1回、お願いしとく? 練習試合になってないからさ」と、汗もかかずに秒殺したヒロヤを見て、再試合を提案。  高谷は「こっちは負けてるんで何も言えないけど、もしやってくれるなら」と未来に挨拶し、岡見も「次はクソみたいな試合はしないんで」と話し、仕切り直しの2試合目が決定した。 「お前、集中しろよ。最初やられたとか関係ないからな」とカツを入れる高谷総監督。「いきなり、行こう」と、ヒロヤに告げる未来。再試合のゴングが鳴らされた。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローを打つヒロヤに柳田も蹴り返し。その蹴り終わりに組むのはヒロヤ。左で差して金網まで押し込み右ヒジを打つ柳田。さらに左右も、そこにカウンターのダブルレッグテイクダウンはヒロヤ!  ガードの中に入れる柳田に、パウンドを入れながら片足をパスするヒロヤは右で枕に巻き背中を着かせる。ケージウォークで足を戻す柳田だが、スペースが空いても立つことが出来ない。腰を殺してすぐにまた片足を抜くヒロヤもゴング。 「(相手が)テイクダウン取りたがっているのは分かってるんだから、先に行けよ。このラウンド取られてるんだから次しかねーからな」という高谷。一方の未来は「次、すぐ詰めてって、打撃は細かいのを」とアドバイスする。  2R、先に右ローを打ち、そのままスイッチする柳田。オーソドックスに戻すと、ヒロヤの右ハイに前手の左フック。しかしそのままヒロヤは詰めてダブルレッグテイクダウン! 1R同様にハーフから右で枕に巻き、左で細かいパウンドを打つヒロヤは腰を上げてマウント。あっさりと腕十字を極めた。 「柳田のダメなところが全部出たな、もっと練習しないとダメだよ」という岡見。2連敗に顔を落とすDREAMERS陣営に、「このまま帰るわけにはいかない。バカにされるからね」とあらためてゲキを飛ばした。 [nextpage] 「このまま帰るわけにはいかない」──DEEPで活躍の畠山に漆間が立ち向かう  重苦しい雰囲気が“DREAMERS”チームに流れる中、岡見は「漆間、頼んだぞ。何のために来たんだ、ここに」と問いかけ、漆間も「勝つためです」と気合を入れる。  試合前には「長くグダグダな試合はしたくない。1Rで終わらせようかなと思ってます」と語っていた漆間は、仲間の屈辱的な敗戦を目の当たりにし、険しい表情でケージに上がる。  対戦相手は、DEEPですでに2勝1敗の戦績をあげている畠山。「(朝倉未来1年チャレンジに)受かって、試合の経験も積んだら、これくらい強くなるんやぞっていうところをしっかり見せたいと思います。もちろん負ける気はないです」とリラックスした表情だ。  フェザー級ファイター同士の一戦。  1R、サウスポー構えの畠山にオーソドックス構えの漆間。未来の「もっと圧かけろ」の声に、右ローを打つ畠山。漆間も右ハイはガード上。高谷は「奥手から3つ」と漆間に右ストレートからの打撃を促す。  左右の蹴りで牽制する漆間。しかし、畠山は右を振ってダブルレッグへ。足を広げて左は差し上げている漆間に、四つから小外がけを狙う畠山。右も差し替えてダブルアンダーフックの両差しにする漆間。ここはブレークに。  未来は畠山に「もっと攻めて」と声。右インローを当てる漆間。さらに右前蹴りから右のスーパーマンパンチで詰める漆間は、そのまま左で差して、柔道出身の畠山に組みを挑む。  思わず首投げの体勢で抱える畠山。脇を潜りスタンドバックの漆間に、畠山は前転してのヒザ十字狙いも、潰してパウンドする漆間。足を手繰る畠山の顔を殴り剥がすも、畠山はその鉄槌の左手をあんこの大きなグローブを脇に挟み、巻き込んでの前転でサイドを奪う。  すぐにシングルレッグで立とうとする漆間。アームインギロチンからダースを狙う畠山にすぐに首を抜く漆間。右で差してシングルレッグからダブルレッグテイクダウンは畠山!  壁際で立とうとする漆間の動きに、未来は「片足を乗せて」と畠山に支点を無くすよう指示。その通りに腿上に乗せていく畠山。足を戻し立ち上がる漆間の尻下でクラッチし、再びテイクダウン。金網に上体は立てている漆間の足を再び腿上に上げて引き出そうとする。すぐに金網まで上体を寄せる漆間は立ち上がり、四つまで持ち込みブザー。 「右を打って奥手から、頭ずらして左ヒザ、狙っていけよ」と相手のテイクダウン狙いにヒザまで繋げる打撃を細かく動きを指示する高谷。  2R、右を打ってすぐに戻して左ヒザを打つ漆間。今度は前手の左フックをヒット! さらにワンツーから右ヒザも。打撃で攻勢に立つ漆間に、畠山は両手を広げて強引に金網まで押し込む。右を差し入れる漆間に、ヒザ裏でクラッチした畠山はダブルレッグテイクダウン!  マットに手を着いて上体を金網に立てる漆間の左手を引き寄せ寝かせる畠山はパウンドから右でヒザを越えて、さらにマウントへ。潜ろうとする漆間を剥がして右腕で枕にする畠山は漆間の左脇に頭を突っ込み肩固めへ。右手を側頭部にあてて防御する漆間は、内側を向いてリバーサルを狙うが、袈裟固めに移行する畠山は右腕を両足に挟んでのアメリカーナを狙う。  そこでケージを蹴って体を返した漆間は、シングルレッグへ。その立ち際をダースチョークを狙う畠山だが、ここも漆間は頭を抜いく。残り1分半。なおも金網に詰める畠山に、未来は「取りに行け」と声。  しかし、突き放す漆間。互いに右を振り合うが、返しの左は漆間。間合いを詰めている畠山は、続く右に頭を下げて組みへ。ダブルレッグにハーフネルソンを狙う漆間だが、組めず。  ダブルレッグからのパウンドに、金網から背を離し、背中を見せて逃れようとする漆間のバックに回る畠山。立って背負う漆間だが、畠山は両足を胴に巻いたボディトライアングルで4の字ロック。左手を脇下に挟む漆間だが、畠山は右手を喉下に巻くと、後方に引き込んでリアネイキドチョーク! 漆間がタップした。 [nextpage] 朝倉未来「彼ら2人にも頑張ってもらいたい」 「スパー完全版」でも映し出されている通り、畠山相手に健闘も見せていた漆間だが、「最悪や……」と痛恨の表情。  これまでの試合実績から照らし合わせれば当然の結果も、岡見HCは「悔しいな、これは……フィジカルも足んないし、実力で2人とも負けた。這い上がるしかないよね。お前らとプロとの差だから。こっから巻き上げていくしかない。EXFIGHTでやり返したいですね。やり返しましょう」と語ると、首脳陣での総括では、「僕らもこの戦いに対する覚悟が足んなかったと、結果を見て感じています。こんなことになるとは思ってなくて……」と、「交流戦」の雰囲気のまま乗り込み、返り討ちにされたことを悔やんだ。  高谷総監督も「向こうの方が顔つきも良かったし、ちょっとこっちの覚悟が足りなかった。イラつくなあ……」と奥歯を噛み締めたのだった。  一方の未来も、漆間に結果としては一本勝ちも、予想以上に粘られた畠山に「打撃を嫌がってタックルに入るのは止めた方がいいよ。自分の打撃を当ててから入らないと取れないから。そこが課題かな。まあ、いい練習になったんじゃないの」とアドバイス。  畠山も「思ったより強かった。やる前はいろいろ試そうかなと思ったんですけど、試せるような相手じゃなかった。全力で行かないと厳しかった」と漆間の奮闘と、自身の課題を語った。  未来は「1年チャレンジ」落選の2人にもエールを送った。 「1年間かけてきただけあって、実力差はちょっとあったかなと思ったんですけど、彼ら2人(漆間と柳田)にも頑張ってもらいたいですね。逆に1年でこれだけ強くなれるってことの証明なんで」と、プロとして活躍中のヒロヤと畠山と肌を合わせたことを糧にしてもらいたいと語った。  DREAMERSに勝利した「1年チャレンジ」組は、厳しいプロの世界で凌ぎを削っている。  6月20日の「DEEP 101 IMPACT」では、原虎徹、雅駿介と強豪相手に2連敗中のヒロヤが参戦。2連勝中の関原翔との対戦が決定。  また、2連勝から2020年12月に新星・平田直樹に判定負けを喫した畠山祐輔は、再起をかけてTHE OUTSIDER出身の佐藤拳駿と対戦する。  そして、もう1人の「1年チャレンジ」合格者の西谷大成は、合宿中の怪我でDREAMERS入りを果たせなかった山本歩夢との対戦が決定している。格闘技ファンには、その先のプロの試合にも注目してほしい。 [nextpage] いよいよ「最終試合」、非情なライバル対決も  試合から1週間後、ついに最終試合の対戦カードが発表された。 【GENERATIONS vs. THE RAMPAGE】平本 丈 vs. 鈴木崇矢山内 渉 vs. 安永吏成柳田龍彌 vs. 岡田達磨高木オーディン祥多 vs. 八木敬志 【DREAMERS vs. 外敵】漆間將生 vs. 吉村海飛齋藤奨司 vs. 田島 涼宇佐美正パトリック vs. 日高健太郎中村倫也 vs. 新井拓己 「GENERATIONS vs. THE RAMPAGE」の初戦は、平本丈(17歳)vs.鈴木崇矢(16歳)、10代同士のマッチアップとなった。  鈴木は「丈くんが入った時から薄々(試合を)やるんじゃないかって思ってたんですけど」と、入れ替え戦で勝ち上がった平本をライバルととらえていたことを明かすと、「僕がやることはひとつなんで。ちゃんとブッ倒して、所属を掴み取ります」と力強く宣言。  対する平本は、「ライバルじゃないけど、同じ10代同士で練習がかぶっていて、僕もアドバイスとかしてたんで」と言いながらも、「じゃれあいじゃないし、決まった瞬間から喋らないようにしている。自分が勝つ画をずっとさっきから想像してるんで、勝つことだけを考えてます」と、戦闘モードに入っている様子を見せた。入れ替え戦で足の小指を折っているが、どこまで回復できるか。 「2人の試合は単純に面白いよね」と岡見HCが期待を寄せるなか、平本は「僕も観る側なら面白いだろうなって。もともとどっちもストライカーだし」と打撃対決となることを予告する。  一方の鈴木は「面白い打ち合いが見れるかもしれないです」と期待の表情。岡見HCから「第1試合で流れが決まるけど」と問われると、「1試合目にメインを持ってきて大丈夫ですか?」と、笑顔を見せると、カード発表前の練習試合でのTKO勝ちもあり、「100%勝ちます」と自信を覗かせた。  山内渉vs.安永吏成は、DREAMERS以前からの練習仲間同士の対戦だ。  練習試合でも仕上がりの良さと安定した強さを見せている山内は「2年くらい前から練習してる。1個、隠し玉を持っていこうかと。もちろん勝つ気で──勝てます」と自信の表情。  対する安永は、靭帯を痛めて、左右のヒザを故障した。「周囲が試合している姿を見て、すごく悔しかったです。ここは男を見せたい。昔から練習している相手だからこそ一番、いい試合をしたい」と、悲壮な決意を語る。  柳田龍彌vs.岡田達磨は、ストライカーvs.グラップラー。  朝倉未来門下生に2本連続でタップした柳田は、「EX FIGHTを背負って戦い恥をかかせた。挽回したい」と語り、対戦相手がまたも苦手とするグラップラーになったことについて、「相手が分かった分、練習することが明確。中途半端なことをしないで、やるかやられるかの試合をします」と、決意を見せた。  対する岡田は、左ヒザ靭帯を傷め、選手生命が危惧されるところだが、「最後なんで悔いの残らないよう出し切りたい。怪我は理由にしないくらい仕上げてやるんで、最後まで見てください」と直訴。岡見HCは、「覚悟決めたんなら、怪我だろうがなんだろうがすべて出してください。見届けます」と答えるのであった。  高木オーディン祥多vs.八木敬志は、合宿から3度目の対戦。  これまでの練習試合では、いずれも東海大柔道部出身の高木が、グラップリングルールでキムラロック、MMAルールでも腕十字を極めて圧勝している。  高木の課題は「気持ちの弱さ」。高谷総監督は「安全運転ばかりしてたら、見ている人の心には届かない」と指摘し、岡見HCは「高木は恐怖心が支配して足を止めてしまっている。ファイターとして一生つきあっていくことだけど、克服しないと次の試合に勝てるか、増してや世界になんていけない」と諭す。  その言葉を受け、高木は、「柔道の時から、負けたらどうしよう、と見てしまう癖がある。克服していかないといけない。腹をくくって戦いなんで殺すぞという気持ちでいく」と意気込む。  対する八木は、3度目対決に「オーディションでずっと負けてるので、こういうリヴェンジの機会を与えてもらえてありがたい」と鼻息を荒くするが、カード発表前のジム内練習試合でも判定負け。京都での単独練習を高谷総監督から「ちゃんと練習してたのか?」と問われる内容だった。八木は「“八木が変わった”というところを見せたい」と気合を入れ直す。 [nextpage] ガチ過ぎる外敵との戦い──契約を勝ち取るのは?  後半戦は「DREAMERS vs. 外敵」。プロ昇格を果たしている選手と「レベル的に外部の選手と当ててみたい」(高谷)選手が、「外敵」と戦う。ここにも格闘技ファン注目のニューフェイスが登場する。  漆間將生vs.吉村海飛は、フェザー級の注目カード。  吉村は極真会館山口支部出身。2015年に全日本高校生空手道選手権で優勝し、その後はTEAM TEPPENでアマキックを経験。現在は、大沢ケンジ代表率いる和術慧舟會HEARTS所属で、2020年12月のPANCRASEアマチュア全日本オープントーナメントライト級優勝。さらに2021年3月のDEEPフューチャーキングトーナメントフェザー級でも優勝し、この2つのトーナメントで7試合連続KO勝ちという驚異の新人だ。6月19日の「DEEP TOKYO IMPACT 2021~1st ROUND~」でプロデビューも控えており、連続KO勝利の記録を伸ばすか。  いきなりガチ過ぎる外敵を迎え撃つことになった漆間は、畠山戦に続き、この日の練習試合でも判定負け。いかにスランプから脱出するか。  岡見HCは、「漆間はオーディションのときが一番良かった、殺気があって。あの殺気を思い出したら?」とゲキ。高谷総監督は「死ぬ気で戦わないと駄目だから、そういうもんだろう? どんなに小さな試合だって格闘技だから、勝つか負けるかなんだから、もうちょい腹くくって戦え……絶対、倒せよ」という厳しいながらも期待の言葉に、漆間は「死ぬ気でやります」と短く決意を示した。 【写真】2021年3月「DEEPフューチャーキングトーナメント」フェザー級優勝の吉村(右から3人目)とウェルター級優勝の日高(左から2人目)。  齋藤奨司vs.田島涼は、修斗でプロ昇格を決めた齋藤とPANCRASEでプロ昇格を決めた田島というマッチアップ。RISEでも活躍したストライカーの斎藤とガチガチのグラップラー田島の構図でもある。  柔道出身でOOTA DOJO所属の田島は、2020年アマチュアパンクラス全日本Aクラストーナメント優勝。5月30日の「PANCRASE 321」ネオブラッドトーナメント・バンタム級では、矢澤諒を相手にプロデビュー戦も決まっている。  対する齋藤は、2020年のアマチュア修斗関東選手権フェザー級で優勝しプロ昇格。それ以前に立ち技では、2018年KAMINARIMON全日本大会-65kg級優勝。RISEではすでにプロ2勝1敗(1KO)の戦績を残しているため、MMAの中での打撃の強みを活かしたいところだ。  齋藤は「打撃が得意だけど、寝技のレベルアップも出来ているんで、一番、いい状態で仕上げて、持っているものを出し切る」と、DREAMERSでの成長を見せたいとする。  宇佐美正パトリックvs.日高健太郎は、ストライカー対決。  KRAZY BEEの日高はDEEPフューチャーキングトーナメント2020ウェルター級優勝者。決勝の前田啓伍戦では、右ミドル・左フックで1R KO勝ちを収めている。  GENERATIONS1位指名の宇佐美は、高校6冠ボクサーにしてフルコンタクト空手の経験も持つストライカー。アマチュアPANCRASEでは一本負けも、この日の練習試合では、右アッパーのダブルで迫力のKO勝利を決めた。  高谷総監督は、「宇佐美のパンチのポテンシャルは高い。まだ総合格闘技の完成度は低いけど、外敵に挑戦させたい」と期待を寄せる。  中村倫也vs.新井拓己は、レスラー対決だ。  外敵の新井拓己は名門・足利大学付属高校レスリング部出身。ストライプル新百合ヶ丘所属で、RIZINで活躍中の渡部修斗と同郷・同門となる。大東文化大学時代に東日本学生選手権準優勝。MMAではすでにプロデビューを果たし、1勝1敗1分。プロ修斗では中桐涼輔と判定ドロー後、2021年1月に齋藤翼と対戦、判定まで持ち込むも敗れている。  2017年のフリースタイルレスリングU-23世界王者(61kg級)の中村に対し、全国3位の新井と、レスリングの実績では中村が上回るが、新井にはプロMMAでの3年の経験がある。  THE RAMPAGE1位指名、すでにLDHと契約済みで公式戦デビューから2試合連続一本勝ちの中村は、「絶対に油断しない。向こうからしたら、俺のことを食ってやろうというモチベーションは高いだろうし、運動神経はいいのであなどれない」と気を引き締める。  岡見HCから「倫也の目指すべきところは世界のトップだから」と期待を寄せられると、「(自信は)100%あります。こんなの落としてられるわけがない。きっちり仕上げます」と、中村は“大将”として語るのであった。  2週にわたり放送される最終審査試合。5月8日(土)21時から配信の第9話で運命のブザーが鳴らされる。今回のプロジェクトの発起人でありチーフクリエィティブオフィサーのEXILE HIROが見守るなか、夢を掴むのは、誰だ!? ◆第1話 レスリングU-23世界王者の中村倫也、高校ボクシング6冠・宇佐美正パトリック、DEEP2戦目で高塩竜司を下した山本歩夢、IGLOOの鹿志村仁之助、RISEからプロシューターの齋藤奨司、勅使河原弘晶に挑戦した元ボクサー入口裕貴も参加 ◆第2話 岡見勇信「覚悟なんて簡単に人を裏切るから」──“地獄の合宿”2次オーディションへ ◆第3話 2日目グラップリングスパーは、中村倫也vs.岡田達磨のレスラー対決、山内渉vs.鈴木崇矢の極真対決も ◆第4話 那須川天心がマススパー「試合だったら、1人1回は倒れてる」。中村倫也、宇佐美正パトリック……最終日の試合形式スパーでは名勝負続出! ◆第5話 高校6冠ボクサー宇佐美の進化と叩き上げレスラー岡田の再試合は衝撃KOに! 柔道の高木オーディンvs.マッチョ八木、そして合格者の前に平本蓮と弟の平本丈が「入れ替え戦」を要求 ◆第6話 平本蓮を感動させた弟・丈の勝利と涙。無慈悲な「入れ替え戦」が見せた格闘技の厳しさ
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