2019年4月29日(月・祝)東京・ベルサール高田馬場で開催されるキックボクシング大会『KNOCK OUT 2019 SPRING「THE FUTURE IS IN THE RING」』。
小野寺力KNOCK OUTプロデューサーがメインイベントと同じくらい重要視しているという、大会の第1試合で水落洋祐と対戦する山口裕人(山口道場)。
バチバチの打ち合いを信条とし、勝っても負けてもKOというわかりやすいスタイルで各団体に引っ張りだこの人気選手となった。KNOCK OUTには初期から参戦し、観客に火をつける役割を果たしてきた。しかし今回、山口は「打ち合いはしたくない」という。その理由とは。
想いがあるから今回思いっきり倒しにいったろうかな
――昨年は4戦2勝(1KO)2敗の戦績でしたが、ご自身にとってどういう1年でした?
「勝ったり負けたりが続いて連勝も出来ず、そんなうまいように行かなかった1年だったと思います」
――それでも12月に岡山で行われた WPMF世界スーパーライト級暫定王者決定戦では、強豪ワンマリオ・ゲーオサムリットとの接戦を制して世界チャンピオンに輝きました。
「勝つには勝てましたが、勝ち方が全然納得しないものでした。ワンマリオがヒジを見せてきたのでなかなか中に入り込めず、気づいたら5Rが終わっていました」
――山口選手のイメージとしては、勝っても負けてもKO決着が多いですが、判定勝ちだと納得できないものがありますか?
「2015年4月のイノベーションでのテヨン戦で判定負けして以来の判定決着でした。大会終わって小野寺(力)プロデューサーからは『キックボクシングしてたね?』と言われました(苦笑)。本来の自分の戦い方ではありませんでしたね。そして今年初戦では RISE(北井智大戦)でKO負けして、今は勝って負けて勝って負けてが3回続いてます」
――その流れだと今回の水落洋祐戦では勝ちになります。
「そうなんですよ(笑)。勝ちたい気持ちがめちゃくちゃあり、勝てば次につながりますからね」
――次はKO決着間違いなしの水落選手が相手となりました。
「いつかやるだろうと思っていた相手で、話も何度かありましたが全然決まりませんでした。もう今後交わることはないのかなと思っていたらここに来てやるんだなと。水落選手は覚えてないでしょうけど、初めて東京で試合があった時(2012年6月24日、M-1でのSHIGERU 戦)に東京の選手で初めて話しかけてきた選手が水落選手だったんです。そこから水落選手とは何度か話す機会があり、めちゃくちゃいい人という印象があります。いい人なのでリスペクトしているのですが、そういう想いがあるから今回思いっきり倒しにいったろうかなと思ってます」
――ご自身でもバチバチの打ち合いを予想してますか?
「そうですね。第1試合目に選ばれたのでその仕事をキッチリこなしたいと思います。でもバチバチの打ち合いはしたくないので、パンチをもらわないで勝ちたいです。最近もらうと効いてしまうので先に当ててやります。水落選手よりも自分の方がパンチ力があると思うので、当たったら一発で倒せます。自分は当て勘が優れていて、狙っていないのに相手はパンチをもらって、僕の気づかないうちに相手が倒れていることが多く、今回もそうなるんじゃないですか」
間違いなく今回はどっちかが斬られる試合になる
――水落選手は昨年に海人選手と対戦していて、その海人選手とはよく一緒に練習しているんですよね? 海人選手から水落戦に向けてアドバイスはありました?
「アドバイスというか、水落選手は気持ちは強いと言ってましたね。ずっと前にこのカードは決まっていたのに、昨日言われたばかりです(笑)。海人が水落選手をヒジ打ちで流血に追い込んでいたように、ヒジは入りやすそうですよね。ちなみに僕はヒジをもらうことが多く、顔に64針縫ってるんですよ。それでキックボクサーの中では顔に塗った針の数は一番かと思って いて、水落選手のインタビューを読んだら、130針以上縫っているというじゃないですか(笑)。だから間違いなく今回はどっちかが斬られる試合になりますね」
――今回勝ってどういう 1 年にしたいですか?
「とにかく連勝したいですね。今年こそは連勝したると思っていたら、初戦で負けてしまいました。次は絶対に勝ちます」
――今年倒しておきたい選手はいますか?
「僕はあんまりやりたいと思う選手はいないのですが、階級は違ってても契約体重を合わせてチャンヒョン・リーとは以前からやってみたいと思ってました。チャンヒョンはパンチ、ローと全てが強いし、僕と噛み合う試合が出来るんじゃないかと。僕はサウスポーだったり、テクニックのある選手とはやりたくないのですが、チャンヒョンはそうでもないですし。あと、昨年にワンマリオという世界の強豪に勝って世界のベルトが獲れたので、これから防衛戦があれば絶対に守っていきたいですね」