「シン・K-1」というコンセプトを掲げた今大会に武尊が思うこととは
2021年5月23日(日)東京・大田区総合体育館『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN』にて行われる、「K-1 WORLD GP 2021 K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」に出場する橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が、神奈川の所属ジムで公開練習を行った。
公開練習終了後、武尊が囲み取材に応じ、後輩・橋本について語った。
「ヤンチャなんだろうなと思っていたんですよ。それがまた可愛い。イケイケじゃないですか。イケイケだけど、ちょっと抜けているところもあって。可愛いですね」と橋本の印象を話す。
「気が強いと思いますね。スパーをしていても、どれだけやられても目が死なない。強い気持ちを持っているなと思う。そういう“星”を持っているなって感じる選手なので。身体能力とかポテンシャルとは別に格闘家としての星を持っている。それが必要な部分というか、メンタルの強さは鍛えてどうにかなるものではないので、持っている選手だと思う」と、橋本はプロ格闘家に必要な“星”を持っていると評した。
橋本はデビューから順調に進んできたタイプではなく、2019年9月のデビュー戦と12月の2戦目で今回のトーナメントに出場する松本日向を相手に連敗。その後は4連勝を飾るも、「第6代Krushバンタム級王座決定トーナメント」の決勝戦で吉岡ビギンに敗れた。この3敗はいずれも延長戦までもつれ込んでの惜敗だ。
武尊は「そこが成長しないといけない部分。空手をやっていたので顔面への適応もある。空手の接戦では強いけれど、顔面ありだとあと一歩のところ。まだ完成していない状態なので、だからこそノビシロがある。負けたのは神様が与えた試練。まだまだ成長するなと思う」と、逆にノビシロがあると考える。
橋本のいい部分は「アグレッシブなところ。K-1はアグレッシブさが重要になってくる。倒さないと上には上がれない世界。実生の負けは全部判定じゃないですか。判定でとられるなら倒しちゃえばいい。そういう部分をこれからもっとパワーや技術を追及していけば、実生というファイターが完成すると思う。アグレッシブなものは持っているので、あとは倒す。そこが付いてくれば橋本実生が完成する」と、倒せるようになれば完成形になれるとした。
今回のトーナメントに関して、武尊は橋本に特別なアドバイスをしていないという。それは「日々話していることの積み重ね。ビッグマッチだから特に何かをやるわけじゃない。K-1のトーナメントには魔物がいるし、K-1だから輝くという選手もいる。日々の積み重ねが大事です」と地力がモノを言うとする。
橋本に厳しく当たったことはないかとの質問には「僕はそういう接し方をしないんです。スパーや練習で見せる。僕がやっている姿を見せる。ここやったら痛いんだぞ、嫌がるよ、というのをスパーを近くで見ているので、そこで感じてもらえれば。今日のはマススパーですけれど、気持ちは行ってたなと思うし」と、背中で教えるとした。
また、トーナメントで他に気になる選手はいるかと聞くと「Krushのチャンピオンなのでどういう強さを見せるのか気になりますね」と、Krushバンタム級王者・壬生狼一樹の名をあげた。
最後に、原点回帰をテーマにあげている今大会。自身は新生K-1旗揚げ戦にどんな気持ちで臨んでいたかを聞かれると「あの時は自分がK-1を引っ張っていこうではなく、一番目立たなきゃと思っていましたね。自分のために。K-1のためじゃなく。自分の名前を世間に知らしめないといけないと必死になっていました。今回のメンバーはK-1を盛り上げなきゃではなく、この大会で名前を残してやる、目立ってやるって気持ちが集結した方が面白くなる。その気持ちでやって欲しい。責任感を感じずに思い切りやってくれればいいなと思います。そうすれば自然と盛り上がる」と、トーナメントに出場する8人にアドバイスを送った。