第11回岡山ジム主催興行「ZAIMAX MUAYTHAI 2026 supported by NO KICK NO LIFE」2026年7月26日(日)岡山・コンベックス岡山 大展示場
▼メインイベント(第12試合)有限会社トータルプランニングルミナスpresents ZAIMAX MUAYTHAI 63kg級 1dayトーナメント決勝 ワンキャッチワンアタックルール 3分3R延長あり○古河拓実(RIKIX)〔判定3-0]※30-29×2、29-29×髙橋聖人(TRIANGLE)※古河がトーナメント優勝。
いったい誰が鈴木宙樹の代打が優勝すると予想できたであろうか。有限会社トータルプランニングルミナスpresents 63㎏賞金トーナメントは鈴木と同門の古河拓実(RIKIX) が優勝した。
古河は初戦でKINGS CUPS初代スーパーライト級王者の田中陸登(拳狼会)と激突。1Rから左のテンカオとミドルキックで試合のペースを握ったが、続く2R今度は田中がワンツーを軸に反撃に転じた。2Rまでのオープンスコアは1Rの攻勢点が評価され、三者とも古河。3Rになると、シーソーゲームになったが、結局1Rのポイントがモノをいい、古河が3-0の判定勝ちを収めた。
もう一方のブロックの準決勝では浅川大立(マイウェイスピリッツ)と髙橋聖人(TRIANGLE)が激突。実はこのふたり、8年前岡山ジム主催興行のトーナメント決勝で初対決。戦前の予想では「髙橋有利」の声の方が多かったが、浅川は想像を絶するラッシュで髙橋を攻略し、誰もが予想できなかったトーナメント優勝を果たした。
「夢をもう一度」とばかりに再びトーナメントに挑んだ浅川だったが、現在髙橋はRISEフェザー級のトップ戦線で活躍中。今回は1Rから放っていたカウンターのヒザ蹴りで浅川を攻略。3R以降になっても、髙橋の勢いは衰えることなく、ローキックで浅川のバランスを崩す。結局、ジャッジは三者とも30-28のスコアで髙橋の勝利を支持した。3Rが終わってコーナーに戻ってきた浅川は「クソッ!」と悔しそうに呟いた。
決勝は古河と髙橋の一騎討ちに。古河はまだ無名の存在ながら、現SUK WANKINGTHONGスーパーライト級王者。このトーナメント出場まで地道に9勝(8KO)1敗と勝ち星を積み重ねてきた。対照的に髙橋のキャリアは36戦。つまり古河の4倍の戦績を誇る。
髙橋は古河を攻略しようと、1Rから積極的にローで削っていく。負けじと古河はミドルキックや懐に入ってのテンカオ。2R過ぎにはハイキックで髙橋を脅かす。手数では髙橋、一発の破壊力では古河という印象だ。
2Rになっても、激しいシーソーゲームが続く。古河が右のテンカオを決めると、髙橋は右ハイを一閃。2分30秒過ぎになると、髙橋のローが効き始めたのか、古河がやや失速するような場面もあった。
オープンスコアは二名がドローで、1名が髙橋を支持していた(スコアは発表されず)。あとがない古河は身長差を活かしてテンカオを連打。髙橋がやや集中力を欠くような素振りを見せると、セコンドについた2名の兄は見透かしたかのように「集中しろ!」とゲキを送る。中盤になると、古河は自分が勝っていると感じたのか、それとも苦しさの裏返しなのか不敵な微笑を浮かべる。
終盤になると、髙橋の右ボディストレートやミドルでの追い込みが目立っていた。勝負は延長戦という声もあったが、2名のジャッジが30-29で古河の勝利を支持したので、28歳の代打男が優勝賞金50万円を獲得した。
試合後、ヒーローインタビューを受けた古河は「(決勝は)想像以上の激闘になった。(髙橋は)間違いなく過去最強の相手だった。苦しい試合になると予想して練習していたけど、それより遥かにしんどい試合になった。いまは頭が真っ白。ZAIMAX、ありがとう」と大声援に応えていた。
今後の活躍が楽しみな存在だ。
[nextpage]
▼セミファイナル(第11試合)幸輝興業株式会社presents~髙木覚清凱旋試合~73kg契約ワンキャッチワンアタックルール 3分3R○髙木覚清(RIKIX)[判定3-0]※30-29×2、30-28×ファビオ・ボルジェス(ブラジル/ブラジリアン・タイ)
5年前、大志を抱き上京した髙木覚清(RIKIX)が凱旋マッチとして4年ぶりに地元のリングに立ち、ファビオ・ボルチェス(ブラジル)と拳を交わした。
髙木は24年3月にはBigbangミドル級王座を奪取。現在は同王座の防衛を重ねながらRISE同級王座を狙う。そうした活躍は地元岡山のファンにも十分に伝わっている。入場ゲートで髙木が登場する前にはスマホをかざしたファンがごった返した。まさに地元のヒーローの凱旋試合だ。
場内の空気は髙木のKOを期待するムードでいっぱいだった。対するファビオはHOOST CUPでタイトルマッチも経験したことがあり、体には「極真」のタトゥーも彫られていた。そんなブラジリアンファイターを相手に髙木は1Rからジャブと左ミドルで試合を攻勢に進める。ファビオのガードをかいくぐるように放つアッパーも効果的に映った。
1Rの試合の流れを見る限り、髙木のワンサイドゲームになる可能性もあるかと思われた。果たして2Rになると、髙木は必殺技″コケシ″でファビオのバランスを崩し、倒すチャンスを伺う。
しかし、極真出身のファビオはタフ。2R終盤から髙木に対してボディフックを打ち込み続け、試合の流れをたぐり寄せようとする。負けじと髙木もやり返したので、試合が熱戦となるのに時間はかからなかった。
判定は30-29×2、30-28で三者とも髙木を支持したが、ファビオの健闘も光った一戦だった。試合後、マイクを握った髙木は「試合が決まったときから集中してメチャクチャ練習しました。KOしたかったけど、気持ちが前に出すぎた。成長した姿を見せられなかったけど、この試合でまただいぶ成長できると思う」と振り返った。
[nextpage]
▼セミファイナル(第10試合)セントラルグループpresents~special fight~ ワンキャッチワンアタックルール 55㎏契約3分3R○長谷川海翔(誠剛館)[1R 2分45秒 TKO]×河野直次郎(CLIMB GYM)
キッズ時代、岡山ジム主催興行や岡山ジム創始者である在間啓一顧問が立ち上げたスーパーカラテにも出場した長谷川海翔(誠剛館)が参戦。宮﨑を拠点に活動する河野直次郎(CLIMB GYM)と激突した。
聞けば、誠剛館の初代館長(長谷川の叔父である拳剛の父)と在間顧問は兄弟のように仲がよく、生前は「拳剛をよろしく頼む」という言葉さえ残していたという。今回岡山ジムからのオファーに対し、長谷川サイドが快くOKを出したというのも頷ける。
もっとも長谷川はRISEで王座奪取まであと一歩というところまで迫った実力者であるだけに、今回の対戦相手選びも困難を極めた。そうした中、立候補してきたのが河野だった。確かにここで長谷川を食うことができれば、知名度は一気に上がる。
しかし、現実の世界は厳しかった。1R開始早々、長谷川はスピードと手数で河野を圧倒。面白いようにワンツースリーとパンチの連打を決め、ローやミドルでボディや下半身を削っていく。そして右でダウンを奪うや、一気にパンチの連打を畳みかけ、2度めのダウンを奪う。その後も長谷川が連打を放つと、河野はクラッとバランスを崩した直後、ちょっと間を置いてキャンバスに崩れ落ちた。
よほどダメージがあったのだろう。しばらく立ち上がることはできなかった。
試合後、マイクを握った長谷川は「子供の頃、岡山ジムの大会に何度か上がったけど、一度も勝つことができなかった」と吐露。続けて「今日初めて勝って良かった」と話すと、最近急増中といわれる女性ファンから黄色い声援が飛んでいた。
[nextpage]
▼第9試合 ワンキャッチワンアタックルール 55㎏契約3分3R○HIROYUKI(RIKIX)[判定3-0]※30-27×2、30-26×ビョン・ソンジ(韓国/MUYEMARU)
岡山ジム主催興行の常連であるHIROYUKIが登場し、一時は母国の散打代表として活動していたビョン・ソンジ(韓国)と拳を交わした。かつて日本のリングにも上がった経験を持つビョンだったが、この日はいつになくパワフル。1R開始早々、軽量級とは思えぬミドルキックで場内をどよめかせる。
しかし、ちょうど夏休みということで家族を引き連れ岡山入りしたHIROYUKIは子供たちの前で無様な姿を見せるわけにはいかない。明らかに劣勢という流れの中、右クロスをクリーンヒットさせ、逆転のダウンを奪う。こうなったらHIROYUKIのペースになると思いきや、ビョンのスタミナは落ちない。
2Rになると、逆にギアが上がったようなペースで攻め込む。もっとも、この日のHIROYUKIは冷静で、勝負どころではキッチリと返して相手の連打を許さない。結局、30-27(×2)、30-26のスコアでHIROYUKIが勝利を飾った。敗れたとはいえ、ビョンは好戦的なファイターだったので再来日を期待したい。
[nextpage]
▼第8試合 70kg契約 ヒジあり3分3R○馬木樹里(岡山ジム)[判定3-0]※30-25×2、30-24×森本一陽(NEXT LEVEL渋谷)
今年から仕事の都合で岡山を離れ、千葉のモリタキックボクシングジムを練習の拠点とする馬木樹里(岡山ジム)が岡山に凱旋。過去にBigbangとJ-NETWORKでスーパーウェルター級王者になった森本一陽(NEXT LEVEL渋谷)を迎え撃った。
地元でのビッグマッチ、しかも所属ジムの自主興行だけに、この日の馬木は猛ハッスル。1Rから下から上の軌道の左右の縦ヒジを積極的に打っていく。さらにはプロレスラーばりに森本の頭上にヒジ打ちを打ち下ろす場面も。その勢いで左のタテヒジで先制のダウンを奪ったかと思えば、右のミドルキックで2度目のダウンを奪う。
馬木のKO勝ちは時間の問題かと思われたが、2R以降馬木の攻撃のテンポは落ち着いてしまう。もう一度ギアを上げ、3R終盤に右のパンチで3度目のダウンを奪ったが、倒し切るまでには至らなかった。
判定は三者とも大差で馬木を支持し、故郷に錦を飾った。試合後は地元やモリタジムの関係者に感謝の気持ちを述べ、最後はセコンドに就いた2歳の実弟・馬木愛里に「(復帰を)兄ちゃんは待っているけん。ふたりで頑張ろう」と兄弟での快進撃を誓った。
[nextpage]
▼第7試合 ワンキャッチワンアタックルール 65㎏契約3分3R○久保田有哉(TARGET)[判定2-0]※29-28×2、29-29×木村“ケルベロス”颯大(心将塾)
“左ボディの肥後もっこす”久保田有哉(TARGET)が大金星をあげた。過去に城戸康裕や山口兄弟を破っている魔界からやってきた実力派の木村″ケルベロス″颯大(心将塾)からフルマークの判定勝ちを収めたのだ。
最大の勝因は以前から「得意なテクニック」といってはばからない左ボディ。無骨にコツコツとボディパンチを浴びせていくと、木村は徐々に失速。2R以降は完全に試合の主導権を握る形で、ジャブやカウンターのヒザ蹴りで反撃しようと試みるケルベロスの思いを断ち切った。
最近はキッズからキックや空手を始め、プロに転向した時点ですでに完成された選手はひじょうに多い。そういう意味でいうと、久保田は例外。うまさより日々のジムワークで培った必殺技による一点勝負で勝負する、昭和の職人気質というべき風情が漂うキックボクサーだ。2023年3月以降、3年以上白星から見離されていたが、諦めないで続けてきた甲斐があった。
一方、ケルベロスはこれでまさかの3連敗。敗れたことより、2R以降の元気のなさが気になった。スランプ脱出はいつの日になるのか。
[nextpage]
▼エキシビションマッチ 2分2R―石井一成(ウォーワンチャイプロモーション)[勝敗なし]―安本晴翔(橋本道場)
岡山ジム主催興行ならではの夢の対決が実現した。1週間ほど前に石井一成はK-1王座から陥落してしまったので、現役王者対決とはならなかったが、その石井と現役RISE王者の安本晴翔が拳を交わす機会など、ここのリング以外では難しい。
試合時間は2分2ラウンド。ときには激しく蹴り合い、ときにはレフェリーも交えての″しょっきり″もありと、観客をキックボクシングの魅力に引きずり込む力を持ったエキシビションマッチだった。
試合後、リングアナにもっとやりかった?と訊かれると、石井は「レフェリーを倒したかった」と笑顔で振り返ったが、気になる今後についてのコメントはなかった。一方の安本は(予想通り)スピードがすごかった」と石井を評価した。
[nextpage]
▼第6試合 有限会社トータルプランニング ルミナスpresents~ZAIMAX MUAYTHAI 63kg級 1dayトーナメント準決勝戦3分3R※延長あり○古河拓実(RIKIX)[判定3-0] ※30-29×3×田中陸登(拳狼会)※古河が決勝戦に進出。
▼第5試合 有限会社トータルプランニング ルミナスpresents~ZAIMAX MUAYTHAI 63kg級 1dayトーナメント準決勝戦3分3R※延長あり〇髙橋聖人(TRIANGLE)[判定3-0]※30-28×3×浅川大立(マイウェイスピリッツ)※髙橋が決勝戦に進出。
[nextpage]
▼第4試合 75㎏契約 ワンキャッチワンアタックルルール3分3R○坂本隆行(岡山ジム)[1R 3分00秒 TKO]×若林信人(理心塾)
前半4試合のベストバウトといえば、坂本隆行(岡山ジム)と若林信人(理心館)の一騎討ちで決まり。坂本が54歳ならば、若林は57歳。ややもすると、オヤジファイトの範疇に入るマッチメークだったが、倒し倒されの息を呑むクロスゲームとなった。
初ダウンを奪ったのは若林。自ら攻撃を仕掛けるとき、ガードが空く坂本のアゴ目掛けての左クロスが炸裂したのだ。
その倒れ方から判断して勝負はついたと思われたが、カウント8で坂本は立ち上がり、試合続行となった。そのまま若林が勝負をけけると思った刹那、地元の大声援を背に坂本は怒濤の右をクリーンヒット。ダウンを奪い返す。若林は「ダウンじゃない」と主張するものの、この攻防で試合の流れは坂本に傾く。再び右で若林をグラつかせると、さらに右で追い打ちをかけ、2度目のダウンを奪う。こうなると、完全に坂本のペース。さらに右をかぶせ、粘る若林に引導を渡した。
試合後、坂本は「みんな、楽しんでくれました?」「俺って強かった?」と質問を飛ばすたびに大歓声。この日、倉敷は猛暑だったが、それを遥かに凌ぐパッションを見せた。 おそるべき54歳ではないか。
[nextpage]
▼第3試合 56㎏契約 ワンキャッチワンアタックルール3分3R△北山 善(岡山ジム)[ドロー 判定0-1]※29-29×2、28-29△嶋津悠介(RIKIX)
第3試合では北山善VS嶋津悠介(RIKIX)という好カードが組まれた。北山がINNOVATIONフライ級王者になんだ経験があれば、嶋津はデビュー以来6戦全勝(1KO)という期待のルーキーだったからだ。
もっとも前戦で北山は敗れていたので、「嶋津が有利」という声もあったが、北山は主催する岡山ジム所属。地元の友人や親族の大声援を背に、1Rからいつになくシャープな動きを見せる。
嶋津がテンカオを打ってくると、臨機応変に距離をとり、さらに強いプレスをかけていく。2Rになると、北山は場内がどよめくようなバックハンドを見せたりする場面も。対する嶋津もワンツーで揺さぶりをかけ、試合を盛り返す。2Rが終わった時点でオープンスコアは全くのイーブンだった。
3R、嶋津の右で北山が腰を落とせば、嶋津も疲れを見せる場面も。2分過ぎ、北山が右を決めれば、嶋津は声を出しながら応戦する。スコアは2名のジャッジが29-29のドローをつけ、1名のジャッジは29-28で嶋津を支持したので痛み分けに終わった。
近い将来、5Rでの再戦が見てみたいと思わせる激闘だった。
[nextpage]
▼第2試合 62㎏契約 ワンキャッチワンアタックルルール 3分3R△金光凌生(岡山ジム)[ドロー 判定1-1]※29-29、30-29、29-30△TOMO(米子ジム)
▼第1試合 53㎏契約 ワンキャッチワンアタックルール 3分3R○フジモン魂(ナックルズGYM)[判定3-0]※30-28×2、30-29×はると(岡山ジム)
文・布施鋼治