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【UFC】ニック・ディアズ復帰にダナ代表「チャンスを与えたい」チマエフが対戦に名乗り

2021/04/28 14:04
 2021年4月24日(日本時間25日)、米国フロリダ州ジャクソンビルで有観客で開催された「UFC 261」にニック・ディアズ(米国・37)が来場。ダナ・ホワイトUFC代表と復帰戦について話し合ったことを、会見でダナ代表が明かした。すでにカムザット・チマエフ(スウェーデン)、ホルヘ・マスヴィダル(米国)らが、ニック戦に名乗りを挙げている。  1万5千269人の観客を動員し、三大王座戦が行われた「UFC 261」の会見後、ニック・ディアズの来場について、問われたダナ代表は、「ニック・ディアズは試合をしたいと言っていたよ」と、会談を持ったことを明かした。 「ニックは試合をしたがっている。もちろんチャンスを与えたい。どうなるのか見てみよう。彼は私の返答を待っている」  現Bellatorファイターのマーティン・サノ、マネージャーのケビン・ムベンガとともにベテランズ・メモリアル・アリーナを訪れたニック。  ムベンガが「ニック・ディアスはトレーニングを続けている。真っ当な金額、真っ当な対戦相手が確認できれば全てを前進させることができる」と投稿していた通り、この1週間前にもニックは、マイアミのトライアスロンチーム「TRI-2-ONE」のコーチ陣とともに、ランニングやスイミング、自転車トレーニングに励む姿をアップしていた。  1月にダナ代表は、「ニックが本当に戦いたがっているのか、準備ができているようには思えない。ニック・ディアズは多くの戦争をこなし、すべてを手に入れた。彼のインスタグラムを見ていると、なぜ復帰したいのか理解できない」と語っていたが、直に話し、本気度を確認したからか、考えをあらためたようだ。  会見で記者陣から、さっそくニック・ディアズvs.カムザット・チマエフの可能性について問われたダナ代表は、「ノー」と答えたが、MMA9勝無敗・UFC3連勝中のチマエフは、ニックと自身を向かい合わせた写真をアップし、「サプライズだ! 俺はお前との戦いのために行くよ」と対戦を熱望するコメントを記している。 “悪童”ニックの前戦は2015年1月のアンデウソン・シウバ戦。いったんはニックが5R判定負けのコールも、両者が薬物検査で失格したため(ニックはマリファナの陽性反応)、後日ノーコンテストに変更されている。  また、2018年4月には、全米アンチ・ドーピング機関(USADA)に自身の居場所を3回に渡って報告しなかったため、1年間の出場停止処分を受けていた。  2008年から2011年まで11連勝も、2011年10月のBJペン戦以来、勝利から遠ざかっているニック。カーロス・コンディット、ジョルジュ・サンピエール、アンデウソン・シウバ戦ではいずれも判定で競り負けている。そんなニックが、果たしてどこまで力を発揮できるか。 [nextpage] 引退撤回のチマエフ「誰が本当のギャングスターなのか見てみたい」 (C)Zuffa LLC  UFC期待のプロスペクト・チマエフは、MMA Junkieの動画に、「ニック・ディアスと戦いたい。子供の頃から彼の試合を見ていて、今度は彼と戦う。俺にとっては完璧な相手だ。誰が本当のギャングスターなのか見てみたい」と対戦を望んでいる。  新型コロナウイルス感染の後遺症から、一時は引退まで示唆していたチマエフだが、それは、自身のことより、家族のことを考えての発言だったという。 「俺は自分の人生に恐怖を感じたことはない。俺が怖かったのは、母や家族がどうなるのか、ということだった。だから、もうこのスポーツは辞めようと思ったんだ。俺にとっては健康であることの方が重要だった。今、自分は健康だ。父も兄も試合が大好きなんだ。彼らは『戦いたいなら、やろう』と言ってくれた。俺も『もちろん戦いたい。人生の中でずっと戦いたいと思っている。なぜ今ではないのか』と。お金も稼げるし、誰かを助けることもできる。それは俺にとって良いことさ」  完全復調をアピールするチェチェン出身のチマエフは、ニックについて“ギャングスター”ではないと言う。 「ニック・ディアスはレジェンドだ。MMAの世界では誰もが彼を知っている。ただ、実際は彼は良いヤツなのに、まるでギャングスターのように振る舞っている。彼が俺と戦いたいと思えば、いい試合になるだろう。怖がっているかもしれないけどね。  これはMMAであり、スポーツだ。俺は人生でいろんなことを見てきた。ディアスは試合でギャングスターなのかもしれないけど、俺は戦争の中で育った。誰かがギャングスターだなんて、俺にとってはデタラメだ。誰もギャングスターなんかじゃない。チェチェンのギャングはストックトンのギャングよりも上なんだ」。  8月に復帰戦を望むチマエフにダナ代表は、対戦相手の準備が出来ていることを語ったという。  一方で、2019年11月にニックの弟ネイト・ディアスをTKOに下しているホルヘ・マスヴィダルも、ニック復帰の報に名乗りを挙げている。  カマル・ウスマンに敗れたマスヴィダルは、「もしニックが年末に向けて戦いたいと言うなら、俺はここにいるよ。俺が弟にしたことをあまり快く思っていないというインタビューをたくさん聞いてきた。自分の弟のために正しいことをしたいだろう?」  ニック・ディアズはいつ復帰するのか。そして対戦相手はチマエフか、マスヴィダルか、それとも……。
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