2021年4月23日(日本時間24日)、米国ニュージャージー州アトランティックシティのオーシャン・カジノリゾートで「PFL 2021 #1」が開催された。コロナ禍のなか、2020年の活動を停止し、2021年4月からの開幕を決めたPFL。
メインでは、三冠を目指す元WEC&UFC世界ライト級王者のアンソニー・ペティス(米国)が登場。MMA18勝8敗、プロボクシングでも9勝4敗3分の戦績を持つ元UFCファイターの“カシアス”クレイ・コラード(米国)と対戦したが、コラードの上下の打撃にダウンを奪われ、判定負けを喫した。
セミファイナルでは、ライト級で元Bellator&UFCファイターでQUINTETでも来日した足関節王マーチン・ヘルド(ポーランド)が出場。7連勝中、2018&2019年のウィナーでPFL無敗のナタン・シュルト(ブラジル)と対戦し、ヘルドが判定勝ちで接戦を制している。
フェザー級では、NCAAディビジョン1レスラー対決が実現。PFLフェザー級トーナメント2018&2019優勝のランス・パーマー(米国)と、PFLデビューとなるバッバ・ジェンキンス(米国)が対戦。カレッジレスリング時代にパーマーに勝ち越しているジェンキンスが、11連勝中のチーム・アルファメールの強豪パーマーに判定勝ちし、MMA15勝4敗とした。
PFL 2021 #1
米国ニュージャージー州アトランティックシティオーシャン・カジノリゾート
【メインカード】
▼ライト級 5分3R〇クレイ・コラード(米国)[判定3-0] ※29-27×2, 29-28×アンソニー・ペティス(米国)
1R、サウスポー構えから入るペティスにオーソドックス構えのコラードが詰めて右ミドル。左回りのペティスは右ロー。詰めるコラードにペティスは左を返し、センチャインキックで下に。グラウンドに深追いはしないコラードは上から足に蹴り。立ち上がるペティス。
オーソドックス構えに変えて向き合うペティスは右ロー。しかしコラードの左右の右に、スリップか、ペティスは下になる。後ろ蹴りも見せるコラードはガード低く、ジャブから右で前に。そこに右を狙うペティス。コラードは後ろ蹴り、バックフィスト狙い。
2R、ペティスはオーソ構えから右ストレートを伸ばす。詰めて後ろ蹴りはコラード。距離を取るペティスに詰めるコラードは右の三日月蹴り! さらに左右のボディ打ちと腹を狙う。押し戻し跳びヒザ蹴りはペティスもバランスを崩して下に。立ち上がるも詰めるコラードは右! ダウンするペティス。
草刈から立ち上がるペティスに、なおも右ボディ打ちを決めるコラードは上下に打ち分けてラッシュ! 金網背にする場所から出るペティスだが、追うコラードはさらに右の顔面からボディ打ち! ダウンし頭を抱えるペティスだがレフェリーは止めない。亀になるペティスのバックに回り、パウンドのコラード。正対したペティスは鼻血を出しながらガードの中に入れる。スタンド再開。コラードが左ローを当ててゴング。
3R、右ローを当てるペティス。さらに右の前蹴りも、かわすコラードが右ボディ! 身体がくの字に曲がるペティス。追うコラード。ペティスも右足を上げて右ストレート! しかし浅い。右バックフィストを空振りから左の蹴りに繋ぐコラード。ペティスの左の蹴りを掴んでこかすと立ち上がり際に右を当てる。右のバックフィストを返すペティス。
追うコラード4連打から右の蹴りまで繋ぐ。カウンターの右を狙うペティス。コラードは左ボディストレート。腹を狙われることを嫌うペティス。
しかし、コラードの右から左の打ち終わりに、身体を左に傾けて左ハイを当てるペティス! ダウンしたコラードを詰めるペティス。クローズドガードに入れるコラード。その立ち際にバックに回るペティスだが落とされる。前に出て来たコラードになおも左跳びヒザを狙うペティスだが、今度はコラードに撃ち落されてゴング。
判定は3-0(29-27×2, 29-28)でコラードが勝利。2019年4月以降、ボクシングを戦ってきたコラードが2年ぶりのMMAで勝利し、PFL初陣を白星で飾り、3Pを獲得。2020年12月のUFC以来の試合となった“ショータイム”ペティスは終盤に一矢報いたものの、PFLデビュー戦を落とした。
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▼ライト級 5分5R〇マーチン・ヘルド(ポーランド)[判定3-0] ※29-28×3×ナタン・シュルト(ブラジル)
1R、ともにオーソドックス構え。先に右で前に出るヘルド。近距離での打撃を厭わず脇を潜る形になっても組まない。アメリカントップチームのシュルトも右ローを当てるが、ヘルドは左右から右アッパー! 組んでシュルトの頭が下がると首相撲ヒザはヘルド。シュルトは右ローを突く。
回転速く左フックに繋ぐヘルド。右ローから詰めて右で差して押し込むシュルト。体を入れ替え、右で差すヘルドはダブルレッグ狙いも、切って体を入れ替えるシュルト。小手巻き崩して離れるヘルド。クリンチボクシングのヘルドに、下段蹴りを突いて前に出るシュルト。
2R、圧力をかけるシュルト。ヘルドも左ジャブをダブルを返す。右カーフを打つシュルト。さらに右を上下に散らして打つ。右のクロスを狙うヘルド。しかし詰めるシュルトの追い足は止まらず。左で差しての足払いも見せる。
右ストレート、アッパーはヘルド。シュルトの左をかわしてダブルレッグテイクダウン! 足を取りに来たヘルドにすぐに立ち上がるシュルトが左で差して押し込んでヒザを突きゴング。
3R、左ミドル、右ストレートで前に出るシュルト。手数を増やす。ヘルドも左ジャブを返すが、左の蹴りはシュルト。しかし、ヘルドも手数を出し、近づけば右のヒザ蹴りを腹に突く。圧力をかけるシュルト。ヘルドもオーソから左ミドル。鍔迫り合いの打ち合いからワンツーのヘルドに右をヒットさせるシュルト。さらに左ミドル!
少し動きが止まるヘルドを追うシュルト。ヘルドは組みに行くが深追いせず。ジャブを刺して回るヘルド。しかし、シュルトも左ミドル、右ストレートで詰める。右アッパーを入れるヘルド。左ジャブも。しかし、シュルトの左がヒット! 打ち合いのなか、ヘルドは試合中に声を挙げてガッツポーズ。負けじとシュルトもガッツポーズを仕返し、前へ。
接戦の判定は3-0(29-28×3)で僅差ながら3者ともにヘルドを支持。敗れたシュルトは両手を挙げて首を振る。ランス・パーマーに続いてPFL2連覇王者が敗れた。
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▼フェザー級 5分3R〇モヴリッド・ハイブラエフ(ロシア)[判定3-0] ※30-27×3×ラザー・ストヤディノビッチ(米国)
1R、オーソドックス構えのハイブラエフに、サウスポー構えのストヤディノビッチ。じりじり詰めるハイブラエフに、右ジャブで牽制するストヤディノビッチ。ハイブラエフは大きな右を振り、テイクダウン。
ストヤディノビッチは左でオモプラッタ狙い。さらに左で差すが、剥がすハイブラエフがハーフからパウンド。再び左で差すストヤディノビッチだが、左足を手繰りディープハーフガードに左のパウンドを連打するハイブラエフ! さらにハーフのままキムラクラッチを組むが、ストヤディノビッチも凌ぐ。
2R、いきなり詰めてクリンチボクシングから右で足を手繰りテイクダウンはハイブラエフ! 早々に背中を着かせる。背中を見せて立ち上がるストヤディノビッチだが、そのままついていくハイブラエフが再びテイクダウン。下のストヤディノビッチは左右の腕を下から小見川ばりにストレートアームバーに狙うが、難なく外すハイブラエフ。腰を殺して金網まで詰めて細かいパウンド。
3R、左インローから入るストヤディノビッチ。最終ラウンドで圧力をかけるが、さばくハイブラエフはダブルレッグでテイクダウン! ハーフから右で腰を抱き、左手でパウンドする。みたびストレートアームバーを狙うストヤディノビッチだが、外した腕でパウンド連打するハイブラエフが上のままゴング。
判定は3-0(30-27×3)のフルマークでハイブラエフが勝利。MMA戦績を16勝0敗1分とし、3Pを獲得した。
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▼フェザー級 5分3R〇バッバ・ジェンキンス(米国)[判定3-0] ※30-27×3×ランス・パーマー(米国)
1R、ともにサウスポー構え。ジェンキンスの左ローに左ストレートを返すパーマー。ワンツーから左のオーバーハンドを振る。ジェンキンスは跳びヒザを狙う。左カーフキックを当てるパーマーは左回り。追うジェンキンスは左ミドル。
パーマーの左カーフの打ち終わりにシングルレッグに入るジェンキンス。左で小手に巻くパーマーを後方に崩すジェンキンス。すぐに立ち上がるパーマーにバックに回り、リフトし崩すジェンキンス。亀のパーマーにサイドバックからパウンドする。
2R、先に圧力をかけるジェンキンスは右から左で詰める。押し返すパーマーだが鼻を赤くする。左カーフキックをヒットさせるパーマー。さらに左カーフキック! バランスを崩すジェンキンス。右から左で前進するパーマー。さらに左フック!
右で差して組むジェンキンス。ついに脇を潜り、中腰のパーマーに背後からヒザ蹴り。左足はかけさせないパーマーはスイッチ狙いから正対! 離れる。
左のバックキック放つジェンキンス。かわすパーマーも左ロー&ハイ。ブロックするジェンキンスはすぐに右ミドルハイを返す。さらに後ろ蹴りを見せてゴング。
3R、左ローを当てて左に回るパーマー。詰めるジェンキンスはワンツー。パーマーの詰めをさばく。左のスーパーマンパンチを狙うパーマーに、詰めてダブルアンダーで両脇を差すジェンキンス! 頭をつけて押し込むジェンキンスにパーマーのヒザ蹴りが股間に入り、中断。
同じポジションから再開。右で差してボディロックのジェンキンスはリフトしてテイクダウン。すぐに金網背に立つパーマーは左で小手に巻くが、ジェンキンスはボディロックから右足で小外がけで後方にテイクダウン。しかし、捨て身気味になった際で上を取るパーマーががぶり。
ギロチン狙いの動きも、足をかけさせなかったジェンキンス。ならばとパーマーはノーアームギロチンを中腰でかけるが、笑顔のジェンキンスが頭を抜く。後ろ蹴り、右ミドルのジェンキンスを詰めるパーマーだがゴングにジェンキンスは右手を挙げる。
判定は3-0(30-27×3)のフルマークで互いに強みのレスリング、さらに長い打撃でも上回ったジェンキンスが勝利。11連勝中だったパーマーを下し、3Pを獲得した。
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【プレリミナリー】
▼フェザー級 5分3R〇ブレンダン・ラフネーン(英国)[1R 2分55秒 KO]×シェイモン・モラエス(ブラジル)
クリンチボクシングで左右を当てたラフネーンが、金網に詰めると、組みにきたモラエスに右ストレート。モラエスは右足首を残したまま後方に崩れた。1R KOのラフネーンは6Pを獲得。
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▼ライト級 5分3R〇ハウシュ・マンフィオ(ブラジル)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ジョイルトン・ラターバッバ(ブラジル)
▼ライト級 5分3R〇アクメト・アリエフ(ロシア)[判定3-0] ※29-28×3×ミハイル・オジンツォフ(ベラルーシ)※オジンツォフは体重超過で-1P
▼フェザー級 5分3R〇クリス・ウェード(米国)[判定3-0] ※29-28×3×アントニー・ディジー(フランス)
▼フェザー級 5分3R〇タイラー・ダイヤモンド(米国)[判定3-0] ※30-27×3×チョ・ソンビン(韓国)
▼ライト級 5分3R〇アレックス・マルチネス(パラグアイ)[判定2-1] ※29-28, 30-27, 28-29×ロイック・ラジャポフ(タジキスタン)