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インタビュー

【ONE】連勝なるか、中原由貴「自分の中の物差しで成長できる強い相手と戦う」=4月15日(木)朝配信

2021/04/15 00:04
 2021年4月15日(木)、ONE Championshipが米国のTNT(ターナー・ネットワーク・テレビジョン)とジョイントして試合を放送する「ONE on TNT」シリーズ第2週の「ONE on TNT 2」が、ONE Super AppおよびABEMAにて午前9時30分から配信される。  元UFC世界王者のデメトリウス・ジョンソンがアドリアーノ・モライシュにKO負けした前週に続き、今週の大会では、日本の中原由貴(マッハ道場)と、上久保周哉(TRI.H studio/頂柔術)の試合が放送される。  ここでは、中原のインタビューを紹介したい。ONEデビュー戦でエミリオ・ウルティアにTKO勝ち後、2戦目でゲイリー・トノンの足関節に一本負けし、ニューヨークでダナハーシステムを学んできた中原。2020年12月の前戦では、12勝無敗のラスラン・エミルベクを、見事に1R TKOし、ONE戦績を2勝1敗とした。  キルギスの強豪に続き、今回の試合ではモンゴルの強打者を迎え撃つ中原は「やりたくない相手だけど、そういう相手と試合をするのが一番強くなれる」といい、「そろそろ本番でテストしておきたい」という秘策も懐にしのばせ、ONE4戦目に向かう。 どっちかが倒れて盛り上げろっていうカードかもしれませんが、僕は僕の戦い方でフィニッシュします ──シンガポールへの渡航は、前回のラスラン・エミルベク戦に続いて、今回が2回目ですね。ホテルでの生活、コンディションなどいかがでしょうか。 「落ち着いてリラックスする事ができています。身体のコンディションも問題ないです。ホテルでは、試合に関する動きの確認と、頭身体をいつも通りにできるようにしています。映画を観たりリラックスするようにしています」 ――前回の試合で怪我などは? 「前回、実は試合前にちょっと大きな怪我をしてて、そのまま試合をしたんですが、それも4カ月あったので治りました。大丈夫です」 ――ゲイリー・トノン戦を経て、12戦無敗のエミルベクを見事にTKOに下し、感情が爆発していたように感じました。 「勝利の喜びと、ほっとしたというか、やってきたことは間違ってなかったなというのは思いましたね」 ――今回の対戦相手シネチャツガ・ゼルトセトセグとの試合のオファーをもらったとき、率直にどう感じましたか。 「まあ素直にやりたくないなとは思いました(笑)。周りがどういうオッズで有利不利をつけるかは分からないですけど、僕から見たら強い相手が来たなと。打撃という面で、同じ土俵で僕の強みに置いて強いものを持っているので、そこがちょっとやりづらいかなというのはありました。まあでも、そういう相手と試合をするのが一番強くなれるので、2カ月あったので、しっかり準備してきましたし、大丈夫かなと思います」 ――「とにかく強い人とやらせてください」と言いながらも、知名度が高くなくて強い選手が続いているようにも思います。 「僕はあんまり対戦相手を選ばないんですけど、断ったりもしているんです。例えば、名前があっても強くなかったら、僕が強くなれない。名前あるなし関係なく“こいつとはやりたくないな”というところを踏んでいけば、けっこう強くなれるんですよね。  ユン・チャンミン選手とどうか、という話も来たんですけど、僕は、その時点でやるのはタイミングとしては違うと思ったので、やりませんと答えたこともありました。もし彼と戦って、エミベック選手とやったときほど、気持ちを作れたかと言われると分からない。なので、今回の試合も僕はすごく納得しているという言い方もおかしいけど、ありがたいと思っていますね。知名度に関係なく、こういう強い相手を用意してもらえて。僕基準の強さですけど。  僕も30手前になってきて、相手の知名度ではなく、自分の中の物差しで成長できると感じる選手を選んでいきたいんです。だからやりたくない相手ともやる。そういう選択をしていく事がベストだと考えています。いずれ、実力、実績、格闘技界での地位のずべてを持った選手とやるときにキッチリと勝てるように」 ――なるほど。強豪のエミベックに対して見事なカウンターでしたが、あの試合を勝利できたことは、中原選手にとってどんな影響がありましたか。 「評価には繋がったのかなと思うんですけど、まだ苦しい経験をするかなと思ったらしなかったので、経験という面では……たまたま相手の良さが出る前にいいところが出たのかなと思うので、天狗にならずに頑張ろうかなという感じです」 ――とはいえ、試合前にも言っていましたけど、「初めて自信を本当に持って戦える」と。それはどんな部分でそう感じているのでしょうか。 「ベースが上がった気がしますね。自分の平均というか、ムラが無くなったりとか。練習の調子の波が無くなってきたりして、自力が上がったのかなと感じています。それに、相手の良いところを消せる、じゃんけんが出来ることが自分の強みになっているかなと思います」 [nextpage] 僕もシネチャツガに負けないくらいオールラウンドにやれる ――そういう中で、今回のシネチャツガ・ゼルトセトセグですが、さきほど「強みが似ているからやりたくない」と。試合を見る限りまだ未知の部分もありそうですが、あの右のカウンターや身体ごと入るような強打をどう見ていますか。 「まず、良い眼を持っている選手だと思います。パンチをもらわないで自分の攻撃だけを当てることが出来る素晴らしいファイターだなと。オーソからの右のオーバーハンドもそうですが、僕は左のほうがスイッチしてくるので注意しています。でも、結局倒しているのがほとんどパワーハンドと後ろの手ですね。  スーパーマンパンチではないんですけど、前手で打ってくる、あの身体のふりを使ってくる真っ直ぐの突きみたいなパンチもある。あれ以外はもう“ザ・ボクシング”で、モンゴル代表だったとも聞きました。そういった面では、僕より圧倒的なストライカーなのかなとは思ってますね。彼は危険なファイターですが、自分もせっかくファイターをやっているので、危険を冒さないといけない試合を勝ちたい。 僕が相手のパンチで意識が飛ばなければ、倒れなければ、大丈夫かと。勝てると思います」 ――相手は打って組むことも出来る打撃です。そしてかなりトリッキーな試合も見せているので、実際に立ち合ってみないと分からない部分はあると思いますが、先ほど言った「ベースが上がっている」という意味では、中原選手にはまだ見せていない組み技・寝技もあるのではないでしょうか。 「そうですね。まあ、取っておいたものを見せるかもしれないというのと同時に、そろそろ本番でテストしておかないと、いざってときに使えないんじゃないかなとも思ったりしてます」 ――それは、ダナハーシステム、足関節も含まれますか。 「そうですね。トノン戦後はニューヨークに行けたのですが、いまはダナハー先生もプエルトリコに行っちゃったので、今回は指導を受けていないですが、展開によっては仕掛けることもあると思います。トノンからグラップリングスキルを学びましたし、自分の引き出しが増えたなと感じます。あの試合後、ジョン・ダナハーの元へ行ってトレーニンングをさせてもらいましたし、今回の試合でもその学んだことを見せたいと思います」 ――今回、TNTで、アメリカのプライムタイムの夜9時頃に放送されることは、気持ちに変化もありますか。 「北米デビューということで、けっこう単純なんで(笑)、ヘンゾ・グレイシー・アカデミーで学んだことや、ジョン・ダナハー先生から学んだことを皆んなに見てもらいたいですね。たぶん今まで以上に見ている人が多いと思うので、そういうところでしっかり結果は残したいなとは思っています。それに、僕もシネチャツガに負けないくらいオールラウンドにやれるファイターだと思っています。今までは打撃しか見せる機会がなかったのですが、今回は僕のオールラウンドぶりも見せます」 ──いま中原選手にとっての戦うモチベーションになっているものは? 「最近結婚したんです。なので、自分の戦う姿で奥さんとかに良い思いをさせたいです」 ――今回の試合で連勝したら、今後の相手についても聞かれると思います。 「そろそろランカーの誰か。マーティン・ニューイェンが勝つかどうか分からないですけど、彼とやるってなるとまたさらにモチベーションも上がるのかなと。チャンピオンじゃなくなっても、現時点で彼がナンバーワンストライカーだと思うので。キム・ジェウンがどうなるかというのもありますが、ニューイェンの首はターゲットの一つには置いてますね」 ――最後にファンにメッセージをお願いします。 「このオファーを受けたときに、ONE的にはどっちかが倒れて盛り上げろって事だと思っていますが、あまり期待はしないで欲しいです(笑)。僕は僕の戦い方をしますし、この試合の為に新しい自分を用意してきたので、まずはそこを出す事を意識して、しっかりフィニッシュできるようベストを尽くします。15分間、ずっとフィニッシュを狙い続けるので、ちゃんと見ていてください! 判定は無いですね。グラウンドなのかストライキングなのか、いずれにしてもフィニッシュする試合になると思っています。応援よろしくお願いします!」
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