2021年3月5日(金)21時30分からABEMA格闘チャンネルにて、ONE Championship「ONE:FISTS OF FURY 2」が放送。高橋遼伍と中原由貴の2人の日本人選手が登場した。
▼第6試合 ヘビー級(※120.2kg)5分3R×アミル・アリアックバリ(イラン)[1R 1分54秒 KO] ※左フック○カン・ジウォン(韓国)
RIZINで4勝1敗の元グレコローマン・レスリング世界王者アミル・アリアックバリ(イラン)。MMA戦績は10勝1敗で、唯一の黒星は、2016年の大晦日の「RIZIN無差別級トーナメント決勝」でミルコ・クロコップに1R KO負けした試合となる。
2012年のロンドン五輪をドーピング疑惑により出場を断念していたアリアックバリは、RIZIN、ACB・ACAを経て、2019年にUFCと契約したが、その後、破棄となっていた。33歳。
25歳、韓国のジウォンは、MMA4勝無敗。2019年7月にHEATでセルビアのアドナン・アリックにTKO勝ち後、2021年2月にONE初参戦。アリアックバリと同門イランのメフディー・バルギにマウントを奪われるもブリッジで返して1R 逆転のTKO勝ちを収めている。
1R オーソドックス構えのアリアックバリに、サウスポー構えのジウォンはテイクダウンを警戒し、遠間でステップ、左前蹴り、ローを放つ。
前蹴りを放ち、圧力をかけるアリアックバリ。金網に詰めて右フックのダブルをヒット! 左目から出血し、顔をしかめるジウォンはケージを背に。
しかし、追うアリアックバリの右ストレートをかわしてジウォンは左フック! アリアックバリは後方にもんどりうってダウン! すぐにレフェリーが間に入った。
またも、逆転劇を見せたジウォンは試合後、左目を大きな青タンで腫らせながら、「なんて言ったらいいか分からない、幸せです。彼の方が有利で、私が噛ませ犬だということは分かっていました。相手のパンチをスリップしてかわしてカウンターを当てる作戦でした」と、笑顔で語った。
番狂わせを起こしたジウォンは、これでMMA5戦全勝。ONEヘビー級に鳴り物入りでデビューしたアリアックバリを下し、さらに4月15日に今度は柔術世界王者マーカス・“ブシェシャ”・アルメイダのMMAデビュー戦の相手に決定。3度目のアップセットを成し遂げるか!?
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▼第5試合 ヘビー級(※120.2kg)5分3R×アレクサンドル・マチャド(ブラジル)[1R 3分28秒 TKO] ※パウンド○アナトリー・マリキン(ロシア)
2018年2月にアウンラ・ンサンに敗れ、同11月にシュレック関根に2R TKO勝ちしたBJJベースのマチャド。今回は2年3カ月ぶりの試合に臨む。
対する33歳のマリキンは、MMA8勝無敗。フリースタイルレスリングベースでタイガームエタイでも練習、今回がONE初参戦となる。
1R、サウスポー構えのマチャドに、オーソドックス構えから右ストレートで詰めるマリキン。マチャドは右ローから低いシングルレッグに入るが、切ってバックに回るマリキン。立ち上がるマチャドを背後から崩して手を着かせて潰して上に。
左腕を巻き込んで前転しようとするマチャドを潰して、クルスフィックスでヒジを打つマリキン。動けないマチャド。右のパウンド連打とヒジ打ちに、なされるがままのマチャドを見てレフェリーが間に入った。
MMA9戦全勝、ONEデビュー戦を鮮烈TKOで飾ったマリキンは、満面の笑みで「大変だったけどとてもハッピーだよ。ヘビー級でアミルと戦いたい」とアピールした。
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▼第4試合 フェザー級(※70.3kg)5分3R×高橋遼伍(日本)[1R 1分59秒 TKO]○タン・カイ(中国)
2020年11月の前戦で高橋は、4連勝中の新鋭ユン・チャンミンに得意のカーフキックを効かせながら、右アッパーからのラッシュによるKOで勝利。後に王者となるタン・リーに敗れた試合から再起を果たした。今回の相手はONEで3連勝中の強豪タン・カイ。フェザー級戦線で高橋はいかに存在感を示すか。
1R、ともにオーソドックス構え。対峙すると大きなタン・カイ。カーフを警戒しアップライト気味に構えるタン・カイ。左回りに左足を外に置く。しかし、高橋はタイミングを見て右ロー!
いったん慎重な両者に口頭注意の後、遠間からいきなり長いワンツーの右はタン・カイ! 左も振っていた高橋はカウンターでもらいダウン。そこにすかさず追い打ちをかけたタン・カイにレフェリーが間に入った。タン・カイはONE4連勝。高橋はONE2勝2敗となった。
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▼第3試合 フェザー級(※70.3kg)5分3R○中原由貴(日本)[1R 1分30秒 TKO] ※右フック→パウンド×ルスラン・エミベック(キルギス)
PANCRASEフェザー級2位のランカーとして、ONE Championshipに挑戦した中原由貴(マッハ道場)。2019年2月大会でエミリオ・ウルティアとの打撃戦を左ストレートKO勝ちで制したが、5月のゲイリー・トノン(米国)との戦いで、1R 55秒、ヒールフックで一本負けした。
3週間、松葉杖をついた生活後、向かったのは、米国NYでトノンが所属するヘンゾ・グレイシーのジム。そこでジョン・ダナハーコーチから、直に自身が極められたレッグロックシステムを学んだ。一度は辞めようとした現役生活。コロナ禍のなか、気持ちを切り替え、仕事をしながら“張り詰めた練習生活”に戻り、1年7カ月ぶりのマットに向かう。
対戦相手は12勝無敗のルスラン・エミベック(キルギス)。売り出し中の厳しい相手を前に、中原は「格闘技を10年やって、初めて自分で自信を持っている」と語った。
1R、サウスポー構えの中原に、長身のエミベックはオーソドックス構え。階級違いに見える大きなエミベック。ワンツーの右が長い。さらに右の蹴りから右ストレートも。
しかし、かわす中原は飛び込んでの左ストレート! 大きな右オーバーハンドで詰めるエミベックに、中原はさらにカウンターの右! ダウンしたエミベックにすぐさま右の鉄槌、さらに左のパウンドを連打した中原! レフェリーが間に入った。
試合後、ONEリングアナのドミニク・ラウから「スゴイネ」と日本語で感嘆の言葉を受けた中原は、今後について「強いヤツ、とにかく強いヤツとやらせて。しっかり準備して、またみんなに祝ってもらえるように戦います」とさらなる強豪との対戦を希望。
続けて、「関係者の皆さん、この大変なときにありがとうございました。幸せなときを過ごせました」と感謝の言葉でしめた。
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▼第2試合 ムエタイ バンタム級 3分3R○ハン・ズーハオ(中国)[判定3-0]×アダム・ノーイ(アルジェリア)
ハン・ズーハオは散打出身でムエタイを中国で学んでいたが14歳でタイへ移り本場でムエタイを学んだ。ONEには7月27日から参戦し、2019年2月にはONEムエタイ世界バンタム級王座決定戦をノンオーと争ったが判定負け。前戦は2020年10月にモハメド・ビン・マムードを3Rに左ストレートでKOした。また2017年10月には中国で、2月の『DEEP 100』でMMAデビューした雅駿介と対戦し、KO勝ちを収めている。
ノーイは10歳で空手と柔道を学び、その後ムエタイと出会って学校を中退するとタイに移住。タイ・パタヤにあるVenum Training Camp に所属。国際アマチュアムエタイ連盟(IFMA)のムエタイ世界選手権で2度の優勝を飾り、プロではタイのトップ選手相手との対戦や、ルンピニー&ラジャダムナンスタジアムでの試合経験もある。2020年1月のONEでビクター・ピントに判定3-0で勝利した。
1R、オープンフィンガーグローブのケージムエタイ。ともにオーソドックス構え。左右ミドルのノーイに、ハンは圧力をかけて、左右フック。しかしノーイも高い前蹴りを返す。
2R、圧力をかけるハンにケージを背にするノーイ。ともに前蹴り。ハンの左ハイをスウェイで避けるノーイ。互いに右ローの蹴り合いから、右ストレート左の蹴りはハン。さばくノーイは右ミドルを当てる。詰めて左ボディから顔面を叩くハン。しかし、ブロッキングのノーイも反撃。ズーハオは縦ヒジで飛び込む。
3R、ここまで手数はハン。左ミドルの的確な打撃はノーイ。左ミドルを当てるノーイ。ハンの左ハイをスウェイでかわす。詰めるハン。しかし左に回りながら左ミドルを当てるノーイ。蹴り足をつかんでのこかしも。
ジャブかわしワンツーを当てるハン。ブロックするノーイをさらに詰めるもゴング。さばいたのはノーイだが、判定は3-0でハンが勝利。ムエタイ的にコントロールしたノーイはコールに信じられない、という表情で両手で顔を覆った。
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▼第1試合 バンタム級(※65.8kg)5分3R○マーク・フェアテックス・アベラルド(ニュージーランド / フィリピン)[2R 3分20秒 TKO] ※右ヒジ×エミリオ・ウルティア(米国)
2019年2月に竹中大地をヒジで切り裂きドクターストップに追い込んだアベラルド。次戦で佐藤将光には敗れたものの、アイデン・ジュメイに判定勝ちで再起。しかし、ここ2試合はトロイ・ウォーセン、ファブリシオ・アンドラージと強豪相手に敗れている。
対するウルティアは、2018年1月にブルーノ・プッチにTKO勝ちも、マラット・ガフロフ、リ・カイウェン、中原由貴相手に3連敗中だ。
1R、たがいにオーソドックス構え、ともに右のカーフキック、ローキックを打ち合い、ウルティアは素早く出入り。右ローを当てて今度は上に、右フックを当てたアベラルドは金網に詰めて右ヒジを連打! ウルティアはゴングに救われる。
2R、右フック、左ミドルで前に行くアベラルド。ウルティアは低いシングルレッグに入るが、切るアベラルド。ウルティアはなおもダブルレッグダイブも切られる。飛び込んでの前手の左フック、ジャブを当てるアベラルド。ウルティアもその入りに左右をまとめる。
左ジャブで踏み込むウルティア、そこにアベラルドは遠間から縦ヒジで飛び込み! 両者ともに倒れるが、ヒットさせたのはアベラルド。見事、ジャンプするような飛び込むヒジ打ちをカウンターで当てて、その勢いのまま前に倒れてしまったが、すぐに立ち上がり、飛び掛かったところでレフェリーが間に入った。