▼第1試合 女子アトム級 5分3R
○ビクトリア・リー(シンガポール/米国)51.75kg
[2R 1分03秒 リアネイキドチョーク]
×スニーサ・スリセン(タイ)52.20kg
ONE女子世界アトム級王者のアンジェラ・リーと、同ライト級王者クリスチャン・リーの妹、ヴィクトリア・リー(シンガポール/米国)がMMA(総合格闘技)プロデビュー戦に臨む。MMA4勝1敗のスニーサ・スリセン(タイ)と女子アトム級で対戦する。
ヴィクトリアは2020年9月、ONEと16歳で契約して注目を集めた。今大会でいよいよ、兄と姉の輝かしい足跡をたどるべく、プロMMAのキャリアをスタートさせる。
父ケンと母ジュエルズもまた格闘家だ。テコンドーをバックボーンに、護身をベースとしたトータルディフェンスシステム(TDS)を考案し、ユナイテッドMMAを設立した両親、そして姉兄、弟(エイドリアン・リー)とともに、9歳でキッズMMAで頭角を現したビクトリアは、これまでにパンクラチオン・ジュニア世界チャンピオンに2度、2019年にハワイ州レスリングチャンピオン、2019年IMMAFジュニア世界チャンピオンに輝いている。加えて、NAGA(北米グラップリング協会)ではキッズクラスから15度の優勝トロフィーを手にしている。
今回の対戦相手スニーサ・スリセン(写真右)は、タイ中部のチョンブリー県在住。タイ柔道王者でMMA4勝1敗。「Full Metal Dojo」で3勝後、2020年7月にONEでスタンプ・フェアテックスのMMA5戦目の相手に抜擢されるも1R TKO負け。しかし、2020年9月にはリカ・イシゲに判定勝ちを収めている。
世界チャンピオンの血統を受け継ぐヴィクトリアだが、このONE初戦を乗り切れるか、それともスリセンが世界の舞台で戦う厳しさを思い知らせるか?
16歳のヴィクトリアと20歳のスリセン。ヴィクトリアはコールに目を瞑り、両手を前に深く呼吸をする。
1R、身長差11cm、ともにオーソドックス構え。先に中央に勢いよく飛び出し、長い左右を突くヴィクトリアに、大きな右を返すスリセン。
がぶりから立つスリセンに左で差すヴィクトリアに、首投げはスリセン! しかし、ヴィクトリアは下から腕十字狙いに。離れるスリセン。
スタンドから再び左で差すヴィクトリア。今度は投げられないよう前方に崩したヴィクトリアは、バックを奪い亀になるスリセンの背後から両足をかける。両脇で腕をつかむスリセン。
身体を伸ばすヴィクトリアだが、首を守るスリセン。ヴィクトリアはパウンド連打に変えるが、リアネイキドチョークは凌ぐ。
2R、左ジャブから突くヴィクトリアは詰めて首相撲ヒザの打ち合い。脇を潜りバックを奪ったヴィクトリアはは、バックから外掛けでテイクダウン。今度は首下にしっかり腕を巻き、スリセンの身体を伸ばして、リアネイキドチョークを極めてタップを奪った。勝利もヴィクトリアに笑顔は無し。
試合後、ヴィクトリアは「1Rでフィニッシュしたかったけど、出来なくて父がアドバイスをくれた。ごめんなさい。質問を忘れちゃいました(苦笑)。そう、最後はしっかりベースを作ってから絞めるようにしました」と初々しく、デビュー戦を語ると、マット上で父ケンさんとハグし、笑顔。ともに記念撮影に収まった。