早くタイトルマッチまで行きたい
――田上選手、まだ10代ですよね。今回の大会は10代・20代の選手が多いので、まだフルタイムファイターではない選手がほとんどです。田上選手は、19歳でプロファイターで、ほかにも仕事をされているのですか。
「お父さんが現場仕事をしていて、そこに一緒に行かせてもらってます」
――どんな現場仕事が多いのですか。
「父が重量鳶で、重たいタンクをレッカーで吊ったりするんですけど、それを吊るまでの玉掛けとか、そういう段取りをします。足場もたまにやったりとか、自分も鳶をやったりもしますね」
――重量鳶は専門性が高いでしょうし、現場仕事は常に危険が伴いますね。仕事を終えてからジムに入るのは何時頃ですか。
「僕はいつも大体夜8時過ぎくらいからジムで練習を始めて、10時くらいまではやっていますね」
――朝は何時からなんですか?
「朝はバラバラなんですけど、基本6時には動いています。ゆっくりな日でも7時には起きてますね」
――ハードな日常ですね。今回の大会テーマが「Young Guns」で、若くて有望な選手が集まります。その大会に抜擢されたことについてはどう感じていますか。
「今回、まず大会が開催されることを聞いて、すぐにやらせてもらいたいなと思いました。オファーがあって素直に嬉しかったですし、ここは絶対に勝ちたいなと思いました。試合順を聞いたら、1試合目でやらせてもらえると聞いて、1試合目らしい元気な試合を見せていきたいなと思います」
――及川道場で一緒だった有井渚海選手も、ルールは違えど、同じ大会に出ることについては、どんな思いがありますか。
「僕が及川道場を辞めるまで、ずっと一緒に、最初から最後まで練習してました。それに、去年の試合前の10月、11月あたり、2カ月間くらい、及川道場に打撃の出稽古に行かせてもらってましたし、同じ大会に出ることについては……いろいろ、です。嬉しい気持ちもあるし、負けたくないという気持ちもあります」
――BLOWSからは、長田拓也選手、岩本達彦選手も出場します。ほかにも強豪選手が揃うBLOWSでの練習はどんな選手と組むことが多いのでしょうか。
「長田選手とは体格差もあるので、そんなしょっちゅうということでもないんですけど、たまに寝技も打撃も、スパーリング一緒に練習させてもらったりはしてます。体格的には、西村(大地)さんとか福島(秀和)さんとも組ませていただきますし、やっぱいろいろな先輩を見てきていて、強い選手もおるし、技術のうまい選手もいて真似したいというか、その取り組み方も見習いたい先輩はいっぱいいます」
――今回の対戦相手のリトル選手のビデオもある程度見ていると思いますが、率直にどんな印象を持っていますか。
「けっこうオールラウンダーで、寝技も打撃もケージ際もけっこうできる選手やなと思いました。気の抜けない、少し今までとは違うタイプなのかなと思います」
――オールラウンダーではあるけれど、振ってくるときは振ってくる。そしてレスリングもやりこんでいるベテランです。
「試合の映像も見させてもらったんですけど、僕のほうが打撃をうまいこと当てて、カウンターも狙えるかなとは思います。レスリングは、対処ができるほどの練習をずっと積み重ねてきてるので、今までみたいにめっちゃ焦ることはないと思います」
――元々修斗から現在はPANCRASEを主戦場にMMAで20戦を戦っています。他団体の選手と対戦することを意識したりもしますか。
「あんまりPANCRASEだからって何かという意識とかはないです。どこの団体の選手でも負けられへんというのは同じなので、やることは一緒かなと思ってます」
――現在、修斗世界フライ級ランキング7位。今後、上位ランカーと戦うためにも負けられない試合になると思います。この試合を通してどんな目標を描いていますか。
「今回の試合の目標は、一番目立つような試合でもちろん勝って、試合が終わったときには、みんなに僕の名前を覚えてもらえるような試合をしたいなとは思っています。今年の目標は、どの大会に出させてもらえるか分からないですけど、修斗で、まず僕より強いランカーの選手とやらせてもらって、早くタイトルマッチまでいけたらいいなと思ってます」
――上位ランカーで気になる選手は?
「ランカーで気になる選手は、黒澤亮平選手(5位)、それに本田(良介)選手とは今年中にやって勝ちたいと思っていましたが……」
――本田選手は3月のDEEP TOKYO参戦が発表されました。
「そうですね、DEEPに行っちゃいましたね。なので、黒澤選手と一番、対戦したいです。いま修斗で僕より上のランカー選手で、元チャンピオンの黒澤選手に勝てたら自信つくだろうと、自分自身は感じています。MMAのストライカー同士として、負けられへんというのもあります」
――今回は大会名が「Road to ONE」で、ONEのルールが採用されることについてはどう考えていますか。
「グラウンドでヒザありのルールは、ONEに出ることを考えたら、しっかりと戦えるようにしたいです。ストロー級で上位に勝っていって、早く修斗のチャンピオンになって、ONEに行きたい。ONEでどこまで行けるのかを自分でも試したいです」
――ONE Championship本戦で活躍中の平田樹選手が全面に押し出された大会です。自分にも注目してくれ、という思いもありますか。
「正直ありますね。平田樹選手がだいたいどの記事を見ても書かれてて、悔しいなというのはあるんですけど、試合が終わったら、『田上こゆる、あいつヤバかったな』って一番話題に出させてもらえるような試合をしたいなと思っています!」