榊原CEO「ムサエフは準備万端」
【写真】松濤館空手出身の世界王者“生きる伝説”ラファエル・アガイエフとムサエフ
一方で、久米鷹介(ALIVE)と武田光司(BRAVE)によるDEEPとPANCRASEの現ライト級王者同士による対戦も同会見で発表された。この試合は、2020年9月から組まれている「日本ライト級王者決定戦」的な意味合いを持つカードだ。
9月大会で、元DEEP王者の北岡悟(※2月21日「DEEP100」で大原樹里と対戦)をスプリット判定で下した35歳の久米は、会見で「自分ももうキャリアの集大成に入ると思ってこういう勝負、強い選手と戦うためにRIZINに来ました。今回、DEEPの現役チャンピオンの武田選手と戦わせていただけるということで、PANCRASEのチャンピオンとして、しっかり強さを発揮できると思います」と語る。
また、2012年2月の「修斗 SHOOTO GIG CENTRAL Vol.24」のシェーン・ネルソン戦(リアネイキドチョークで一本勝ち)以来、9年ぶりとなるホームでの試合に、「地元の名古屋で自分の強い姿、今まで築き上げてきたものを、今まで支えてくださった方々に見せられるように、全力で感謝の気持ちを込めて戦います」と、意気込みをみせた。
同じく9月大会で、修斗世界王者の川名雄生(Y&K MMA ACADEMY)をスプリット判定で下した現DEEP王者の武田は、「DEEPのチャンピオンの方が(PANCRASE王者より)強いぞってことを証明できればなと思っています。あと前回、前々回(ダミアン・ブラウンに判定負け)と、僕はRIZIN参戦は3回目ですが、まだ自分の実力を全部出しきれていないので、今回は勝ち負けよりも内容が問われる試合だと思っているので、自分の全部の力を出し切って勝てればなと思っています」と、久米戦に向け、全力を出し切った内容で勝ちたいとした。
さらに、「日焼けサロンのスポンサーも待っている」という武田は、「ファンの皆が僕のことを『老けている』とか『35歳だ』と言っていたのですが、僕はまだ25歳なので、それも覚えてもらえればなと思っています」と、イキの良さをアピールした。
サトシとムサエフのタイトルマッチを4月大会のプランに挙げる榊原CEOだが、ライト級戦線のニューカマーや、実力者たちの存在も無視できないところだ。
特に、現ライト級キング・オブ・パンクラシストの久米は、PANCRASE時代に徳留に2度勝利し、2019年10月のONEでは当時の修斗世界王者・松本光史にも判定勝ちを収めている。プロ入り以来、敗戦はブラウン戦のみで12戦11勝1敗の戦績を誇る武田を下せば、王座戦に名乗りを挙げてくるだろう。
「キャリアの集大成に入る」という久米にとって、ダロン・クルックシャンク、ダミアン・ブラウン、ジョニー・ケース、パトリッキー・フレイレに勝利しているムサエフとの試合は、「強い選手と戦うために来た」というRIZIN参戦の高いモチベーションとなっている。
果たして、ムサエフとの「王座決定戦」に臨むのはどのライト級ファイターになるか。榊原CEOは、「ムサエフは準備万端で、3月も彼はスタンバイはしていたので、入国できれば……。(3月7日に緊急事態宣言が)明けてくれば、また状況も変わるでしょう。返す返すも日本の方向性による」と、4月東京大会の展望を語っている。