悲願であったベルトを肩に会見に出席した加藤
2021年1月23日(土)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.121』の一夜明け会見が、24日(日)都内にて行われた。
メインイベント(第7試合)のKrushウェルター級タイトルマッチで、山際和希(谷山ジム)を判定3-0(30-26×2、30-27)で破り、第8代王座に就いた加藤虎於奈(TEAM TOP ZEROS)が会見に出席。前夜の試合を振り返った。
「昨日の試合は1Rから強いミドルキックをもらってヒジが腫れて。ローキックも試合中は効いた感なかったんですが試合が終わってから痛みました。終わってみればあっという間ではありました」と加藤。
戦前には山際が「これまでと違うスタイルで行く」と宣言していたが、「ずっと試合を見ていたんですが、その前の煽りVも見ていて『メインでガツガツ攻める』って言ってそんなに攻めてなかったので、今回もあまり攻めてこないと考えていて。その中であの戦い方をしたって感じでした」と意識はしていなかったという。
「もっと本当は違う作戦で戦おうと思っていたんですが、ローを蹴った時にカーフキックっぽくなって“これいける”と思って。山際選手のバランスが崩れて、組み立てがラクになりました。試合も支配できた」と、カーフキックで流れをつかんだとする。
しかし、この試合のためにカーフキックを練習していたのかと聞かれると「してないです(笑)。思い付きで蹴ったら足が潰れてくれたので蹴りました。僕は相手によって戦い方を変えるので今後も使うか分かりませんが、ひとつの武器にはなるのかなと思います」と、最初から考えていたものではなかったと明かした。
悲願であったベルトを手にして「朝起きた時に『夢かな』と思ったくらい嬉しくて。歴代王者が凄い人ばかりなので負けられないですね。ベルトは獲るのが一番の目標で、今回は守りに入った部分がありましたが、次から防衛しないといけないけれど失ってもいいと思っています。絶対に倒しに行く王者になりたいので、その覚悟でこのベルトと共に歩んでいければと思います」と、倒しに行って負けたら仕方がないというような戦い方をしたいとする。
リング上では2020年11月に対戦し、加藤の反則勝ちとなっている松岡力(K-1ジム五反田チームキングス)との決着戦を防衛戦でやりたいと発言。
「前回の試合で不完全燃焼で終わったので。松岡選手も俺と戦って引退したいと言っていたので、倒して終わらせてあげようと思います」と、決着をつけて引導を渡したいと話す。
同じくリング上では、12月末に右肩を脱臼していたことも告白。これについては「12月27日くらいに脱臼して腕が痛くて動かせなくて、(三角巾で)吊るした状態で3~4日いました。1月2日に取材を入れてくれていたので、その時に三角巾を外してストレートを打ち始めたんですが、外れなくてよかったと思います」と、いつまた脱臼するか分からない恐怖との戦いもあった。
勝った瞬間の号泣は「純粋に嬉しかったですね。兄弟で王者になれて。(セコンドの)兄ちゃん(Krushスーパー・フェザー級王者レオナ・ペタス)の顔を見て嬉しくて、ベルトを巻いてもらってもっと実感出てきて」と、嬉しさ100%の男泣きだったようだ。
試合前にはレオナから「TEAM TOP ZEROSで虎於奈だけベルトを持っていない」(もう1人のプロ選手、松山勇汰はK-1甲子園2020 -60kg王者)とのプレッシャーをかけられており、「格差が凄いので(笑)。チャンピオンじゃないと周りからの評判もアレなので、チャンピオンになれて横に並べたのはよかったかなと思います」と胸をなでおろす。
本来ならこの日は、レオナと武尊がK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級タイトルマッチで戦うはずだったが、代々木大会が延期。当初は2日連続メインイベントで兄弟が勝ち、“加藤兄弟の日”にすると目論んでいた。
「でも終わってみると2日連続はキツかったのかなと思って。兄ちゃんがセコンドに就いてくれていましたが、もし今日試合だったら就いてくれていなくて。セコンドが今回勇汰とトレーナーしかいなくて不安な状態だったんですけれど、延期になって兄ちゃんが就いてくれて心強かったですね。次の(兄の)試合がいつになるか分からないけれど、そこにはつなげられたと思っています」と、延期になったことがプラスになった部分もあるとした。
そして、最後には「このベルトと共に成長して、守りたいけれど守りには入らずどんどん倒していって上の選手に噛みついて、これからもずっと挑戦者でいたいです」との決意を語った。