太田忍「全然、大丈夫だろう、と思ったところから、一気に極められてしまった」
──試合後の率直な感想をお聞かせください。
「うーん、思ってた以上にと言うか、思っていた通り、所選手のグラップリング能力は素晴らしかったです。僕はその対策はしていたつもりですが、最後はそこで分かっていても獲られてしまったので、本当に所選手が上手だったな、強かったなという印象です。また、本当に悔しいので、僕はまだまだこれから、今回デビュー戦ですし、ここから、この悔しい気持ちを持って、どんどん上を目指していきたいと思っているので、また頑張りたいと思っています」
──始めてのRIZINのリングはどんな印象でしたか?
「歓声もすごいですし、演出も凄いですし、僕は初めてRIZINを見た時に、この舞台でやれたら凄い気持ちいいだろうなという風に思ったのがあったので、その通りの会場でしたし、またコロナウイルスの関係で入場制限されているにも関わらず、ほんとうに熱のある会場だったので、プロの試合だなという印象でした」
──テイクダウンを取る太田選手に、所選手の下からの腕十字はある程度、予測していたと思いますが、予想以上だったことは?
「予想はしていましたし、三角か腕十字か、それを嫌がっての足関節は、予想していた通りの攻撃だったんですけど、実は極められたときも上からもずっとプレッシャーかけていたし、そこまで極まらないだろうと思ってたんですけど、そこからの作り方というか、僕が思っていた以上に“全然、大丈夫だろう”と思ったところから、一気に極められてしまったので、そこの速さとか、上手さっていうのは、長年やってこられた所さんの技術なんだなという風に今、少し時間が経って思っています」
──それをスラムで返すというのは考えていた?
「最初はしっかりゆっくりプレッシャーをかけて、ヒジを抜いて極めさせないように、っていうような作戦でありましたし、危険になったら立ってローを蹴る、っていう作戦だったんですけど、思ったよりスタンド(ブレーク)が早くて、もうすこし時間を取ってくれたら、僕のリズムで出来たかかなと思うんですけど、全部“ここから”というときに『スタンド』がかかってしまったのが、僕のなかの作戦を狂わせてしまったところかなと思うので、今後はそこを理解した上でやっていかないといけないんじゃないかなと思います」
──当初の作戦としてはどんな組み立てを考えていましたか。
「自分の作戦としては、テイクダウンしたら、危険な体勢にはならないっていう。相手が引きこんできたらしっかり体を起こして、立ってもいいからローを蹴りつつ──それで僕がアクションをしていれば、スタンドになるとは思っていなかったので──そこで行けるときに行くっていう、それでずっと試合が流れると思ってたので。そこで僕のリズムが作れて、自分に優勢な試合になると思ってたので、そこでスタンドになってしまったのはひとつの誤算でしたし、もっと僕がガンガン行かなければいけなかったのですが。そういう危険を冒さない、相手の得意な状況に入らせない、なおかつ、自分がローであったりを打っていくっていう、判定でもいいから勝つという試合を想定してました」
──フィニッシュは、太田選手が右を振り、ヒザをつかんでのテイクダウンでしたが、警戒しながらも腕十字を取られたのは相手の作りが速かった?
「押さえてたときに、僕は極められるとは思っていなかったですし、全然まだ体力的にも余裕がありましたし、ポジション的にもそこまで不利な態勢だと思っていなかったけど、そこからちょっとズラされたときの極めが、すごく速くて、プロフェッショナルだったという風に思ってます」
──ご自身でMMAファイターとしての可能性はどのように感じましたか。
「自分で思うのは、のびしろしかないですし、言ったら本当にMMAをするって決めてから、やったキャリアしか僕はないですし、MMAだったら始めたばかりの子供とも変わらないキャリアなので。のびしろしかないと思うので、得意なところは活かしつつ、足りないところは補いつつ、試合の作り方、戦い方、戦術等を含めてやっていけたら、自分はまだまだ上にいける存在だと思っているので、自分を信じてトレーニングを積んでいきたいと思っています」
──今後の展望を教えて下さい。
「まず、ヒジ、ちょっと無理してしまって、怪我じゃないですけど痛めてしまったので、それをしっかり治して、また自分に足りないものしっかり補って強くなれれば良いんじゃないかなっていう風に思います。
試合後、所さんに挨拶に行って『グラップリング、寝技など教えて下さい』と言ったら『是非、来てください』と言ってくれたので、お願いして、貪欲に、自分が強くなることだけを考えてやっていきたいと思います」
──「所選手のところに練習に行きたい」という言葉もありましたが、リベンジしたい気持ちもありますか。
「リベンジしたい気持ちはありますけど、また組んでくれるか分かんないですし、それは、運営側のアレなので僕は何とも言えないですけど、まあ負けたので、つぎやったときは絶対負けたくないという気持ちはありますし、もっと進化した自分を見せることが出来て、勝つことができたらいいと思っています。もし再戦することがあったら」
試合終わって初めて自分の試合しっかり観たけど、、、
— Shinobu ota 太田 忍 (@Shinobu63no_1) January 4, 2021
タップしてから試合が止まるまでに体感で3秒くらいあったもんな。
そりゃ靭帯切れるわ。
怪我しない為のタップだったのに。